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ついに合意! 新協定内容

ついに、ついに、待ちわびたNHL新労使協定が正式承認されました!!!

7月21日にはPA側の投票が実施され、87%が賛成票で承認(532票のうち賛成464、反対68)。翌日7月22日にはオーナー側が満場一致にて承認となったそうです。

その新協定の大まかな内容をこちらにざっとご紹介しておきます。(また詳細についてはのちほど改めて。取り敢えず速報ということでご了承ください)


協定期間
6年(2010−11年まで)。ただしPAは4年目(2008−09年)終了後に協定内容を再交渉するオプション、さらに2010−11年終了後、もう1年協定を延長するオプションも有する。

選手年俸のリーグ収入における割合
リーグ収入が22億ドル未満の場合、54%。
22〜24億ドルの場合、55%。
24〜27億ドルの場合、56%。
27億ドルを超える場合、57%。

チーム年俸
2005−06年のチーム年俸は、下限2150万ドル、上限3900万ドルとする。この額には選手年俸、契約時ボーナス、出来高制ボーナスを含む。
下限については、故障による長期欠場(最低24日、10試合以上)の場合を除き、これを下回ってはいけない。上限については、故障による長期欠場選手の年俸分を、他選手獲得で補うことができる。他選手獲得分年俸は、チーム分サラリーキャップの対象にはならないが、リーグ収入における選手年俸割合計算には含める。故障選手の復帰に合わせ、チームはただちにサラリーキャップで定められた年俸額への調整が求められる。

リーグ選手最高、最低年俸
最高年俸:
チーム年俸上限の20%以内。2005−06年の場合は780万ドル。
最低年俸:
2005−06、2006−07年:45万ドル
2007−08、2008−09年:47万5000ドル
2009−10、2010−11年:50万ドル
2011〜12年:52万5000ドル
すでに2005−06年に最低年俸以下の契約を有する選手については、チームはバイアウトが可能。バイアウトしない場合は、最低年俸までその選手の契約を引き上げなければならない。

出来高制ボーナス
以下の場合のみ認められる。
(1)エントリーレベルの契約(注:ルーキーとして契約する最初の3年間)
(2)長期故障欠場から復帰して1年契約を結んだ場合(過去に400試合出場以上の経験を有し、その前シーズンもしくは直近契約にて100日以上故障者リストに入っていた選手)
(3)35歳以上で1年契約を結んだベテラン選手

一律24%ペイカット
現在契約下にある選手年俸(契約ボーナス、チーム所属ボーナス、出来高制ボーナス、マーケティング料、その他現契約下のいかなる支給額をも含む)は、一律24%カットとなる。2004−05年シーズン分の契約内容は、すべて無効とする。

バイアウト期間
今夏限定6日間が認められる(7月23〜29日)。この期間にバイアウトされた選手に支払われた額は、サラリーキャップ対象として含まれない。バイアウトしたチームは、同シーズン中にその選手との再契約には至れない。

収入分配
チーム収入がリーグ内下位(下から15位まで)で、TV視聴者が250万人以下の市場に位置するチームは、収入分配の恩恵を受けることができる。

五輪
2006年(トリノ)、2010年(バンクーバー)五輪については、NHLとNHLPAは参加合意。今後は諸条件についてIIHFとの協議を進める

FA
制約なしFA:
2005−06年:31歳(4年間のプレー経験が必須)
2006−07年:29歳(4年間のプレー経験が必須)、若しくは8年間のプロ経験を有する選手
2007−08年:28歳(4年間のプレー経験が必須)、若しくは7年間のプロ経験を有する選手
2008−09年以降:27歳(4年間のプレー経験が必須)、若しくは7年間のプロ経験を有する選手
制約つきFA:契約期限は12月1日とする。この期限までに契約できなかった選手は、同シーズンにNHLでプレーすることはできない。

エントリーレベル(ルーキーサラリーキャップ)
最高年俸(契約ボーナス、出場試合数ボーナスを含む):
2005、2006年指名選手:85万ドル。
2007、2008年指名選手:87万5000ドル
2009、2010年指名選手:92万5000ドル
2011年指名選手:90万ドル
契約ボーナス:
その選手年俸の10%以内とする
出来高制ボーナス:
各項目最高21万2500ドル、総計85万ドルまで設定可能(スケジュールA)。またリーグ側からの表彰につき、リーグからボーナスを得ることが可能(スケジュールB)。さらにこの表彰分につき、チームからもボーナスを得るよう設定可能で、その総額は最高200万ドルとなる。
契約期間:
18〜21歳の選手は3年間、22〜23歳は2年間、24歳は1年間となる。
2003、2004指名選手:
2004年指名選手の最高年俸は98万4000ドル、2003年指名選手は94万2400ドルとする。これは前協定で定められた額から24%ペイカット分を除いた数字。契約ボーナスはその選手年俸の30%。出来高制ボーナスは前協定内容に準ずる(実質無制限)。

エントリードラフト
これまでの9巡目までの指名から7巡目までに縮少する。
2004年7月1日〜9月15日に、FAグループ3で選手を失ったチームには、2005年ドラフトにて補償指名権が与えられる(指名順位は前協定規定に準ずる)。ただし、2006年ドラフト以降はこうした補償指名権は与えられない。しかし1巡目指名選手と契約に至らず、その選手を失ったチームについては、こうした補償指名権が認められる。
ドラフト資格は前協定と同じ(ドラフト開催年の9月15日までに18歳)。以前は18歳選手は「ドラフトにエントリーする」との意思表明申請が必要だったが、今後この制度は廃止となる。

年俸調停
申請資格:
前協定の3年間NHL経験のある選手から、4年間の経験へと改正に。選手側からだけでなく、チーム側からも調停に持ち込むことができる。チーム側から調停に持ち込めるのは以下の選手の場合。
1)前年に150万ドル以上の年俸選手(調停に持ち込むにはクオリファイイングオファーが必要)
2)他のグループ2選手

クオリファイイングオファー(制約付きFA選手の交渉権留保への提示額)
選手年俸66万ドル以下:前年比10%アップ提示
66〜100万ドル以下:前年比5%アップ提示
100万ドルを超える選手:前年比同額提示
すでに契約期間にある選手の契約内容を、上方もしくは下方に修正する再交渉は認められない。契約交渉が認められるのは契約期間最終年のみで、チームキャップ上限に収まる額での契約延長のみ認められる。

レギュラーシーズンスケジュール
82試合のまま10月5日開幕。最短で184日間に渡り実施され、最初の3日間、最後の3日間には最低1試合ずつ予定される。各チームは同ディビジョン4チームとの対戦を8試合ずつ(32試合)、同カンファレンスで異なるディビジョン10チームとは4試合ずつ(40試合)、残りの10試合を異なるカンファレンスチームと対戦する。2005−06年シーズンについては、ノースイーストディビジョンのチームは、パシフィックディビジョンのチームとホームで、ノースウエストディビジョンチームとはアウェイで戦う。アトランティックディビジョンのチームは、ノースウエストとの対戦はホームで、セントラルとの対戦はアウェイ。サウスイーストのチームは、セントラルとの対戦がホーム、パシフィックとの対戦はアウェイとなる。

トレーニングキャンプ
ベテラン選手(前シーズン50試合以上出場):20日以内
その他の選手:27日以内
ただし、2005−06年シーズンについては、ベテラン選手は23日以内、その他は30日以内と規定。プレシーズンゲームの試合数は、前協定同様9試合以内のまま。

