2005年 07月 23日 ( 2 )

2005−06年におけるルール変更とは?

2005−06年シーズンに採用される新ルール(概略)は以下の通りです。

*5分間のOT後、3選手ずつのシュートアウト(PS戦)を実施。これで決着がつかない場合はサドンデスでシュートアウトを続行する。シュートアウトで勝利した場合のスコアは、OT後勝利同様1点を加点して試合結果とする。

*ツーラインパス:これまで禁止されていたツーラインパスが可能に。センターラインはオフサイドのジャッジにおいては無視される。

*タグアップオフサイド(国際ルールでのディレイドオフサイド):パックよりも先に攻撃側の選手がアタッキングゾーンに入った場合は、いったんブルーラインまで戻って再度アタッキングゾーンに入ることができる。

*ゴーリーに関する規制
GK防具サイズは、約11%縮小される。レッグパッドについては幅1インチカット(11インチに)、ブロッカー、上半身用プロテクター、パンツ、ジャージなどもサイズ縮小される。規制外用具を使用したGKは、2試合出場停止に25000ドルの罰金、トレーナーも1000ドルの罰金が課せられる。
GKがゴール裏でパックを処理できる範囲は、ゴールポストから6フィートの地点から斜めにエンドボードまで下がった地点の台形エリア(底辺28フィート)に限られる。

*オフェンシブゾーンの拡大
各オフェンシブゾーンを拡大するために、2本のブルーラインの間隔を狭める。これによってニュートラルゾーンは、これまでの54フィートから50フィートとする。ゴールラインは、エンドボードから11フィートの場所に下げる。ブルーライン、レッドラインの幅は従来通り。

*アイシングの変更
アイシングしたチームは、そのすぐ後のフェイスオフでのラインチェンジは認められない。タッチアイシングで従来通りアイシングが宣告されるが、ラインズマンはアイシングを無効にするため、これまで以上の裁量を与えられる。

*インスティゲイターについての変更
試合終了前5分間でインスティゲータペナルティを課せられた選手(乱闘を煽動した選手)は、ゲームミスコンダクトに加え、自動的に1試合出場停止となる。2回目以降は、出場停止期間が倍増する。またそのチームのコーチは1万ドルの罰金となり、2回め以降はこの額が倍増する。

*レフェリージャッジの強化
インターフェアランス、フッキング、ホールディングなどの妨害行為の徹底取り締まり。GKが所定の範囲外でパックハンドリングした場合には試合遅延ペナルティを、また不必要なパックフリーズをした場合も試合遅延ペナルティを課せられる。さらにディフェンディングゾーンからガラスボードを直接越えるパックを打ち込んだ選手も、試合遅延ペナルティを課せられる。

*アンスポーツマンライクコンダクト
ダイビングなど、相手の妨害プレーに対して、ペナルティを取ってもらえるようアピールする演技プレー、故障したふりした選手には、ペナルティを課す。初回違反者には書状で警告を通知し、2回めには1000ドル、3回めは2000ドルの罰金、4回めは1試合の出場停止処分とする。判定に関する公での文句、ホッケーの品位を損なうコメントにも、罰金が課せられる。

*競技委員会の設置
競技委員会(GM4名(ボブ・ゲイニー、ケビン・ロウ、デビッド・ポイル、ドン・ワデル)、オーナー1名(エド・スナイダー)、NHLコリン・キャンベル、選手4名(ロブ・ブレイク、ジャローム・イギンラ、トレバー・リンデン、ブレンダン・シャナハン)に、NHLPAからマイク・ガートナーが参画)

・・・というわけで、あれだけ派手にいろいろ試行した割には、目新しいのはシュートアウトの導入、GK防具&GKのゴール裏の動き規制、ツーラインパス許可、タグアップオフサイド再導入くらい。あと、アイシングを犯したチームにメンバーチェンジが認められないというのは、守備側チームにとって結構キツそう。

ツーラインパス&タグアップオフサイドの導入によって、国際ルールに同調したことになったわけなので、これまでホッケーを見て来た立場としては安心して見ていられるというのはあるけれど、今回のルール変更が、果たしてリーグが掲げる懸案の「得点アップ」のための速効策となるか? と言われるとかなりの疑問がある。特に毎年お約束で項目に挙がる「妨害プレーの取り締まり徹底」なんて、ファンもメディアもさんざん騙されてるから、もうみんな信用してないんじゃなかろうかと。

極太ブルーラインや、拡大版ゴールネット、3オン3のOTなど、過激案は結局採用されませんでした。まあ、ルール変更についての議論は継続実施されるようですし、過激案についての議論が将来復活する可能性もなきにしもあらず・・・ということを付け加えておきましょう。

あ、ついでというにはあまりにもビッグニュースですが、ドラフト抽選の結果がでましたね。全体1位はピッツバーグに決定! クロズビー&マリオの競演が今から待ち遠しい・・・なんて、早くも私の脳内は先走り妄想中であります。詳しい話はまた後日。

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by hockeyworldjapan | 2005-07-23 12:21 | NHL overall

ついに合意! 新協定内容

ついに、ついに、待ちわびたNHL新労使協定が正式承認されました!!!

