カテゴリ:NHL overall( 41 )

HWJ管理人によるプレーオフファーストラウンド予想

NHL備忘録の方にすでにアップしておきましたが、こちらにも一応載っけときます。

イースタン
オタワ(1位)ータンパベイ(8位)
ゴーリーはどっちもどっち。プレーオフでの故障からの復帰を目指してたハシェクだが、マレーコーチは練習時間をエムリー、モリソンの2人に譲るようにハシェクに命令。ファーストラウンドでの出場はおそらくないものと考えられる。エムリー、モリソンともにサイズがあるが、経験不足に加えプレーにやや癖あり。相手シューターは最初は攻めあぐむかも知れないが、シリーズが長引くにつれて攻略法はじきに分かってくるはず。ライトニングは終盤の結果で、一応グレアムが1番手の模様。しかし今季はシーズンを通してグレアム、バークと、好調な方をトートレラコーチは起用しており、1人がコケたら2人めにあっさり切り替えてくることが予想される。
FW、DFに関しては、セネターズが終盤欠場者が戦列復帰し、ほぼフルメンバーで戦えることから圧倒的有利とされる。トップライン、セカンドラインの強烈さは言うまでもなく、ヴァーメットを中心とするサードラインも相手をきっちり抑えられるし、4つめのフィッシャー、シェイファーあたりにも得点力があるのが恐ろしいところ。ライトニングは優勝時の2004年のようなチームケミストリーは、残念ながら今季全く感じられない。見ていて面白いホッケーが売りだったはずなのに、閉塞感漂う戦いに終始した。リチャーズ、サンルイが終盤調子をアップさせてきたものの、総合力で圧倒的にセネターズが上回ると評価し、4勝2敗でオタワの勝利と予想。

カロライナ(2位)ーモントリオール(7位)
カナディアンズは、中盤の追い上げにゴーリーはクリストバル・ユエを起用、しかし終盤はデヴィッド・アービシャーがゴールを守る機会が増えており、どちらのゴーリーを1番手に据えるのか? という問題が新たに発生。オフェンス面では、今季コイヴと組むクリス・ヒギンズがブレイク。高いスキルを持つコヴァレフに、マイケル・ライダーも好調だった。
一方のハリケーンズは、2002年のプレーオフに、相手の守りを突き破るような働きで活躍したエリック・コールがいまだ故障者リストに入っているのが痛い。とはいえプレーオフを睨んでじっくり戦力強化し、センターだけでもストール、ブリンダモア、ウエイト、マット・カレンとかなり豪華版。しかし終盤Gマーティン・ガーバーの調子を含め、チーム全体の調子がいまいちだったのが気がかり。選手層を比べればハリケーンズの方が有利であり、今季はホームでの成績がリーグトップという強さがあるのだが、カロライナでの第1戦にカナディアンズが勝利したことから、4勝3敗でモントリオールの勝利を予想。

ニュージャージー(3位)ーNYレンジャーズ(6位)
終盤11連勝でレギュラーシーズンをフィニッシュしたデビルズ。この期間のマルタン・ブロデューアの安定感は極めつけだった。さらに今季はルール改正の恩恵を受け、小粒FWブライアン・ジオンタが大ブレイク。ジオンタ、ゴメス、パリジーで組むこの小さいけどスピーディなラインをどう攻略するかが、ブロデューア攻略とともに相手チームにとっては最大のポイントとなる。ジオンタ、ゴメスと切り離したエリアシュと組むランゲンブルナー、ブリリンのセカンドライン以降が、プレーオフで長らえるためには発奮が必要となってくる。
レンジャーズは、デビルズと逆に終盤はかなりの息切れ状態。五輪金メダル獲得に輝いたヘンリク・ランドクイストも臀部故障に見舞われ、プレーオフは病み上がりスタートと不安を抱える。トレード期限前に獲得したオゾリンチは、ヘルシースクラッチになるなど活躍していないし、カスパライティスも故障持ちで、トップラインは風邪引き。ただし、短期決戦となると目の色を変えるのはヤーガー、ストラカ、ロジヴァル、マリクを中心とするチェコ人選手たち。長野五輪や世界選手権で見せるあの恐ろしい集中力は、誰にも予想できないサプライズをもたらす力を持っている。さらにチームカナダ出身トム・レニーは、緻密なホッケーでデビルズのトップライン封じを講じてくる一方で、ヤーガーのラインを逆にデビルズのマッデン、パンドルフォらのチェッキングラインがびっちり抑えてくることも予想できる。第1戦ではヤーガーが故障、大差でのデビルズの勝利となったが、近隣チーム同士の火花バチバチという背景もあって、意外にシリーズは長引くかも? 4勝3敗でニュージャージーの勝利と予想。

バッファロー(4位)ーフィラデルフィア(5位)
なぜか例年プレーオフになると点が取れなくなる傾向があるフライヤーズ。近年プレーオフのここ一番に決定的ゴールを決めてくれたキース・プリモも今季は戦列離脱で、フォースバーグの太もも付け根故障がぶり返さないことを祈るのみ。もちろん、ジェフ・カーター、マイク・リチャーズ、RJアンバーガーといった若い選手たちが、Xファクター的存在として今季は台頭しているが、基本はサイズのあるFW、DFによるやや大味な展開。FWは小粒だがスピーディー、しかもバランスが取れた戦力を有するセイバーズに、フライヤーズの重量級DFが振り回されるのは容易に予想できる。例年プレーオフでは、急にレフェリーがペナルティをとらなくなる傾向があるが、今季新ルールの下、レギュラーシーズン同様にホイッスルが吹かれるのであれば、難なくセイバーズが乗り切るのでは? プレーオフでの1番手ゴーリーは、セイバーズはライアン・ミラー、フライヤーズはロバート・エシュということになっているが、状況次第でそれぞれの控え(ビロン、ニートゥマキ)との入れ替えの可能性は十分。4勝2敗でバッファローの勝利を予想。

ウエスタン
デトロイト(1位)ーエドモントン(8位)
今季プレジデンツトロフィー獲得に、終盤は21試合中20試合で1ポイント以上を挙げたという横綱相撲ぶりのレッドウイングズ。一方、プレーオフがかかっていた終盤も、のらりくらりという感があったオイラーズ。成績だけで比べるとあっさり「レッドウイングズの4勝0敗」と言いたくなるところだが、実際にはもつれるシリーズを予想したい。
レッドウイングズに死角はあるのか? というと、そう簡単にあら探しはできるものではない。ただ、今季はロードでは好調だったもののホームではなぜかいまいち、主力ダツックが病み上がり、過去の歴史においてプレーオフではトラップしてくるチームに苦戦する、などの材料が挙げられる。
そのあたりを睨み、オイラーズはすでにトラップの練習などでシリーズ準備をしているという報道あり。バランスのとれたレッドウイングズのラインに、ペカやプロンガーなど守りの職人たちをどう対応させてくるのかも、コーチ陣の腕の見せ所である。フェイスオフでの強さを活かし、レッドウイングズにできるだけパックを支配させず、スピードある走りと戦略的守りで上回ることができれば、オイラーズにもチャンスの芽が出てくる。レガシー、ロロソンの2人のゴーリーは、実力、経験から言ってほぼ互角。もつれる材料は十分にあると見て、4勝3敗でデトロイトの勝利を予想。

ダラス(2位)ーコロラド(7位)
スターズの今季好調の要因としては、ルール改正によるマイク・モダノの復活、フィンランド選手たちによる選手層底上げ、DF選手の充実、シュートアウトでの強さなどがあったように思う。ただシーズンを通して、ディビジョントップの一人旅を続けてきたチームだけに、戦いぶりにあまり危機感が感じられない。ビル・ゲリンの不振ぶりも目につく。一方のアバランチは、ウエスタン7位とはいえ、これはノースウエストという厳しいディビジョン内での戦いがかなり影響していたようにも思える。今季開幕後は戦力ダウンが囁かれたものの、実際にチーム得点のみで見れば、ウエスタンでは2位とかなりの強力ぶり。ましてや、相手のスターズに対しては、2004年もファーストラウンドで撃破している相手でもあり、苦手意識はない。GKターコの攻め方も選手たちはよく分かっているのでは? レギュラーシーズン終盤もよくなかったセオドアが、このシリーズでどれほどやれるのか全く読めないのだけど、スターズの選手はあまりセオドアの攻め方を実はまだ分かっていないのでは? という気もする。ということで、4勝3敗でコロラドの勝利を予想。

