2004年 12月 19日 ( 2 )

マーティン・カリヤ、鮮烈2ゴールデビュー!

いや〜、久々にいいものを見たかも。

NHL今季開催がかなり怪しくなってきた12月18日。
カリヤ家の三男坊マーティン・カリヤが、日光アイスバックスの一員としてアジアリーグに初出場しました。そして自身今季初試合ながら、いきなり2ゴールと、早くもインパクトを放ってました。

試合前のウォームアップから、管理人は凝視モードでマーティンのプレーを追ってました。その感想として、まず語らねばならないのがカリヤ家の遺伝子でしょう。パスはソフトタッチでピンポイント。シュートのリリースは極めて小さく、すごいコースに飛ばす。そして氷上の佇まいまで、やはり兄ポールに似てました(ハンドは逆ですが)。

試合では、いきなりファーストシフト(PK)で失点と、幸先の悪いスタート。
管理人の以前のレポートでもお伝えしましたが「高校で数学を教えてた」というマー
ティンは、実戦の試合から7ヶ月近くも遠ざかっていたというだけあって、序盤はエンジンが立ち上がるのが遅かったと思います。

しかし、白鳥選手のゴールでバックスが1−2と追い上げたすぐ後のシフトで、マー
ティンは、ラインメートの井原、飯山といい動きを見せ始めます。この3人はそれぞれ「スピードがあって玉際に強い。テンポがよく合っているし、狙い通りの動きをしてくれた」と上野監督が試合後語ったように、徐々に噛み合って行きました。

そして、マーティンにとって記念すべきバックス加入初ゴールの場面が訪れました。第2ピリオド序盤、4オン3のPPのチャンス。左サイドからパックを持ち込み、逆サイドの井原をうまくおとりに使いながら、自ら鋭い角度で放ったシュートが、王子GK荻野のグラブサイド・トップコーナーを破って決まりました。マーティン、試合前のウォームアップでもあのシュートを結構放ってました。小さいモーションから、ギリギリを狙っての素晴らしいゴールでした。

自らのPPGがバックスにとって貴重な同点弾に。しかしまだ彼の勢いは止まりません。第3ピリオド序盤には、飯村からのパスをゴール前混戦で押し込んで2ゴールめ。これでバックスは3−2と逆転しました。しかも相手は前週にそれまで首位をいくコクドを玉砕して乗ってる王子です。霧降のバックスファンは大いに沸きました。

結果的に試合は、その後王子が3連続得点と好調さを見せつけての勝利。が、バックスの選手たちやファンの胸には「マーティンが何かをやってくれる」という期待感が強く植え付けられたのではないでしょうか。

ただし気になった点も数カ所ありました。まずは、しばらくぶりの試合だったということで、2ピリ中盤にはかなり息が上がり疲労の色を見せていたこと。その点については上野監督が「彼のコンディションはまだ100%ではない。今朝はフリー練習をやったんですが、彼はかなり一生懸命練習してしまうタイプなので、試合で疲れが出てしまったのかも」と試合後コメントしていました。性格の真面目さが、こんなところで災いしてしまったようです。

先週末から火曜日までバックスはチチハル遠征。その間ビザ申請のため、日本に残ったマーティンには霧降でアイスタイムが用意されていたそうです。国体チームの練習に混じったり(栃木代表の方、一緒に練習できたのですね!)、小学校チームの指導をしたり・・・なんてこともあったそうです。

「日本の子供はよく基本を教えられているし、みんな礼儀正しいね。日本の文化のありがたさを実感したよ。みんなちゃんと座って話を聞いてくれるから、コーチのやり甲斐があった」とマーティン本人は小学生チームの指導について、そう振り返ってました。

その他課題としては、やはり実戦から遠ざかったためでしょうか、フェイスオフのタイミング(王子・桜井選手相手にかなり負けてました)が不調だったこと、それに日本のレフェリーやルールに対して、まだ馴れていないという部分でしょうか。第3ピリオド後半には、明らかに日本と北米のフェイスオフルールの違いについて混乱していたような場面がありました。マーティン本人も日本でのオフィシエイティングについては、「これから学ばなければ」と試合後語っておりました。

フェイスオフの仕事が伴うセンターというポジションですが、AHLブリッジポートでマーティンは、ウイングとして登録されていました。ただし「自分としてはセンターの方がずっとラク」なんだそうです。「ジュニア、大学でもウイングに起用されたことはあったが、最後にはセンターに戻っていた。昨季AHLブリッジポートでは、ウイングとしてのプレーも十分学んだつもりだから、ウイングとしてもプレーできるけど、自分に合ってるのはあくまでもセンターだと思う」とのことでした。

まあ、バックス助っ人として以前活躍したマーク・コフマンも、かなりのブランクを経て来日し、来日後初試合ではそれほど精彩を放てませんでした。しかしその後は素晴らしいプレーをしていたことを考えると、1試合めでいきなり2ゴールを挙げたマーティンは、さらなる活躍が期待されるところです。

そのコフマンにも、来日前にバンクーバーで、マーティンは日本について話を聞いて来たんだそうです。コフマンは、バックス時代にかなりマークされた経験もありましたし、そのあたりの情報もマーティンには伝わっているでしょうか? 相手チームは、今後マーティンにどんな対応をしてくるのでしょうか? そしてそれにマーティン本人、バックスのチームメートたちがどう立ち向かうのかも注目されます。