7月21日にはPA側の投票が実施され、87%が賛成票で承認(532票のうち賛成464、反対68)。翌日7月22日にはオーナー側が満場一致にて承認となったそうです。

その新協定の大まかな内容をこちらにざっとご紹介しておきます。(また詳細についてはのちほど改めて。取り敢えず速報ということでご了承ください)


協定期間
6年(2010−11年まで)。ただしPAは4年目(2008−09年)終了後に協定内容を再交渉するオプション、さらに2010−11年終了後、もう1年協定を延長するオプションも有する。

選手年俸のリーグ収入における割合
リーグ収入が22億ドル未満の場合、54%。
22〜24億ドルの場合、55%。
24〜27億ドルの場合、56%。
27億ドルを超える場合、57%。

チーム年俸
2005−06年のチーム年俸は、下限2150万ドル、上限3900万ドルとする。この額には選手年俸、契約時ボーナス、出来高制ボーナスを含む。
下限については、故障による長期欠場(最低24日、10試合以上)の場合を除き、これを下回ってはいけない。上限については、故障による長期欠場選手の年俸分を、他選手獲得で補うことができる。他選手獲得分年俸は、チーム分サラリーキャップの対象にはならないが、リーグ収入における選手年俸割合計算には含める。故障選手の復帰に合わせ、チームはただちにサラリーキャップで定められた年俸額への調整が求められる。

リーグ選手最高、最低年俸
最高年俸:
チーム年俸上限の20%以内。2005−06年の場合は780万ドル。
最低年俸:
2005−06、2006−07年:45万ドル
2007−08、2008−09年:47万5000ドル
2009−10、2010−11年:50万ドル
2011〜12年:52万5000ドル
すでに2005−06年に最低年俸以下の契約を有する選手については、チームはバイアウトが可能。バイアウトしない場合は、最低年俸までその選手の契約を引き上げなければならない。

出来高制ボーナス
以下の場合のみ認められる。
(1)エントリーレベルの契約(注:ルーキーとして契約する最初の3年間)
(2)長期故障欠場から復帰して1年契約を結んだ場合(過去に400試合出場以上の経験を有し、その前シーズンもしくは直近契約にて100日以上故障者リストに入っていた選手)
(3)35歳以上で1年契約を結んだベテラン選手

一律24%ペイカット
現在契約下にある選手年俸(契約ボーナス、チーム所属ボーナス、出来高制ボーナス、マーケティング料、その他現契約下のいかなる支給額をも含む)は、一律24%カットとなる。2004−05年シーズン分の契約内容は、すべて無効とする。

バイアウト期間
今夏限定6日間が認められる(7月23〜29日)。この期間にバイアウトされた選手に支払われた額は、サラリーキャップ対象として含まれない。バイアウトしたチームは、同シーズン中にその選手との再契約には至れない。

収入分配
チーム収入がリーグ内下位(下から15位まで)で、TV視聴者が250万人以下の市場に位置するチームは、収入分配の恩恵を受けることができる。

五輪
2006年(トリノ)、2010年(バンクーバー)五輪については、NHLとNHLPAは参加合意。今後は諸条件についてIIHFとの協議を進める

FA
制約なしFA:
2005−06年:31歳(4年間のプレー経験が必須)
2006−07年:29歳(4年間のプレー経験が必須)、若しくは8年間のプロ経験を有する選手
2007−08年:28歳(4年間のプレー経験が必須)、若しくは7年間のプロ経験を有する選手
2008−09年以降:27歳(4年間のプレー経験が必須)、若しくは7年間のプロ経験を有する選手
制約つきFA:契約期限は12月1日とする。この期限までに契約できなかった選手は、同シーズンにNHLでプレーすることはできない。

エントリーレベル(ルーキーサラリーキャップ)
最高年俸(契約ボーナス、出場試合数ボーナスを含む):
2005、2006年指名選手:85万ドル。
2007、2008年指名選手:87万5000ドル
2009、2010年指名選手:92万5000ドル
2011年指名選手:90万ドル
契約ボーナス:
その選手年俸の10%以内とする
出来高制ボーナス:
各項目最高21万2500ドル、総計85万ドルまで設定可能(スケジュールA)。またリーグ側からの表彰につき、リーグからボーナスを得ることが可能(スケジュールB)。さらにこの表彰分につき、チームからもボーナスを得るよう設定可能で、その総額は最高200万ドルとなる。
契約期間:
18〜21歳の選手は3年間、22〜23歳は2年間、24歳は1年間となる。
2003、2004指名選手:
2004年指名選手の最高年俸は98万4000ドル、2003年指名選手は94万2400ドルとする。これは前協定で定められた額から24%ペイカット分を除いた数字。契約ボーナスはその選手年俸の30%。出来高制ボーナスは前協定内容に準ずる(実質無制限)。