カルガリー(3位)ーアナハイム(6位)
東のバッファローvsフィラデルフィア同様、レフェリーの判定基準によって流れが左右されそうなシリーズ。フレームズはダリル・サターコーチの下、得意のタイトチェッキングな守りでダックスのスコアラーをびっちり抑えたいところ。特に今季はオフェンス面でやや苦しんでいるだけに、失点を最小限に抑えて、守りで逃げ切るという展開が勝ちパターンとなっている。
一方のダックスだが、シーズン前半からセラニ、マクドナルドというところが新ルールの恩恵で活躍。さらに中盤から若手のルパル、ゲツラフ、ペリーあたりが戦力押し上げに成功し、一気にプレーオフ圏外から好位置の6位シードまで追い上げた。そのあたりの勢いは買いたいところ。
キッパーvsジギーのゴーリー対決も見物だが、今季に関していえば圧倒的にキッパーが優位にあることは間違いない。攻撃力と勢いではダックスに軍配を上げたいところなのだが、ゴーリーとコーチングではフレームズに分があり。予想するには非常に悩むところだが、第1戦でジギーがいきなり「下半身の故障」にて欠場。ブリズガロフの方が実はいいんではないの? という声もあるだろうが、ジギーが完調ではないのは痛いということで、4勝3敗でカルガリーの勝利を予想。

ナッシュビル(4位)ーサンノゼ(5位)
今季のナッシュビルのチーム戦力は、新ルールに即した素晴らしい内容だった。それゆえに、やはりヴォクーンの戦列離脱は痛すぎる。代わって控えのメイソンがよく頑張っていたのだが、正直言って私は彼のプレーを1試合ちゃんと通しでみたことがないので、正当な評価が下せず申し訳ない(笑)。ただ相手チームにとっても多いに未知なる部分が多いため、最初の3試合くらいは相手チームが攻めあぐむという利点はあるかと。しかしヴォクーンのように「ゴーリーの違いで勝利した」という結果をもたらせるかどうか? というと疑問が残る。終盤にはサリヴァン、ジドリツキーと、プレデターズのオフェンスを支える主力が次々と故障していたのも不安材料。この2人が100%でプレーできるのなら彼らにも十分チャンスはあると思われるのだが。
一方のシャークスは、ソーントン(アートロス)、チーチュー(リシャール)がタイトルを大逆転で獲得。サイズ、パワー、テクニックのあるこの2人は、他チームがどうあがいても止められない凄さを持つ。ホームアドバンテージを持つプレデターズはこのトップラインに、誰をマッチアップさせてくるかが大きなポイント(DFはウイットあたりが予想されている)だが、FWは全体的に小粒、DFも素材はいいがまだ若いというのは、対シャークス(というかソーントン&チーチュー)にとって不利に働く。不安があったシャークスGKも、終盤はトスカラが安定していた。ということで、第1戦は落としたものの、4勝2敗でサンノゼの勝利を予想。

ま〜、ファーストラウンドは予想的中した試しがないのですが。今年は比較的ギャンブルせずにオーソドックスに攻めてみました。さあどうなるか。
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by hockeyworldjapan | 2006-04-24 08:29 | NHL overall

クレインズおめ! そしてNHLはトレード期限間近

まずは、全日本選手権でのクレインズ優勝、おめでとうございます。

十条製紙時代からして成し遂げることのできなかった貴重なタイトルですね。アジアリーグも含め、今年こそはクレインズの年になるのでは? との声が強かっただけに、プレッシャーもかなりあったと思いますが、見事な勝利でした。

で、トリノ五輪も終了し、すでに再開したNHL。3月9日にトレード期限を控え、新CBA下で初のプレーオフ前の補強合戦が火ぶたを切ろうかという状況であります。

で、今週のスポアイは、現地2月28日(五輪ブレイク後初試合です)のワシントン@トロント。現在、いずれのチームもプレーオフ圏外となっておりますが、それぞれに見所はあるかと思うので、ここでご紹介を。

え〜と、まずはプレーオフ争いから大きく離れてしまったキャピタルズ。

2003−04年にスター選手をどんどん放出したくせに、多くのチームがサラリーキャップ導入後に補強を進めた2005年夏にも、あまり積極的に選手獲得に行きませんでした。ボンドラ獲得に失敗し、新たに獲得したキャッスルズは不振のためシーズン途中で放出、その後に獲得したフリーゼンはすでにトレード要員として名前がリストアップされるというていたらく。さらに、コルジグと並んでチーム内に2名だけ残った98年ファイナル経験者のウイットは、今季序盤からトレード志願・・・と、目も当てられない雰囲気が漂います。そこで今季はもうチームに残された若手が頼り。よって経験不足が祟っている感じです。

そこに現れたのが、ご存じロシア出身のスーパールーキー&救世主、アレクサンダー・オヴェチキン。NHL公式戦最初のシフトでは、MCIセンターのボードをフィジカルプレーで破壊し、金属の支柱部分を吹っ飛ばしたために3分試合中断に至りしめ、そしてこの試合でいきなり2ゴールを挙げてチームの勝利に貢献・・・と超弩級のデビューを果たしました。そしてそれ以来チームのスコアリングトップを走る活躍。今季の最優秀ルーキーはもちろんのこと、リーグMVP候補としても推す声すら最近は高まっているのです。

とはいいものの、そのオヴェチキンへの負担増大もキャピタルズの問題のひとつとなっています。この試合前までの36ゴールはチームトップの数字でチーム全体の25%を占めるわけで、相手チームはオウ゛ェチキンに容赦ないシャドーイングを仕掛けてきます(有名どころでは、ボストンのPJアクセルソンとかね)。よって、五輪ブレイク直前にはさすがのオヴェチキンも、10試合でたったの3ゴールと苦しんでいたのです。

今季の成績不振もあって、オヴェチキンの加入を持ってしても、地元MCIセンターの観客動員は定員の7割程度と苦戦しているそうです。ただし、新CBA下のサラリーキャップと収入分配策の恩恵を受けて、今季のキャピタルズのチーム収支は500万ドルの赤字にとどまる予定だとか。1999年に現オーナーのテッド・リオンシスがチームを買収後、1年に3500万ドルの赤字を計上したシーズンもあったキャピタルズだけに、この数字は財政状況上の大きな改善と言えましょう。

ただNFLレッドスキンズ、NBAウイザーズがともにプレーオフ進出を果たしている上、2005年にMLBワシントン・ナショナルズが創設されて以来、ワシントン地区でのホッケー人気はさらに厳しくなっているという現状も指摘されています。現在のシーズンチケット販売は8750席で、NHLのリーグ財政下で損益分岐点にあたる11000〜12000席にはかなり不足している状態とか。

要するに、オウ゛ェチキンだけじゃあまだ勝てない。サポーティングキャストはどうよ? ということなんでしょうが、まずは守護神オリー・コルジグと2年契約延長。DFは、昨季まで3シーズン、スイスでプレーしていたジェイミー・ヒュワードが結構いい拾い物だったようですが、それ以外の選手はまだ経験不足(除:ウイット)。

FWも、セカンドライン以降、特にサードラインで活躍しそうな選手はたくさんいるのだけど、トップライン候補が厳しいのです。ちなみにオウ゛ェチキンは今季、ダイナス・ズブラス(トップラインというよりはセカンドライン候補だろうか?)、クリス・クラーク(カルガリーのファンはびっくりしていることでしょうねえ。典型エナジーガイかと思っていたが)の2人と組むことが多いようです。ただ、コロラドでポイされたブライアン・ウイルジーが自己ベストのシーズンを送り、サードライン(クライマー、ブラッドリー、サザビーのイニシャルを取って「CBSライン」)の3人の働きも悪くないようです。

