2006年 09月 18日 ( 1 )

福藤選手@キングズキャンプ詳報

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は〜、時差ぼけ著しい管理人@ロサンゼルスです。

福藤選手、今日はすんごく冴えていました! キャンプ初日から今日ですでに4日目ですが、初日からいきなりスタートしたチーム内トーナメント(3つのグループに分かれています)「ロギー・ウ゛ァーションカップ」にて、自ら所属する「チームゴアリング」を見事優勝へと導きました。

そこで、まずは今季のキャンプここまでのあらましをお伝えしましょう。

キャンプ初日の9月14日は、早朝6:30から身体計測・健康診断。
通常はキャンプ初日はこれだけで終了してしまうチームも多い中、今季のキャンプ期間が通常よりも短いことを意識してか、その後いきなり練習〜ロギー・ウ゛ァーションカップ=試合形式と、慌ただしいスケジュールでした。

ちなみに福藤選手はこの日、早朝の身体計測・健康診断を済ませた後、7:45からGKのみの特別練習に参加。その後ビデオセッションをはさんで、8:40からチームゴアリングの全体練習がスタート。そしていきなり9:45から紅白戦1試合めの後半に出場。ここでは、チームゴアリングが、チームベリー(GKはクルティエ、テイラー、バーニエが所属)を6−0で下す快勝。チームゴアリングは、ガロンが前半25分、福藤選手が後半25分に出場しており、ともに無失点。マンスはフィジカルの遅れのため不出場だったそうです。朝7:45から練習開始で、氷上練習は12:30には全て終了というスケジュールは、どうもクロフォード新HCのアイデアらしい。あのお方、朝からテンション高そうですものねえ。
福藤選手にとっても、この朝早いスケジュールはちょっと厳しいらしく、目の下に青クマを作っていてビックリ。若くてもクマってできるのですねえ(笑)。

キャンプ2日目の9月15日も、また福藤選手は7:45からのGK朝練に出席。そのためには、6:30にシャトルで宿泊先ホテルを出発しなければならないそうです。そしてこの日も、朝9:45から試合(vsチームマーフィー)でしたが、チームゴアリングが4−2で勝利。福藤選手は後半15分をプレーして1失点。マンスと交代直後に許したゴールをかなり悔やんでいた様子だったそうです。

キャンプ3日目の9月16日は、福藤選手のチームゴアリングは試合なし。しかし9:45からGK特練でみっちりしごかれていました。ビル・ランフォード新GKコーチ指導の下、昨季までの「しごき魔コーチ」アンディ・ノーウィッキとは異なり、現役生活でのスタンレーカップ獲得GKの教えは、選手たちにも納得しやすい部分が大きいとか。ただシゴキをするだけでなく、理論について選手たちととことん話をするのが、どうもランフォードのスタイルらしいです。

現役時代のランフォードは、それほど「熱血」というイメージはなかったのですが、コーチとしてはかなりの熱血ぶりを早くも見せています。練習内容は、ゴーリーのポイントとなる動きをかいつまんで、みっちりやり、練習後はGKをひとりひとりコーチ部屋に呼び寄せ、ビデオを使って綿密に指導。昨季までのノーウィッキ氏がGK2、3人を集めて一緒にやっていたのと、またここでも違いがあるようです。

それにしてもランフォード、GKにしては、プレーヤースティックを握ってのシュートやパックハンドリングのスキルがうまくってびっくり! 福藤選手については「全体的にスキルはしっかりしている。あとはパックを目でしっかり追うようになれれば・・・今季はAHLでの仕事を争うことになるだろう」とコメントしていました。

ところで、今年キングズのキャンプで開催されているチーム内対抗戦「ロギーカップ」とはなんぞや? について説明したいと思います。まずはキングズの今季キャンプ参加選手総勢65人を3つのグループに分け、総当たり戦を最初の3日間で実施。最後は上位2チームによる決勝で優勝を争います。それぞれのチームには、70年代にキングズで活躍した往年の選手(ブッチ・ゴアリング、ボブ・ベリー、マイク・マーフィー)の名前を冠し、優勝杯の名前は当時の名GKロギー・ヴァーションの名前が付けられています。優勝したチームには、表彰式でヴァーション本人からトロフィーが渡されました。

