先日お伝えしたように、司法取引を進めてさっさと有罪宣言をしたトッド・バーツッジ。次のステップであるNHL復帰への根回しを、早くも彼の代理人が着手したようです。
トッド・バーツッジの代理人パット・モリスは、試合復帰を求めてベットマンコミッショナーとの会見を要求。NHL側は「PAからの反対がない限り、コミッショナーはミーティングに応じる用意がある」と回答したそうです。PA側もバーツッジを支援する予定とみられています。 ロックアウトで開幕していないNHL側から試合復帰OKが出れば、次のバーツッジ陣営の動きとしては、今季中にヨーロッパでプレーすることを模索することでしょう。しかしそれには国際アイスホッケー連盟(IIHF)からの承認を得ることが必要。その承認作業は、1月14日欧州クラブ選手権@ロシアで13人のIIHF評議員からの投票いかんにかかっているそうです。 現在の状況では、バーツッジはNHL出場停止処分下にあることから、IIHFからヨーロッパでのプレーも禁止されています。ただし、NHLでの試合復帰が認められれば、ヨーロッパのでプレーが許可される可能性があり、その後はスイスのチームに加わることが予想されています。当初はカナックスでのチームメートであるマーカス・ナズランド(現在はWHLバンクーバー・ジャイアンツの練習に参加中)とともに、スウェーデン・エリートリーグのモドに加入が予測されていました。が、現在スウェーデンではヨーロッパ以外の外国人選手は2名までと限定されており、モドにはすでにブライアン・ミュアー、ダン・ハイノートの2人が加入しているため、バーツッジのための空きはないものと見られています。ヨーロッパでプレーするための移籍申請期限は1月31日。時間的には十分余裕があると言えるでしょう。 しかし、北米リーグで出場停止、もしくは追放処分にあった場合にも、ヨーロッパでは「別口扱い」ということで、加入が認められるケースもあるようです。昨季AHLにてスティックで相手に重傷を負わせたロシア人選手アレクサンダー・ペレジョギンは現在AHLでは出場停止中にもかかわらず、今季ロシア・スーパーリーグでのプレーが認められています。また少年への性的虐待でカナダからコーチとして追放されているグラハム・ジェームズも、スペインで短期間コーチを務めていた実例があるようです。 ただし、バーツッジ陣営にとっても、まだムーア側が民事裁判に持ち込む可能性が残っており、事態が100%解決したわけではありません。NHLとしては、そもそも「ホッケー界で起こった事件は内部解決を」とのスタンスを有していたので、刑事裁判が早々に片付いたことでほっとしていると思いますが、今回のバーツッジの出場資格についての対応いかんによっては、CBA関連の世論の動きにも影響しかねない問題に発展するかも知れません。今後の動きも予断を許しません。 関連記事:トロントスター紙の原文を読む
by hockeyworldjapan
| 2004-12-31 19:08
| NHL overall
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