そんな感じなので、やはりPRツールとしてオウ゛ェチキンを最大に利用しない手はない。ってんで地元TV局もオウ゛ェチキン効果で試合を盛り上げようと「Ovechkam」というコーナーを設け、彼のファインプレーの数々をカメラの角度を変えてスローモで出しているのが笑えます。まあオウ゛ェチキンが、そうしたスローモに堪えうるだけの素質の持ち主だけに、そんな企画も許されるのだけどね。

それになんと言ってもあのオウ゛ェチキンのスマイル! ヤーガーがNHLにデビューしたての頃のスマイルを連想させるというか、久々にホッケーしながらあんなに嬉しそうにしてるヤツを見たって感じ。そのせいか、試合後リーフスの選手たちは「キャピタルズの選手が試合終盤、にやにやしていやがった」と言いがかりをつけたそうだが、それは見当違いというもんだと、私は思います。

で、試合の最後には、キャピタルズのグレン・ハンロンコーチのインタビュー付きというサーヴィスもあり。試合が終了して、ロッカールームが記者たちに開放される前に、まずヘッドコーチがこうやって地元記者を中心に質問に答える様子が収録されています。ホームアリーナだと、いちおう記者会見室みたいなところが用意されるケースもありますが、この試合はキャピタルズにとってアウェーということで、ロッカールーム近くの通路のようなところでハンロンコーチは記者の質問に応じています。そうした雰囲気もどうぞお楽しみあれ!

一方のリーフスは・・・なんか敢えてここで語るのも気の毒な感じ。キャプテンのマッツ・サンディンなどは、五輪優勝のセレブレーション後に夜行フライトで、翌朝トロントに到着、昼頃アリーナ到着というタイトスケジュールだったとか。デトロイトの同胞金メダル選手たちが28日の試合では休みを貰ったのにもかかわらず、この日も「もう負けられない」ってんで、いきなりの試合出場でしたが結果は無惨。

細かいことを言えばキリないんだけど、ベテランが動けなさすぎなのかなリーフスは。迫力あるのは、動きがスローダウンしたPPの時だけ? と思って観てたら、そのPPでマッケイブがやらかしてるし・・・あ、この試合はリンドロスが久々にプレーした貴重な映像でもあります。この後の試合でリンドロスは再負傷してしまったので、次に彼のプレーを観られるのはいつのことやら。

追伸:最近、NHL情報についてこんなの始めました。体裁はまったく気にしておりません。それゆえお見苦しいのをお許しください。あくまで情報を、うざいほど書き散らしてるだけですのでね。お好きな方だけお越しください。コメント、トラバはご自由に!
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by hockeyworldjapan | 2006-03-06 14:02 | NHL overall

NHLにおける新儀式?

アトランタ・スラッシャーズがシュートアウトの場面でやり始めた新儀式、みなさんご存知でしたか?

MLBの「ラリーキャップ」よろしく、シュートアウトの最中にはベンチにいる選手がヘルメットを前後逆に被ってチームメートを応援。1月11日vsナッシュビル戦で初めて試したこの儀式が効を奏したのか、今季5回めにしてシュートアウト初勝利を飾っています。カリ・レートネンも故障が直って出て来たし、イリヤ・コヴァルチャクは今季60ゴール達成しそうな勢いでゴールを量産。パトリック・ステファンがこうなっていたのにはちょっと驚きでしたが(スタッツではなくって外見上の話ですみません・・・)、現在のところ同ディビジョンのディフェンディングチャンプ、ライトニングを抑えて2位、プレーオフ進出圏内を走るという健闘ぶり。晴れてプレーオフ進出となれば、チーム創設6シーズンめにして初の快挙となるわけです。

こういう儀式というか、なんらかの現象が生まれるチームは、どこかいい流れがあると経験上思うのです。1996年@フロリダ(ネズミ投げ儀式)、1997年@デトロイト(タコ投げ儀式の再燃)はいずれもファン主導のものでしたが、2005−06年はもうひとつ、選手主導のこんな儀式があるようです。

この記事によると、NYレンジャーズは地元MSGでの試合後、センターアイスでスティックを掲げ、ファンに挨拶するのが今お約束の儀式になっているとのこと。アジアリーグの試合でも、日本のチームはスティックを掲げてファンに試合後挨拶するのは、定番の流れであり、我々にとっては何の違和感もないことなのですが、そういう慣習がないNHLにおいて、ヨーロッパ出身選手主導(「A」を付けてるヤーガー&カスパライティスが始めたらしい)でこれを始めたというところに、新NHLの薫りを感じます。

ヤーガーは「オレたちは、新CBA導入で24%ペイカットされて、さらに12%天引きされてる(注:NHLでのプール金。今季収入が予定より上回ればまた選手にペイバックされる)。だからファンには足を運んでもらわなければ」とジョークを飛ばすが、これはおそらくヤーガー独特の照れ隠し。「ヨーロッパでは試合の勝ち負けに関係なく、ファンに来てくれてありがとうと感謝するのは、多くのチームがやってる」というカスパライティスのコメントが、公式コメントとして相応しい。

しかし、ここで一番注目すべきは、あのマンハッタンに位置するMSGで、欧州化が起こっているという事実。つまり明らかに、ヤーガー&カスパは「レンジャーズ文化の欧州化」の共犯者なわけです。いや、共犯者などというと語弊がありますが、チェコ人選手をはじめ、ゴーリー、ヘンリク・ランドクイストはスウェーデン人だし、ヨーロピアンの多い今季のレンジャーズでは、カルチャー自体が「新世界」から「旧世界」に傾いても何らおかしくはない。それにNYといえば元々人種の坩堝なのですから、こういうのもアリかな? と思うのです。

すなわち「レンジャーズに入れば、ヨーロッパ出身選手に従え」状態。これに対して、Aマークを付ける唯一の北米出身者、スティーヴ・ルーチンは「だせーよ」とカスパライティスに漏らしてるそうです。でもねえ、ルーチンがどう文句いおうと、これが実はグローバルスタンダードなのだよねえ・・・と、東洋の孤島に住む私は俯瞰する。(NHLらしくないといえばそれまでだけどね)

レンジャーズといえば、1月12日にマーク・メシエの永久欠番セレモニーを実施した。NY地区だけでなく、カナダからも多くのメディアが集ったこの舞台で、ヤーガーはOTゴールでレンジャーズに勝利をもたらし、「今のレンジャーズはヤーガーのチーム」という印象づけた。奇しくもヤーガーは、グレツキー引退試合(1999年4月18日、この時はまだヤーガーはピッツバーグ在籍)にもOTゴールを挙げている。

現在レンジャーズでは、依然としてキャプテンなしのA3人状態が続いているが、ヤーガーは「僕としてはCマークとつけていようとなかろうと、関係ない」と相変わらずの調子。ペンギンズでも5年Cを付け、2002年ソルトレークでもキャプテンを務めたが、それ以来チェコ代表のキャプテンは拒否しているそうです。

そういう側面もあってか、レンジャーズはブライアン・リーチ再獲得に乗り出しているとの噂もあり。12月にはすでにボストンに対し、トム・ポティを見返りに提示したらしいが、ブルーインズGMマイク・オコネルはこれをはねつけたらしい。リーチは今季ケガの多いシーズンを送っており、現在もふともも付け根故障と苦しいシーズン。トリノ五輪アメリカ代表からも漏れています。

ボストンの地元紙は「キャリアをボストンで終えたい」とリーチが語ったとしていますが、リーチの現契約は1年限り(年俸400万ドル)。よってリーチ獲得に出るチームには、来季以降の契約を背負うリスクはないわけで、なにかと後腐れがない。ちなみにレンジャーズ、サラリーキャップ上限までにはまだ若干の余裕があるようです。

リーチが来てくれれば、ルーチンにとっては貴重な援軍になるかも知れませんが・・・新しい儀式はそのまま続行に一票。そもそもこれまでは何事も一流を求め過ぎる「レンジャーズ主義」が、自縄自縛の根源であったと思う。それが、トム・レニーのヘッドコーチ就任で崩壊しつつある(決してレニーが二流だというわけではありません。ヘッドコーチ就任前にレンジャーズの基準に満たないと言われていただけの話)今、香ばしい伝統をぶちこわす破壊的エネルギーが地盤下に満ち満ちているのが、レンジャーズの昨今ではないかと思われます。
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by hockeyworldjapan | 2006-01-18 12:25 | NHL overall