共同委員会の設置
オーナー側と選手側は以下の共同委員会を設置する
1)ルール変更などに関して議論する競技委員会
2)放送・マーケティング委員会
3)引退選手基金の使途を監視する緊急援助基金運営委員会

ウエーバードラフト
今後は実施しない

トレード期限
前協定でのレギュラーシーズン終了日から数えて26日めから、40日めに変更。

禁止薬物検査
毎シーズン2回までの抜き打ち検査を各選手に実施。うち1回はチーム全体での検査を実施する。初回陽性反応で20試合出場停止(給料なし、NHLが提供する禁止薬物乱用更正健康プログラムへの出頭義務)、2回め陽性反応で60試合出場停止(給料なし)、3回め陽性反応で最低2年間出場停止だが、永久追放と見なされる。ただしその選手は2年後に復帰についての申請は可能。
NHLとNHLPAは、禁止薬物リストを共同で作成する。このリストには世界反ドーピング機関(WADA)の規定に含まれる薬物を含むこととする。

プール金
選手年俸のリーグ収入における割合(54%)を満たすために、NHLは各選手からその年俸の数%をプール金として徴収する。このプール金の%は、シーズン中4回の時点で評価決定される。

・・・と駆け足で紹介いたしましたが、合意後のベットマンコミッショナーの記者会見では、噂にあったNHL新ロゴも披露されていましたね。(あ、そういえばIIHFもロゴを今年変えたんですが、気づいた方いました?)

というわけで、やっと小躍りしたい気分になってきました。選手が動き出す日本時間明日には、大躍りかな? 

続いて、ルール改正についてご説明するといたしましょう!

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by hockeyworldjapan | 2005-07-23 12:07 | CBA

新協定批准は7/22、翌日からNHLついに始動?

やっと新協定大筋妥結に至ったNHL。現地今週金曜日(7月22日)にオーナー側、選手会側双方から批准されれば、翌日からNHLビジネスがついに始動! という運びになるそうです。

NHL始動! となれば、その流れが当然気になります。
一連のスケジュール青写真がすでに各チームや代理人にメモという形で通告されており、それがお約束通りメディアにバレてます(笑)ので、そちらの内容をお伝えすることにしましょう。

7月22日(金):2005年エントリードラフト抽選
48個のボールを30チームが抽選する。過去3シーズンでのプレーオフの成績が悪い方から抽選を始め、チームによって最大3つのボールを引くことができる(バッファロー、コロンバス、NYレンジャーズ、ピッツバーグの4チームが3つを抽選)が、上位チームでも1つは引くことができる(10チームが2つ、14チームが1つのボールを抽選)。例えば、コロンバスの場合、「いの一番」=シドニー・クロズビーを指名すべく全体1位順位を引き当てる確率は、3/48=1/16となるが、ボールが1つしかないフィラデルフィアは、その確率が1/48ということになる。

7月23日(土):バイアウト期間開始
サラリーキャップ枠内にチーム年俸総額を収めさせるために、今夏特例とも言える「6日間のバイアウト期間」を設置。この期間に各チームは、チーム内でダブついて不要となった選手は、残りの契約の3分の2を支払うことで、その選手をお払い箱にすることができます。
また同日、2003年指名選手との契約交渉開始。クオリファイイングオファー(制約つきFA選手の権利留保のための年俸提示)提示期限、制約なしFA選手との契約延長交渉も、この日に開始。

7月28日(木):オプション契約行使期限、2003年ドラフト指名選手契約期限。2003年指名選手が契約に至らなかった場合は、2005年ドラフトに再エントリーが認められます。通常のシーズンであれば、2年前のドラフト指名選手の契約期限は6月30日ですが、6月30日はまだロックアウト中だったために、今夏は特例が認められました。

7月29日(金):バイアウト期間終了。

7月30日(土):オタワでエントリードラフト開催。当初はNYやトロント開催の噂もありましたが、どうやら当初の予定通りオタワのウエスティンホテルでの開催に落ち着いた模様。コレルセンターでの開催も考えられたが、縮小版開催ということでホテルでの実施が濃厚。昨年までの9巡目までの指名ではなく、今年は7巡目までの指名となるとの噂も。

8月1日(月):FA解禁
例年ですと7月1日となるこのFA解禁が、1ヶ月遅れで実施される見込み。

8月10日(水)
選手側からの年俸調停申請期限

8月11日(木)
チーム側からの年俸調停申請期限

8月22日〜9月1日
年俸調停実施期間

9月15日
トレーニングキャンプ開幕

10月5日
NHLシーズン開幕

・・・と、流れとしてはこんな感じになってます。

それ以外に、リークされた新協定内容細部については、こんな報道がなされています。

クオリファイイングオファー:
リーグ最低年俸〜66万ドルまでの選手には、10%アップの提示が求められる。66万〜100万ドルまでの選手には、5%アップ。100万ドル以上の選手は同額提示となっている。

違法薬物検査:
2006年1月15日からシーズン終了までに、抜き打ちで違法薬物検査を実施。1人の選手につき検査は最高2回までで、初回失格選手には20試合出場停止、2回目は60試合、3回目で永久追放となる。

その他:
*制約つきFA選手は、12月1日までに権利留保したチームと契約延長に至る必要がある。さもないと2005−06年はNHLでプレーできない。
*グループ5FA(制約なしFA;10年以上のプロ経験、リーグ平均年俸以下)の選手は、2004−05年もプロ経験1年としてカウントできる。このFA基準の目安となるリーグ平均年俸額は139万ドル(2003−04年平均から24%ペイカット込みの数字)。
*2003、04年ドラフト指名選手は、前協定内容(しかし24%ペイカット)で契約できる。
*6日間のバイアウト期間で放出された選手は、ウエーバー、トレードを通しても、2005−06年シーズン中は再びそのチームに所属することはできない。

・・・などなど、やっと具体的な話がでてきて、ほっとしております。

それにしても「大筋妥結!」から、やけに時間かかっとるな〜というご意見も多いことかと思います。なにせ600ページ超の大作になってしまった新協定ですから、オーナー側も、選手側も、代理人も、チームスタッフも、それを咀嚼&玩味するのがモー大変ということらしい。

その内容が公表されるのが、待ち遠しいようなコワイような。ま、結構リークされちゃってますけどねっ!

