カテゴリ:CBA( 33 )

3月17日は○○の日。3月18日は××の日。

3月17日はなんと、「リシャール暴動」の50周年でした。

「リシャール暴動って何?」と興味を持たれた方、詳しくは管理人の書籍レビュー「リシャール=ケベックのカリスマ=一種の宗教」をご覧頂けたら幸いです。

その3月17日、NHLとNHLPAの会合がNYで実施され、NHL側から以下の2つの提示がなされました。

1)サラリーキャップ3750万ドル
2)もしくはリーグ収入の54%

このいずれかをPAが受け入れるわけはないと思われますが、PA側は翌週の内部会議を理由にこの提案についての即答を避けています。一方NHL側は、代表者会議を4月20日に予定しており、ここでドラフトや代理選手などの議題が議論される予定だそうです。

・・・と相変わらずソッポ向いてる両陣営ですが、それに反発しようと一部のファンが運動しています。

その主要メンバーとして活動中なのが、2003年に設置されたNHL「ファン・オブ・ザ・イヤー」の最初の受賞者に輝いたというロジャー・ファリナ氏。イラク戦争時に従軍した最中に、大好きなNYアイランダーズの快進撃で心を癒していたというファリナ氏は、現在NHLロックアウトについてファンの憤りを訴える活動「Fans Strike Back!」の主宰者のひとりとして頑張っているのです。(「Fans Strike Back!」のHPはこちら)

HPを見ると、ドラフトを開催するまでに労使妥結が間に合わなければ、シーズンチケットは解約するように」となどと呼びかける強硬活動も辞さないこのグループですが、なによりも大切にしているのがファン同士の結束です。まずは、奇しくもリシャール暴動50周年の翌日である3月18日を「National Day of Hockey」と命名し、仕事や学校で、NHLのジャージやグッズなどを身につけることを提案。その他、車を好きなチームのカラーで彩ったり、マイナーリーグやジュニアホッケーの試合に行こうなどと呼びかけているのです。この3月18日には、NYとトロントでの集会も予定していたそうですが、その正式許可が降りなかったため中止となったとか。NHL早期再開を求める署名運動も継続中です。また以前にご紹介した「Free Stanley」のサイトとも、連携を取っての活動を実施しているようです。

・・・と、北米のファンの活動についての情報でしたが、日本のホッケーファンの皆様。このたびは、HWJ掲示板に多くのご意見を頂きありがとうございました。

私としては、まずは緊急課題であるはずの「東伏見改善策」という比較的焦点を絞ったお題でコラムを書いたのでしたが、多くの方々からホッケー界全体の問題であるとか、連盟の運営、チームの運営に至るまで多岐に渡るインプットを頂戴しました。

こうした有意義な議論の場として、HWJ掲示板をご活用いただければ私の本望といたすところであります。公の場でご意見を発表していただくのは、いろんな意味で勇気の要ることだと思います。他の意見を持っている方と話が食い違うことはあるでしょうし、あるいは同じ視点で話をしていたとしても捉える角度が違うために、大きな乖離があるように思えることがあるかも知れません。

ただ、個人が「こうすればいいのに」と自分の心の中でアイデアを暖めているだけでは、何も生まれないのです。それにこうして議論しているうちに、「それはいい!」と思えるアイデアが創出される可能性は十分あると思うのです。

ちなみに、日本でも「○月×日はホッケーの日!(曜日が悪ければ「○月の第●週日曜日とかでもいいのです)」と銘打ち、メディアに働きかけて宣伝してもらうというのも、ひとつの手であるかと。で、それこそ会社や学校にホッケーグッズを身につけて出かけてもらい、自家用車はホッケーカラーで彩ってもらう。日本では4会場全てでホッケーの試合を実施してもらい、会場でもなんらかのプロモーションをする。試合に友人を誘えるように、4人組で来場してくれたファンには4人めは入場料無料とする・・・「ホッケーの日」と端的に分かりやすくPRすることも必要ですし、その裏でキメ細かにフォローをするのが大切だと思うのです。

いかにお金をかけずに(注:労力、サービスは不可欠です)、いいPRができるか? そのあたりをお時間のある方は議論していただけないでしょうか?

今後とも、よろしくお願いいたします。

ご意見、ご感想はHWJ掲示板まで
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by hockeyworldjapan | 2005-03-20 10:39 | CBA

NHL、NHLPAが交渉再開

あれだけいがみ合いを続けていた両陣営ですが、かの「2.19事件」以来、初の会談が今週中にも予定されるそうです。

NHLとNHLPAは、今週中にも会談を再開。これは3月4日のNHL側の要請をNHLPAが承諾したもの。今回の会談にはベットマン、グッドナウの両陣営巨頭も参加予定だとか(この2人が顔を合わせると、ろくなことがないんだが・・・余計に溝が深まらないだろうかと心配)。

両陣営毎の会合(3月1日)時に、NHL側は「すぐにても交渉を再開したい」という意向を語っていました。しかしPA側にはまだその申し出が届いていなかったことから、しばらく「冷却期間」が置かれるのでは、と囁かれていたところだったのです。

以前の記事で私は「NHL側が形勢有利」とは書いてみたものの、NHL側として今後交渉を急がねばならない要素はもちろんある。ちなみにシカゴ・トリビューン紙とのインタビューで、ウエイン・グレツキーは次のように語っていました。

「今季が全面中止となって、今年の夏に妥結する可能性すら疑わしい。その前に我々は収入も、スポンサーも、ESPNすら失ってしまうのか?」
「来季代理選手を導入するなんて嫌だね。NHL選手たちは(代理選手として)一線を越えることはないだろう」

