2005年 02月 02日 ( 1 )

まだ望みあり? NHL側提案の全貌とは???

しつこくCBA関係のネタです。

まずはNHL開幕って、いつまで待てんの? という疑問について。

この後に及んで、2月21日妥結期限説というのが出て来ました。

この説によると2月21日までに妥結後、3月上旬開幕。30試合を2日で1試合ペースでこなして(カンファレンス内対戦に留まるでしょう当然)5月上旬にプレーオフ突入。4つのラウンドのプレーオフもちゃんとやる・・・というのがその案であります(詳しくはUSAトゥデイ紙の記事を見てね)

ちなみに前回労使交渉が紛糾した1995年は、1月25日にレギュラーシーズン開幕。プレーオフ開幕が5月6日で、6月24日にシーズン終了しました。ですが、そんときはデビルズのスイープだったので、この日にちにようやく留まったという感ありでした。

しかし30試合開催となると、選手たちの年俸は当然30/82になります。そして、PAの提示から行くと、そこからおそらく24%のペイカットがある。そうなると、その選手のサラリーはかなり例年よりは少ないことになり(といっても一般庶民にとっては大金ですが)、それを貰うために今季妥結を希望するのか? という問題があります。

さらにまだ昨夏FAとなったまま、契約していない選手が大勢いる。この彼らを含め、サラリーキャップ内に抑えるため各チームはいつまでに契約を完了するのか? という別の問題もあるわけです。通常シーズンなら3月上旬に「トレード期限」というのが到来し、その期限以降に契約に至った選手は、そのシーズン中にはそのチームでプレーできないというルールがあるのだけど、今年はそんな期限をどう設けるのかという難しさがあるわけで。ああ、そんな細部を考えただけでもクラクラしてしまう私なのでした。

実際、現在のところ730人のNHL選手のうち、ついに半数以上の370人がヨーロッパに流出しております。その中にはFAになったままヨーロッパに渡った選手も当然いるわけで、そういう選手との契約交渉は現在禁止されている状態。晴れて労使協定が整ったとしても、新CBAの下(ハードキャップになるかソフトキャップになるかはまだ分かりませんが)そうした選手たちと短い間に契約更改したりなど、GMらチームスタッフは殺人的スケジュールに見舞われることが予想されます。

で、肝心の労使交渉の最新情報ですが、現地時間の2月2日、NHL&NHLPAはNYで会合を予定しております。今回は双方2人(ナンバー2+顧問弁護士)ずつという少人数で、ちゃんとした書面での提案提示を双方が用意するという話もあるようです。

で、その提案内容(NHLの方ね)が、またTSNにすっぱ抜かれてるんだわこれが(笑)。
それがどこまで正しい内容だかは保証できませんが、いちおうその内容をここでご紹介。

*契約期間は6年(今季残りは含まず)。しかし4年経過後NHLPAは一方的にその内容を期間完了とすることができる。

*サラリーキャップ:リーグ総選手年俸は、リーグ全収入の55%とする。各チーム別キャップ額としては、3200万ドル〜4200万ドルの間に収める(この数字には、選手の福利厚生費も含める。福利厚生費を除くと実質チーム総年俸キャップは3000万ドル〜4000万ドルとなる見込み)。30チームの総年俸の合計がリーグ収入の55%を越えた場合には、その超過分をNHLPAがNHLに返却する。逆に55%を割った場合には、NHLからNHLPAにその不足分を返却する。また先に報道された「選手1人の年俸は600万ドル以内とする」という項目は、この提案からは除外された模様。

*贅沢税:NHL側から提案する予定はなし。ただしPA側から提案があれば交渉する用意はある。しかしPA側はコスト制限策(=サラリーキャップ)が存在する環境での贅沢税には関心がない模様。(ただし「PA側から提案があれば交渉する用意がある」という部分を、「NHLが贅沢税を受け入れる姿勢を見せている」と報道する向きもあり)

*利益分配:これまで触れられていなかった新しい要素。全利益をオーナーと選手とで50%ずつ分けるというコンセプト。これを可能にするために、NHLはPAとの合意の上で監査役を任命する。収入、利益を過小計上したチームは、罰金、ドラフト指名権剥奪などにより、厳重に罰せられる。
(HWJ管理人のコメント:フォーブス記事が以前暴いていたように、オーナーの計上する収入に関してはその透明性と正当性が大いに疑われていました。そしてそうした問題を追及するための第3者による監査システムはNHLには不在。その必要性をNHLが気づいたのは正直遅過ぎという感もあるが、それを敢えてNHL側から提案するつもりなら評価したいです)

