2005年 01月 29日 ( 1 )

NHL労使紛争その後の顛末

タイムリミットは刻々と迫り・・・ん? もう過ぎてるような気もしますが、無理矢理延ばしてるのかな?

1月26日@トロント、1月27日@ニューヨークと、2日連続で会合を持ったNHLとNHLPA。前回の会合(1月19日@シカゴ、1月20日@トロント)の参加者6名に加え、今回はPA側の要請により、オーナー側からニュージャージー・デビルズGM兼社長のルー・ラモリエロがそのメンバー入りしていました。

でもその結果はむなしく「合意には至らず」。合意に至らずどころか、両陣営には依然として大きな隔たりがあるとも報じられています。

今回の会合でNHLは、書類ではなく口頭で以下の3種のサラリーキャップをPA側に提示したと伝えられています。
*各チーム年俸は3200万ドル以上4200万ドル以下に抑える。
*リーグ総年俸はリーグ総収入の54%以下に抑える
*選手個人の年俸は600万ドル以下に抑える(注:この選手個人キャップについては提案されなかったという報道も)

12月14日のリーグ提案では、チーム単位のサラリーキャップは3460万ドル〜3860万ドルの間とされていましたが、今回の提示では多少の融通が効くような内容には変更されています。これはNHL側のわずかな譲歩とは取れますが、大勢には影響がないでしょう。

ちなみに4200万ドルという上限は、選手側が24%ペイカットを了解後の額ですから、よくよく考えてみると寛容ではある(以前はペイカットの話題が出る前で3100万ドルが上限なんていわれましたから)のですが、この額にはどうも条件がある模様。NHL30チームの大半が、この4200万ドル上限ぎりぎりまで選手年俸を費やした場合、リーグ全体収入に対する総年俸の割合が54%を越えることは確実となる。そうなった場合は、4200万ドルという数字は今後引き下げ必至らしいのです。(「らしいのです」という曖昧な表現に留まっているのは、NHL、NHLPA双方とも、今回の提示についてはその内容を一切公表していないためです)

サラリーキャップ以外についても、NHL側から提示はあったようです。例えば年俸調停について、NHL側は「年俸アップ率の上限を25%と定める」と提示したとか。これには当然PA側は猛反発しました。例えばある選手がスコアリングの数字を前年比3倍アップしても、調停では最高25%アップしか貰えないという仕組みだからです。これだったら、選手としては調停に持ち込まない方がマシとなるでしょう。

またNHL側としては懸案のひとつになっていた収入分配策について、NHLから何らかの提示があったそうだが、PA側は「取るに足らない」とこれを批判したそうです。

というわけで、「ひょっとして今季中の妥結もアリか?」という淡い期待をもたらした両巨頭不在の一連の会合でしたが、どうも事態は大して進展していないというのが現状のようです。

「何をいまさら」を十分承知で報告しますが、今回の会合に先立っては、かなり明るい見通しも報道されていたのです。カナダのスポーツ専門ケーブルTV、ロジャーズスポーツネットでは、アメリカABC解説者としても知られるジョン・デビッドソン氏の見解として「NHLはサラリーキャップと贅沢税を組み合わせた案を提示するだろう」と報じていました。

ちなみにその内容とは以下の通りです。

*チーム総年俸3800万ドル〜5000万ドル:100%の贅沢税を課す
*チーム総年俸は5000万ドルを越えてはならない。

つまりソフトキャップ(贅沢税)と、ハードキャップ(5000万ドルの越えてはならないサラリーキャップ)の2層構造を、NHL側が提案するだろうというのが、デビッドソン氏の見解だったのですが、これはどうも実現しなかった模様。これが全くガセだったのか、あるいは一部オーナーから実際に提案されたものの合意に至らなかったのか、はたまた一部オーナーたちの案がNHL御大から却下されたのか。その真相は闇に葬られています。

そんなこんなで、相変わらずメディアの報道合戦がすごいったら。
1月26日トロントでは、NHLナンバー2ビル・デイリーが宿泊したサットンプレイスホテルに、メディアが50名ほどロビーに押し掛けてホテル側は大迷惑。両陣営とも会合の開催地を極秘にしたことが、この報道合戦の火に油を注いでしまったものと思われます。

さらに、トロントでの会合にマリオ・ルミューも加わるのではとの憶測もありました。マリオは、マイク・ウイアー(ご存知カナダが生んだUSPGAプレーヤー)とのゴルフ大会(ボブホープクラシック)でのラウンド予定を辞退し、その後トロント入りが目撃されていたようです。そのココロは「友人のタイ・ドミに会うため」のトロント訪問だったらしいのですが、マリオってドミと仲良しでしたっけ? マリオはご存知のようにNHL唯一の「オーナー兼選手」という特異な立場にありながら、これまで労使交渉の席では「招かれない客」だったわけです。が、しかし、ここに来てマリオが両陣営の架け橋役として期待されているのでは? との説も出て来ています。で、気になるマリオのドミ訪問の意図ですが、ドミを通じて、マリオはトロントで他のPAメンバーに会っていたのでは・・・などという噂があるようです。

いずれにしても、時はまた刻々と過ぎ去っていきます。

仮に今後バタバタと交渉が妥結を見たとして、例えばレギュラーシーズン20試合のみのNHLシーズンを皆さんは見たいですか? まあ20試合とはいえ今季シーズン開催に漕ぎ着ければ、来季はちゃんと10月から開幕できるという保証はある。そんな意味では、今季開催は大きなメリットはあるとは思うのですけどね。

ただその20試合シーズン、こわいもの見たさで惹かれたりもする。もちろん優勝チームは「ああ、あれは20試合のシーズンだったからさあ・・・」と永久に言われる。そしてリーグ記録には、例によって全て「*」が付く。たとえ20試合でもシーズンが成立すれば、NHLはアートロスやウ゛ェジナ、ハートなどの各賞を真面目に表彰するでしょうしね。そう考えると意外なる展開が待ち受けてる可能性があるわけです。20試合なら30ポイントもあればアートロス射程圏内ですから、今頃ヨーロッパで絶好調な伏兵がそのビッグタイトルを十分狙えます(モリソンあたり、いけるかもね)。

あ〜、ついに私の妄想癖もここまで来てしまった。まだ時差ぼけが直ってないせいでしょうか、どうかこの愚態ぶりをお許しください。

壊れついでに一言。ちなみにセルキは、例年のごとくジョン・マッデン予想ってことでお願いします。あくまでジョン・マッデンです。でも最近はクリス・マッデンの方が私的にはポイント高いかも。

(注:クリス・マッデンは、ECHLロングビーチのゴーリーです。セーブ率.950近い数字残してるのがスゴ過ぎ。NHL禁断症状に喘ぐ皆様、ECHL観戦もまた一興です。箸休め的存在として一度どうぞ!)

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by hockeyworldjapan | 2005-01-29 17:57 | CBA