つまり、解決を急ぐ要素のひとつは、代理選手問題。たとえNHLが代理選手を調達できたとしても、これで全チームのアリーナを満員にすることなど到底不可能という壁がある。それに代理選手導入によって、NHLのさらなるイメージダウンに繋がる危険性も大であります。

また、こちらでも以前からお伝えしている通り、米・スポーツ専門チャンネルESPNが、NHLに対して労使問題を早期解決するようプレッシャーをかけていることも事実として挙げられるでしょう。

そうした解決へのプレッシャー要素となる今後の重要日程を、バンクーバー・プロビンス紙が列挙していたのでご紹介しましょう。(括弧内は私の注釈です)

1)4月15日:ESPNの来季放送オプション受け入れ期限
(以前からESPN幹部はNHLからの撤退を匂わす発言を残しており、この期限までにNHL来季開催(もちろん代理選手ではなく真のNHL選手による開催です)が決定しなければ、ESPNの来季放送撤退する可能性は大となる。ESPNは今季1年6000万ドルでの放映権、これは過去5年間のESPN/ABCの1年1億2000万ドル契約の半額で、来季も同額契約でのオプションを有する)。

2)6月1日:2003年ドラフト指名でメジャージュニアに所属してきた選手との契約期限。
(これを過ぎると、各チームは指名選手への交渉権を失い、選手たちは全てFA扱いとなる。通常のシーズンなら各チームは選手との交渉に忙しくなる時期だが、今季はCBA不在という状況なので、そうした選手たちと交渉すら許されていない)

3)6月1〜31日:大部分のチームでシーズンチケット、スポンサーなどの契約更新期間となる。
(多くのチームが今季分シーズンチケットを来季分として据え置けば、その分に対して数%の利子を支払うというシステムを採用し、ファン歩留まりに努めている。だが、さすがに来季の見通しまで暗くなってしまうと、キャンセルを申し出るファン続出も予想される)

4)6月25、26日:NHLドラフト@オタワ。
(それまでにCBAが整わず、今年オタワでの開催が不可能となった場合、オタワには2008年ドラフト開催権が暫定的に与えられてはいる。もしドラフトが中止となった場合、シドニー・クロズビーをはじめ今季ドラフト有資格選手の処遇については、まだ明確なガイドラインは示されていない)

5)7月1日:NHLFA市場解禁日

6)7月14日:2005−06年スケジュール発表日

7)9月15日:NHLメインキャンプ開幕日

・・・という日程をにらめっこしながら、NHLは今後交渉の席での出方を考えなければならないわけで。単に「ロックアウトに備えて備蓄金があるから大丈夫」「シーズン開催して赤字になるよりは、開催しない方がマシっていうチームもあるから」というゼニの問題だけで、余裕があると思ったら大違いなのです。

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by hockeyworldjapan | 2005-03-08 08:16 | CBA

$45million騒動の顛末は?

とりあえず、「$45million騒動」もしくは「2.19事件」とでも命名してみました。

もちろん、かの2月19日の件です。

いったん2月16日に「今季全面中止」を発表したNHL。しかしその後「4500万ドルのサラリーキャップで妥結目前」との報道がまことしやかに流れ、多くのホッケーファンは2月19日のNHL&NHLPAの会合に期待したものです。しかし結局のところ、噂に反してこの4500万ドル提示はPA側からなされず、その後はNHLvsNHLPAの罪のなすり合い大会が繰り広げられました。(詳しくは<過去ログ「一転、二転、三転・・・結局再開なし(見込み)」「シラケムード濃厚。でも真相は闇の中」をご参照ください)。

で、3月1日、NHL(@マンハッタン)、NHLPA(@トロント)と各陣営の会合が開催されました。NHL会合では、例の投資会社の「NHLまるごと買収案」が提示され、これが大きな反響を呼んだ(オーナー陣はシカトを決め込んでる人が多かったですが)のは、既にお伝えした通りです。

じゃ、その一方で、同日のNHLPA会合では何があったのか? そして「45million騒動」について、なんらかの説明はここでなされたのか? というのも、当然気になるわけで。なので、そっちの情報を少しお伝えしようと思います。

まずはその背景の話から。例の「4500万ドルで妥結」という誤報は、どうも選手側からの情報がメディアに伝わったもので、その裏にはPA内部での造反分子(クリス・プロンガー、ジャローム・イギンラ、ジェレミー・ローニック、ロバート・エシュらの名前が挙がっていました)の動きがあったと、数紙が報道していました。この造反分子は、代理人らを通じて直接一部チームと交渉話を進めたり、プロンガーに至ってはNHLナンバー2のビル・デイリー副会長に電話連絡を入れたとの情報も報じられていました。こうした造反分子に立腹した選手らは「あいつらには説明を求めるつもり(ブライアン・スモリンスキー)」と、この会合開催前のPAはかなりの分裂様相を呈していたわけです。

で、その続報が期待された3月1日の会議終了後。
どうも箝口令が敷かれたってことでしょうかね?
それらしい情報というのは、以下の3点に限られているようです。

その1:プロンガーが「『造反分子』というのは、交渉妥結を願っていたメディアや人間たちの創作である」とコメント。その造反メンバーと目されていたプロンガーは、これを全面否定し、選手間の団結を強調した。

その2:ローニックが、10年ぶりに参加したPA会合で、集まった150人以上の選手の前で謝罪。「ここ3週間、オレは喋りすぎた」

その3:ブライアン・バーク(現在TSNコメンテイター)「PA会合では、2人の選手が取っ組み合いのケンカになり、他選手によって制止されるという一幕があった」

この3つの情報を併せて考えると、やっぱり「その1」のプロンガーの発言がウソ臭いんですけど・・・ま、「オレは関わってないから」という主張であり、確かにそうなのかも知れません。その一方、ローニックは、この謝罪のために、わざわざ10年ぶりにPAの会合に出て来たってとこが、彼らしくもあります。

で、一番気になるのは「その3」の「取っ組み合いになった2人の選手」は誰か? ということでもあったりして・・・ああ、そんなことに興味津々な自分に鬱! 


