2005年 07月 01日 ( 1 )

妥結間近ってことで、あのライバルリーグは今?

例年ならば今日がFA解禁日なんですが・・・ま、愚痴は言うまい。

とゆーのは、ついにいよいよ、NHL労使交渉が大詰めらしいのです。

トロントにて6月24日まで5日連続75時間会合(1日平均なんと15時間!)を実施したNHLとNHLPAは、27日からまた交渉を再開。現在は双方の弁護士を挟んで新協定内容の詰めを行っているとのこと。そして早ければ、7月第1週にも暫定案が整うのではとの噂も出ています(7月第1週って来週よねん?)。で、暫定案に双方が合意した後は、選手全員による投票でこの内容が批准され、NHL代表者会議にて承認されるという段取りになっています。

そういう意味では、NHL関係者もここに来てやっと楽観モードになってきました。多くのチームが来季開幕に向けて、コーチングスタッフやフロント関係者の契約延長を続々発表。また、NHLが予定通り開幕すれば、トリノ五輪参戦はほぼ確実・・・となることから、カナダ代表はさっさと8月に実施する代表トレーニングキャンプのメンバー36人を発表しちゃいました。またトリノ五輪NHL参戦があれば、2006年オールスターゲーム@フェニックスは中止? なんていう噂まで先走って流れています。

そうはいっても、そういう状況を手放しで喜べないのは選手のみなさん&PA幹部。妥結内容は、サラリーキャップ上限が3600〜4000万ドル近辺と予想されており、2月下旬に「妥結間近か?」と報道された額(4250万ドル)を下回るのです。そのため選手間では「あの時合意に至っていれば・・・」「これだけ待ったのにこの有様?」との怒りがフツフツと沸き上がり、その怒りの矛先は確実にPA幹部に向けるものあり(マニー・レガシーがそうでした)、あるいはそのやり場のない憤りが燻ったあげく、TVカメラや記者の前で思わぬ失言を放ち、メディアやファンの冷笑を買ってしまったもの(ジェレミー・ローニックがそうでした)あり・・・と、荒れ模様です。

先週末に開催されたマリオ・ルミュー主催の恒例チャリティゴルフ大会の記者会見で、ローニックは、
「2月に、ヤツら(ここではPA幹部を指すのは明らか)が、俺やエシュ、イギンラやプロンガーの言うことを聞いてくれていれば・・・」
「今の妥結内容と比べれば、2月に妥結していたのなら、俺たちはヒーローみたいに思われたはずだ」
と嘆くことしきりだったそうです。

この辺でやめとけばよかったのだけど、ローニックの舌禍は止まらなかった。
「俺たちのことを甘やかされてると言うヤツは、単に嫉妬してるだけだ」
「ファンのためにホッケーをよりよくして、取り戻そうと俺たちは頑張ってる。それが分からないなら来るな。リンクに来て欲しくない。スタジアムに来て欲しくない。ホッケーを観て欲しくない。それだけだ」

そして「俺たちがゲームをプレーしているから甘やかされてるなんていうヤツはみんな・・・kiss my ass!」とトドメなる文言を吐いてしまったのです。

とはいえ、実際のインタビュー全体においては、ローニックがホッケー不在の現状について謝罪するシーンもあったそう。ただし、やはりみんなが注目するのは過激な発言部分というのが世の習わしってことで、この件に関してメディアやファンが一斉にローニック批判に回りました。

それに対してローニックは「メディアはインタビューの全貌を見せていない」と逆ギレ。そしてこのインタビューの抜粋部分のみを放送したESPNに対し、苦情を立てるという手段に出たのです。ローニックといえば、ESPNには試合中マイクをつけたり、故障欠場中に試合解説で出演したりと、大盤振る舞いのサービスでいろいろ尽くして来たはず。だのに、こんな形で裏切られるとは・・・と、彼自身かなり傷ついたようなのです。

結局ローニックは、6月28日にESPNのダン・パトリックとのライブインタビューに出演(出演の条件はライブでやることだったとか。ライブなら編集できないですからね)し、自らの言い分を釈明したのでした。ESPNとしても、放映権問題でいったんはNHLを突き放したものの、新CBA締結後はNHLから安い放映権料を引き出せれば契約延長する構えも・・・との噂もあるだけに、ここは穏便に済ませようと考えたのかも知れません。ただ皮肉なことにカナダのTSNは、このローニックの記者会見@チャリティゴルフの映像を、ESPNよりもずっと長い尺で扱ってたそうです。(「皮肉なことに」というのは、ローニックがアメリカのチームでプレーするアメリカ人だってところが理由です)