アイルズファンの願いが叶った日

1月12日、NYアイランダーズのオーナー、チャールズ・ウォング氏は、自ら会見を開いて重大人事を発表しました。

まずは以前から噂されていた通り、スティーヴ・スターリングコーチが解任に。後任は今季からアシスタントコーチを務めるブラッド・ショーが暫定コーチとして昇格。そして、周囲を驚かせたのが、10年間アイランダーズのGMを務めた「マッドマイク」こと、マイク・ミルベリーが、自ら退陣を決めたという内容でした。ミルベリーに代わる後任GMを今後アイランダーズは探すとのことで、後任が見つかり次第ミルベリーはGM職から退くのだそうです。

ウォングオーナーによれば、以前からミルベリーと今後の彼の処遇について何度も話し合っていたのだとか。そして1月10日、ついにミルベリーの方からウォングオーナーについて「GM職から退きたい」との申し出があったという。

このニュースを受けて、地元紙「ニューズデイ」にはこんな見出しが躍ってました。

「Isles fans finally get their wish(アイランダーズファンの願い、ついに叶う)」

これ見て思わず笑ってしまいました。よほど地元では嫌われてたのね〜ミルベリーは。今季地元ナッソーコロシアムでは「FIRE STIRLING」コールが優勢だったというものの、「MIKE MUST GO」コールはここ数年の定番となっていたというから、その嫌われ方は尋常ではなかったはずです。80年代前半に黄金時代を送ったアイランダーズだけに、その頃を知るファンとしては現在のチームの惨状ぶりは目に余るものがあるのでしょう。その惨状をもたらした張本人が、このミルベリーといっても過言ではないわけですし。

そして「マッドマイク」とのニックネームでも知られたミルベリーの、過去における「マッド」ぶりをあげつらう地元紙記事。これに私個人の意見やリサーチを加えてちょっとまとめてみました。

その1:有望選手をさっさとトレード:
トッド・バーツージ、ロベルト・ルオンゴ、ズデノ・チャラ、ブライアン・マッケイブ、ウエイド・レッデン、オリ・ヨキネン・・・こいつらがいたら、今頃アイランダーズはどうなっていたか?

その2:10年GM在任期間にクビにしたコーチ:リック・ボウネス、マイク・ミルベリー(そう、ミルベリーは自分もクビにしているのです)、ビル・スチュワート、ブッチ・ゴーリング、ローン・ヘニング、ピーター・ラヴィオレット、スティーヴ・スターリング

その3:ボストンでの現役時代には、観客席にまで乗り込んで観客と乱闘経験あり。

その4:年俸調停では、かつてアイランダーズに在籍したGトミ・サロのプレーをボロカスにけなし、サロは調停会場で涙した。(調停ではGMと選手の泥仕合はよくあることだが、選手がGMの口撃のあまり泣いてしまったというのは、この一件くらい)

その5:2001年9月5日、アレクセイ・ヤシンと10年8890万ドル契約を交わす。
こんな契約を承認するオーナーもどうかとは思いますが・・・当時のヤシンの市場価格からして年俸ベースであの額は仕方ないにしても、10年はあり得ません。今季から新CBA下で24%ペイカットとなったけど、今季ヤシンの年俸は760万ドルとアイランダーズのペイロールに重くのしかかっている。ヤシンは今季ここまで43試合で39ポイント。いちおうチームのスコアリングリーダーですが、今季は突如働かなくなったりで4つめラインに落とされたりなんてこともちょくちょくあった。その一方、隣町ではヤーガーが67ポイント挙げてるのを見ると、やっぱり・・・ねえ。

・・・てなわけです。

ただこの後のミルベリーですが、アイランダーズにはシニアヴァイスプレジデントとして留まり、ウォングオーナーのアドバイザー的立場は変わらず。そもそもウォング氏のアイルズ買収(2000年)以前にチームGMとして存在していたミルベリーは、1990年代後半にチームオーナーが猫の目のごとく変わったどさくさに紛れ、チーム内権力をじわじわ膨らませていた。そして既得権からかウォング氏に対しても強い立場にあったようで、今回はクビになる前に自分から幕引きしたことで生き延びる姑息策に出たという感じです。

しかし、オーナーのアドバイザーであり続けるのなら、今後GMになった人間をまた解雇しまくるのかな? と考えると、アイルズファンが浮かばれない。ただし今後は、アイランダーズだけでなく、ウォング氏が所有するアリーナフットボールのチーム(ドラゴンズというチーム名です。中国から移民のウォング氏らしい)や、ウォング氏が燃えてる新アリーナ建設計画(奇天烈な60階建てタワー案で周囲を騒然とさせましたが、地元政府から不認可となった模様です。ウォング氏の他、NYメッツその他もアリーナ含むナッソー地区再開発案を提出中)など、どちらかと言うと、ウォング氏のスポーツ事業全般の仕事を任されることになる模様。もしそうなれば、やっとアイルズファンも溜飲が下がるというものです。

で、NHLのGM浪人、コーチ浪人にはこれは大きな朗報! アイランダーズに行けば今やGM、コーチ、あるいはGM兼コーチの仕事が待っているわけです。

そこで白羽の矢が立ったのは、デビルズも狙っているとされるブレント・サター。サターにとっては、アイランダーズは元選手として2回スタンレーカップ獲得。88−91年はキャプテンも務めている。ただし、前日も説明した通り、サターは現WHLレッドディアのオーナー、GM、ヘッドコーチであり、息子のブランドン、甥のブレット(兄ダリルの息子)もレッドディアに所属。少なくとも今季中はレッドディアを去るつもりはないことを明言しているんだとか。

兄ダリル曰く「彼の興味はゼロだと思う。アイランダーズとの繋がり? それはビル・トーリーと、アル・アーバーの時代で終わってる」。ビル・トーリー&アル・アーバーといえば、アイランダーズ黄金時代を支えたGMとヘッドコーチです。ナッソーコロシアムには、数枚のバナーがかかっていますが、トーリーについては背番号の代わりに彼のトレードマーク、蝶ネクタイ柄のバナーが掲揚されていることでも有名であります。ダリル氏の言葉はごもっともで。それならそれで、地元紙は「ならばブレント獲りのために、ビル・トーリーをチームアドバイザーとして復活させろ! 」との声もあるほど。

その他、地元紙ニューズデイは、元アイランダーズ選手としてGM候補:スティーブ・タンベリニ(現バンクーバーのフロント)、デニ・ポトヴァン(まじかい?、現フロリダ解説者)、ピーター・シアレリ(オタワのアシスタントGM。ミルベリーとの繋がりあり)、ジム・ニル(デトロイトのアシスタントGM)、ジョン・ウェスブロド(ダラススカウト、ロングアイランド出身、元NBAオーランドGM)の名前を挙げています。ウェスブロドの名前は、確かアナハイムの後任GMとしてもまことしやかに噂に出ていましたっけね。

それにしても、後任GMってすんなり見つかるんでしょうか? ブレント・サターでなくても「ヤシンがいるうちは嫌」とみんな尻込みしそうな・・・やっぱり2005年夏にヤシンをバイアウトしとくべきだったのかも。そのお金をケチったことで、来季以降5年もヤシンの年俸はサラリーキャップ内にカウントされてしまうわけです。一番いいのはトレードすることでしょうが、引き取り先がない。おそらくアイランダーズがヤシンの年俸の70%くらい負担しないと、欲しがるチームはいないでしょう。それだったら、残り年俸の3分の2支払ってバイアウトした方がお得だったと思うのですが・・・もう遅いですね。

ヤシンはウエーバーにかけられても、おそらく引き取り手はない。なのに、地元紙に「ヤシンなんてウエーバーにかけちゃえ!」と書かれる有り様。まあ、これも当時ホッケー初心者で、ミルベリーの助言を鵜呑みにし、見栄もあって大枚はたいてしまったウォング氏の自業自得ってことでしょうか。それにしても、ウォング氏、NBAネッツを買おうとしたり、故郷中国でのホッケー振興に力を入れたり(アジアリーグの会議@北京にも、なぜか参画していたという話ですこのお方)。いろいろ活動しています。

最後に、暫定コーチとなったブラッド・ショー。隣町レンジャーズでは、トム・レニーが暫定コーチから正式にヘッドコーチに就任しているし、ショーが同じ道を辿る可能性は皆無ではない。ただ、チームカナダでコーチ道一筋で来たレニーとは、経験が違い過ぎるかな?