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by hockeyworldjapan | 2005-03-06 11:49 | CBA

シラケムード濃厚。でも真相は闇の中

恥の上塗りってこのことかな〜と思います。

何かといえば、2月19日の会議決裂後のNHL、NHLPAの親玉同士の応酬であります。罪のなすり付け合い以外の何でもない。どのメディアもかなり呆れたんでしょう。グレツキーの談話を最後に、この会議詳細については続報が出て来てません。

ベットマンNHLコミッショナーは、NYのラジオ局とのインタビューに応じ、2月19日の会議では、NHLPAに「一杯食わされた」と批判。PA側が妥結に至ると見せかけて結局交渉は決裂し、NHL関係者全員に恥をかかせたというのがその趣旨であります。PAの親分グッドナウ氏も当然反撃声明は出してますけど、もはや子供のケンカレベル。なのでここでは触れません。ご興味のある方のみ、元記事をご参照ください。

そして、その会議の参加者のひとりであるグレツキーは、アメリカのメディア(NYポスト:なぜか元記事リンク切れ、NYのラジオ局、フェニックス地元紙)にコメントを残しています(カナダのメディアは後追い記事のみ。グレツキーの場合、NYレンジャーズ行きトレードのニュースも、引退決意の時も同様に、アメリカ報道主導でした)。

「19日の会議にはPAから声がかかったんだ」というグレツキー発言では、ベットマンNHLコミッショナー同様、PAの策略を示唆してると注目されたようですが、それ以外にもこうも語っています。
「会議中、マリオと僕はリーグを代表して交渉する権限は持ってなかった」
「マリオと僕は、自分たちの役割が、妥結に至るための数字を選手側から出させるよう、協力することだと信じていた」
「会議が開始し、僕はトレバー(リンデン)とビンセント(ダンフース)を連れ出し、両陣営の差をどう埋めたらいいのかと彼らの意見を求めた。すると2人は調停、ルーキーキャップ、交渉権保有オファー(Qualifying offer)について決まるまでは、サラリーキャップの数字は議論できないと言ったんだ」
「率直に言って自分は関与したくなかった」

結局彼もわざわざNYに出かけたのに合意に至れず、プライドを著しく損なわれたフラストレーションを吐き出したのに終始しています。気持ちは分かるんですけどね・・・

カナダのメディアはこの一連の報道には、かなりシカトを決め込んでる。反グレツキー派で知られるカナダ全国紙のグローブ&メイル紙のデビッド・ショルツ記者(カナダ=グレツキー礼賛とは限らない。グローブ&メイル紙とグレツキーとの遺恨は結構深い。コヨーテズの赤字問題を暴いたのもこのショルツ記者)が食いついて、続報記事でも書くかな? とほのかに期待していたのですが、それすら出て来ない。

実際カナダではすでに、グレツキー関連では、「これで世界選手権@オーストリアに、グレツキーがカナダ代表GMとして行けるじゃないか」という話題に切り替えてます。みんなもう「付き合いきれない」とでも考えてるのでしょうか?

ちなみに2月19日の一連の報道混乱については、THNが謝罪記事を載せています。謝罪する姿勢は買いたいのだけど、これを読んでも真相は闇の中ということに変わりはない。

3月1日にNHLはオーナー代表会議、PAもトロントで選手に対する説明会が開催予定。その翌日には代理人たちに対して、PA側からの状況説明が実施されるとか。19日の結末に納得が行かないであろう選手たちも、月曜夜にトロントで夕食会を実施し、翌日のPA会議に備えるんだそうです。19日会議の謎がこの期間に追及されることは間違いなさそう。それまで真相は闇の中というわけです。とはいえ、何らかの箝口令も敷かれることでしょうから、全貌が暴かれることはなさそうですが。

そんなことしてるうちに、ゲイロード、ナッシュビルアリーナの名称権から撤退というニュースが入ってきました。20年800万ドルの名称権契約を保有していたゲイロードエンターテイメント社でしたが、アリーナ名称権から撤退するとともに、プレデターズの保有株式も同時に手放すんだとか。プレデターズは、向こう5年間違約金をゲイロード社から受け取ることで妥結しているようですが、今後新スポンサーを探すことは困難の極みという市場状況だそうです。

アメリカでは、「ミラクルオンアイス25周年」で今頃盛り上がっていたはずなのですが・・・非常に皮肉な顛末としか言いようがありません。
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by hockeyworldjapan | 2005-02-24 08:18 | CBA

大市場vs小市場

大市場vs小市場。永遠なる課題でありますなあ。

グレ様&マリオも参加した2月19日のNHL労使交渉会議。この2人が、その会議に至るまでに水面下で糸を引いていたという噂は、どうやら事実らしい。

2人の所有するチームは、共にアメリカの小市場チーム。例えば、マリオの所有するピッツバーグ・ペンギンズの社長ケン・ソーヤーは「(NHL提案の)4250万ドルというサラリーキャップを持ってしても、最初の数年ウチは苦しい財政となるだろう。長期的には改善されるとは思うが」とコメントしている。ただ、オーナーのマリオ自身は「ベットマンコミッショナーを信頼している」という姿勢を表向きには打ち出していた。一方、グレツキーが一部所有するフェニックス・コヨーテズは、シーズンチケット保有数たった2000という報道もあるほど、郊外の新アリーナに移転して以来観客動員で不振を極めるチームである。低め天井のサラリーキャップを欲する一方で、このままホッケーの存在が希薄化すると真面目にチーム存続だけでなく、アリーナを中心に開発した都市計画全体まで共倒れだ。そんな深刻な事情をコヨーテズは抱えている。