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by hockeyworldjapan | 2005-07-21 06:52 | CBA

NHL労使交渉大筋合意

現地7月13日、ついにNHLは労使交渉大筋合意を発表しました。

妥結に至るまでのNHLとNHLPAの会合は、重ねること実に82回。そして最後は、NYでの24時間を越える連続会議の結果、301日のロックアウトが幕が閉じました。

新協定の詳細はまだ明らかにされていませんが、6年契約、チームごとのサラリーキャップ1年目は下限2100万ドル、上限3900万ドルと推測されています。2年目以降は、選手総年俸はリーグ総収入の54%と定め、収入の増減によってキャップ額も変動するようです。

また選手のリーグ最高年俸は、チームキャップの20%にあたる740万ドルとし、リーグ最低年俸を45万ドルとすることにも、NHLPAは合意したと伝える報道機関も。
その内容は600ページにも渡る複雑なもので、過去にこちらでもお伝えしたLAタイムスが報じたものとほぼ同じらしいのですが、詳しくは正式合意後の発表を待ちたいと思います。

正式合意はオーナー側(NYで7月15日会合実施)、選手側(トロントにて7月14、15日会合実施)双方の批准後、7月21日に発表されると予想されております。ちなみにPAの批准は公式HP上での電子投票(非公開)となるんだとか。過去にもお伝えしたように、選手の中には当然不満も多かろうが、これで批准しないとさらなる兵糧攻めに遭う。もう1シーズン働かないでいられるほど、蓄えなどない・・・とゆーわけで、選手側からも批准されるであろうというのが、大方の読みだそう。

これでNHLの狂乱年俸時代はひとまず終焉し、NHLのマクロ経済は安定化に向かう(といっても安定するのは支出面だけですが)ことが予期されます。また選手個々の年俸を抑えるだけでなく、何らかの形での収入分配策(お情け程度の内容のため、大した格差是正にはならないという声も。正式発表を待ちたい)も導入されるため、大市場かつ高収入チームと、小市場で低収入チームというチーム間格差は、前協定と比較するとかなり縮まると見られています。

新協定下では、サラリーキャップ導入を待ちわび、これまで爪に火を灯す思いで切り詰めて来たチームなら、かなりの購買力を発揮できるでしょう。特に今夏は大量にFA選手が市場に出回るので、ロースターを一気に刷新することができ、いきなり優勝を狙えるチームに変貌する可能性すらある。逆にこれまで資金力に任せてスター選手を揃えていたチームは、FA選手放出だけでは間に合わず、現契約下にある選手をもバイアウトしなければ、サラリーキャップ上限内にチーム総年俸が留まらない。そのため、安い選手(往々にして得点力は少なめで地味)を獲得しつつ、チーム戦略修正を強いられることだってありましょう。

ただ、選手たちもあっさり契約合意するかどうかというのを考えると、キャンプ開幕(9月中旬)までに大方のFA選手が片付くのかどうか、つまりチームの全貌が見えるのはいつ? という問題もあります。まずは、例年のFA市場解禁日(7月1日)を後ろ倒しし、各チームとFAになる可能性のある選手との契約期間を設ける。その後FA解禁となるでしょう(8月初旬という声あり)ですから、例年なら2ヶ月半あるFA市場取引が今年は1ヶ月ちょっとしかない。掘り出し物の選手には、買い気満々のチームが殺到するでしょうし、高額スターは様子見ということで値が付かず、しばらく放置される可能性もありましょう。

そんなニュースの第1陣として、マーカス・ナズランドが、バンクーバーを離れるかも? という報道あり。いまやカナックスのキャプテンとして、さらにリーグを代表するスコアラーとなった彼ですが、今夏は制約なしFAとなる身。アナハイムGMに就任したブライアン・バーク(前バンクーバーGM)とともに、アナハイム行きなんて予想もあるようです。カナックスは、バーツッジ、ジョバノフスキー、リンデンの3人のみが現在契約下で、その合計は1060万ドル(24%ペイカット込)。なので金額的には3900万ドルのキャップ上限を考えると、ナズランドと契約延長する余裕は十分ある。ということはナズランドの代理人が「彼をさっさとキープしないと知らないよん」と、カナックスに対して揺さぶりをかけてきたんでは? とついつい深読みしてしまいます。

そして開幕後の最大の課題は、北米メジャースポーツ初となった労使紛争による1年間のブランクをどう取り戻すか。同じく労使紛争にて長期シーズン中止となったMLBは、その人気を取り戻すのに10年近くを費やしたと言われています。

ホッケーが深く根付いているカナダはまだいいが、心配なのは24チームが属するアメリカの事情。それだけに、今回の労使妥結のニュース発表は、MLBオールスター明けでニュースの少ない日を敢えて選んだのではという見方もあるほど。開幕後は、ルール変更を実施し、得点アップの展開にホッケーを変えようという試みも、確かに行われてはいます。しかし、アメリカでのTV放映権事情が非常に厳しい今、今後は選手たちのホッケー振興を含むチャリティなど、地道な活動からファン拡大を狙うことが必要だという声も高まっているようです。

というわけで、開幕(ほぼ)決定となっても、お祭り気分には到底なれない私なのでありました。

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by hockeyworldjapan | 2005-07-14 15:36 | CBA

一足先に新CBAの内容?

ガセネタか否かは分かりませんが、NHL新労使協定の全貌がLAタイムズ紙、オタワサン紙その他で報じられておりますので、そのあらましをお伝えします。

サラリーキャップ:
1チームあたり上限3700万ドル(2005−06年リーグ収入を18億ドルと予測しての54%を選手年俸に充てる計算。2002−03年収入は21億ドル)、下限2400万ドル。現行の選手年俸は一律24%ペイカットを実施する。
選手は個々の年俸の15%をプールし、NHLシーズン収入が当初予測に満たなかった場合には、このプール金からチームに返金される。同様なシステムがNBAには組み込まれているが、その割合は10%と低いもので6年の次期協定期間内に8%まで下がる。
贅沢税はなく、収入の多いトップ10チームが、収入の少ないボトム10チームを補助する収入分配策が盛り込まれる。つまり高収入チームから集めた資金を、低収入チームに分配する。

ルーキーキャップ:
年俸85万ドル+ボーナス(上限は年俸の10%まで)。

2004−05年契約の有効性:
ロックアウトで失われた2004−05年分の選手契約の、2005−06年への持ち越しは認められない。

制約つきFA選手の権利留保(クオリファイイングオファー):
前協定同様の100%提示(今夏は24%ペイカット後の額)で留保できる。しかし前協定にあったリーグ平均年俸に満たない選手の10%アップという額は取りやめ、どの選手も100%提示で留保が可能となる。NHLは一時75%という厳しい線を提案していたので、これはNHL側が譲歩した部分でもある。

制約なしFA:
2005−06年は現行同様31歳、以降毎年1歳づつ引き下げて28歳まで引き下げる。

バイアウト:
2005−06年に限り、現契約下の選手をバイアウト(残り契約の3分の2をチームが選手に支払い、選手はそのチームからお払い箱となる)した際にかかる費用は、サラリーキャップには含まれない。またいったんバイアウトした選手を、すぐに同じチームが再契約することはできない。

罰金:
出場停止選手への罰金最高額は、前協定では1000ドルだったが、今後はこの額を引き上げする予定。

年俸調停:
MLB同様、選手側、チーム側の双方から調停に持ち込め、調停者はそのいずれかを選択する。(前協定では申請できたのは選手側のみ)

リーグ最低年俸:
17万5000ドルから40万ドルへとアップ。多くの選手が24%カットを迫られる中、NHL選手でも底辺選手たちは大幅年俸アップと思わぬ恩恵を授かることに。スター選手たちの多くはNHLPAに立腹しているようだが、底辺選手たちは感謝することになるかも。


・・・という感じです。いったん7月7日LAタイムスが「交渉妥結」記事を出しましたが、その後NHL関係者がこの報道を否定。大筋合意は来週早々以降になりそうとのことです。妥結後のドラフト予定日は7月30日若しくは8月6日説が飛び交い、縮小版ドラフトでは開催地オタワが納得しません! なんて記事も目にしました。ああ、ここでもまた、合意後のドタバタが予想されるわけで・・・今は嵐の前の静けさであります。

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by hockeyworldjapan | 2005-07-09 15:54 | CBA

妥結間近ってことで、あのライバルリーグは今?

