2005年 03月 07日 ( 1 )

NHL選手、来季の選択肢は?

両陣営が「3.1会議」で貼りボテながらも団結を固めた後は・・・っと。

形勢的には、やっぱりオーナーの方が有利という声はやはりある。その切り札となるのが、やはり代理選手導入。「3.1会議」後の会見でNHLベットマンコミッショナーは、「来季は10月に開幕させる。もちろんその前に労使協定が妥結していることが望ましいが」と、暗に代理選手導入の可能性を匂わせてました。

この代理選手導入、3月2日のNHLPAと代理人たちの会合でも議論されてました。この会合には、代理人側からNHL有資格159人のうち67人が出席。この会合後、IMGのJPベリー氏(ヤーガー、ソーントン、サンディンらを顧客に抱えるスーパーエージェントのひとり)は、「代理選手は顧客にしない」「顧客選手が『代理選手として契約したい』と言ったら、その選手はもはや私の顧客ではない」と断言していました。また可能性として、代理選手の契約を世話した代理人から、NHLPAが代理人資格を剥奪することも十分に考えられるようです。

そんな環境下で、来季まで労使交渉がもつれるとなると、気になるのが来季の選手たちの所属先。今季は400人近いNHL選手がヨーロッパに流出したわけですが、来季は必ずしもそうは行かないらしい。というのは、多くのヨーロッパのチームが来季は「通年契約」、つまり途中でNHLが開幕した際でもヨーロッパでシーズン最後までプレーすることを、NHL選手たちに求めて来ているそうなのです。ヨーロッパのリーグとしても、新規スポンサー獲得など、来季をさらなる拡大の機会と見ており(IIHF主導で新ヨーロッパリーグ設立の噂もあったが、これはIIHFが否定)、そのためには選手を通年確保したいという意志があるのは、当然でしょう。

するとNHL選手にとって、残された選択肢というのはどうなるんでしょうか? ここに列挙してみました。

(1)トーナメントを企画する
「3.1会議」では、来季PA主催の小規模リーグ、もしくは大会ツアーをカナダで開催する提案もなされた模様。またすでに今年4月上旬にはIMG主催イベントが企画されており、これが世界選手権に出場する選手たちの肩慣らしとなるそうです。このIMG主催イベントでは、6〜8チーム対抗戦という形式で、カナダ国内でNHLアリーナ以外の施設にて試合を開催するんだとか。CBCでの放送予定の可能性もあるそうです。IMGには、すでに今季ヨーロッパツアーを実施という実績があります。ただし、今季序盤に企画されたOSHLというトーナメントリーグは、あまりに試合の真剣味が足らないということでファンが激怒し、早々に姿を消しました。こういうことが続くと、選手側のイメージダウンにも繋がりかねないというリスクはあります。

(2)マイナーリーグに流れる
今季AHLでプレーした若手選手は、資格的に来季も問題なくAHLでプレーできそう。というわけで、今季同様AHLではまた面白い試合が観られることになりそう。また、今季すでに数名が経験したように、ECHL、UHLなどでプレーするNHL選手が来季は増えるかも。すでに今季全面中止となった後、ベイツ・バタグリアがECHLミシシッピに加入しています。ただ、例によって「マイナーリーグの選手たちの仕事を奪うのか? 自分勝手なNHL選手め」というイメージをファンに植え付けてしまうというリスクがあるのは否めません。

(3)代理選手としてNHLに参加する
NHLが代理選手導入に至った場合に「団結破り」して参加するというパターンがこれ。代理選手となり得る選手は、通常の考え方だと経験の浅い若手選手(しかも来季NHL昇格の可能性の薄い選手)、もしくはマイナーリーグやヨーロッパを転々としているベテラン選手・・・という感じになるのでは、と思われる。もし、現在NHLPAの一員がこれをしてしまったら、それはもうモロ「団結破り」となります。過去MLBのストライキで代理選手として参加した選手は、当時はメジャーリーガーではなかったにも拘らず、現在も選手会加入を拒否されているという事情あり。選手会加入が許されないということは、選手年金やその他の手当も受け取れず、「あいつは造反分子」という烙印を一生押され続けるとのことになるわけです。

(4)WHAなど、新リーグに流れる
いまだに開催を声高に叫んでいるWHA。過去70年代にNHLのライバルリーグとして立ち上がったWHA(詳しくはこちらを参照)は、今季リーグ復活を目論んでたのですが、NHL代理人から全く相手にされずに、結局今季はリーグ開催に至れず。ドラフトまで開催したのですが「あれって、ファンタジーホッケーのドラフト?」なんて嘲笑の的になってたほど、ヴァーチャルな蜃気楼的存在に収まってました。
しかし今季NHLが全面中止となり、このWHAの存在がまたにわかにクローズアップされてきました。さらに、上記の理由でヨーロッパのチームからNHL選手が締め出される可能性も出て来た今、彼らにとっては今が仕掛け時なわけです。
今季UHLに加入したクリス・チェリオスは、「来季はWHAなどのライバルリーグに加入しよう」と選手たちをけしかけているとの報道も。チェリオスによると、UHLとWHAが合併するという話もあるようです。チェリオスの他、大物選手では、ブレット・ハル、マイク・モダノ、ジェレミー・ローニックといったところがWHAでのプレーに興味を示しているとか。
で、問題はWHAの具体的なリーグ構想なのですが、現在15のグループがチーム営業権に興味を示しており、ケベックシティ、ラスベガス、ハミルトン、グリーンズボロが、すでに来季加入決定(・・・と今季も同様に報じられていたので、だからといってリーグが開催される保証はどこにもありませんが)。今後はシドニー・クロズビー獲りにも行くとリーグオーナーは公言して憚らない。リーグコミッショナーは相変わらず、ボビー・ハルが務めています。
この景気付けイベントとして、まずは今年5月、6月にフィル・エスポジトがWHA関連大会を企画。賞金として優勝チームには200万ドル、各出場選手には2万ドルのギャラが支払われるとの触れ込みもあります。チェリオス、ショーン・バーク、マーク・レッキ、ロバート・エシュ、アンドリュー・レイクロフトが、すでに大会参加の意志を表明しており、現在マルタン・サンルイにも交渉中だとか。試合はコップスコロシアム@ハミルトン、リコーセンター@トロント、カナダ西海岸のアリーナのどこか、の3会場だそうです。6チーム対抗戦で、かつてのWHA時代のユニフォームを着用して試合するなんて趣向も凝らされる予定。


ま、こうなってしまう前に労使交渉が妥結してくれれば、それが彼らにとっても最良の選択肢であることは言うまでもありません。はあ〜。

WHA関連記事をWHAの公式HPで見る
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by hockeyworldjapan | 2005-03-07 09:39 | NHL overall