そんな事情も手伝ってか、グレ様はマリオとともに、同類の小市場チームを妥結に取り込むロビー活動に勤しんでいたと言われている。つまり2つのチームのオーナーが会議に参加した背景は、多くのメディアが書きこぞったような「この2人のオーラで奇跡を起こせ!」というハリウッド的趣旨のものだけはなかったのだ。(グレツキーは、公には自分のそうした役回りについて語りたがらなかったそうだが)

その一方で、2月19日の会合実施をNHLベットマンコミッショナーにせっついたのは、NYレンジャーズ、デトロイト、フィラデルフィア、トロントといった、一連の大市場チームのオーナー陣だった。これらのチームは、シーズンを開催すれば儲かるのだから、開幕したいというのは至極当然である。小市場と大市場の統一見解の下、妥結に向けて動き出したNHLだったが、そこで猛反発したのが、フロリダ、ナッシュビル、エドモントンといった小市場強硬派。実際にナッシュビルのオーナー、クレイグ・リオポルド氏は、NHLの最終提案で収入と選手年俸のリンクが除外されたことに激しく反発していた。実際にNHLは19日会合ではサラリーキャップの最低額提示を取り下げていたし、それがこうした小市場強硬派からの反発に対応したものであることは容易に察することができる。つまり、グレ様&マリオのロビー活動むなしく、こういうチームを説得しきれなかったわけである。

オーナー側も選手側も、二極化がこれだけ進んでいる今、ひとつのシステムでは誰も満足しない。私としては、これ以上この二極化を助長するシステムだけは次期CBAには盛り込んで欲しくないと思ってはいた。金持ちチームのゴリ押しによって前回CBAが妥結した背景もあって、今回は数の上でも優勢な小市場チーム寄りの考えを持っていた私ではあるが、小市場チームの要求を聞き続けているだけで、リーグ全体の経営は果たして改善するのか? という疑問も正直ある。

そういうチームを救うには、収入分配策、支出抑制策は確かに必要だ。ただそうした待遇を全てモラトリアム的に与えていいものだろうか? 誤解しないで欲しい。ほぼ恒久的に援助すべき部分があるのは事実である。たとえば市場のサイズはどう転んでも小市場チームにとっては克服できない障害である(その根底には、その市場にチームを与えたのは誰か? という問題がある。ただチーム営業権を与えた限り、その張本人、つまりNHLが責任をとるべきである。またそのチームを、オーナー会議で承認した他チームも同罪)。なので、市場サイズに見合った収入分配はあくまで必要だという私の考えは変わらない。

ただしそんな背景はあるとしても、頑張れば改善できる部分(たとえばシーズンチケット販売数)での努力を怠っているチームに対しては、ある程度の猶予期間を与えるのはいいが永久に援助をすべきなのだろうか? と思う。各フランチャイズには異なる歴史があり、各地区のファンの成熟度も当然違う。ただ、チーム設立から数年が経過しても一向に経営が改善しないチームに対しては、鞭打つ制度も必要である。

例えばNHLは19日提案でチーム年俸最低額を取り下げた。おそらくこれは、収入と選手年俸のリンクを取り下げたことへの対応措置ではあると思うが、個人的にこの最低額取り下げには猛反発したい。いくら経営状態が悪いからといって、チーム年俸が他チームの数分の1で、いつまでたっても1軍半のようなロースターなんて、ファンがそっぽ向いて至極当然だからだ。こういう制度には、もし実施するにしても期限付にしないと、そのチームはこの制度に甘え続ける。そしてそのロースターはよぼどのビジネス才覚のあるGMに恵まれない位限り、永遠に1軍半のままである。

私はどちらかというと、NHLベットマンコミッショナーに対しては、批判的ではあったと思う。ただ彼が実施した過去の政策には、いい内容もなかったわけではない。例えば、カナダのチームに対する援助策がそれだ。カナダドルの価値が極度に落ち込み、スター選手が続々とアメリカのチームに流れてしまう窮状を、ベットマンコミッショナーは「シーズンチケット販売で一定数を達成すれば、NHLから助成金を与える」という制度を打ち出した。もちろん昨今の選手年俸の恐ろしい高騰により、この助成金の価値(せいぜい300万ドル)はないがしろにされてしまった感はあるし、「ベットマンコミッショナーのカナダのチームに対するゴマスリ」と揶揄されたこともあった。だが、それでもこの制度は、フランチャイズに関わる人間やファンの意識を新たにしたと思っている。

選手とオーナー間だけでなく、オーナーだけをとっても様々な類のエゴが渦巻いている。これを統一するのは容易な作業ではない。だが、少しばかりの創造力でクリアできる問題もあるとも思うのだが。

NHLは、3月1日にオーナーを招集して会議を実施予定だそうです。その会議でどうオーナーが団結、もしくは分裂するかが見物ではあります。(PA側も同様ですが)

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by hockeyworldjapan | 2005-02-22 08:27 | CBA

一転、二転、三転・・・結局再開なし(見込み)

