2005年 07月 09日 ( 2 )

一足先に新CBAの内容?

ガセネタか否かは分かりませんが、NHL新労使協定の全貌がLAタイムズ紙、オタワサン紙その他で報じられておりますので、そのあらましをお伝えします。

サラリーキャップ:
1チームあたり上限3700万ドル(2005−06年リーグ収入を18億ドルと予測しての54%を選手年俸に充てる計算。2002−03年収入は21億ドル)、下限2400万ドル。現行の選手年俸は一律24%ペイカットを実施する。
選手は個々の年俸の15%をプールし、NHLシーズン収入が当初予測に満たなかった場合には、このプール金からチームに返金される。同様なシステムがNBAには組み込まれているが、その割合は10%と低いもので6年の次期協定期間内に8%まで下がる。
贅沢税はなく、収入の多いトップ10チームが、収入の少ないボトム10チームを補助する収入分配策が盛り込まれる。つまり高収入チームから集めた資金を、低収入チームに分配する。

ルーキーキャップ:
年俸85万ドル+ボーナス(上限は年俸の10%まで)。

2004−05年契約の有効性:
ロックアウトで失われた2004−05年分の選手契約の、2005−06年への持ち越しは認められない。

制約つきFA選手の権利留保(クオリファイイングオファー):
前協定同様の100%提示(今夏は24%ペイカット後の額)で留保できる。しかし前協定にあったリーグ平均年俸に満たない選手の10%アップという額は取りやめ、どの選手も100%提示で留保が可能となる。NHLは一時75%という厳しい線を提案していたので、これはNHL側が譲歩した部分でもある。

制約なしFA:
2005−06年は現行同様31歳、以降毎年1歳づつ引き下げて28歳まで引き下げる。

バイアウト:
2005−06年に限り、現契約下の選手をバイアウト(残り契約の3分の2をチームが選手に支払い、選手はそのチームからお払い箱となる)した際にかかる費用は、サラリーキャップには含まれない。またいったんバイアウトした選手を、すぐに同じチームが再契約することはできない。

罰金:
出場停止選手への罰金最高額は、前協定では1000ドルだったが、今後はこの額を引き上げする予定。

年俸調停:
MLB同様、選手側、チーム側の双方から調停に持ち込め、調停者はそのいずれかを選択する。(前協定では申請できたのは選手側のみ)

リーグ最低年俸:
17万5000ドルから40万ドルへとアップ。多くの選手が24%カットを迫られる中、NHL選手でも底辺選手たちは大幅年俸アップと思わぬ恩恵を授かることに。スター選手たちの多くはNHLPAに立腹しているようだが、底辺選手たちは感謝することになるかも。


・・・という感じです。いったん7月7日LAタイムスが「交渉妥結」記事を出しましたが、その後NHL関係者がこの報道を否定。大筋合意は来週早々以降になりそうとのことです。妥結後のドラフト予定日は7月30日若しくは8月6日説が飛び交い、縮小版ドラフトでは開催地オタワが納得しません! なんて記事も目にしました。ああ、ここでもまた、合意後のドタバタが予想されるわけで・・・今は嵐の前の静けさであります。

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by hockeyworldjapan | 2005-07-09 15:54 | CBA

デトロイトにバブコック? 驚くのはまだ早い

労使交渉妥結が近づき、各チームとも動きが活発になってきたとの旨は、以前にもお伝えしましたが、最近驚いたのが「デトロイトの次期ヘッドコーチにマイク・バブコックで決定!」というニュースではないでしょうか?