例年ならば今日がFA解禁日なんですが・・・ま、愚痴は言うまい。

とゆーのは、ついにいよいよ、NHL労使交渉が大詰めらしいのです。

トロントにて6月24日まで5日連続75時間会合(1日平均なんと15時間!)を実施したNHLとNHLPAは、27日からまた交渉を再開。現在は双方の弁護士を挟んで新協定内容の詰めを行っているとのこと。そして早ければ、7月第1週にも暫定案が整うのではとの噂も出ています(7月第1週って来週よねん?)。で、暫定案に双方が合意した後は、選手全員による投票でこの内容が批准され、NHL代表者会議にて承認されるという段取りになっています。

そういう意味では、NHL関係者もここに来てやっと楽観モードになってきました。多くのチームが来季開幕に向けて、コーチングスタッフやフロント関係者の契約延長を続々発表。また、NHLが予定通り開幕すれば、トリノ五輪参戦はほぼ確実・・・となることから、カナダ代表はさっさと8月に実施する代表トレーニングキャンプのメンバー36人を発表しちゃいました。またトリノ五輪NHL参戦があれば、2006年オールスターゲーム@フェニックスは中止? なんていう噂まで先走って流れています。

そうはいっても、そういう状況を手放しで喜べないのは選手のみなさん&PA幹部。妥結内容は、サラリーキャップ上限が3600〜4000万ドル近辺と予想されており、2月下旬に「妥結間近か?」と報道された額(4250万ドル)を下回るのです。そのため選手間では「あの時合意に至っていれば・・・」「これだけ待ったのにこの有様?」との怒りがフツフツと沸き上がり、その怒りの矛先は確実にPA幹部に向けるものあり(マニー・レガシーがそうでした)、あるいはそのやり場のない憤りが燻ったあげく、TVカメラや記者の前で思わぬ失言を放ち、メディアやファンの冷笑を買ってしまったもの(ジェレミー・ローニックがそうでした)あり・・・と、荒れ模様です。

先週末に開催されたマリオ・ルミュー主催の恒例チャリティゴルフ大会の記者会見で、ローニックは、
「2月に、ヤツら(ここではPA幹部を指すのは明らか)が、俺やエシュ、イギンラやプロンガーの言うことを聞いてくれていれば・・・」
「今の妥結内容と比べれば、2月に妥結していたのなら、俺たちはヒーローみたいに思われたはずだ」
と嘆くことしきりだったそうです。

この辺でやめとけばよかったのだけど、ローニックの舌禍は止まらなかった。
「俺たちのことを甘やかされてると言うヤツは、単に嫉妬してるだけだ」
「ファンのためにホッケーをよりよくして、取り戻そうと俺たちは頑張ってる。それが分からないなら来るな。リンクに来て欲しくない。スタジアムに来て欲しくない。ホッケーを観て欲しくない。それだけだ」

そして「俺たちがゲームをプレーしているから甘やかされてるなんていうヤツはみんな・・・kiss my ass!」とトドメなる文言を吐いてしまったのです。

とはいえ、実際のインタビュー全体においては、ローニックがホッケー不在の現状について謝罪するシーンもあったそう。ただし、やはりみんなが注目するのは過激な発言部分というのが世の習わしってことで、この件に関してメディアやファンが一斉にローニック批判に回りました。

それに対してローニックは「メディアはインタビューの全貌を見せていない」と逆ギレ。そしてこのインタビューの抜粋部分のみを放送したESPNに対し、苦情を立てるという手段に出たのです。ローニックといえば、ESPNには試合中マイクをつけたり、故障欠場中に試合解説で出演したりと、大盤振る舞いのサービスでいろいろ尽くして来たはず。だのに、こんな形で裏切られるとは・・・と、彼自身かなり傷ついたようなのです。

結局ローニックは、6月28日にESPNのダン・パトリックとのライブインタビューに出演(出演の条件はライブでやることだったとか。ライブなら編集できないですからね)し、自らの言い分を釈明したのでした。ESPNとしても、放映権問題でいったんはNHLを突き放したものの、新CBA締結後はNHLから安い放映権料を引き出せれば契約延長する構えも・・・との噂もあるだけに、ここは穏便に済ませようと考えたのかも知れません。ただ皮肉なことにカナダのTSNは、このローニックの記者会見@チャリティゴルフの映像を、ESPNよりもずっと長い尺で扱ってたそうです。(「皮肉なことに」というのは、ローニックがアメリカのチームでプレーするアメリカ人だってところが理由です)

まあ、そんなすったもんだは見られるものの、晴れて7月上旬に妥結後は、7月11日頃にドラフト抽選実施、7月後半にFA解禁、8月6日頃にドラフト開催という青写真を、NHLは用意しているんだとか。この8月6日頃予定という「ドラフト」は、当初予定のオタワではなく、縮小版にてNYで実施されるのではという噂あり。その計画には、目玉のシドニー・クロズビーが、メディアの中心地であるNYでドラフト指名されるというシーンで、NHLの復活ぶりを印象付けるというリーグの意図が窺い知れます。 

ただ、6月12日付でお伝えした通り、やはり細部の数条件にて双方が折り合うのに時間がかかり、スパッと交渉妥結になかなか至れないというのが、現状のようです。

6月28日付トロントサン紙は、NHLPAが「2004−05年の契約内容を来季分として有効に」と訴えており、これが交渉妥結への最後の難所となっていると報じています。6月30日を以てチームとの契約が切れてFAとなる選手は、ざっと300人から400人と言われておりリーグ全体の半数に相当しますが、PAの要求が受け入れられればその数は大きく減少します。すでにサラリーキャップやペイカットで大きな譲歩を見せているPAだけに、これだけは譲りたくないと徹底抗戦する可能性もあるわけです。

また「俺たちはストライキをしたのではなくロックアウトされた」という言い分もある。つまり2004−05年シーズンは、自分たちがプレーしたくてもさせてもらえなかったのだから、同じ契約内容で来季を戦う権利があるとの主張もあるわけです。ただこの選手たちの言い分が通ると、契約下の選手が多すぎてサラリーキャップ枠内に収まらないチームが続出する。そうなると、必然的にバイアウトされる選手が増える。そうすると、チームとしては余計な経費が必要となるわけで、それは避けたいと思うのは当然の考えです。よって、また交渉が煮詰まったりするのです。

また、6月29日付NYポストは、バイアウトした額をどうチーム側が選手に支払うのか(例えば一括払いを選手が要求できるのか、あるいは残りの契約期間より長い期間での分割払いが許されるのか? 前協定下では残りの契約期間の2倍(例えば3年契約なら6年まで)での期間の支払いが許されている)が、焦点となっていると報じています。

NHLがそうこうしているうちに、NBAは一足先に次期労使協定締結(契約期間は6年)。実にあっさりしたもんでした。NHLでの泥沼状態を見たら「あれはよしましょうね」と、NBA関係者なら誰もがそう思うでしょう。ああ、NBAの所作の素早さがNHLにも欲しい。うらやましい。

で、なにはともあれ、ここまでNHLが漕ぎ着けたってことは、あのライバルリーグを立ち上げようとしていた人たちはどーなってしまったのか? というのが、当然気になりますよね? 