真面目にメディアの報道を追ってる人は、かなり翻弄された週末ではなかったでしょうか? かのTSNコメンテイター、ボブ・マッケンジー氏すら「ここ数日の展開は、全く奇妙で読めない」とお嘆きになっているので、管理人レベルの人間がオタオタするのは当たり前・・・という気もします。

メディアが拾った「4500万ドルのサラリーキャップで妥結」という報道(THNがそもそもの発端)は、どうもPAもしくは代理人からの情報だったらしく、それ以外にも「非常に信頼できる筋からの情報で、妥結は間違いないとのこと」などというやけに楽観的な二次、三次報道まで出た。つまりPA側の認識が甘かったということなんでしょう。これで期待を高めたあげく、いまとなっては谷底に落とされた気分のファンも多いのではないでしょうか?(え、管理人? ここ数週間でこの手の展開はもう慣れっこ。痛点麻痺状態かも)

で、過去数日間の展開をざっとおさらいしてみます。

2月16日:NHLベットマンコミッショナーがNYのホテル@ウエスティンタイムススクエアにて、「今季全面中止」会見実施。
2月17日:NHLPA会長リンデン、マイク・ガートナー(元NHL選手、現在PAシニアディレクター)が、ベットマンコミッショナーと密会。ウエイン・グレツキー、マリオ・ルミューが電話会談。グレツキー曰く「交渉再開についてなどマリオと突っ込んだ話はしていない」らしいが、この2人が再開に向けてプレッシャーをかけたという説もあり。同日深夜、NHL側がPA側に対しNYでの会合を呼びかけ。
2月18日:PA側がNHLの呼びかけに応じる。
2月19日:NHL、NHLPA両陣営が会談実施。いつもの会合メンバーに加え、グレツキー、ルミューの2人も参加。NYで数回の休憩含め6時間半を費やしたが、決裂。会合では両陣営から新たな提案はなく、NHLの前回最終提示が詳細に渡って説明されたが、その内容にPAは「詳細を見たら、思ってた内容よりも悪いってことに気づいた(byヴィニー・ダンフース)」と、眉をひそめたらしい。次回会合の予定はなしで、両陣営とも「中止決定を覆すことはできない」と諦めコメント。

・・・というわけで、今季全面中止決定はそのままイキってことです。
これでこの決定が取り消しにでもなっていたら、ベットマンコミッショナーのメンツ丸潰れになるところでしたしね。さすがにリーグとしてもそうはさせなかったという部分があったかも知れません。

とはいえ、コミッショナーの公式「シーズン中止会見」まで実施したあげく、また交渉蒸し返しに至っただけでも、十分舞台裏でのすったもんだが想像できます。ここではその経緯について、説明することとしましょう。


背景その1:
「せっかく650万ドルまで差を詰めたんだから」という気持ちが、双方から持ち上がってきた。あるいは数チームのオーナーたちが、一部の選手や代理人と直接交渉を始めたために、NHL側がたまりかねて会談を予定したという噂も。
2月19日交渉前には「PA側としてはキャップ4500万ドルあたりの妥結を望んでいる模様」という報道があり、ベットマンコミッショナーも「4500万ドルなら妥結する用意があったのでは」、との憶測があった。しかし両陣営からはいずれもそうした妥協案は提示されなかった模様。

会談前には、「キャップ4600万ドルの提案(4200万ドル以上100%贅沢税、もしくは4000万ドル以上は40%という説も)で妥結寸前」という噂も。しかし結局PA側からそうした提案はなされなかったことを考えると、これはPA側の分裂を意味するのか、もしくは妥結に至らしめようとするメディアの誘導報道だったのか、などと深読みしてしまう。

実際、PA側の分裂を匂わす動きはここ数日間でも報じられている。PAグッドナウ代表に対し「なんで4500万ドル程度の最終提示をしなかったのか?」との圧力が選手側から出たという噂だ。PA側がサラリーキャップを受け入れたのも、ローニック、イギンラ、エシュ、プロンガーといった面々が「サラリーキャップを受け入れる」とオーナー側に直訴し、グッドナウ代表に圧力をかけたのではとの報道がなされたが、これをエシュ、プロンガーは否定している。

背景その2:NHL、ESPNに最後通牒突きつけられる
NHL今季全面中止の発表を受け、来季ESPNはNHLを全く放映しない可能性も示唆している。すでに今季は40試合まで放映試合数を縮少していたところにこのロックアウト。ESPNとNHLとの契約は今季1年限りで、来季はESPNのオプションとなっている。ESPNとしては、今季NHLが抜けた分はカレッジバスケで十分補えたという考えがあるらしく、その最終決定期限は4月15日。これまでに労使交渉が妥結していないと、ESPNが真面目にNHLを見放す可能性も高まる。最近NHL放送に関してやる気のなさが見え隠れしているESPNではあるが、NHLとともに過去80年代から持ちつ持たれつの成長と遂げて来たのは確かでもある(1度放映権が他チャンネルに移ったこともありましたが)。ペイチャンネルとはいえ、普及率と知名度が高いESPNから放棄されたら一大事・・・という状況もあって、慌てて交渉の席に付いたのでは? という説もあり。

・・・という状況であります。


で、察するにグレ様&マリオは、会談中「壁の花」状態だったような・・・。

そうかと思うと「まだ近いうちに妥結の可能性はある」とおっしゃる事情通もいたりする。こうした駆け込み交渉に有益な内容が見いだせるのか? という疑問は当然ある。去り逝くシーズンに無理矢理蘇生術を施して生き返らせる必要はもうない。ただし、焼けぼっくいに火がついてるうちに、交渉を進めておけという意見は、分からないでもない。

いずれにしても、管理人の内面の平静は、しばらく訪れそうにもありません。

シカゴ・トリビューンの記事を読む
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by hockeyworldjapan | 2005-02-20 19:23 | CBA

今季全面中止発表、そして交渉はまた逆戻り?

