まずは、全日本選手権でのクレインズ優勝、おめでとうございます。
十条製紙時代からして成し遂げることのできなかった貴重なタイトルですね。アジアリーグも含め、今年こそはクレインズの年になるのでは? との声が強かっただけに、プレッシャーもかなりあったと思いますが、見事な勝利でした。 で、トリノ五輪も終了し、すでに再開したNHL。3月9日にトレード期限を控え、新CBA下で初のプレーオフ前の補強合戦が火ぶたを切ろうかという状況であります。 で、今週のスポアイは、現地2月28日(五輪ブレイク後初試合です)のワシントン@トロント。現在、いずれのチームもプレーオフ圏外となっておりますが、それぞれに見所はあるかと思うので、ここでご紹介を。 え〜と、まずはプレーオフ争いから大きく離れてしまったキャピタルズ。 2003−04年にスター選手をどんどん放出したくせに、多くのチームがサラリーキャップ導入後に補強を進めた2005年夏にも、あまり積極的に選手獲得に行きませんでした。ボンドラ獲得に失敗し、新たに獲得したキャッスルズは不振のためシーズン途中で放出、その後に獲得したフリーゼンはすでにトレード要員として名前がリストアップされるというていたらく。さらに、コルジグと並んでチーム内に2名だけ残った98年ファイナル経験者のウイットは、今季序盤からトレード志願・・・と、目も当てられない雰囲気が漂います。そこで今季はもうチームに残された若手が頼り。よって経験不足が祟っている感じです。 そこに現れたのが、ご存じロシア出身のスーパールーキー&救世主、アレクサンダー・オヴェチキン。NHL公式戦最初のシフトでは、MCIセンターのボードをフィジカルプレーで破壊し、金属の支柱部分を吹っ飛ばしたために3分試合中断に至りしめ、そしてこの試合でいきなり2ゴールを挙げてチームの勝利に貢献・・・と超弩級のデビューを果たしました。そしてそれ以来チームのスコアリングトップを走る活躍。今季の最優秀ルーキーはもちろんのこと、リーグMVP候補としても推す声すら最近は高まっているのです。 とはいいものの、そのオヴェチキンへの負担増大もキャピタルズの問題のひとつとなっています。この試合前までの36ゴールはチームトップの数字でチーム全体の25%を占めるわけで、相手チームはオウ゛ェチキンに容赦ないシャドーイングを仕掛けてきます(有名どころでは、ボストンのPJアクセルソンとかね)。よって、五輪ブレイク直前にはさすがのオヴェチキンも、10試合でたったの3ゴールと苦しんでいたのです。 今季の成績不振もあって、オヴェチキンの加入を持ってしても、地元MCIセンターの観客動員は定員の7割程度と苦戦しているそうです。ただし、新CBA下のサラリーキャップと収入分配策の恩恵を受けて、今季のキャピタルズのチーム収支は500万ドルの赤字にとどまる予定だとか。1999年に現オーナーのテッド・リオンシスがチームを買収後、1年に3500万ドルの赤字を計上したシーズンもあったキャピタルズだけに、この数字は財政状況上の大きな改善と言えましょう。 ただNFLレッドスキンズ、NBAウイザーズがともにプレーオフ進出を果たしている上、2005年にMLBワシントン・ナショナルズが創設されて以来、ワシントン地区でのホッケー人気はさらに厳しくなっているという現状も指摘されています。現在のシーズンチケット販売は8750席で、NHLのリーグ財政下で損益分岐点にあたる11000〜12000席にはかなり不足している状態とか。 要するに、オウ゛ェチキンだけじゃあまだ勝てない。サポーティングキャストはどうよ? ということなんでしょうが、まずは守護神オリー・コルジグと2年契約延長。DFは、昨季まで3シーズン、スイスでプレーしていたジェイミー・ヒュワードが結構いい拾い物だったようですが、それ以外の選手はまだ経験不足(除:ウイット)。 FWも、セカンドライン以降、特にサードラインで活躍しそうな選手はたくさんいるのだけど、トップライン候補が厳しいのです。ちなみにオウ゛ェチキンは今季、ダイナス・ズブラス(トップラインというよりはセカンドライン候補だろうか?)、クリス・クラーク(カルガリーのファンはびっくりしていることでしょうねえ。典型エナジーガイかと思っていたが)の2人と組むことが多いようです。ただ、コロラドでポイされたブライアン・ウイルジーが自己ベストのシーズンを送り、サードライン(クライマー、ブラッドリー、サザビーのイニシャルを取って「CBSライン」)の3人の働きも悪くないようです。 そんな感じなので、やはりPRツールとしてオウ゛ェチキンを最大に利用しない手はない。ってんで地元TV局もオウ゛ェチキン効果で試合を盛り上げようと「Ovechkam」というコーナーを設け、彼のファインプレーの数々をカメラの角度を変えてスローモで出しているのが笑えます。まあオウ゛ェチキンが、そうしたスローモに堪えうるだけの素質の持ち主だけに、そんな企画も許されるのだけどね。 それになんと言ってもあのオウ゛ェチキンのスマイル! ヤーガーがNHLにデビューしたての頃のスマイルを連想させるというか、久々にホッケーしながらあんなに嬉しそうにしてるヤツを見たって感じ。そのせいか、試合後リーフスの選手たちは「キャピタルズの選手が試合終盤、にやにやしていやがった」と言いがかりをつけたそうだが、それは見当違いというもんだと、私は思います。 で、試合の最後には、キャピタルズのグレン・ハンロンコーチのインタビュー付きというサーヴィスもあり。試合が終了して、ロッカールームが記者たちに開放される前に、まずヘッドコーチがこうやって地元記者を中心に質問に答える様子が収録されています。ホームアリーナだと、いちおう記者会見室みたいなところが用意されるケースもありますが、この試合はキャピタルズにとってアウェーということで、ロッカールーム近くの通路のようなところでハンロンコーチは記者の質問に応じています。そうした雰囲気もどうぞお楽しみあれ! 一方のリーフスは・・・なんか敢えてここで語るのも気の毒な感じ。キャプテンのマッツ・サンディンなどは、五輪優勝のセレブレーション後に夜行フライトで、翌朝トロントに到着、昼頃アリーナ到着というタイトスケジュールだったとか。デトロイトの同胞金メダル選手たちが28日の試合では休みを貰ったのにもかかわらず、この日も「もう負けられない」ってんで、いきなりの試合出場でしたが結果は無惨。 細かいことを言えばキリないんだけど、ベテランが動けなさすぎなのかなリーフスは。迫力あるのは、動きがスローダウンしたPPの時だけ? と思って観てたら、そのPPでマッケイブがやらかしてるし・・・あ、この試合はリンドロスが久々にプレーした貴重な映像でもあります。この後の試合でリンドロスは再負傷してしまったので、次に彼のプレーを観られるのはいつのことやら。 追伸:最近、NHL情報についてこんなの始めました。体裁はまったく気にしておりません。それゆえお見苦しいのをお許しください。あくまで情報を、うざいほど書き散らしてるだけですのでね。お好きな方だけお越しください。コメント、トラバはご自由に!
by hockeyworldjapan
| 2006-03-06 14:02
| NHL overall
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