ショーは、今季アイランダーズのアシスタントコーチとして就任。かつて現役時代はDFとして活躍、地味に守る選手という印象でした。過去3年間はAHLシンシナティでヘッドコーチを務めた後、アイランダーズへ。1999−2000年はタンパのアシスタントコーチを務めていました。そこで気づいたのですが、アイランダーズのアシスタントコーチが、ダン・バイルズマだったとは知らなかった(爆)。昔から「引退したらコーチ目指す」って言ってたのは知ってたけどね! 

こうして見ると、NHLのコーチも世代交代が進んでいるのですね。あぶれてる人がいるようで、実は人材不足なのがこのコーチなのかも知れません。
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by hockeyworldjapan | 2006-01-14 13:54 | NHL overall

アリーナ改名、もうヤメテ!

あ〜、もうついてけません。正直言って。

オタワ・セネターズの本拠地(現名称は「コレルセンター」)が、スコシャバンクプレイスと改名されるそうです。スコシャバンクとは、カナダ国内2位の大手銀行。名称権は向こう15年間有効だとか。

セネターズの本拠地であるこのアリーナは、オタワの郊外カナタ市に1996年1月15日オープン。当時は「パラディアム」という名称でしたが、その後カナダのソフトウェア会社が名称権を買い、同年2月27日に「コレルセンター」と改名されました。

当時、業績好調だったコレル社は、アリーナ名称権に2600万ドルを支払う契約を交わしたそうなのですが、近年になって権利の放棄についてセネターズ関係者と議論していました。とはいうものの、今後も何らかの形でスポンサーシップは継続していくそうで、アリーナ外部の「コレルセンター」の文字はしばらくそのまま、アリーナ内のスコアボードに入った「コレル」の文字も、今後3年間は存続するんだとか。ただし、アリーナ名称は1月12日vsサンノゼ戦を最後に、早くも1月19日vsアナハイム戦から新名称に変更されるということですから、みなさん要注意です。

以前にもどこかで話題にしましたが、最近元気なカナダドルのお陰か、カナダの銀行の元気さがNHLの世界でも目立ちます。すでにこのスコシャバンクのライバルにあたるカナダの銀行2行(ロイヤルバンク、トロントドミニオンバンク)が、アメリカにてアリーナ名称権を保有。ロイヤルバンクは、カロライナ・ハリケーンズの本拠地RBCセンター、トロントドミニオンバンクはボストン・ブルーインズ、NBAセルティックスの本拠地TDバンクノースガーデン、さらにNBAオーランド・マジックの本拠地TDウォーターハウスセンターに、その社名を冠しているわけです。

この相次ぐアリーナ改名。ボストンの場合、そもそもオープン前はショーマットセンターと命名されたのですが、この冠スポンサーとなったショーマット銀行がフリート銀行に買収されて、完成時には「フリートセンター」となっていた逸話あり。時代とともに改名されるのはもはや運命なのかもしれません。その後フリート銀行がバンクオブアメリカに吸収合併され、今後は「バンクオブアメリカセンター」と呼ばれることになるかと思いきや、バンクオブアメリカは違約金を支払ってスポンサー権利を放棄(すでに他スタジアムやアリーナの名称権を持ってます)。その後、ボストン地区に知名度を得たいTDバンクがこの名称権に飛びついたのでした。

チームにとって大切な資金源というのは分かります。これが時代の趨勢とはいえばそれまでですが、正直もうヤメテ・・・という感じです。私のような古い人間はついて行けません。エドモントンの「ノースランズコロシアム」が「レクソルプレイス」へ改名された時も、しばらく「何それ?」という感じでしたし・・・一番の問題は、相次ぐ改名によってアリーナのアイデンティティが失われることでもあると思う。

フロリダのバンクアトランティックセンター(ちょっと前まで、ナショナルカーレンタルセンター、オフィスデボセンターと呼ばれてました。みんな忘れてるかも)、フィラデルフィアのワコヴィアセンター(かつてコアステイツセンター、ファーストユニオンセンターと呼ばれてました)、ピッツバーグのメロンアリーナと、バッファローのHSBCアリーナ(以前はマリーンミッドランドアリーナ)と、金融系の名称は多いです。

まあ、ボストンの場合、ずっと銀行がスポンサーゆえに「Vault(金庫)」の愛称は変わらないわけですが、これだけ銀行のスポンサーが雨後のタケノコのように増えると、「Vault」だらけになってしまうわけで、それもいかがなものかと。

いずれにしても、スコーシャバンクプレイスという名前は長過ぎる。そのうち略称が使われることでしょうね。

で、話題は変わって連日のデビルズねたですが・・・こっちもアリーナ関連情報で。

数年間に渡るすったもんだの末に、やっとニューアーク市に新アリーナを建設することになったデビルズですが、どうやらまだ問題があるらしいのです。

新アリーナ建設費3億1000万ドルのうち、ニューアーク市が2億1000万ドルを負担。残りの1億ドルはデビルズが拠出という合意だったらしいのですが、どうもデビルズがこの公約を果たせていないらしい。デビルズは今季チーム不調もあって、現アリーナ(コンチネンタルエアラインズアリーナ、ってこの名前も長いといつも思ってます)の入りも悪いのです。

すでに新アリーナ建設用地では、古い建物の取り壊しを実施して更地にする作業が行われており、これにニューアーク市は2500万ドルを費やしたとか。アリーナの基礎工事にも着手しており、数週間後には鉄骨も立ち上がるという時期に来てのこのひと悶着。ニューアーク市側は「基礎工事にもう2500万ドル使っちゃったから後戻りはできないぞ!」と、デビルズに睨みをきかせているようです。

で、デビルズとしては、なんとか建設費負担を最小限に抑えたいと、大手建設会社数社と今も交渉中だそう。当初予算を超えた分を建設会社が負担するという、デビルズにとって有利な契約を引き出そうとするあまり、合意に至れないというのがその遅延の理由らしい。有利な契約はいいんだけど、構造計算はちゃんとやってくれる会社に依頼してよね? と思う今日この頃。アメリカの建築基準って、そのあたりはちゃんとしてるんでしょうか? アメリカは日本のような地震国じゃないから、使用する鉄骨は細い、あるいは少ないんでしょうか? 教えて詳しい方!

そうこうしてるうちに、アイランダーズの首脳陣が解任ですか。あ、ついに「マッド・マイク」が退陣です。詳報はまたアイランダーズねたとともに、後日にでも。

追記:デビルズの新アリーナ案、なんとか妥結したそうです。
詳しくはこちらをご覧下さい。
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by hockeyworldjapan | 2006-01-13 11:23 | NHL overall

ベテランがNHLを去る時

1月10日、タンパベイ・ライトニングはキャプテンのデイヴ・アンドレチャクをウエーバー扱いにしました。

この前日の1月9日、アンドレチャクは、ライトニングGMジェイ・フィースター、ジョン・トートレラコーチと55分に渡るミーティングを実施。その上で、チームはアンドレチャクをウエーバー扱いとすることを決めたという。これで23年に渡るアンドレチャクのNHLキャリアは実質上終わりを迎えたことになりました。

アンドレチャクは翌1月11日にウエーバーを通過。まだ現役にこだわるのであれば、AHLスプリングフィールドでのプレーが待っているが、おそらくそれは彼のプライドが許さないので、このまま引退が予想されています。アンドレチャクは2005年夏にライトニングと2年契約を結び、今季に臨んでいました。

2004年プレーオフでは素晴らしい活躍を見せてチームを優勝に導いたアンドレチャクでしたが、今季は11月8日にヘルシースクラッチになるなど苦悩のシーズン。ここまで6ゴール12アシストを挙げていましたが、マイナス13はチーム最悪の数字。スローダウンしたベテランは、新ルール下のでNHLではもはや通用しなくなっていたのだそうです。ロックアウトという空白の1年間も、アンドレチャクにとっては不利に働いたはずです。