エントリードラフト
これまでの9巡目までの指名から7巡目までに縮少する。
2004年7月1日〜9月15日に、FAグループ3で選手を失ったチームには、2005年ドラフトにて補償指名権が与えられる(指名順位は前協定規定に準ずる)。ただし、2006年ドラフト以降はこうした補償指名権は与えられない。しかし1巡目指名選手と契約に至らず、その選手を失ったチームについては、こうした補償指名権が認められる。
ドラフト資格は前協定と同じ(ドラフト開催年の9月15日までに18歳)。以前は18歳選手は「ドラフトにエントリーする」との意思表明申請が必要だったが、今後この制度は廃止となる。

年俸調停
申請資格:
前協定の3年間NHL経験のある選手から、4年間の経験へと改正に。選手側からだけでなく、チーム側からも調停に持ち込むことができる。チーム側から調停に持ち込めるのは以下の選手の場合。
1)前年に150万ドル以上の年俸選手(調停に持ち込むにはクオリファイイングオファーが必要)
2)他のグループ2選手

クオリファイイングオファー(制約付きFA選手の交渉権留保への提示額)
選手年俸66万ドル以下:前年比10%アップ提示
66〜100万ドル以下:前年比5%アップ提示
100万ドルを超える選手:前年比同額提示
すでに契約期間にある選手の契約内容を、上方もしくは下方に修正する再交渉は認められない。契約交渉が認められるのは契約期間最終年のみで、チームキャップ上限に収まる額での契約延長のみ認められる。

レギュラーシーズンスケジュール
82試合のまま10月5日開幕。最短で184日間に渡り実施され、最初の3日間、最後の3日間には最低1試合ずつ予定される。各チームは同ディビジョン4チームとの対戦を8試合ずつ(32試合)、同カンファレンスで異なるディビジョン10チームとは4試合ずつ(40試合)、残りの10試合を異なるカンファレンスチームと対戦する。2005−06年シーズンについては、ノースイーストディビジョンのチームは、パシフィックディビジョンのチームとホームで、ノースウエストディビジョンチームとはアウェイで戦う。アトランティックディビジョンのチームは、ノースウエストとの対戦はホームで、セントラルとの対戦はアウェイ。サウスイーストのチームは、セントラルとの対戦がホーム、パシフィックとの対戦はアウェイとなる。

トレーニングキャンプ
ベテラン選手(前シーズン50試合以上出場):20日以内
その他の選手:27日以内
ただし、2005−06年シーズンについては、ベテラン選手は23日以内、その他は30日以内と規定。プレシーズンゲームの試合数は、前協定同様9試合以内のまま。

共同委員会の設置
オーナー側と選手側は以下の共同委員会を設置する
1)ルール変更などに関して議論する競技委員会
2)放送・マーケティング委員会
3)引退選手基金の使途を監視する緊急援助基金運営委員会

ウエーバードラフト
今後は実施しない

トレード期限
前協定でのレギュラーシーズン終了日から数えて26日めから、40日めに変更。

禁止薬物検査
毎シーズン2回までの抜き打ち検査を各選手に実施。うち1回はチーム全体での検査を実施する。初回陽性反応で20試合出場停止(給料なし、NHLが提供する禁止薬物乱用更正健康プログラムへの出頭義務)、2回め陽性反応で60試合出場停止(給料なし)、3回め陽性反応で最低2年間出場停止だが、永久追放と見なされる。ただしその選手は2年後に復帰についての申請は可能。
NHLとNHLPAは、禁止薬物リストを共同で作成する。このリストには世界反ドーピング機関(WADA)の規定に含まれる薬物を含むこととする。

プール金
選手年俸のリーグ収入における割合(54%)を満たすために、NHLは各選手からその年俸の数%をプール金として徴収する。このプール金の%は、シーズン中4回の時点で評価決定される。

・・・と駆け足で紹介いたしましたが、合意後のベットマンコミッショナーの記者会見では、噂にあったNHL新ロゴも披露されていましたね。(あ、そういえばIIHFもロゴを今年変えたんですが、気づいた方いました?)

というわけで、やっと小躍りしたい気分になってきました。選手が動き出す日本時間明日には、大躍りかな? 

続いて、ルール改正についてご説明するといたしましょう!

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by hockeyworldjapan | 2005-07-23 12:07 | CBA