まずは、ライバルリーグとしてリーグ復興を目指したWHAから。5月20日に予定されていた「ボビー・ハル・インビテイショナル」なる大会は、スポンサー脱落と観客動員不足が予想されたために自然消滅してしまいました。この大会の消滅とともに、WHAはまたもや、存在のみ残って仮死状態に戻った感じ。大会に「賞金を出す」と豪語していたフィル・エスポジトは、WHAから高額ギャラを得てスポンサー探しをしてそうなのですが、結局事はうまく運ばず。彼とWHAとの関係は打ち切られたと、WHAの公式サイトが発表しています。

また6月上旬、トロントスター紙は、前NY市長ルディ・ジュリアーニ氏と、カナダの外交官モリース・ストロング氏が、NHLのライバルリーグとして「インターナショナル・ホッケー・アソシエーション」を立ち上げると報じました。ジュリアーニ氏のコネで、FOXテレビがこのリーグに投資し、試合を放映するのではとの噂まで書かれていたのですが、即座にNYデイリーニュース紙が「その計画はすでに頓挫した」と否定報道しています。

結局、NHLが開催されなかった1年という歳月において、ライバルリーグは実現せず。
エキシビションゲーム(失笑を買ったOSHL、みなさん覚えてますか? それにバージュバンがコーチを務めたIMGツアーとか)やチャリティゲーム止まり。ま、名前やコンセプトだけホームページで立ち上げて、全く何も動きなしなんてリーグもありましたし・・・チミモウリョウな怪しさ満載のニュースを「ありえね〜!!!」と吐き捨てる。そんな憂鬱な暇の持て余した方ももうそろそろ終わりかと思うと・・・嬉しくって仕方ないです。

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by hockeyworldjapan | 2005-07-01 18:50 | CBA

「合意間近」報道は真か嘘か?

何度もこの手の報道には惑わされた私ではありますが、今度こそはどうも本当らしいと感じております。

ただね、傍から見て「合意間近」に思えても、実際そこからの詰めに時間がかかりそうな気がするんですよね。

って、もちろん話題は、NHL労使交渉です。

なにがどうなってるんだ? という方のために、最近の経緯をざっとご説明しましょう。

NHLとNHLPAは、先週4日連続会合(計26時間)を実施しました。

その最中に、カナダ全国紙「グローブ&メイル」が「NHLとNHLPAは、サラリーキャップの基本概念に合意(2005−06年の上限3400〜3600万ドル、下限は2200〜2400万ドル。各チームの収入に応じて上限値、下限値ともに約200万ドルの差異を設ける)」と報じたのです。この記事によると、このサラリーキャップ枠内の2900万ドルをチーム年俸が超えた時点で、100%の贅沢税が課せられるのだとか。つまり、以前から議論されてきた「サラリーキャップ&贅沢税のハイブリッド型」労使協定というひな型に、両陣営が合意したという報道です。

ただし、その翌日、トロントサン紙が「チーム毎のサラリーキャップ額について、双方はいまだ合意に至っていない」と反駁。さあて、いったいどっちの報道が正しいんでしょうか? トロントサン紙のインタビューに対してあるGMは「贅沢税など組み込んでいない」とコメントしており、この2つの報道にはかなりの乖離が見られます。

ここで考えられるのは、両陣営がこのチーム年俸上限&下限の数字を受け入れるための詳細な条件について、揉めてるということじゃないでしょうか?

この条件を受け入れるのなら、選手側は2004−05年の個々の選手の契約内容を、来季(2005−06年)に繰り越すことを要求。逆にオーナー側としては、成立しなかった今季分の契約はチャラにしたいというスタンスがあります。

というのも、大市場チーム(例えばトロント:24%ペイカットを考慮しても、19人の選手と4660万ドルで契約中)においては、どう考えても現存勢力のスター選手をキープするには、3600万ドルの枠内には収まらない。しかもこの3600万ドルという数字、ボーナスや福利厚生費など全てを含んだ額であり、そうした諸々の要素(約500万ドル)を差し引いた純粋年俸のみの数字にすると、3100万ドル程度になってしまうといいます。

そうなると、今度はその枠内に収まり切らない選手たちをどうするか? という問題が当然出てきます。考えとしては、チームが選手をバイアウト(前協定では残り契約の3分の2を支払えば、その選手をチームから見切ることができました)して、減額契約を組み直すか、若しくはその選手を放出する。そしてバイアウトにかかった費用は、サラリーキャップ枠から除外して計算できる・・・という新契約適用初年度での特例を認めようなんて話も出ているようです。

でも、実際まだその肝心のバイアウトのルールについても、まだ新協定が成立していないのだから、決まっていないのです。これだけ厳しい上限を設置するのであれば、大市場チームにとって金のかからないバイアウト方式は絶対必要なのです。でも切られる選手側としては、現行契約から大幅ペイカットされ、しかもチームにも残れないなんて事態にもなりかねない。つまり死活問題ですから、ある一線は死守しようとする。・・・というわけで、ここでまた議論は紛糾するんでないかと管理人は予想しています。

さらに、ルーキーサラリーキャップの分野においても、難しい議論になっているという報道もあります。

たとえば、イリヤ・コバルチャクの場合、彼のNHL最初の契約内容は、3年1400万ドルという破格。前労使協定では、ルーキーサラリーキャップは、年俸&契約料で130万ドルという上限が定められていたものの、出来高制ボーナスがキャップに含まれていないために、ルーキーたちの年俸は実質天井知らずだったのです。

しかし、新協定では、年俸は85万ドル、ボーナス含めて120万ドルを上限とする案をオーナー側は求めており、対してPA側は170万ドルの上限を求めているとのこと。

ただしここでオーナー側はひとつのジレンマに直面します。この上限が厳しすぎると、NHLを目指してこれまでヨーロッパからどんどん流入していた若手選手たちが、北米進出に二の足を踏むのではという考えもあるからです。ただでさえ、ロックアウトの影響で人気低下が叫ばれるNHLにおいては、タレント希薄化は重大な問題になりかねない。またロシアリーグなど、ヨーロッパの一部のチームが、金に糸目をつけずに積極的に選手獲得に励んでいる状況も、NHLにとっては脅威。その意味では、オーナー側の匙加減が難しいところといえるでしょう。

そのあたりの細部の問題が早くクリアになってくれれば、早々に新契約締結のうれしいニュースが聞けるかも知れません。

それにしても、先日ESPNに来季オプション行使権を放棄されたことが明るみになったNHL。ESPNは、今季ロックアウトでその価値が下がったとされるNHLに対し、契約額のカットを要求したそうですが、NHLはこれを頑として受け付けなかったそう。それでもホッケーを見たいアメリカのホッケーファンは、カナダの放送局&ローカル局の映像が見られるNHL「センターアイス」購入しとけってことでしょうか?