結局交渉は決裂、NHLは今季全面中止を発表しました。

HWJ掲示板でお伝えした通り、この前日2月15日の会合では、双方がさらなる歩み寄りの姿勢を見せてはいたのです。NHL最終提案の「4250万ドル(福利厚生費を含めると4470万ドル)のサラリーキャップ」という内容に対し、NHLPAが「4900万ドルのサラリーキャップ」と逆提示。両陣営の差は、この前日の1200万ドルから650万ドルへと縮まっていました。

それゆえに、にわかに妥結への期待が高まってはいたのですがが、15日深夜になってもこの650万ドルの溝は埋まらず。ついにNHLは各30チームに対し「今季全面中止」の書簡を送付し、16日のNHLベットマンコミッショナーの「今季全面中止」記者会見に至ったわけです。

多くのホッケーファンを落胆させたであろうこのニュースですが、さらにそのショックに追い打ちをかけるようなのが今後の展望です。

NHLベットマンコミッショナーは、今後も交渉は継続していく姿勢を見せてはいるものの、交渉が決裂した今後のスタンスとして「これまでの交渉内容とはまったく異なる経済モデルを想定する。リーグ収入と選手年俸はリンクさせる」「これまでの議論で提示した内容は取り下げる」と、いったんは軟化した姿勢を再び強硬化するニュアンスを匂わせています。つまり、650万ドルと縮まったはずの両陣営の差ですが、それはあくまで今季開催という条件下の話で、来季開催に向けての交渉は新たに仕切り直しをするというわけです。

なので、今後の交渉再開、そして再開後に両陣営が妥結に至るタイミングについては、再び見通しがつかなくなったと言っていいでしょう。

なお、2月15日にPAが提示した最終提案内容は以下の通りです。

*契約期間:6年間
*サラリーキャップ:4900万ドル、しかし協定期間6年のうち2回その10%増(5390万ドル)までオーバー、逆に2回2500万ドルの最低限度まで、選手年俸を控えることができる。
*NHL選手最低年俸:30万ドルとする
*贅沢税:
4000〜4300万ドル:25%
4300〜4600万ドル:50%
4600〜4900万ドル:75%
4900〜5390万ドル:150%
*リーグ収入と選手年俸のリンク:2006−07年以降のキャップ額、贅沢税の指標、税率は、2005−06年の数字を最低ラインとして維持し、収入アップの際にはその上昇率を持って補正する。
*シーズン開幕となった場合:2005年プレーオフ収入の55%を選手側に拠出する

これで、交渉内容がまた振り出しってことになったら、かなり長引くことも予想されます。で、長引いたら今度は交渉内容だけでなく、法的介入とか代理選手とか、さらにややこしい問題が出てきます。

TSNのニュースクリップで、トロントサン紙のスティーブ・シモンズ記者が言っていたのですが、「今季終了後にNHL選手のうち65%が契約切れになる」とのこと。つまり、現在はNHL選手でPAの会員であったとしても、NHLが来季代理選手を導入しようとすれば、そうした契約切れの選手を引き寄せることは理論的に可能である。そして最終的に、PAの結束を崩す決定打になり得るというわけです。

その気になる代理選手導入について、TSNのインタビュー内でベットマンコミッショナーは「今後のことは向こう2週間をかけて、オーナー会議を実施して今後のあらゆるオプションについて議論していく。代理選手のことはまだ考えていない。PAとの合意に注力したい」と、語ってはいたのですけどね。本音の部分はどうなのか、知りたくはあります。

で、NHLネタで地味に続けていたこのブログですが、そっちの将来も危ぶまれるような・・・これまではNHL労使交渉の延命措置により長らえてはいたのですが、これからどうなってしまうのか? 

不安は尽きませんが、なんとか姑息に生き延びようとは思っておりますので、今後ともよろしくお付き合い下さい。

NHL今季全面中止に関する原文を読む
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by hockeyworldjapan | 2005-02-17 09:20 | CBA

交渉はOTに突入。妥結の可能性浮上?

先週末が交渉期限とされたNHL労使交渉。しかし、ここに来てまた新たな展開が出て来たようなので、状況を解説したいと思います。

NHLPAはついにサラリーキャップを容認。NHLもそれまでこだわりを見せていた「リーグ収入と選手年俸の割合(53〜55%)」を提案から取り下げたのです。まあ、その内容を精査すると、それほど両者が軟化したというわけでもないのですが、「サラリーキャップ」という大きな概念的な壁をやっとクリアし、やっと金額的な部分の交渉に移行することができるのでは・・・という見方が強まっています。(ま、そこからが大変ではありますが)

現地2月14日、NHLとNHLPAは、ニューヨーク州ナイアガラフォールズにてデイリー&サスキンのナンバー2同士での秘密会合を実施。この会合は実に翌日15日未明までもつれこんだようです。

その長丁場もあってか、NHLはいったん14日深夜に「16日にベットマンコミッショナーの記者会見実施」を発表。メディアはまずこのニュースに食いつき「これで今季全面中止が確実に」と報道しました。(特に現地2月15日付の新聞報道は締め切りの都合上、ニュースの内容がここまでになっています)