実際のプレー以外に、バックスが彼に期待しているのが「リーダー」という役割。来日後間もないのですが、「A」マークがその胸には輝いてました。

「いきなりAマークをもらって驚いたし、すごく光栄に思っている」というマーティンですが、「自分はまだ23歳だけど2人の兄がいるし、小さい頃からいろんなホッケーを目にして来た。自分の考えがいつも正しいとは限らないけど、シーズンを通してチームの戦力向上に貢献できたらと思っている」と、自分のバックスでの立場をそんな風に説明していました。

この試合では、ラインメートの井原選手がPKでナイスなパスカットを見せると、ベンチをドンドンと叩いてそのプレーを讃える盛り上げを見せ、試合終盤にはラインメート2人を呼び寄せてベンチで作戦指導。井原、飯山両選手とは、中国遠征前から一緒のラインで練習していたそうで、「同じラインで練習するようになってからすぐ『ここにいるかな?』となんとなく分かる。決めごともなく自然にやれてます(井原)」という息の合いようです。

不思議なことに、バックスの選手はマーティンが加入した刺激のせいでしょうか、王子相手に臆することなく堂々と渡り合っていたという印象がありました。チームメートについて、マーティンはこう分析します。

「バックスの選手はみんないい素質を持ってる。あとはそれを試合の局面でどう対応させていくかなんだ。シーズンが終わる頃には、個々の選手が大きく伸びてるはず。今日みたいな負け試合の経験から学ぶことができれば、そこから勝利に結びつけることは可能だよ」

まだ来日して2週間ちょっとですが、日光での暮らしは「もう我が家同然に思える。
ずっと来たかった日本だからね」というマーティン。今はできるだけ早く日本語を身につけようと頑張ってるところだそうです。

「日光のファンは勝敗にかかわらず、チームをよくサポートしてくれるね。来日直後のクレインズ戦でも、相手が3点、4点と追加しても帰ろうとしない。5点目が決まったところで、少し帰った人はいたみたいだったけど(笑)、実に楽しい雰囲気。『カリヤ』の声援? それはよく分からなかった。時々『マーティン!』という掛け声は聞こえた。まあどんな内容でも大きな声援なら歓迎だよ」

バンクーバーにいる母や兄には「メールで連絡するつもり。お母さんは国際電話は料金が高いからって嫌がるんだ(笑)。でも月曜日には一度、家族に電話しようかな」だそうです。

彼の加入で、スタンドのお客さんも、取材に来たメディアも、この日はかなり数が増えていたような。すでにマーティン効果を実感した1日でした。


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by hockeyworldjapan | 2004-12-19 21:12 | アジアリーグ

ベットマン憎けりゃポクリントンを恨め

NHLPAの親玉、ボブ・グッドナウ氏。
今後の動きとして管理人予想では「24%ペイカットの話はなかったことに!」と出るかと思いきや、今度は「NHL試算の数字はでたらめ(「でたらめ」という言葉に「hogwash=豚さんのエサ」などという言葉をお使いになっております)」とNHLの会計手法を非難してました。

NHL試算だと、今後のNHL全収入の成長率は年3%、対して選手年俸高騰率は年12.1%になると予測。ちなみにこの12.1%との数字は、過去10年間での年平均だそうです。

が、この数字にNHLPAは「リーグ全収入成長率3%はないだろ。過去5年間は7.8%だった。年俸高騰率も、過去5年間では7.3%だったし〜」と、いちゃもんをつけたのです。
NHLとしては、今後はTV放映権収入が減収に転じるために、成長率が3%に留まると説明していたのですけどね〜。

いずれにしても、前にもフォーブス誌試算とズレがあるってやってましたっけね。またあのレベルに交渉が戻ってしまったってことでしょうか。もう12月なんですけど
ね・・・あんたたち、重症だわよ。


ところで「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」とはいいますが、ここでこんな記事が。

「ベットマンが憎けりゃポクリントンを恨め」。ポクリントンといえば、もちろん80年代エドモントン・オイラーズ黄金時のチームオーナー、ピーター・ポクリントン氏であります。

グレツキーを「LAに売った男」として知られるポクリントン氏は、その後自らの事業が不振となり、結果的にチームを手放しました。しかし、ベットマン氏がNHLコミッショナー就任前には、NHLでも有力オーナーのひとりとして知られていたのです。

で、前NHL会長(当時NHLはコミッショナー職がありませんでした)ギル・スタイン氏の後任を決定する審議委員会(5名のオーナーから構成。横綱審議委みたく胡散臭そう)のひとりとして、ベットマン氏を強力プッシュしたのが、他でもないこのポクリントン氏だったそうです。最初は他の候補が優勢だったらしいのですが、当時NBAのナンバー2として活躍中だったベットマン氏は、面接でそのエネルギッシュな一面を披露。結果、NHL初代コミッショナーの座を射止めたのでした。

というわけで、ベットマン憎けりゃポクリントンを恨め。エドモントン発の記事でありました。

NHLPAグッドナウ氏、NHLを非難
ベットマン憎けりゃポクリントンを恨め
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by hockeyworldjapan | 2004-12-19 20:50 | CBA