ESPN脱落話は、NHLでは過去にもあった出来事。その時は猛然とアメリカのホッケーファンが蜂起したという記憶がありますが・・・今度ばかりはそんなムーブメントがあるのかどうか、不安を覚える私でもあります。
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by hockeyworldjapan | 2005-06-12 05:34 | CBA

交渉再開も進展なし? そんな時タイ・ドミは・・・

で、NHL労使交渉はどうなった? と聞かれそうなので、いちおう概要だけ説明しておきましょう。

5月5日、6日の両日、NHL&NHLPAはトロントにて4月19日以来の会合を実施しました。2日間で計8時間のミーティングを、例によって開催場所は極秘で実施したものの、会合終了後にNHL、NHLPAともに「進展なし」との声明を発表しています。は〜。

とはいえ、もうのんびりしている余裕もなく、ってことで、両陣営は会合のペースをアップさせることを以前から宣言しておりました。よって、両巨頭が世界選手権に向かう前の5月10日@NY、さらに5月18、19日にも会合予定が組まれているんだそうです。

その一方で4月28日、NHLPAはケベック州、ブリティッシュコロンビア州において、労働組合としての正式承認を申請しました。PAが正式に労働組合として認められれば、この2州のモントリオール・カナディアンズ、バンクーバー・カナックスでの代理選手導入は不可能となる。つまりNHLによる代理選手導入を、未然に防ぐための防止策を打ったということです。

で、そろそろ、今日の主題にいってみましょうか。

そんな遅々として進まぬ交渉に業を煮やしたのが、タイ・ドミ。トロントの記者が世界選手権取材に出払ってるせいか、なぜかNYタイムス紙に「あいつらで新協定締結できなきゃ、新顔が必要だ」とコメント。これが通信社の記事にも載って、大々的に報道されてしまいました。

「あいつら」とはもちろん、ベットマン&グッドナウの両巨頭。最近ベットマンコミッショナーときたら、今後の見通しについて「後は数字上の交渉のみ」と楽観視してるそうな。そんな話を耳にしたらドミでなくても「そんな余裕でええんかい?」と問いつめたくなるのが、ファン心理ってものではないでしょうか?

ドミといえば、1月にトロントで、リーフスオーナーのラリー・タネンボム氏、マリオ・ルミュー、テッド・サスキン(NHLPAナンバー2)、ビル・デイリー(NHLナンバー2)、トレバー・リンデン(PA会長)を含めての極秘ミーティング@タネンボム氏自宅の糸を引くなど、いわゆるクーデター的動きを見せたことが、まだ記憶に新しいところです。

で、このNYタイムス紙の記事には、その極秘ミーティング時にドミが「敬意と信頼(respect and trust)」についてのポジティブメッセージが書かれた紙切れ入りのフォーチュンクッキーを持ち寄った・・・などという記述があるではありませんか!(爆)

フォーチュンクッキーとはなんぞや? という方のために、念のためご説明します。アメリカのチャイニーズレストランで、食事の最後にサービスとして出て来るお菓子のことです。餃子を二つ折りしたような形で、それをパコッと割ると中からメッセージが印刷された紙切れがでてくる。たいていは、人生における格言とか、近未来を占うようなひと言とか、ラッキーナンバーとかが書いてあるのです。お味は日本の「温泉せんべい」をもう少しリッチにした感じ・・・と言えば分かっていただけるでしょうか?

ったく、手の込んだことしますね〜、ドミったら。もしかしてお手製? 会合に居合わせたマリオをはじめとする重鎮たちは、このドミのフォーチュンクッキー作戦に、いったいどんな反応を示したんでしょうか? ひょっとしたらドミ、今の奥さんも同じ手で口説いたんだろか? などなど、いろいろとつい勘ぐってしまう。

まあ、そんな話をNYタイムスに漏らすあたり、当のドミはひとり悦に入ってたことは用意に想像がつくのですが。お得意の遠い目をしながら、ね。

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by hockeyworldjapan | 2005-05-07 12:54 | CBA

そろそろ白い煙希望!

ちょっと話題は古いですが、皆様。「コンクラーベ」の結末をご覧になりました?

意外に日本でも、各マスコミが大きな取り上げ方をしてましたっけね。その弊害か「コンクラーベって根比べね」っつー、「コーディネートはこーでねーと」みたいな忌み嫌われる駄洒落まで発生。ローマ法王の力って、こんなに大きかったのね〜と実感したのでした。

新法王選出決定後に例の白い煙が立ち上り、システィーナ礼拝堂の鐘が一斉に鳴り渡った時の、バチカン市国の人々の嬉しそうな顔また顔ったら。私、別にカトリック教徒でも、信心深い仏教徒でもありませんが、ついその出来事に胸を熱くした次第であります。

さあ、NHLもこれにあやかって、白い煙を上げるのじゃあぁああ! と、ひとり気勢をアップしてはみたものの、事態はまだ妥結には至っておらず。でもちょっとだけ、進捗があったので、いろいろとお伝えすることにします。(超長文になりますんで、どうぞ覚悟して読んでください)

4月19日、4月4日以来のNHLとNHLPAとの会合がNYで実施されました。ここでは6時間の会談が持たれたのですが、大きな進展はありませんでした。情報筋によると、ジェレミー・ジェイコブズ(ボストンオーナー)が「NHLPAのコンセプトはNHL側の求めるリンクシステムではない」と発言したのがきっかけとなり、両陣営が激しい論争を繰り広げたのだとか。その論争に、大切な6時間半のミーティングタイムの大半が費やされてしまったらしい。う〜ん、もったいない。(4月4日の会合内容はこちらをご覧下さい

しかしその翌日の4月20日には、また新たな展開がありました。NHLはNYにて代表者会議を実施。4時間に渡るミーティングでは、新労使協定が合意に至らない限り、2005−06年シーズンは開幕しない。つまり代理選手導入は当面棚上げと、決定されたのです。

そして会議終了後、各チーム幹部からはポジティブなコメントが漏れていました。ダラス社長ジム・ライツは「会議の雰囲気は、選手たちと合意に至るために近づいているという感じだった」と楽観論トーク。またカロライナGMジム・ラザフォードに至っては「PAの現在の提案なら、あとは数字の上でさえ合意できればうまくいく」とまで語っていました。ま、実際はその数字の詰めが難しいところなんですけどねえ。

で、NHLが代理選手導入に尻込みした理由なのですが、まずは多くのチームからの反対があったことが一番だった模様。代理選手導入については、実は3月28日にテキサス州にて、数チームの幹部たちが議論する場が持たれていたそうです。この会合を呼びかけたのはダラス・スターズで、スターズはウエスタンカンファレンス7チーム(サンノゼ、コロンバス、セントルイス、ロサンゼルス、シカゴ、ミネソタ、ダラス。代理選手導入反対姿勢を先に表明していたグレ様率いるフェニックスは、この中には入ってませんでした。招かれなかったのか、はたまた招待されたが出席しなかったのか?)の幹部をテキサスに招き、代理選手導入をブッシュしたのだとか。TSNボブ・マッケンジーさん情報だと、サンノゼ、ダラス、ロサンゼルスの幹部が代理選手導入を支持しており、さらにエドモントンのオーナーも「必要ならば」と代理選手導入を認める構えだったようです。そうした活動はあったにせよ、大半のチームは代理選手を導入しても、十分な観客動員やスポンサーは得られないと考えていましたから、依然として導入反対意見が主流だったのです。またいったん代理選手導入となると状況が法廷に持ち込まれる可能性も出て、問題解決にはさらに長期間を要することになってしまう。そんな背景も、反対派に加担したようです。

いずれにしても、2005−06年シーズンを無事開幕するには、労使交渉妥結しかないというのが、オーナー側の意向として明確化したわけで、今後は両陣営の密な対話が必要となってきます。NHLは今後少なくとも週2回の労使交渉会議を持つ意向を示しているそう。ただ9月までに決着が付かない場合、またベットマンコミッショナーは代理選手の話を持ち出す用意もあるんだとか。ベットマンコミッショナーは以前に「2005−06年シーズンは、代理選手を導入してでも、開幕させる」と啖呵切っちゃったわけですしねえ。引っ込み付かないってこともあるでしょう。