しかし、会合終了後の15日未明、今度はNHLPAが「NHL側がリーグ収入と選手年俸の割合を盛り込むことを提案から取り下げた。そしてPA側からは、贅沢税、サラリーキャップ5200万ドル双方を盛り込んだ提案を提示した」との声明を発表。一転、妥結への期待が浮上してきたわけです。(NHLPAの声明文を読む)

TSNによると、PA側の提案内容は以下の通りです。(TSNの記事を読む)

*チーム年俸上限(ハードキャップ)を5200万ドルとする。ただし6年の新協定期間のうち3回まで、この10%増の額(つまり5720万ドル)まで費やすことができる。

*贅沢税を以下のチーム年俸に対して課す。
4000万ドル〜4400万ドル:25%
4400万ドル〜4800万ドル:50%
4800万ドル〜5200万ドル:75%
5200万ドル〜5720万ドル:150%

・・・というわけで、この案をNHLが受け入れるわけもなく、即拒否されたようです。24%一律ペイカットの後のキャップ額(10%超過の場合5720万ドル)って、現在7526万ドル使ってるチームまで当てはまる(爆)。ちなみに昨季年俸でいくと(2003年11月THN情報で申し訳ないのですが)、7526万ドル以上使ってるチームって、デトロイト(7783万ドル)、NYレンジャーズ(7701万ドル)の2チームのみ。この2チームだって、ちょっと買い控えしたら、このレベルはすぐクリアできるでしょう・・・ってことで、もう笑うしかない内容です。ま、この数字をPAが提示してきた背景には当然裏がありますので、それは後ほど説明することとしましょう。

ちなみに5720万ドル使ったチームが払う贅沢税を計算してみたところ、1380万ドルとなる。そのチームは、年俸分と合わせて計7100万ドル費やせばいいわけだから、下手すりゃ昨季年俸より安上がりってことで、そりゃその贅沢税だって払ってでも使うでしょう。収入分配策としても、そんなチームが3つ出現しても、計4140万ドルだから、低年俸チーム(たとえば10チーム)で割ったとしてもせいぜい400万ドルにしかなりません。

またこの日の会合では、NHL側から贅沢税を盛り込んだ提示がなされた模様です。
その内容は以下の通りです。

*チーム年俸上限(ハードキャップ)を4000万ドルに設置。

*3400〜4000万ドルに50%の贅沢税を設置。


・・・と両陣営まだ大きな開きはありますが、PAが形なりにもサラリーキャップという概念を公式に受け入れ、またNHL側も収入と選手年俸の割合導入を提案から落としたことで、歩み寄りの姿勢はある。一応進展があったことは認めます。な〜んで昨年夏の時点でこういう方向に話に持って行けなかったのかな〜とは思いますが、何にも起こらないよりはマシと考えるべきでしょう。

ただね、NHLはあんなに「Linkage」「Linkage」(リーグ収入と選手年俸割合リンクのことです。53〜55%という例の数字)と口が酸っぱくなるくらい叫んでたのに、あっさり引き下がった。一方、PAはなんでこの期に及んで一転、サラリーキャップを認める立場に切り替えたのか。そのあたりの裏事情をここで説明したいと思います。

それは以前にもちょっと説明したのですが、もしこのまま今季全面中止ということになれば、今後法廷で争われるの可能性もある背景にあるのです。で、その司法介入に至った場合、「両陣営のうち、交渉に応じる姿勢を見せていないのはどちらか?」というのが、裁定材料になると言われています。

そういう意味では、この時期にいずれかの陣営が持論にこだわりを見せれば見せるほど、いざ法廷での争いとなった場合にマイナス材料となる。よってこだわる意志はありませんとアピールする必要がここではあったらしいのです。同様な動きとして、NHLが連邦調停人を加えて交渉を実施したという報道もありましたが、これもひとつのアピールとしての動きだったのでは、とも指摘されています。

さらにPA提示の5200万ドルという額については、PAとしてもまさかこの数字で妥結できるなんて思ってもいないでしょう。おそらく4600万ドルあたりを妥結ラインとして考え、交渉術として5200万ドルという高めの数字をまずはオファーしたのだと思われます。

で、管理人個人の勝手な今後の予測ですが(あくまで成り行き予想です。希望は入ってません)、この両提案の中庸をとって妥結するんではないかと。つまりハードキャップ4600万ドルあたり。じゃあいつ妥結するの? という部分については、今後を見守るしかありませんというしかない。また妥結内容の善し悪しについては、実際妥結後にまた新たに議論したいと思っております。

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by hockeyworldjapan | 2005-02-16 10:02 | CBA

期限の週末も終わり・・・

やっぱりそろそろ幕引きですかね?

現地日曜の2月13日、NHL労使交渉は、ワシントンでアメリカ連邦調停人を交え、5時間に渡る会合を実施しました。しかし連邦調停人の介入もむなしく、こちらも進展はなしと終わったそうです(関連記事を英文で読む)

2月10日の会合が物別れに終わった後、かなりの要職にある連邦調停人の要請に基づき、この日は会合を実施したNHLとNHLPAだったそうですが、これには両サイドの巨頭(ベットマンNHLコミッショナー、グッドナウPA代表)は参加しておらず、そういう意味ではややテンションの低い会合だったのでは、と推測されています。

その一方で、NHLはその前日の土曜日の2月12日、30チームのオーナー、GMらに向けて以下のような書簡を送信しています(関連記事を英語で読む)

1)今後はメディアに対し、ロックアウト関連のコメントをしてもよい(注:それまではコメントを出した関係者に、最高25万ドルという巨額罰金が課せられていた)

2)今後は選手と接触してもよい(注:これまでは故障者、マイナーリーグでプレーすることを合意した選手を除き、一切の接触が禁じられていた)

