2005年 02月 06日 ( 2 )

まだまだ引っ張る? いえ、もう限界?

2月3日、4日の連日の会合もむなしく、NHLとNHLPAは決裂してます。

こうなると「じゃあシーズン全面中止宣言はいつよ?」という報道が今度は過熱するわけです。

まずは、ESPNマガジンのEJラデック記者が「あるオーナーが『今後48時間以内にシーズン全面中止になる』と語った」と報じました。が、まだいまのところ中止宣言は出されていません。ただし「そうなるのも時間の問題」というニュアンスの記事が後続を断たないことも確かです。

はたまた、JRことジェレミー・ローニックは、ESPNとのインタビューで「サラリーキャップ制の下でも、NHL選手たちは生き延びることができるかも(「現在提示されているような甚だしいレベルでないものだが」と、JRは付け加えてはいましたが、これが選手によるキャップ容認宣言と受け止められてみな大騒ぎ)」「個人的には選手投票に賛成」と発言。これが呼び水となって、今度は「選手全員による、NHL提案についての投票を実施しろ」という後続記事が後を断たず、さらには「ベットマンをクビにしろ(トロントサン紙の記事:「ビル・デイリーの株が上がってる。デイリーはウイニペグ出身ででホッケーに馴染みあり。でも一番の後任候補はルー・ラモリエロ」だってさ)」「グッドナウをクビにしろ」系の記事も続出。こうなるとどさくさに紛れてやりたい放題、混乱の極みです。

さらにバンクーバー地元紙は、「世論調査によるとトレバー・リンデンの好感度がアップした」と報道。1月28〜2月2日に339人を対象とした面接調査で、コアなNHLファンのうち41%、ホッケーファンでない人のうちでも30%が、以前よりもリンデンに敬意を抱くようになったとか。逆に「敬意を失った」としたコアファンは18%、非ホッケーファンは17%だったらしい。日本のプロ野球でいう、古田敦也の人気がアップしたのと似たような現象でしょうか?(争点は全く違うんですが)

ま、そのあたりの報道は、「あ〜、やってるな〜」と適当に流しておいてよろし。

ただし、この報道だけには、ついに眉間に皺を寄せてしまった(寄せたくな〜い!)私なのでありました。

このままNHLが開幕せずに今季全面中止となった場合、アメリカの労働法によりNHLは2004年9月のロックアウト宣告以来12ヶ月後の2005年9月には、トレーニングキャンプを実施し代理選手を送り込むことになる。
(注:カナダの労働法はアメリカのそれと異なる。ケベック、BCの2州では代理勤務者を立てることは禁止されているが、両州での労働局関係者によるとNHLPAは労働組合として公的に認められていないとの話も)

そうなると今度はNHLPAがこのNHLの行為を「不当」とアメリカ全国労働関係委員会(労働条件を監視する独立機関)に訴えることになるだろうと、法律専門家は予測。そうなってしまうと、この問題解決には非常に長い時間を要するであろうということなのです。つまり、公的機関に裁定を仰げば仰ぐほど、法廷でケリがつくのに時間がかかってしまうという意味であります。

この記事にはこんな記述もありました。

1994−95年MLBのストライキ時には、オーナーは95年春のキャンプに代理選手を導入しようとしたが、この全国労働関係委員会(NLRB)へ選手たちが訴えたことで、結局オーナーは再び交渉の席に付く事になった。逆にNFLの場合は、1987年にNFL側がNLRBに「PAがちゃんと交渉に応じようとしない」と訴えた。ただNLRBによる審議が長引く間に、NFLは合意の得られぬままサラリーキャップを導入した上で、代理選手も雇用した。そしてついにPAが音を上げてストライキを止めたという一件もあったそうです。

つまり、この法的介入というのは、どっちに転ぶか分からんという代物らしいのです。いずれにしても決着するまでに、時間がかかり過ぎるのがイタイ。そんなことしてたら、今季だけでなく2005−06年シーズンも危ぶまれてしまうかも・・・というわけです。


・・・で、NHLはそんなんですが、マスコットはちゃんと仕事してますからっ!
君、レイオフされなくってよかったね。この記事内にある「偽物巨大スタンレーカップ優勝リング」ってのを早く観たいです。

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by hockeyworldjapan | 2005-02-06 18:45 | CBA

ブラックバーンの挑戦

ブラックバーンが、曲がったシャケになりました。
(注:ブラックバスが、新巻シャケになったのではありません)