とゆーことで、代理選手導入の件では、いちおう「NO」ってことで統一見解を打ち出したオーナー陣&NHLではありますが、PA側とやり合う前にまずはオーナー同士で話をつける必要がある。それが兼ねてから話題になってます、収入分配策であります。NHLのCBA案には、この収入分配案が依然として明確に提示されておらず、それがメディアからの標的にもなっているのです(そのあたりの事情については、こちらをご覧いただければ幸いです)。

で、NHLは収入分配案として何をしたいのか? それはズバリ、収入の多いいわば「金持ちチーム」からより多くの収入分配のためのプール金出資を要求し、収入の少ないチーム(よく槍玉に挙がってるのがカロライナとかですね)に分配する・・・という策であります。

そのあたりの根回しとして、ベットマンコミッショナーは4月15日、トロント・メイプルリーフスに対し、収入分配案について妥協するように申し入れたという報道がありました。リーフスは、フィラデルフィア、コロラド、デトロイトなどと並び、NHLでは収入や利益が最も多いチームと報じられています。

そもそもこの会談は、リーフスが代理選手に対して反対の立場を表明していたことへの調整という目的もあったそうです。収入分配策については、まずはメディアの影響力が強い地区でもあるトロントを口説いておけば、その後他チームも同様なスタンスに流れるのでは? という裏事情があるようです。しかしその会議の内容については誰もが口をつぐんでおり秘密裏に事が運ばれてる。その議論の経過が気になりますねえ。

リーフスと言うと、最近何かといろんな矛先が向けられており、チーム幹部は様々な意味で穏やかではないと思います。3月1日のNHL会合では、リーフスのチーム会長ラリー・タネンボム氏が。他のオーナーから非難を浴びたとの報道もありました。タネンボム氏は、「早急に選手との合意を」という内容の事前準備した声明をこの会議で他のオーナー参加者の前で読み上げたそうです。それだけを聞くと、「別にそれのどこが悪いの?」と思うのですが、「そりゃ、試合開催すればするだけ儲かるリーフスは、早く妥結したいだろうよ」という考えと、「みんなPAより先にギブアップするまいと頑張ってるのに、お前らは団結を破るつもりか?」という他オーナーたちの不満が高まり、その不満は巨大な非難の嵐と化してタネンボム氏を襲撃したのだそうです。驚くべきことは、その非難の声の中には、小市場オーナーたちはもちろん、他の大市場オーナーたちも混じっていたというんです。

その裏側では、大市場の他チームが表向きにはベットマン支持を唱える中、リーフスだけは以前からNHLの決定に対して批判的態度を匂わせていたという部分がありました。現にタネンボム氏は、シーズンが正式に全面中止となる前に、マリオ・ルミュー、タイ・ドミ、NHLビル・デイリー、NHLPA会長リンデンらと密かに会談を企画し、選手とオーナー間の橋渡しを試みたのだとか。そのあたりの行為がスタンドプレー(もちろんリーフス首脳はこれをスタンドプレーではなく、イニシアティブと考えてるはず)とみなされ、同胞オーナー連中から批判の的となったという事情もあるようです。

リーフスって、実際どれほど儲かってるんでしょうかね? 毎年フォーブス誌レポートでは「利益を出しているチーム」としてトップグループに名を連ねており、試合を開催すれば必ず儲かるという仕組みを持っているチームという書かれ方を、カナダのメディアからもされてます。

ただしそうした諸報道については、リーフス社長リチャード・ペリー氏は否定しています。その理由として、エアカナダセンター(公共建造物でなくリーフスの資産です)建設費として3億6000万ドルをリーフスは自己負担しており、これに年間2700万ドル+利子(7.59%)、さらには固定資産税760万ドルを支払っているんだとか。これに対して、アメリカのアリーナは公共建造物であるケースが多く、固定資産税やアリーナ建設費負担がない場合が多いのです。仮にチーム所有のアリーナだった場合においても、カナダのホッケーチームに課せられる税金は一般的に高率と言われています。ただ逆に言えば、チーム所有のアリーナであれば、広告・売店・駐車場などの収入は丸儲けですし、アリーナ賃貸料も支払う必要がありません。そのあたりは、しっかり収入にカウントされていながらも、税金や返済分についてはカウントしてないじゃないか、というのが、ペリー氏の言い分ではないかと思います。

さらにリーフスには、筆頭株主が個人や1企業ではなく、教師組合という特異性もあったりする。ビリオネアオーナーの匙加減ひとつで決められないという事情もあるでしょうし、その気持ちは分からんでもないですが・・・あ、カナダドルvs米ドル為替レートはもはや言い訳にはならんでしょうね。かつてはカナダドル安という理由のもとに、カナダのチームが弱者として扱われる時代がしばらく続き、NHLは一定数のシーズンチケット販売数を満たしたカナダ小市場チームには、リーグから補助金を出す制度を実施しておりましたが、このところの米ドル安傾向で状況は変化したのです。

それに、たとえリーフスにNHLの盟主的チームという自負があったとしても(実際カナダ国内のリーフス人気は依然絶大ではありますし)、オーナー会議、特にCBA問題においてはあくまで30チームのうちのひとつに過ぎない。そのあたりの限界は、リーフス幹部の発言などを注目していると、彼らも十分承知している模様。オーナー間の投票となった場合でも、持てる影響力は30分の1しかないのです。さらに追い打ちをかけるように、今回のCBA交渉には、ミネソタ、ナッシュビル、カロライナ、カルガリーといった小市場チームのオーナーたちが、NHLの諮問機関的に動いているという背景がある。94−95年には、デトロイト、レンジャーズといったリッチなオーナーたちが実権を握っていたことを考えると、今回はまるで立場が逆転しているのです。

ちなみにフィラデルフィア地元紙のインタビューでは、フライヤーズのエド・スナイダーオーナーは、他の金持ちチームが合意すれば、リーグの方針には従うつもり、とコメントしているそうです。

ちなみにレンジャーズをこの「金持ちチーム」に今回含めなかったのは私の意図的な狙いがあります。

NHLレンジャーズと、NBAニックス、マジソンスクエアガーデンを抱える親会社ケーブルビジョン。MSG会長ジェイムズ・ドラン氏がこれまでチームオーナーとして活躍してきたのですが、両チームの不振に、傘下に収めるケーブルTV局MSGネットワーク、フォックスNYが、ヤンキーズ、メッツの放映権を失い、苦境に立たされているんだそう・・・てな事情を、NYポストが報じていました。おまけに、レンジャーズ(チーム年俸7600万ドル)、ニックス(1億300万ドル)は、いずれも高年俸ながら不振を続けている。さらにいまだ社内で影響力の強い父との確執も噂されるというドラン氏は、いつ社内クーデターに遭ってもおかしくない状況らしく、現在会社幹部のメンバーも激しく入れ替わっているんだとか。レンジャーズがチーム幹部として、グレツキーにラブコールするんでは? などという噂もあったのも、そのあたりのお家騒動が起因していると思われます。

ひとことで、「金持ちチーム」と片付けがちですが、それぞれいろんな悩みがあるようで。それだけに、足並みを揃えることが難しいってことも十分解ってるつもりです。ま、いざとなったら「コンクラーベ」の当初の精神に則り、NHLオーナー陣をしょぼいホテル(○リオットとか、○エスティンとかはこの際無用です)に缶詰にして、パンと水だけ与えての「根比べ」をさせる・・・というパターンもあるはずです。

バチカン市民のような笑顔が、NHLファンに戻ってくるのを、心待ちにしている私なのでありました。

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by hockeyworldjapan | 2005-04-23 13:49 | CBA

合意へ雪解け? それとも蜃気楼?