アンドレチャクの輝かしいキャリアは、NHL22年めにして初のスタンレーカップ獲得に加え、NHL史上トップのPPゴール(274)、通算試合出場(1639、史上4位)と素晴らしいものがあります。ただアンドレチャク自身のコメントを見る限りだと、こうなったのはもちろん非常にショックでもあるが、スタンレーカップバナー掲揚は見届けたし、今季も現役としてスタートして燃え尽きた。つまり納得ずくでの結論、という風にも見受けられます。

現役時代はそのオフェンス面での存在感だけでなく、フェイスオフの強さも光っていました。若い頃はオフェンス中心の選手だったけど、年を重ねることに攻守両面に優れた選手にも成熟していった典型例でもありました。そしてライトニングにもたらしたあのリーダーシップ。ライトニングのロッカールームのロゴを「踏んではいけない!」と位置付け、尊重するように仕向けた仕掛人でもありました。

それにしても、これもサラリーキャップ時代ならではのトレンドなのか、 チームの精神的支柱という存在感だけでは、もはやチーム所属も許されない時代になってきたのかな〜と思う今日この頃。ただし、トートレラコーチは「年俸の問題ではない。純然にリーダーシップの要因だ」と断言しております。

そのあたりは、ライトニングの今季のチーム事情を知っていれば、頷けないこともない。

前年チャンピオンのライトニングだが、ここまでのチーム成績はなかなか勝ち星をつかめず、プレーオフ進出ラインを行ったり来たり。その厳しい戦いの中で追い打ちを掛けるように、アシスタントコーチのクレイグ・ラムジーが前立腺がん治療のため、チームを離れることになった。ラムジーは治療後復帰可能とされており、早期発見というのはなによりの朗報だが、なにかと強硬派のトートレラコーチと選手の繋ぎ役の好々爺、ラムジーが休養するのは、ライトニングにとってかなりの痛手でもあるという。そんな状況でのアンドレチャク、ウエーバー扱いのニュースであったのです。

ライトニングにしてみれば、アンドレチャクがチームを離れた後は、誰がリーダーとなるのか? という大問題が残ります。GMフィースターによると、この後Cマークはしばらく空き屋となり、これまでの2人のAマーク(フレドリック・モディン、ヴィニー・ルカヴァリエ)に加え、3人めを指名する(リチャーズ、テイラー、サンルイが候補)予定だそうです。

このニュースが報道されてひとつ感じたのは、あれだけリーダーとして活躍したアンドレチャクに対し、わざわざウエーバー扱いという屈辱的な形を取らねばならなかったのか?  という疑問。アンドレチャクという名選手の最後が、ウエーバーというのは淋しすぎる。自主的に引退という形で花道を飾らしてやれば? と思うのが人情なのですが、その辺は地元紙記事を読んで、自己解決。自らの浅学ぶりを反省いたしました。

実は、ウエーバー扱いとしたのはライトニングの思いやりでもあったのだそうです。アンドレチャクが自主的に引退すると、今季残り年俸を放棄したとみなされ、ライトニングがたとえ今季残り年俸を功労金的に彼に支払いたくてもできなくなるんだとか。あ、なるほどね。

ちなみに今季分残りのアンドレチャクの年俸(33万5000ドル)は、サラリーキャップ加算分から差し引かれるそうです。ただし、ライトニングがバイアウトであろう来季年俸分(52万5000ドル)は、サラリーキャップ分に加算されるということです。新CBAでは35歳以上の選手の複数年契約の場合、引退後も年平均年俸が加算される、ということでした。いやいや、勉強になりました。

実際ライトニングは、アンドレチャクに敬意を表し、ライトニングは引退後の仕事をアンドレチャクに提示をしているそうです。またウエーバー扱いとする前週に、フィースターGMは他29チームのGMに対し、アンドレチャク獲得に興味はないかとEメールを出していたんだとか。つまり、アンドレチャクに対しては、ライトニングとして考えられる誠意が尽くされたといっていい。

1月5日には、アレクサンダー・モギルニーをウエーバーを通過。こっちは34試合で12ゴール25ポイントと仕事はそれなりだったのですが、年俸175万ドル、来季は350万ドルが重過ぎた。数年前からモギルニーは臀部故障に悩まされており、持ち味の快脚は戻らなかったのがウエーバーの要因だそうで。

それにしても、サラリーキャップ提唱者のひとりで、NHLきっての吝嗇家GMとして知られたデビルズGMルー・ラモリエロ(現在はヘッドコーチも見つからず、コーチ兼任です)。キャップ導入後はいいチーム作りをするであろうと思われていたのですが、このモギルニーへの高額契約も含め、今季はやりくり下手だと、地元ではかなり叩かれています。実際今季のデビルズは、モギルニーだけでなく、マラコフ、マギリスと、大枚はたいては切りまくってる。モギルニー、マラコフ、マギリスで1860万ドル突っ込んで、1人引退、2人はマイナー送り。株で言ったら大損出している感じですね。

それにしてもモギルニー。ヘルシースクラッチになっていたという話は聞いていたのですが、彼の場合、あの御し難さゆえ、その気にさえさせればまだ働くのでは? との期待(幻想?)を私は抱いてました。まだまだいけると思っていたのですが・・・今季のブレット・ハル引退といい、モギルニー、アンドレチャクの一件といい、寂寞の感は否めません。まあモギルニー&マラコフの場合、給料高過ぎて若手に悪影響はあるわ、ラモリエロGMはオーナーに自己責任を表明し、次の手段を講じるべくこう動かざるを得なかったのでしょうけどね。

ちなみに混迷しているデビルズのヘッドコーチ探し。ポール・モリースを希望していたらしいが、トロントから接触を断られ(そりゃそうだ! シーズン途中だし、なにせモリースはパット・クインの後釜候補でしょうが)、現在はブレント・サター(ご存知サター兄弟のひとりで、世界ジュニア・カナダ代表ヘッドコーチでも知られる)に興味を示しているそう。でもサター兄弟って、やっぱりアルバータが好きなのよね(笑)。というか、アルバータで輝くというべきか。ブレントは、WHLレッドディアのコーチ職と、世界ジュニア代表コーチで結構財政的にも満足しているようなので、デビルズの勝算は薄そうです。ちなみに立候補者として寄ってきたのは、NHLコーチ万年浪人、テッド・ノーランのみという惨状であります。

まだまだ、デビルズねたについては語りたいのですが、今日はこの辺で・・・
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by hockeyworldjapan | 2006-01-12 10:21 | NHL overall

NHL小ネタ集

年の瀬も押し迫った今日この頃、みなさまいかがお過ごしですか?

管理人、昨日の夜まであるプロジェクトに追われておりましたが、やっとそちらのお仕事が完了。ちょっとこちらでその宣伝を。(NHLと関係なくて恐縮です)

優秀なスタッフのみなさんに囲まれて、素晴らしい作品ができたと自負しております。なので、ぜひこちらを訪れてくださるスポーツファンの方にお楽しみいただきたいと・・・ちなみに、管理人、杉山選手を追いかけて湘南やら成田やら、フランスやらイギリスやらNYやらに出かけておりました。個人的には、ハンチュコバ&ナブラチロワのインタビューのテロップがシンクロしてない(テロップを見やすくするためだそうですが)のが、激しく気になりますが、それ以外は大満足の仕上がりに。ご感想など、またお聞かせ願えれば幸いです。

・・・ということで、テニスのお仕事も一段落し、や〜っと、待望のホッケーモードに戻れます!

