2005年 02月 20日 ( 1 )

一転、二転、三転・・・結局再開なし(見込み)

真面目にメディアの報道を追ってる人は、かなり翻弄された週末ではなかったでしょうか? かのTSNコメンテイター、ボブ・マッケンジー氏すら「ここ数日の展開は、全く奇妙で読めない」とお嘆きになっているので、管理人レベルの人間がオタオタするのは当たり前・・・という気もします。

メディアが拾った「4500万ドルのサラリーキャップで妥結」という報道(THNがそもそもの発端)は、どうもPAもしくは代理人からの情報だったらしく、それ以外にも「非常に信頼できる筋からの情報で、妥結は間違いないとのこと」などというやけに楽観的な二次、三次報道まで出た。つまりPA側の認識が甘かったということなんでしょう。これで期待を高めたあげく、いまとなっては谷底に落とされた気分のファンも多いのではないでしょうか?(え、管理人? ここ数週間でこの手の展開はもう慣れっこ。痛点麻痺状態かも)

で、過去数日間の展開をざっとおさらいしてみます。

2月16日:NHLベットマンコミッショナーがNYのホテル@ウエスティンタイムススクエアにて、「今季全面中止」会見実施。
2月17日:NHLPA会長リンデン、マイク・ガートナー(元NHL選手、現在PAシニアディレクター)が、ベットマンコミッショナーと密会。ウエイン・グレツキー、マリオ・ルミューが電話会談。グレツキー曰く「交渉再開についてなどマリオと突っ込んだ話はしていない」らしいが、この2人が再開に向けてプレッシャーをかけたという説もあり。同日深夜、NHL側がPA側に対しNYでの会合を呼びかけ。
2月18日:PA側がNHLの呼びかけに応じる。
2月19日:NHL、NHLPA両陣営が会談実施。いつもの会合メンバーに加え、グレツキー、ルミューの2人も参加。NYで数回の休憩含め6時間半を費やしたが、決裂。会合では両陣営から新たな提案はなく、NHLの前回最終提示が詳細に渡って説明されたが、その内容にPAは「詳細を見たら、思ってた内容よりも悪いってことに気づいた(byヴィニー・ダンフース)」と、眉をひそめたらしい。次回会合の予定はなしで、両陣営とも「中止決定を覆すことはできない」と諦めコメント。

・・・というわけで、今季全面中止決定はそのままイキってことです。
これでこの決定が取り消しにでもなっていたら、ベットマンコミッショナーのメンツ丸潰れになるところでしたしね。さすがにリーグとしてもそうはさせなかったという部分があったかも知れません。

とはいえ、コミッショナーの公式「シーズン中止会見」まで実施したあげく、また交渉蒸し返しに至っただけでも、十分舞台裏でのすったもんだが想像できます。ここではその経緯について、説明することとしましょう。


背景その1:
「せっかく650万ドルまで差を詰めたんだから」という気持ちが、双方から持ち上がってきた。あるいは数チームのオーナーたちが、一部の選手や代理人と直接交渉を始めたために、NHL側がたまりかねて会談を予定したという噂も。
2月19日交渉前には「PA側としてはキャップ4500万ドルあたりの妥結を望んでいる模様」という報道があり、ベットマンコミッショナーも「4500万ドルなら妥結する用意があったのでは」、との憶測があった。しかし両陣営からはいずれもそうした妥協案は提示されなかった模様。

会談前には、「キャップ4600万ドルの提案(4200万ドル以上100%贅沢税、もしくは4000万ドル以上は40%という説も)で妥結寸前」という噂も。しかし結局PA側からそうした提案はなされなかったことを考えると、これはPA側の分裂を意味するのか、もしくは妥結に至らしめようとするメディアの誘導報道だったのか、などと深読みしてしまう。

実際、PA側の分裂を匂わす動きはここ数日間でも報じられている。PAグッドナウ代表に対し「なんで4500万ドル程度の最終提示をしなかったのか?」との圧力が選手側から出たという噂だ。PA側がサラリーキャップを受け入れたのも、ローニック、イギンラ、エシュ、プロンガーといった面々が「サラリーキャップを受け入れる」とオーナー側に直訴し、グッドナウ代表に圧力をかけたのではとの報道がなされたが、これをエシュ、プロンガーは否定している。

背景その2:NHL、ESPNに最後通牒突きつけられる
NHL今季全面中止の発表を受け、来季ESPNはNHLを全く放映しない可能性も示唆している。すでに今季は40試合まで放映試合数を縮少していたところにこのロックアウト。ESPNとNHLとの契約は今季1年限りで、来季はESPNのオプションとなっている。ESPNとしては、今季NHLが抜けた分はカレッジバスケで十分補えたという考えがあるらしく、その最終決定期限は4月15日。これまでに労使交渉が妥結していないと、ESPNが真面目にNHLを見放す可能性も高まる。最近NHL放送に関してやる気のなさが見え隠れしているESPNではあるが、NHLとともに過去80年代から持ちつ持たれつの成長と遂げて来たのは確かでもある(1度放映権が他チャンネルに移ったこともありましたが)。ペイチャンネルとはいえ、普及率と知名度が高いESPNから放棄されたら一大事・・・という状況もあって、慌てて交渉の席に付いたのでは? という説もあり。

・・・という状況であります。


で、察するにグレ様&マリオは、会談中「壁の花」状態だったような・・・。

そうかと思うと「まだ近いうちに妥結の可能性はある」とおっしゃる事情通もいたりする。こうした駆け込み交渉に有益な内容が見いだせるのか? という疑問は当然ある。去り逝くシーズンに無理矢理蘇生術を施して生き返らせる必要はもうない。ただし、焼けぼっくいに火がついてるうちに、交渉を進めておけという意見は、分からないでもない。

いずれにしても、管理人の内面の平静は、しばらく訪れそうにもありません。

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by hockeyworldjapan | 2005-02-20 19:23 | CBA