また、ぬか喜びに終わりたくないんで、冷静に対処しとこっと。

NHLとNHLPAは、4月4日トロントで非公開場所にて7時間に渡る会合を実施。
PA側はまず、3月17日のNHLの提案(1チーム3750万ドル、もしくは収入の54%)を拒否。PA側からの正式な逆提案はなし。

さらに、かねてから噂のあった通り、NHLはNLRB(米・全国労働関係委員会)に対して2回めの提訴を実施(代理選手として契約した選手の交渉を担当した代理人の資格剥奪を、PAがほのめかしたことへの訴えです)。このまま進展がなければ、NHLは4月20日の代表者会議にて、代理選手導入について議論することは必至と言われ、事態は一見ますます泥沼化・・・との様相であります。

ただ、その続報を読んでみると、一筋の光が見え始めたという説も。
この会合には、NHL、NHLPA幹部の他に、PA側から5人の選手(リンデン、ゲリン、ダンフース、ブグナー、クラット)、さらにNHL側からはハーリー・ホチキス(カルガリーオーナー)、ルー・ラモリエロ(ニュージャージーGM)、ジェレミー・ジェイコブス(ボストンオーナー)、クレイグ・リポルド(ナッシュビル)が参加と、かなりの大所帯でありました。このメンバーは、その後小さなグループに分かれ、ルーキーキャップ、収入分配策、FA制度などについて、有意義な議論が交わされたんだそうです。

その参加者のひとり、ボストンのオーナー、ジェレミー・ジェイコブズ氏は、地元紙ボストングローブで、会議の印象をこんな風に語っています。
「やっと議論に現実味が出て来た。楽観的過ぎにはなりたくないが、慎重ながらも私は楽観的だ」

気になるその議論の具体的内容ですが、双方にとって合意できそうな新しいコンセプトが検討され、かなりの成果があったという噂も。前述記事中のジェイコブズ氏によると、非公式ながらNHLPA側からサラリーキャップを含んだ様々な提案が提示され、その中には、NHL側が以前からこだわってきた収入と選手総年俸支出のリンクらしき内容も含まれていたというではないですか! もっとも実際のNHLが提唱するシステムでは、収入が減少に転じた場合は、選手側からプールした金額をNHLにペイバックする方式をNHLは主張している。PA提示内容にはこのプール策が欠落していたため、NHLにしてみれば、「これは厳密に言えば『リンク』ではない」とのこと。とはいえ、PAがそうした方向性を見せたのであれば、それはかなりの進歩と言っていいと思います。

さて、これでCBAがうまく来季開幕までに整えば(ジェイコブズ氏同様、慎重に楽観的な物言いをしときます)、ファンを呼び戻す&新しいファン開拓のためのルール改正作業をNHLは急がねばなりません。4月8、9日両日デトロイトで開催されるGM会議では、選手たちを含めたルール改正に関する議論も実施されるようです。ここでは、NHL側から「ゴールネットを大きくする」3種類の提案がなされるようです。うち2種類はすでに、その要旨がすでにバレてるようですが・・・さて、どんな展開になるのか、こちらの行方も注目しましょう!

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by hockeyworldjapan | 2005-04-07 17:59 | CBA

労使交渉その後情報

ちょっとNHLの労使交渉情報をおさぼりしてしまったので、ここで最近の動きについてのお知らせを。といっても、状況は膠着状態からさらに悪化しつつあるというわけで、なんら好転しておりません(泣)。

まず3月21日から3日間、NHLPAはカリフォルニア州ペブルビーチにて「秘密会合」を実施しました。「秘密会合」というのは、メディアをシャットアウトし、一切開催場所についても公表されなかったから。かの「2.19事件(詳しくはこちらでチェックしてください)」で学んだ教訓でしょうか。NHLもPAも、メディアに情報を漏らすことで交渉に混乱をきたしたり、交渉を不利に持ち込まれないように、最近は非常に過敏になっているのです。そんな中、この会合の参加者からの電話の着信通知がペブルビーチの宿泊施設だったことから、やっとメディアは会合の開催地を察知することができたんだそうです。

会合出席者はトレバー・リンデン、ビル・ゲリン、ビンセント・ダンフース、ボブ・ブグナー、アルツールズ・イルベ、トレント・クラットら、NHLPA幹部の面々。さらにPAトップのボブ・グッドナウ、シニアディレクターのテッド・サスキン、その他顧問弁護士らも出席していたとか。しかし先にも触れた通り、厳しい箝口令もあって、その会合内容はほとんど伝わってきておりません。

そうこうしてるうちに、今度は「NHLが、NHLPAを不当とし、米・連邦労働関係評議会に提訴(3月25日)」というニュースが舞い込んできました。

NHLの争点は、NHLPAが「代理選手として出場する用意のある選手には、ロックアウト中にPAから選手へ支給された手当(月額5000〜1万ドル)を返却してもらう」との方策を講じており、これが不当労働行為にあたるというものだそう。まあ、この提訴によって交渉を有利に運ぼうという戦略なのかも知れませんが、もしこの話が真面目に法廷に持ち込まれることになってしまうと、その判決が下るまでに長い期間を要することになってしまうそうです(そのあたりは以前にも触れていますので、こちらをご参照下さい)。そんな流れで来季まで労使紛争が食い込むようになったら、もう最悪のシナリオ。それだけは、なんとか回避して欲しいと思います。

またその前日の3月24日、NHLはオタワでのドラフト(6月25、26日予定)の順延を決定しました。ドラフト開催には膨大な数のホテル予約(約4000室)が必要になるのですが、その予約を宙ぶらりんにするわけにもいかず・・・ってことで、NHLは順延を早期に決定した模様です。

順延というのは、完全に中止ではないということ。ということは、もし近い将来に労使協定が整えば、オタワでの縮小版ドラフトを開催することも可能なんだそうで。例えば、2巡目までオタワでの指名を実施し、残りの指名は電話会議にて実施するという案があるんだとか。逆に2005年ドラフトが完全に中止となった場合には、オタワは2008年までのうちいずれかの開催権を有することになっているそうです。ただ2006、2007年ドラフトはすでに開催地が内定済といわれているので、2008年開催が有力視されています。

ドラフトが完全中止となると、NHLでは1963年にモントリオールのクイーンエリザベスホテルで第1回アマチュアドラフトが開催されて以来、史上初となってしまうそうです。そうなると気になるのは、すでにカナダではスーパースター扱いのジュニア選手、シドニー・クロズビーの処遇。クロズビーの代理人パット・ブリッソンは「これで彼が制約なしFAになるのなら理想的」と語っているそうですが、NHLナンバー2のビル・デイリーは「クロズビーが制約なしFA宣言をすることはできないし、CBAが整っていない限りどのチームも彼と契約に至ることはできない」と明言。クロズビー本人はWHA加入もほのめかしてはいたのですけどね・・・NHL契約がダメならAHLチームに加入させたらどうか? という意見も巷にはあるようです。

「NHLPA秘密会議」のニュースを原文で読む
「NHL、NHLPAを提訴」のニュースを原文で読む
「ドラフト順延」のニュースを原文で読む

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by hockeyworldjapan | 2005-03-29 10:49 | CBA