これまでデトロイトでヘッドコーチを務めてきたデイブ・ルイスはすでに解任ということで、レッドウイングズGMケン・ホランドから話を切り出され、今後はスカウトとしてチーム内に留まるか否かという状況らしいです。

この話の経緯を順に追っていくことにしましょう。

まずは、アナハイム・マイティダックスは、これまでのディズニー社に代わり、地元出身の大富豪サムエリ夫妻が新オーナーに就任。そして前バンクーバーGMのブライアン・バークを新たにGMへと迎えました。

バークGMは就任後、マイク・バブコックコーチに1年契約オファー(昨季と同額)をしましたが、バブコックコーチは「まずは考える時間が欲しい」と要求。バンクーバーではオフェンシブなホッケーを標榜していたバークGMですし、2003年にディフェンシブなホッケーでダックスをスタンレーカップ決勝に導いたマイク・バブコックコーチとどう噛み合うのか、その行方が注目されていたところに、このキナ臭い展開でした。

そしてバブコックに与えられた期限の1週間が過ぎようという頃、バブコック側からダックスGMバークに対し、「考える時間の期限延長を」との申し入れがあったそうです。実際バブコック側とすれば、時間を稼ぐことでダックスの契約額&契約年数提示アップを目論んだものとも考えられますが、バークGMはこれを断固拒否しました。

その時の状況について、バークGMは地元紙LAタイムズに以下のように語っています。

「(数年契約提示は)最初のデートで結婚のプロポーズをするようなもの」
「(代理人の期限延長、契約アップ要求について)どっちもはっきりノーと言ってやった。かなり強調しつつ、放送禁止用語を混じえてな」
「デトロイトからは何も連絡なしだ。こっちに挨拶の電話もないうちに先にバブコックを雇ってしまったのならショックだ。エチケット違反だ」(注:とはいえ6月30日でバブコックとダックスの契約は切れている。バークGMが怒ってるのはあくまで儀礼的な部分)

バンクーバー時代には「ミネソタ・ワイルドとはカルトである」等に代表される名言を残したバークGMですが、アナハイムでも就任当初から飛ばしてます。むふふ。

さて、バブコックに背を向けられたダックスですが、今後のヘッドコーチ候補には、マイク・ジョンストン(バンクーバー・アシスタントコーチ)、ランディ・カーライル(AHLマニトバコーチ)といったバークGMのバンクーバー繋がり、ティム・ハンター(サンノゼ・アシスタントコーチ)、ジョン・スティーブンス(AHLフィラデルフィア・ヘッドコーチ:今季AHL優勝に導く)などの名前が挙がっているようです。

しかし、レッドウイングスにバブコックですか・・・これまでのプレースタイルや、あの街の雰囲気を考えると、彼が馴染むにはちょっと時間がかかるかも知れません。実際、解任となったデイブ・ルイスは、アシスタントコーチとしてでなく、選手としてもレッドウイングスでプレーしたというデトロイトとは深い絆を持つ人物。「スター選手=エゴの固まり」のような側面もある一方で、なぜか家族的な雰囲気があったのは、ルイスがアシスタントコーチ時代にスコッティ・ボウマンと選手たちの間の緩衝剤的存在になっていたという部分もあったはず。ただ、ヘッドコーチの器としてはどうか? という命題に常に苛まれていたことも確かでした。

プレースタイルという部分で考えると、新協定締結後はレッドウイングズも高額選手を大量に放出しなければならない状況が避けられません。するとこれまでのオフェンシブな戦略だけで突っ走れるのかと考えると大きな疑問が残る。もちろんルール変更の恩恵は多少はあるかも知れませんが、デトロイトのファンはこれまでの派手なレッドウイングスの異なるタイプのチームを、今後は目にすることになるわけです。

その手始めの強烈メッセージが、バブコックヘッドコーチ就任という動きなのでしょう。バブコックコーチ就任はまだ正式発表されていませんが、記者会見が実施される頃には、スティーブ・アイザーマンの去就についてもある程度話が進んでいるんではないかと思います。まあ、2006年トリノ五輪に向けてのカナダ代表キャンプに招待されているアイザーマンだけに、バブコックからあっさり肩たたきにあうとは考えにくい。アイザーマンとしても、目を負傷したまま引退する気は毛頭ないでしょうが、レッドウイングスとしてはサラリーキャップという避けられない課題もありますし・・・

・・・と、たいそうな書き方をしてしまいましたが、デトロイトの例はほんの氷山の一角。妥結後は、全リーグ的に、FAにバイアウトの連続で驚愕&混乱の展開が予想されそうです。みなさま、どうぞ心のご準備を。

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by hockeyworldjapan | 2005-07-09 15:29 | NHL overall