まあ、そんなすったもんだは見られるものの、晴れて7月上旬に妥結後は、7月11日頃にドラフト抽選実施、7月後半にFA解禁、8月6日頃にドラフト開催という青写真を、NHLは用意しているんだとか。この8月6日頃予定という「ドラフト」は、当初予定のオタワではなく、縮小版にてNYで実施されるのではという噂あり。その計画には、目玉のシドニー・クロズビーが、メディアの中心地であるNYでドラフト指名されるというシーンで、NHLの復活ぶりを印象付けるというリーグの意図が窺い知れます。 

ただ、6月12日付でお伝えした通り、やはり細部の数条件にて双方が折り合うのに時間がかかり、スパッと交渉妥結になかなか至れないというのが、現状のようです。

6月28日付トロントサン紙は、NHLPAが「2004−05年の契約内容を来季分として有効に」と訴えており、これが交渉妥結への最後の難所となっていると報じています。6月30日を以てチームとの契約が切れてFAとなる選手は、ざっと300人から400人と言われておりリーグ全体の半数に相当しますが、PAの要求が受け入れられればその数は大きく減少します。すでにサラリーキャップやペイカットで大きな譲歩を見せているPAだけに、これだけは譲りたくないと徹底抗戦する可能性もあるわけです。

また「俺たちはストライキをしたのではなくロックアウトされた」という言い分もある。つまり2004−05年シーズンは、自分たちがプレーしたくてもさせてもらえなかったのだから、同じ契約内容で来季を戦う権利があるとの主張もあるわけです。ただこの選手たちの言い分が通ると、契約下の選手が多すぎてサラリーキャップ枠内に収まらないチームが続出する。そうなると、必然的にバイアウトされる選手が増える。そうすると、チームとしては余計な経費が必要となるわけで、それは避けたいと思うのは当然の考えです。よって、また交渉が煮詰まったりするのです。

また、6月29日付NYポストは、バイアウトした額をどうチーム側が選手に支払うのか(例えば一括払いを選手が要求できるのか、あるいは残りの契約期間より長い期間での分割払いが許されるのか? 前協定下では残りの契約期間の2倍(例えば3年契約なら6年まで)での期間の支払いが許されている)が、焦点となっていると報じています。

NHLがそうこうしているうちに、NBAは一足先に次期労使協定締結(契約期間は6年)。実にあっさりしたもんでした。NHLでの泥沼状態を見たら「あれはよしましょうね」と、NBA関係者なら誰もがそう思うでしょう。ああ、NBAの所作の素早さがNHLにも欲しい。うらやましい。

で、なにはともあれ、ここまでNHLが漕ぎ着けたってことは、あのライバルリーグを立ち上げようとしていた人たちはどーなってしまったのか? というのが、当然気になりますよね? 

まずは、ライバルリーグとしてリーグ復興を目指したWHAから。5月20日に予定されていた「ボビー・ハル・インビテイショナル」なる大会は、スポンサー脱落と観客動員不足が予想されたために自然消滅してしまいました。この大会の消滅とともに、WHAはまたもや、存在のみ残って仮死状態に戻った感じ。大会に「賞金を出す」と豪語していたフィル・エスポジトは、WHAから高額ギャラを得てスポンサー探しをしてそうなのですが、結局事はうまく運ばず。彼とWHAとの関係は打ち切られたと、WHAの公式サイトが発表しています。

また6月上旬、トロントスター紙は、前NY市長ルディ・ジュリアーニ氏と、カナダの外交官モリース・ストロング氏が、NHLのライバルリーグとして「インターナショナル・ホッケー・アソシエーション」を立ち上げると報じました。ジュリアーニ氏のコネで、FOXテレビがこのリーグに投資し、試合を放映するのではとの噂まで書かれていたのですが、即座にNYデイリーニュース紙が「その計画はすでに頓挫した」と否定報道しています。

結局、NHLが開催されなかった1年という歳月において、ライバルリーグは実現せず。
エキシビションゲーム(失笑を買ったOSHL、みなさん覚えてますか? それにバージュバンがコーチを務めたIMGツアーとか)やチャリティゲーム止まり。ま、名前やコンセプトだけホームページで立ち上げて、全く何も動きなしなんてリーグもありましたし・・・チミモウリョウな怪しさ満載のニュースを「ありえね〜!!!」と吐き捨てる。そんな憂鬱な暇の持て余した方ももうそろそろ終わりかと思うと・・・嬉しくって仕方ないです。

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by hockeyworldjapan | 2005-07-01 18:50 | CBA