これによってNHLは、GMと選手側がある意味での連帯を築き、それによってPAの立場を孤立化させようという目論んでるのではと考えられています。

で、現状を改めて説明すると、こんな感じです。

オーナー側は形勢有利ってことで、強硬な姿勢を緩めません。1994−95年には、その前のシーズンに優勝したNYレンジャーズや、同じく人気チームのデトロイトなどが、NHLのアメリカでの人気獲得に貢献していたこともあって、労使交渉では大きな発言力を持っていたのです。そうしたチームが「早くシーズンを開幕させろ」とプレッシャーをかけたことで、結局はオーナー側にとって納得のいかない提案内容で妥結させてしまったという前例がある。それゆえに今回の交渉では「前回の二の轍踏むな」という強い意志が、オーナー側に見られるという意見もあります。

逆に、弱みを握られてるのは、やはり選手側でしょうか。最近ではローニック発言にもあるように、条件付きならサラリーキャップに応じてもよい(といってもリーグ提案の実質4000万ドル(さらに今後は減少に転じる可能性大)の天井値でなく、4700万ドルでリーグ収入とは無関係に設置、あるいは贅沢税との混合型など)という風潮もかなり有力になりつつあるとは言われています。

早ければ現地時間2月14日(日本時間2月15日早朝)にでも、NHL今季全面中止が発表されるということですが・・・NHL本部のあるニューヨークでは、2月14日にも今季幕引きの段取りについて議論が交わされ、その後ベットマンコミッショナーが全面中止を発表すると噂されているようです(トロントサンの記事を読む)

シーズン全面中止となれば、北米4大スポーツでは初、スタンレーカップ優勝チームが不在なのは1919年以来(この年はスペイン風邪の大流行で決勝が途中でキャンセル)となります。

前回は、期限ギリギリになってPAの親玉グッドナウ氏が「再度提案」を提示し、妥結に至ったのですが・・・巷の声は「10年前とは違って、両陣営の考えに開きがありすぎ」。というわけで、妥結という奇跡が起こる可能性は、天文学的に少ないと言ってよさそうです。

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by hockeyworldjapan | 2005-02-14 22:58 | CBA

交渉期限は今週末!

・・・って、宣言する意味があるのかどうか。

お騒がせ中でありますNHL労使交渉ですが、いよいよ今季幕引きのための交渉期限が「今週末」とNHL側から明言されました。仮にそれまでに妥結できたら、レギュラーシーズン28試合で開幕する。決裂となれば、翌2月14日にも今季全面中止宣言がなされるのでは、と見られています。

で、その期限までに交渉が妥結する確率ですが、相変わらずかなり厳しいといっていいでしょう。2月9日、10日の両日にも交渉が実施されましたが、その内容はある意味逆戻りでした。

2月9日の会合では、NHL側が噂通り新提案を提示しました。しかしその内容というのは、新提案でもなんでもない。12月9日のPA側提案(24%一律ペイカット、贅沢税、収入分配)をとりあえず実施し、その結果NHL側が提示する4つの条件のいずれかひとつにでもあてはまった場合は、2月2日のNHL提案に即移行するという内容でした。

NHL側の提示する4つの条件とは以下の通りです。

1)リーグ全体の選手総年俸支出が、リーグ収入の55%を超える
2)高額年俸チームのトップ3の平均額が、低額年俸トップ3の平均額を33%以上上回る。
3)高額年俸トップ3のいずれかが、4200万ドルを超える
4)平均チーム総年俸が3650万ドルを超える

PA側は、上記の条件のうち少なくとも1つは即座に該当すると主張し、この提案に意味なしとして、ばっさり拒否しています。

NHLベットマンコミッショナーは、2月9日に提案後、会見を通じ「今回の提案で我々は非常に寛容な提示をしたつもり。これが最大限の譲歩」とコメントしています。「PA側の提案を試行する機会を与えてやったのだから、我々ってな〜んて太っ腹」といいたげです。

う〜ん、確かにその論理は正しいし、ある意味完璧である。これが秘密裏に行われてる交渉だったら、やり込められた側はもう降参してるかも知れない。それで「ベットマンすごい! さっすがやり手弁護士」ってことになるんだけど。

でもこの提案は、PA側へのあてこすりと挑発に満ちている。だからPA側が折れるわけがない。それにファンに対して「NHL側はやることやりました。今季が潰れたら後はPAのせい」と今季全面中止となった場合の責任の所在をPAに押し付けるという要素も、多分にあるとは思います。

しかし問題は、メディアも、そして敏感なファンも、その辺のベットマン氏のトリックの胡散臭さを敏感に嗅ぎ取ってるってこと。そんな小細工は、ただでさえシラケ気味のホッケーファンを余計に呆れされる。

いっそのこと「申し訳ないが今季はもう全面中止にする。だが一刻も早く交渉妥結し、来季予定通りの開幕を死守するために今後も交渉を続ける」とコメントした方が潔いばかりか、よっぽど誠意がある。リーグ収入と選手年俸の割合を一定化するって理論だって、もっとうまくアピールできるはずではないか・・・私はそう思います。

現地2月10日の会談も3時間で物別れ。交渉にはアメリカ人仲裁者が加わったそうですがこれも効き目なし。PA側は「NHL側は真面目に交渉する気がない(PAナンバー2のテッド・サスキン)」と言い捨てるほど、交渉の雰囲気はかなり悪化している模様です。

まあ、そう言いつつも、私だって一縷の望みはまだ捨ててはおりませんが・・・(しつこい?)
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by hockeyworldjapan | 2005-02-11 19:30 | CBA