*収入分配:またもや具体案なし。小市場チームが3200万ドルのキャップ底値を捻出できるようにするとだけ触れられてるそうだが、詳しい説明はないらしい。予想では、やはり噂通りプレーオフでの収入を分配することが主流になるらしい。
(HWJ管理人のコメント:プレーオフ収入分配という策は、以前にも書いたが反対である。もちろんプレーオフでの成功だけがフランチャイズの成功ではないが、チームにとって大きな成果物であるプレーオフでの収益を収入分配にもっていかれるのはどうか? と思う。収入分配策を明らかにしていないこと、これがここまでのNHL提案の一番の罪だと思う。その私の考えは当初から変わっていない。エクスパンションから設立年数の浅いチームがあることも確かだが、エクスパンションチームの多く(除:コロンバス&アトランタ)はすでにプレーオフ進出を果たしているのだから「成熟度の浅いチームを救うためにもプレーオフ収入を分配すべき」という議論は通用しないと思う。このあたりはまた後日ゆっくり説明したい)

*年俸調停:チーム、選手双方から調停に持ち込める(現行CBAでは選手側からのみ申請可能)。調停額に制限は設けられないが、チーム側は1人の選手について一定期間内のうち一度の調停結果受け入れを拒否することができる。その場合その選手は制約なしFAとなる。同様に選手も調停結果の受け入れを拒否することが可能だが、その場合その選手はチームからのQualifying offer(権利保有のための最低額提示)を受け入れる必要がある。

*Qualifying offer(制約つきFA選手権利保有のための最低額提示):制約つきFA選手の場合、前年年俸の75%を提示することにより、チームはその選手の権利を保有することができる。
(HWJ管理人コメント:現行CBAでは100%(平均年俸以上)か110%(平均年俸以下)という数字だった。これは年俸高騰防止に直結する策だとは思う。しかし現在制約つきFAとなってる選手は、この案が通ると、PA提案の一律24%ペイカットに加え、さらに25%ペイカットを被ることになりかねない。するとその選手の年俸は前年比の半額近く(57%)になってしまうわけで・・・選手側はこの数字には猛反駁するでしょう)

*ルーキーサラリーキャップ:現行の3年間から4年間へと延長。その年俸額は85万ドル以内とする。これに加えて2段階のボーナスの設定(10万ドル、25万ドル)が可能で、これを合わせると最高120万ドルの年俸が可能となる(現在は基本年俸こそキャップ額が明記されているが、ボーナスは実質無制限となっている)。

*Guaranteed contract(保証付き契約)
バイアウト、つまりダメ選手の残り契約買い叩きについては、現行CBAに準ずる。つまり残り契約の2/3を支払う。
(HWJ管理人コメント:NHLがNFLスタイルのハードキャップを望むなら、NFL同様にGuaranteed contractを無効にしないと実施が難しい。というのは、ハードサラリーキャップを設定してしまったら、その枠内に選手を収められないチームが当然出現する。その場合の措置として、NHLは分配ドラフト(DispersalDraft)を実施すればよいとPA側に提示したそうですが、それは多分機能しない。例えば、働きの悪い5年4500万ドル契約男(誰とはいいませんがね、ええ)を欲しがる他チームがあると思いますか? 放出する方のチームは「貰ってもらえればしめたもの」と思うだろうけど、そんな選手の引き取り手があるとは思えません)

*制約なしFA:現行の31歳から30歳へと引き下げ。
(HWJ管理人コメント:ま、NHLとしてはこれくらいの譲歩はPA側にくれてやれ! ってことなんでしょうけど、94−95年交渉で大きな焦点のひとつだったこのFA権は、今回の労使交渉では大勢に影響ない分野に成り下がりました。なんか時代の流れを感じるわ)。


あくまでこれは、TSN及びボブ・マッケンジー氏のスクープ内容であり、彼の主観によるところが多いかも知れませんと断っておきます。なので「紛らわしいことは読みたくない」という方は、この内容を忘れてください。そして妥結後のCBA内容だけ読んでいただければと・・・(「っつっても、もうここまで読んじまっただろうがっ!!!」という方が大半ですね。すみません)。

あ〜〜!!! まだまだ言いたいことはいっぱいある。NHLPA提案が出て来たら、そっちにもいろいろツッコミ入れたい。その他「なんでMLBでは贅沢税が機能してないのか?」「 なんでNFL型サラリーキャップはNHLにそのまま引用不可なのか?」その理由もクドクド書きたいのですが、それはまた改めて後日。

TSNの記事を見る
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by hockeyworldjapan | 2005-02-02 20:04 | CBA