で、福藤選手のチームゴアリングは、見事総当たり戦を1位通過で、キャンプ4日目9月17日の決勝に進出したわけです。決勝では30分1ピリオド(時計を止めずに流します)を2度戦います。2つのピリオドとも一方のチームが制すれば、そのチームの勝利。1つずつ各チームが勝利すれば、勝負を決するシュートアウト合戦がその後に用意されています。

決勝の相手は、総当たり戦では4−2で下している相手、チームマーフィー。相手チームのGKには、ジェイソン・ラバーベラ、バリー・ブラストがいます。

第1ピリオドは、チームゴアリングからはGKはマチュー・ガロンが、チームマーフィーからはジェイソン・ラバーベラと、共に大将格同士が出てきました。

ガロンはリバウンドからゴール前フリーで打たれる、GKとしては仕方ない感じで1失点した以外は、安定した出来。ロギーカップ3試合でたった1失点と、8人のGKのうち最高の出来を見せていました。

GKが3人いるチームマーフィーは、1ピリ20分を回ったところで、2番手のライアン・マンスにスイッチ。どうも試合前に「1番手はガロンが出るとして、2番手はどちらが出るか?」ということで、マンスと福藤選手との話し合いになったそうです。で、マンスが「俺が先に出たい」と申し出て、マンスが2番手となったそう。

しかしそのマンスですが、味方のペナルティは即PSという大会特別ルールにより、PSにてフロロフ、グリーナンに連続ゴールを許します。

一方のチームマーフィーのGKラバーベラも、それほどいい出来ではなかったのですが、30分を2点に抑えて、第1ピリオドは3−2でチームマーフィーの勝利となりました。
  
製氷を挟んで、続く第2ピリオドは、チームゴアリングはそのままマンスが引き続き出場。チームマーフィーはブラストがゴールを守ります。

2ピリ途中から、マンスの後を引き継ぐことが分かっている福藤選手は、2ピリ開始前にリンクに出て、入念にストレッチを実施します。

マンスが最初の10分を無失点に抑えて、福藤選手が出てきました。背番号はちょっと見慣れない33番。「特に愛着のない番号ですから」と福藤選手はさらりと語っていました。自分がこだわる44番は、ちなみに同じチームゴアリングのラウリ・トゥコネンが着けています。

福藤選手、この日は本当に冷静なプレーが光りました。例えばセーブ後パックがこぼれても慌てることなく、その後のカバーが非常に早かったです。しかし順調にセーブを重ねた終盤、外からDFグリーソンが放ったシュートが、誰かに当たって方向が変化。ブロッカーサイド上を抜かれて1点を献上します。

ただ、そうしたアンラッキーなゴールをされても、崩れないのがいいところ。その失点の直後のフロロフのPSを、グラブハンドでしっかり止めていました。

一方、相手GKブラストは、2ピリ開始間際にいきなりファーストショットでオサリヴァンにやられ、その後もコンロイのリバウンドショット、さらにPSでモーミナに決められ、このピリオドだけで3失点。チームゴアリングが3−1と試合をリードします。

リードされたチームマーフィーは、最後はGKブラストを上げて6人攻撃を仕掛けますが、その猛攻も福藤選手はよく凌ぎました。受けたシュートは14本(最初の枠内に流れて来たルースパックを止めたのを含む)で、1失点は上出来だったと思います。

そして、大会特別規定により、勝負を決するシュートアウトが実施されました。
2ピリに出場していた福藤、ブラストの両GKが、そのままゴールを守ります。
このPSに勝利したチームが勝ち。福藤選手にとって大きな見せ場がやってきました。

チームマーフィー1人め:×
キングズでも若手シューターナンバーワンのフロロフ。すでに福藤選手はこの日、フロロフのPSを1本止めていましたが、今度はフロロフはあっさりとシュートせず、右側に巻き込んできました。そこを福藤選手はよく我慢してスペースを詰める好守ぶり。フロロフのシュートは枠を外れて行きました。

チームゴアリング1人め:×
キングズの「PR部長」クレイグ・コンロイ。早いモーションから鋭いシュートを放つも、ブラストが身体を張ったダイビングを見せてセーブ。

チームマーフィー2人め:×
キングズ期待の大型ルーキー、スロベニア出身のアンツィ・コピター。コピターもフロロフよろしく、右サイドから切れて、今度は左サイドを狙ってきましたが、福藤選手はこの動きをよく読んでセーブ。