別件でテンパってた際にも、気になるニュースがNHLには満載でした。その中でも特に気になったのを、こちらで紹介(多少古いニュースもあったりするので、ご勘弁を)します。

Kansas City builds new arena, but needs a team
ペンギンズに再浮上しつつある移転問題。最近の移転先候補としては、カンザスシティの名前が挙がっておりますが、そのカンザスシティに建設予定の新アリーナ(完成は2007年予定)の詳細やら、カンザスシティ側のペンギンズの接触状況などがつぶさに報じられております。

これによると新アリーナ「スプリントアリーナ(移動体関係が最近スポンサーとして強いですね)」は、総工費2億5000ドルで、カンザスシティ市内再開発の一環事業。18500人収容で、すでにスイートボックスは完成前から販売完了っつーのだから、スゴイ。まだNHLもNBAも招致できていないのに、そのあたりはどういうからくりなんでしょうかね? しかも、このアリーナ建設費の資金繰りは、ホテル税やレンタカーに課せられる税金から賄われるらしく、地元民への税負担は少なく抑えられている模様です。

以前に、石原慎太郎都知事がこのホテル税なるものを提案した際には、どこかの地方の市長さんか県知事さんが「東京の思い上がりだ!」と糾弾したのを記憶しておりますが、アメリカでは結構フツーに導入されております。フロリダ・パンサーズの現在の本拠地(現在の名称は「ベルアトランティックセンター」。ロックアウト中に各地アリーナの名称も随分様変わりしました。一度まとめをやらねば・・・)も同様にしてホテル税から賄われたのは記憶に新しいです。

ただ、フロリダのような観光地やら、東京のような大都市ならそうした税収が見込めるとは思うのですが、カンザスシティでも大丈夫なのでしょうかね? 東京都で1年15億円の収入だそうですが、カンザスシティでかなりの税収を得るには、税率がかなり高くなるような悪寒が・・・まあ、日本ほどアメリカでは地方と中央の格差はないとは思いますが。

その一方で現在のペンギンズのホームアイスであるメロンアリーナは、NHL最古かつキャパシティは最少。「マリオ・ルミューは新アリーナに値すべきだ。(ピッツバーグ地元自治体が)彼に背を向けるということは、我々がジョージ・ブレットに背を向けるようなもの」という、NHLチーム招致関係者(「NHL21」というプロジェクト名だそうで)のコメントには頷けるものがあります。

この関係者のその後のコメントにもありますが、確かに昔カンザスシティにはNHLチームがありました。そして、この記事には書かれてませんが、現ペンギンズGMクレイグ・パトリックは、そのNHLチーム、カンザスシティ・スカウツに所属経験があり、チームの一員として来日してエキシビションゲームにも出場までしております(余談ですね、この辺でやめておこう)。

さらに、興味深いのは、この新アリーナを管理するのが、LAキングズのオーナー、フィリップ・アンシューツ氏の会社だということ。このアンシューツ氏、北米だけでなくヨーロッパも含めてアリーナはスポーツチームを買いまくっていることは周知の事実という大富豪でしたが、なんとこのアリーナもそうだったのか・・・。ちなみに建設費として5000万ドルを拠出しているそうです。

そして見逃してならないのが、この記事後半部分。ペンギンズは、元オーナーのハワード・ボールドウイン(映画「サドンデス」も製作したあの人ね)が、「新アリーナの建設は不要」とピッツバーグ市に告げていたのだと、もうすぐ任期が終了する現職ピッツバーグ市長が証言しているのです。ボールドウイン氏は、「新アリーナ建設よりも現在のアリーナを修繕する1000万ドルがあればいい」と語っていたのだとか。そのお金を使ってか、ボールドウイン氏、メロンアリーナの内部のオーナーエリアをとーっても悪趣味(テーマカラーは赤!)に内装工事をしていました。まあ、一般席の拡張とか、ロッカールームエリアの修繕などに、その資金は使用されたはずでしょうし、オーナーエリアは別ポケットから自腹決済だったのかも知れませんが、私としてはあのオーナーエリアの強烈なインパクトを、記憶から拭い去ることはできません。

ボールドウイン氏、1年以上前のニュースでは、このカンザスシティへのNHLチーム招致運動の仕掛人として動いていたような・・・今回の記事ではこのボールドウイン氏とのカンザスシティ市側との関連性は報じられていないので、彼の関与は消えたということでしょうか? (NHL21という招致グループとは、別みたいだし)。ボールドウイン氏、福藤選手もお世話になっているAHLマンチェスター・モナークスも、以前に所有していたそうで(現在もマイノリティオーナーかも知れません)。エクスパンションの営業権を300万ドルで購入し、その後チーム運営に至る前にロサンゼルス・キングズに権利を転売したそうです。

ホッケー界、いろんなところで繋がってるんだな〜と実感するこの頃です。


さて、HWJ掲示板でも武者さんが話題にされていましたが、アメリカ代表の高齢化(!)について。

1962年1月25日生まれのクリス・チェイオスは、なんとトリノ五輪開会式の頃には44歳になっております。この44歳での五輪ホッケー代表ですが、五輪史上3番目の高齢だとか。とはいっても上位2名の五輪出場は、1928年以前(!!!)ということですから、チェリオスの恐竜ぶりがいかにずば抜けているかお察しいただけるかと・・・。あ、付け加えておきますと、NHLでもマーク・メシエ(1961年1月18日生まれ)引退後、今季のリーグ最長老はチェリオスとなっております。

あれだけ「オヤジチーム」と2004年ワールドカップで揶揄されつつも、オヤジシンドロームから抜けきれないUSA。でも、若手が育ってない(っつーか育ててないか?)というの事実です。また、選に漏れたオヤジがいろいろうるさかったり(カリフォルニア地区のイニシャルJRさんとか)、なんであのオヤジが選ばれてて、このオヤジが選ばれないんだとか(フィラデルフィア地区のDHさんと、ボストン地区のBLさんとか)、そういう論議は尽きないようです。

フィラデルフィア地区の番記者さんによれば、「デリアン・ハッチャー(あ、実名が・・・)は、今季フライヤーズで1試合25分出場している」と、チームにおける重要度を強調。まあそれは百歩譲ったとしても、98年長野五輪で「ハッチャー家のホッケーは、国際規格リンクと相性悪し」と、立証されたはずと私は思い込んでいたのですが・・・う〜む。理解に苦しみます。

まあ、選に漏れたBLさんは、今季序盤はケガしたり、彼自身もチームも苦悩してますから、仕方ないのかな? という気もするのですが。周りの新リーチ派(あ、また実名が・・・)の記者さんたちは「彼の過去におけるUSAホッケーへの貢献を考えたら、選ばれないのはおかしい」と糾弾しておりました。あれ、これって確か、JRさんが自分について語ってた内容とまったく同じのような・・・個人的にUSAはジオンタにでも期待しております。

まだまだ、蓄えたネタがいろいろあるのですが・・・続きは明日にでも。
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by hockeyworldjapan | 2005-12-28 11:40 | NHL overall

スポアイでいよいよNHL放送再開!

待ちに待った日本でのNHL放送が戻ってきました。

以前からお知らせしておりましたが、スポーツアイESPNにて12月27日深夜1時より、NHL放送が再開されます! いや〜、ここまで来るのにいろいろ紆余曲折があったようで、こちらから発信する情報も混乱し、いろいろご迷惑をおかけしましたが、なんとか放送再開に漕ぎ着けたということで、喜ばしい限りであります。

その記念すべき今季の放送第1弾は、現地12月20日に行われたコロラド・アバランチ@ナッシュビル・プレデターズとなりました。以前、掲示板で「TSNから映像供給」と触れたのですが、諸事情により今後数回は他局からの供給になるようで、今回はなんとあの噂(!)のOLNの映像です。

ま、そのOLNの映像については、のちほど議論するとして、まずは試合のみどころなどをお伝えしようと思います。この試合、とにかく好ゲームでした。管理人、NHL禁断症状が深刻だったせいもあって、正直どんな試合を観ても面白いという状況だったのかも知れませんが、それを差し引いても、ホッケー好きなら画面に釘付けになるんではないかという内容、と自信を持ってお勧めしたいのです。

まずは、NHLのスタンディングをチェックしてみて下さい。序盤から好調のプレデターズ、現在もポイントでリーグのトップを争うような素晴らしいシーズンを送っています。それも、デヴィット・レグワンド、スコット・パーカーといった主力がずっと休んでいてのコレです。キャプテンのグレッグ・ジョンソンも故障から戻ってきたばかりですし。

そのプレデターズの好調の秘密は一体なによ? ということになるのですが、その秘密はこの試合を観れば分かってしまう・・・というわけで、これはもう観るしかありませんね! な〜んて焦らすつもりはないのですが、簡潔に言うと今季のプレデターズ(日本語で「捕食者」。恐ろすぃい〜!)は、その名の通りオフェンスが入れ食い状態。テンポのよい組み立てで、イケイケの攻めを展開してくれるのです。

