ブラックバーンの挑戦

ブラックバーンが、曲がったシャケになりました。
(注:ブラックバスが、新巻シャケになったのではありません)

「ブラックバーン」とは、ダニエル・ブラックバーンのことです。「曲がったシャケ」とは、ECHLヴィクトリア・サーモンキングズのこと。そのチームロゴを見て頂ければ一目瞭然かと思います。

ブラックバーンは、2001年ドラフトでNYレンジャーズに全体10位で指名されました。そして2001年10月10日にいきなりNHLデビューを果たし(18歳143日でのGKとしてのNHLデビューは、リーグ史上4位という若さでした)、このシーズンは1軍定着して12勝をマーク。翌2002−03年も1軍で活躍するという順風満帆なキャリアを送っていた選手です。

しかし悲劇は2003年夏に訪れます。

体力アップが今後の課題とされていた彼は、ウエイトトレーニング中に左肩を痛めてしまったのです。その後手術でその負傷を直そうとはしたのですが、結局完治には至らなかった。左肩に問題ということは、左腕の動きに制約があるという意味であり、ゴーリーにとってはグラブハンドの動きに影響してしまう。ましてや、ポジショニングなどの技術よりはむしろ、反射神経に依存するスタイルだったブラックバーンにとっては、これは致命傷となります。(以前にNHLでは、ダレン・プッパというGKがおりました。ライトキャッチングだったプッパの場合、痛めたのは右肩でしたが、右腕が肩より上に動かなかったとか。そのせいかキャリア終盤はかなりボロかったです)

そのブラックバーンが今、苦境から這い上がろうとしているのです。

彼が辿り着いたのは、な、なんとブロッカースタイルのグラブ(通常はスティック持つ方に付けるグラブです)をグラブハンドに付けるという離れ業。通常のキャッチンググラブではうまくパックを掴めないという問題に直面したブラックバーンは、「それならグラブハンドでパックを弾いてしまえばいい」という発想でこのアイデアに至ったそうです。「そんな改造用具、NHLの用具Gメンが許さんだろうか!」とつい考えてしまうのですが、実はすでに2週間前にNHLからも承認されたんだそう。これでブラックバーンが好成績を残せば、新しいGKスタイルの誕生となるかも知れませぬ。う〜ん、興味深いです。

彼の努力は新用具開発だけに留まりません。2004年夏は、自己のゴールテンディングスタイル研鑽に勤しむべく、NHLでも有数のGKコーチであるイアン・クラーク(現カナックスGKコンサルタント、福藤選手もECHLシンシナティ時代に教わったことがあります)の下で練習実施。その後はレンジャーズ新GKコーチのベノワ・アレールにも師事し、スキルアップに励んだのだそうです。

さてこれでECHLヴィクトリア・サーモンキングズのNHL選手獲得は、3人め(デイル・ピュリントン:ラフプレーのため残り試合出場停止、マイク・スミス)となりました。サーモンキングズはご存知の方もいらっしゃると思いますが、福藤選手の所属するECHLベイカーズフィールド・コンドルズにとって同ディビジョンチーム。これまでは弱小チームとして知られていますが、ヴィクトリア遠征時にはコンドルズはケガ人などが祟ってチーム絶不調で失点が嵩んだという苦い経験がある上に、ここに来て戦力アップでやな感じです。

で、なんでみんなシャケ軍団の一味、もとい一員になるかというと、サーモンキングズはECHLで唯一のカナダのチーム。よってカナダ人選手は労働ビザ取得の必要なく、契約のみですぐ出場が可能になるというお手軽さがあるようです。ただしNHLでは85万ドル稼ぐ彼も、ECHLでは週給750ドル生活です。

ブラックバーン、シャケと契約に至る前には、ECHLシャーロット(NYレンジャーズ傘下チームでもあります)で3週間練習済らしいですから、すぐ試合に出場できるかな〜と思ってたら、すでに試合出場を果たしています。2月5日vsフレズノ戦は5−4でPS勝利。いや〜、現地はかなり盛り上がったことでしょうね。

またECHL、見たくなっちゃいました。

ちなみにECHL、来季フェニックス(名前はかつてのマイナーリーグチーム同様、ロードランナーズに決定、NBAサンズのオーナー所有で、アメリカウエストアリーナ。チーム社長にクロード・ルミューが就任ですって!)、また来季からアトランティックシティがカリフォルニア州ストックトンに移転する予定です。

ブラックバーンの「ブロッカーグラブ」はこちらでチェック
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by hockeyworldjapan | 2005-02-06 18:10 | その他


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