チームゴアリング2人め:○
スピードとスコアリングが魅力のマイク・キャマレリ。キャマレリが放ったシュートは、大型GKブラストが守るゴールのグラブサイドトップコーナーぎりぎりに突き刺さってゴール。

チームマーフィー3人め:×
ノア・クラークのシュートが、福藤選手のスティックサイドわきあたりを狙うも、枠を外す。

チームゴアリング3人め:○
エリック・ベランジェが、右からゴール前を左に横切り、ブラストが体勢を崩すのを我慢して待ってから、クロスバーすれすれにシュートを放つ技ありゴール。

ここまで両チーム3人ずつを終了して、2−0でチームゴアリングがリード。
福藤選手は、次のシューターを止めれば、5人まで行かずしてシュートアウトでの勝利となります。

チームマーフィー4人め:×
ショーン・エイブリが、福藤選手の足元を狙ってシュートを放つも、きっちりとこれを福藤選手が前にはじいて、試合終了!

勝ったぞ! とグラブを掲げて喜ぶ福藤選手に、チームメートたちが駆け寄り、労をねぎらっている姿が印象的でした。

試合後、福藤選手は「昨季はシュートアウトでは一度も勝てなかったので、うれしいです」と語っていました。

2ピリのPS、シュートアウトと、フロロフを2回連続で止めたことについては、「マンスに対する1ピリのPSで、フロロフがファイブホールを狙ってきた動きを見ていたので、参考になりました。フロロフがファイブホールに来るのを想定しながらも、それ以外の方法として、おそらく巻いて来るだろうなと予想していたら、本当にそうなったんです」と、頭脳戦でフロロフを制したことを明かしていました。

また、クロフォードコーチは試合後、こんな風に福藤選手についてコメントしていました。

「福藤はルーキートーナメントの頃からずっと好調で、メインキャンプでも実力を発揮している。キングズのGK選手層をかけ登ろうという勢いだ。彼がマンチェスターでの仕事を争うのに実力は十分あると思うし、マンチェスターでいい仕事ができれば彼にとって今季プラスになるだろう。性格もいいしハードにプレーしている。彼のプレーには満足している。彼がこのままいいプレーを続けてマンチェスターでの座を確保し、NHLへの道を切り開いていって欲しいと思う。マンチェスターまでこぎつければ、NHLまではあと1歩だよ」

また、クロフォードコーチに、今季プレシーズンゲーム出場の可能性を問うと、
「今のところ1試合半分の出場を、ブラスト、福藤、バーニエのうち、誰を出場させるかを、向こう2日間で考えたい」
と答えていました。

ただ、9月18日のアナハイムでのプレシーズンゲームでは、すでにラバーベラ、ガロンの出場が決まっている模様。翌19日のステイプルズセンターでの試合では、その半分をクルティエが出場することが予想され、残り半分をこの3人のGKのうち誰か、という決定を下すというのが、クロフォードコーチのコメントの趣旨かと思われます。

それにしても福藤選手、昨年のキャンプは、各練習でも100%を出し切っていて、余裕がなく悲壮感が漂っていたのです。でも今年は違う。練習では冷静で穏やか。でも今日の試合前の練習で集中力を徐々に高め、試合でいいものを出すという方法でいい結果を出している感じで、すごくいいです。

しかしながら、キングズ首脳陣は、福藤選手の好守に気を良くしながらも、当面は1軍契約GKが3人(クルティエ、ガロン、ラバーベラ)いるという状況に頭を悩ませることになりそうで、そっちで手一杯という雰囲気もしっかり伝わってくるのです。

まあ、このあと順調に、1軍契約GKを3人から2人に減らしてくれれば(ラバーベラをどこかのチームがウエーバーで引き取ってくれれば)、福藤選手、うまく今季はマンチェスターで開幕スタートが切れるんじゃないか、という気がしているのですが・・・さてどうなるでしょうか? 今後も注目してくださいね!
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by hockeyworldjapan | 2006-09-18 15:56 | Fuku-chan report