今季全面中止発表、そして交渉はまた逆戻り?

結局交渉は決裂、NHLは今季全面中止を発表しました。

HWJ掲示板でお伝えした通り、この前日2月15日の会合では、双方がさらなる歩み寄りの姿勢を見せてはいたのです。NHL最終提案の「4250万ドル(福利厚生費を含めると4470万ドル)のサラリーキャップ」という内容に対し、NHLPAが「4900万ドルのサラリーキャップ」と逆提示。両陣営の差は、この前日の1200万ドルから650万ドルへと縮まっていました。

それゆえに、にわかに妥結への期待が高まってはいたのですがが、15日深夜になってもこの650万ドルの溝は埋まらず。ついにNHLは各30チームに対し「今季全面中止」の書簡を送付し、16日のNHLベットマンコミッショナーの「今季全面中止」記者会見に至ったわけです。

多くのホッケーファンを落胆させたであろうこのニュースですが、さらにそのショックに追い打ちをかけるようなのが今後の展望です。

NHLベットマンコミッショナーは、今後も交渉は継続していく姿勢を見せてはいるものの、交渉が決裂した今後のスタンスとして「これまでの交渉内容とはまったく異なる経済モデルを想定する。リーグ収入と選手年俸はリンクさせる」「これまでの議論で提示した内容は取り下げる」と、いったんは軟化した姿勢を再び強硬化するニュアンスを匂わせています。つまり、650万ドルと縮まったはずの両陣営の差ですが、それはあくまで今季開催という条件下の話で、来季開催に向けての交渉は新たに仕切り直しをするというわけです。

なので、今後の交渉再開、そして再開後に両陣営が妥結に至るタイミングについては、再び見通しがつかなくなったと言っていいでしょう。

なお、2月15日にPAが提示した最終提案内容は以下の通りです。

*契約期間:6年間
*サラリーキャップ:4900万ドル、しかし協定期間6年のうち2回その10%増(5390万ドル)までオーバー、逆に2回2500万ドルの最低限度まで、選手年俸を控えることができる。
*NHL選手最低年俸:30万ドルとする
*贅沢税:
4000〜4300万ドル:25%
4300〜4600万ドル:50%
4600〜4900万ドル:75%
4900〜5390万ドル:150%
*リーグ収入と選手年俸のリンク:2006−07年以降のキャップ額、贅沢税の指標、税率は、2005−06年の数字を最低ラインとして維持し、収入アップの際にはその上昇率を持って補正する。
*シーズン開幕となった場合:2005年プレーオフ収入の55%を選手側に拠出する

これで、交渉内容がまた振り出しってことになったら、かなり長引くことも予想されます。で、長引いたら今度は交渉内容だけでなく、法的介入とか代理選手とか、さらにややこしい問題が出てきます。

TSNのニュースクリップで、トロントサン紙のスティーブ・シモンズ記者が言っていたのですが、「今季終了後にNHL選手のうち65%が契約切れになる」とのこと。つまり、現在はNHL選手でPAの会員であったとしても、NHLが来季代理選手を導入しようとすれば、そうした契約切れの選手を引き寄せることは理論的に可能である。そして最終的に、PAの結束を崩す決定打になり得るというわけです。

その気になる代理選手導入について、TSNのインタビュー内でベットマンコミッショナーは「今後のことは向こう2週間をかけて、オーナー会議を実施して今後のあらゆるオプションについて議論していく。代理選手のことはまだ考えていない。PAとの合意に注力したい」と、語ってはいたのですけどね。本音の部分はどうなのか、知りたくはあります。

で、NHLネタで地味に続けていたこのブログですが、そっちの将来も危ぶまれるような・・・これまではNHL労使交渉の延命措置により長らえてはいたのですが、これからどうなってしまうのか? 

不安は尽きませんが、なんとか姑息に生き延びようとは思っておりますので、今後ともよろしくお付き合い下さい。

NHL今季全面中止に関する原文を読む
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by hockeyworldjapan | 2005-02-17 09:20 | CBA


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