労使交渉その後情報

ちょっとNHLの労使交渉情報をおさぼりしてしまったので、ここで最近の動きについてのお知らせを。といっても、状況は膠着状態からさらに悪化しつつあるというわけで、なんら好転しておりません(泣)。

まず3月21日から3日間、NHLPAはカリフォルニア州ペブルビーチにて「秘密会合」を実施しました。「秘密会合」というのは、メディアをシャットアウトし、一切開催場所についても公表されなかったから。かの「2.19事件(詳しくはこちらでチェックしてください)」で学んだ教訓でしょうか。NHLもPAも、メディアに情報を漏らすことで交渉に混乱をきたしたり、交渉を不利に持ち込まれないように、最近は非常に過敏になっているのです。そんな中、この会合の参加者からの電話の着信通知がペブルビーチの宿泊施設だったことから、やっとメディアは会合の開催地を察知することができたんだそうです。

会合出席者はトレバー・リンデン、ビル・ゲリン、ビンセント・ダンフース、ボブ・ブグナー、アルツールズ・イルベ、トレント・クラットら、NHLPA幹部の面々。さらにPAトップのボブ・グッドナウ、シニアディレクターのテッド・サスキン、その他顧問弁護士らも出席していたとか。しかし先にも触れた通り、厳しい箝口令もあって、その会合内容はほとんど伝わってきておりません。

そうこうしてるうちに、今度は「NHLが、NHLPAを不当とし、米・連邦労働関係評議会に提訴(3月25日)」というニュースが舞い込んできました。

NHLの争点は、NHLPAが「代理選手として出場する用意のある選手には、ロックアウト中にPAから選手へ支給された手当(月額5000〜1万ドル)を返却してもらう」との方策を講じており、これが不当労働行為にあたるというものだそう。まあ、この提訴によって交渉を有利に運ぼうという戦略なのかも知れませんが、もしこの話が真面目に法廷に持ち込まれることになってしまうと、その判決が下るまでに長い期間を要することになってしまうそうです(そのあたりは以前にも触れていますので、こちらをご参照下さい)。そんな流れで来季まで労使紛争が食い込むようになったら、もう最悪のシナリオ。それだけは、なんとか回避して欲しいと思います。

またその前日の3月24日、NHLはオタワでのドラフト(6月25、26日予定)の順延を決定しました。ドラフト開催には膨大な数のホテル予約(約4000室)が必要になるのですが、その予約を宙ぶらりんにするわけにもいかず・・・ってことで、NHLは順延を早期に決定した模様です。

順延というのは、完全に中止ではないということ。ということは、もし近い将来に労使協定が整えば、オタワでの縮小版ドラフトを開催することも可能なんだそうで。例えば、2巡目までオタワでの指名を実施し、残りの指名は電話会議にて実施するという案があるんだとか。逆に2005年ドラフトが完全に中止となった場合には、オタワは2008年までのうちいずれかの開催権を有することになっているそうです。ただ2006、2007年ドラフトはすでに開催地が内定済といわれているので、2008年開催が有力視されています。

ドラフトが完全中止となると、NHLでは1963年にモントリオールのクイーンエリザベスホテルで第1回アマチュアドラフトが開催されて以来、史上初となってしまうそうです。そうなると気になるのは、すでにカナダではスーパースター扱いのジュニア選手、シドニー・クロズビーの処遇。クロズビーの代理人パット・ブリッソンは「これで彼が制約なしFAになるのなら理想的」と語っているそうですが、NHLナンバー2のビル・デイリーは「クロズビーが制約なしFA宣言をすることはできないし、CBAが整っていない限りどのチームも彼と契約に至ることはできない」と明言。クロズビー本人はWHA加入もほのめかしてはいたのですけどね・・・NHL契約がダメならAHLチームに加入させたらどうか? という意見も巷にはあるようです。

「NHLPA秘密会議」のニュースを原文で読む
「NHL、NHLPAを提訴」のニュースを原文で読む
「ドラフト順延」のニュースを原文で読む

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by hockeyworldjapan | 2005-03-29 10:49 | CBA


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