「ブラックバーン」とは、ダニエル・ブラックバーンのことです。「曲がったシャケ」とは、ECHLヴィクトリア・サーモンキングズのこと。そのチームロゴを見て頂ければ一目瞭然かと思います。

ブラックバーンは、2001年ドラフトでNYレンジャーズに全体10位で指名されました。そして2001年10月10日にいきなりNHLデビューを果たし(18歳143日でのGKとしてのNHLデビューは、リーグ史上4位という若さでした)、このシーズンは1軍定着して12勝をマーク。翌2002−03年も1軍で活躍するという順風満帆なキャリアを送っていた選手です。

しかし悲劇は2003年夏に訪れます。

体力アップが今後の課題とされていた彼は、ウエイトトレーニング中に左肩を痛めてしまったのです。その後手術でその負傷を直そうとはしたのですが、結局完治には至らなかった。左肩に問題ということは、左腕の動きに制約があるという意味であり、ゴーリーにとってはグラブハンドの動きに影響してしまう。ましてや、ポジショニングなどの技術よりはむしろ、反射神経に依存するスタイルだったブラックバーンにとっては、これは致命傷となります。(以前にNHLでは、ダレン・プッパというGKがおりました。ライトキャッチングだったプッパの場合、痛めたのは右肩でしたが、右腕が肩より上に動かなかったとか。そのせいかキャリア終盤はかなりボロかったです)

そのブラックバーンが今、苦境から這い上がろうとしているのです。

彼が辿り着いたのは、な、なんとブロッカースタイルのグラブ(通常はスティック持つ方に付けるグラブです)をグラブハンドに付けるという離れ業。通常のキャッチンググラブではうまくパックを掴めないという問題に直面したブラックバーンは、「それならグラブハンドでパックを弾いてしまえばいい」という発想でこのアイデアに至ったそうです。「そんな改造用具、NHLの用具Gメンが許さんだろうか!」とつい考えてしまうのですが、実はすでに2週間前にNHLからも承認されたんだそう。これでブラックバーンが好成績を残せば、新しいGKスタイルの誕生となるかも知れませぬ。う〜ん、興味深いです。

彼の努力は新用具開発だけに留まりません。2004年夏は、自己のゴールテンディングスタイル研鑽に勤しむべく、NHLでも有数のGKコーチであるイアン・クラーク(現カナックスGKコンサルタント、福藤選手もECHLシンシナティ時代に教わったことがあります)の下で練習実施。その後はレンジャーズ新GKコーチのベノワ・アレールにも師事し、スキルアップに励んだのだそうです。

さてこれでECHLヴィクトリア・サーモンキングズのNHL選手獲得は、3人め(デイル・ピュリントン:ラフプレーのため残り試合出場停止、マイク・スミス)となりました。サーモンキングズはご存知の方もいらっしゃると思いますが、福藤選手の所属するECHLベイカーズフィールド・コンドルズにとって同ディビジョンチーム。これまでは弱小チームとして知られていますが、ヴィクトリア遠征時にはコンドルズはケガ人などが祟ってチーム絶不調で失点が嵩んだという苦い経験がある上に、ここに来て戦力アップでやな感じです。

で、なんでみんなシャケ軍団の一味、もとい一員になるかというと、サーモンキングズはECHLで唯一のカナダのチーム。よってカナダ人選手は労働ビザ取得の必要なく、契約のみですぐ出場が可能になるというお手軽さがあるようです。ただしNHLでは85万ドル稼ぐ彼も、ECHLでは週給750ドル生活です。

ブラックバーン、シャケと契約に至る前には、ECHLシャーロット(NYレンジャーズ傘下チームでもあります)で3週間練習済らしいですから、すぐ試合に出場できるかな〜と思ってたら、すでに試合出場を果たしています。2月5日vsフレズノ戦は5−4でPS勝利。いや〜、現地はかなり盛り上がったことでしょうね。

またECHL、見たくなっちゃいました。

ちなみにECHL、来季フェニックス(名前はかつてのマイナーリーグチーム同様、ロードランナーズに決定、NBAサンズのオーナー所有で、アメリカウエストアリーナ。チーム社長にクロード・ルミューが就任ですって!)、また来季からアトランティックシティがカリフォルニア州ストックトンに移転する予定です。

ブラックバーンの「ブロッカーグラブ」はこちらでチェック
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by hockeyworldjapan | 2005-02-06 18:10 | その他