メンバー的には全体的にやや小粒ですが、新ルール導入後の高速NHLにフィットする選手がばっちり揃っていて(サリヴァン、カリヤがその代表格ですね。フェイスオフスペシャリストのペローも小さい)、その一方でガツガツ来る選手もちゃんといる(ハートネル、トゥートゥー、ホーディチャク)。実に適材適所です。着々と地道に戦力を整えてきたチームらしく、チームワークもかなり練れてきていて、PPのパス回しなんてホント見事なものです。特に個人的に前から面白いと思っていたハートネルのプレー(よく「Crush the net(ゴールに突進するプレー)」などと言いますが、この人はマジでゴールに激突しているサマをよく見かけます)、この日は最高に光ってます。

ブルーラインも侮れません。ティモネン、ジトリツキーのテクニックは相変わらず見とれてしまうし、ルーキーのライアン・スーター(ゲイリー・スーターの甥っ子さんです)が、なかなか良いプレーをしておりますので、こちらも必見! そしてゴールは、チェコ代表のゴールをハシェクと争うことになろう、トーマス・ヴォクーンが守ります。膝の故障復帰から2試合めらしいんだけど、かなりの好セーブを連発しております。

その一方で、アバランチはやはり大物(フォースバーグ、フット)が抜けた後、チームを立て直し中という感じがアリアリ。布陣的には決して悪くないと思うのですが、チームとしての結束力という意味で、かなり差が感じられてしまいます。

でも、ポジティブな要素はかなりあります。この試合ではアバランチのゴールを守るのは、カザフスタン出身のヴィタリ・コレズニック。パトリック・ロワ引退後、デヴィッド・アービシャーがアバランチのゴールを引き継ぐと思われたのですが、今季アービシャーは序盤から不安定な出来で、最近はベンチ入りからも外れることしばしば。シーズン途中にAHLローウェルから昇格したコレズニックが最近は先発する機会が増えているのです。

このコレズニック、以前世界選手権でも日本代表と対戦したこともあるので、ご記憶のファンの方もいることでしょう。大型で動きもなかなか俊敏。それにヨーロッパ出身ゴーリーが往々にして苦手とするパックハンドリングも積極的にこなしています。ヴォクーンもそうですが、新ルールによりゴーリーの動きがゴールライン裏の台形エリアに限られてはいるものの、現在の高速NHLにおいては、ゴーリーが素早くパックハンドリングすることによって味方の守りをサポートし、結果的に自分への危機も未然に防ぐという必要があるようです。また、ツーラインパスもOKとなった今、ゴーリーから長いフィードをブルーライン手前のFWに送るというセットプレーも、今季のNHLの見所のひとつ。そのあたり、この2人のゴーリーは今季の宿題をちゃんとこなしているという印象があります。

その他、FWについて注目すべきは、今季加入のピエール・タージョンに、ルーキーのマレク・スヴァトスに、チェッキング玄人芸人ラクソネンあたり。ラペリエル、ハイノートあたりがうまく噛み合ってくれば、相手にとってはすごくイヤなラインにもなりそうですし。Dマンも悪くないですよ。現在NHLの鉄人(連続試合出場トップ)のカーリス・スクラスティンチなどは、かなり堅実な守りを連発しておりますし、PPもブレイクにライルズと駒はちゃんと揃っている。もちろんフォースバーグの天才的プレーはもう観られませんが、あとは、サキック、タンゲイ、ヘイドゥクあたりと、新加入組がどこまでケミストリーを見いだせるか? というのにかかっていると思います。

で、最後にOLNの映像ですが・・・これは皆さんにもいろいろご感想を頂きたいとは思っておりますが、ひと言で表現すると「ローカルのFOXよりも、予算が少なそう」。放映権料にお金かけ過ぎて、制作費がキツキツなんではないか? と心配してしまいます。そのCGは、80年代のESPNみたいなレトロ感が匂い、カメラワークはサイクリングに振られてブルーラインからフォーカスがはみ出し・・・あ、これくらいにしておこっと。

とにかく、好試合なので、お楽しみいただければと・・・まずはそこからですね。
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by hockeyworldjapan | 2005-12-23 12:01 | NHL overall

もうYONDA? THNのおちゃらけ特集号

c0012636_11381816.jpgNHLも開幕2週間を過ぎ、すでにチームによっては明暗分かれつつある展開になってますね〜。

オタワ&ナッシュビルが快調に飛ばす一方で、ピッツバーグはズタボロになりつつも今季1勝目を目指し、アトランタは出入りチームへと変貌・・・とリーグの話題については、また後ほどお伝えするとして、まずはこっちの本の話題から。

ホッケー関係の刊行物では老舗の「ザ・ホッケーニュース」が遂に出しました、この手の特集号を。題して「Lighter Side of Hockey」。NHLにまつわるおバカなストーリーを1冊の本にまとめあげたというこの雑誌(計164P)の表紙を飾るのは、ご存じ映画「スラップショット」のハンソン兄弟のお三方です。

で、気になるその内容のほんの一部だけ紹介すると、こんな感じ。

*思わず笑いが漏れる写真が満載。ライトニングファンの息子の上で「この子をもらって」とサインをかざすフライヤーズファンの父。レンジャーズファンと乱闘するマイク・ミルベリー(現NYアイランダーズGM)、フィル・エスポジトの現役時代のロッカーに掛かるお守りの数々(「壽」マークって?)、カルガリーのストリーキング、トレーニングキャンプでエアロビに夢中のロビー・フトレク(なぜだか他の選手と仕様が違うのが彼らしくて笑える)、ロックアウト中のNHL選手ヨーロッパツアーでいたずら中のマーク・バージュバン、今となっては懐かしいイリヤ・コバルチャクの王冠姿&アレクサンダー・デイグのナース姿&セオレン・フルーリーのサンタ姿、バーニー・ニコルズの80年代ファッション(ジュニア時代には毛皮のコートを着てたらしい)などなど。

*ハンソン兄弟のインタビュー記事:バッファローを訪れた際には、当時のテッド・ノーランコーチに「試合前にスピーチして欲しい」と頼まれた。で、セイバーズはこの試合に勝利し、テッド・ノーランコーチはハンソン兄弟のスピーチを絶賛したんだとか。このインタビュー記事の締めくくりに、NHLゲイリー・ベットマンコミッショナーの暴力とホッケーを切り離すスタンスについて、映画では明らかに暴れまくってるハンソン兄弟たちのコメントが載せられているのが、いかにもTHN的。

*ケリー・フレージャーのヘアスタイル@ロックアウト編:レフェリーたちも仕事がなくって経済的に困っていたという2004−05年NHLロックアウト。ケリー・フレージャーの妻キャシーさんは、新聞折り込みなどのクーポンを集めて少しでも安い買物をしようと家計をやり繰り。これを見たフレージャーは「節約のため、美容院に出かける間隔を長くしたら、プレスリーの下手な物真似になってしまった」とのこと。ちなみに残念ながら写真はありません。う〜ん、見てみたかったそのヘアスタイルを。

30チームのビートライターたちが、それぞれのチームについてのネタを2ページ費やしたコーナーもあるんですが、ここでは各記者たちの実力差がくっきり現れているような・・・中にはそのチームのビートライターになってあまり年月が過ぎてない人もいるし、ロードゲームには帯同していない人もいるので、ご用心。

いずれにしても、制作したのがTHNなので渋めのネタがほとんど。ESPNマガジンが同様な企画を練ったら、もっとおバカさを前面に打ち出した内容になったのではと予想できるのだけど、そこはホッケー大国の老舗紙の矜持が邪魔をしたためか、抱腹絶倒というよりは、含み笑いで読み終える内容がほとんどかも。

ここ最近北米ホッケーでは、OHLウインザーの一件を発端に、ルーキーに対するイジメ(いわゆるイニシエーションですね)にスポットライトが当たってしまっており、いわゆるプラクティカルジョークというやつに対して、どこまでが冗談でどこからがイジメなのか、このご時世は微妙な判断が求められるわけなのです。良質なプラクティカルジョークとはなにかを示すのに、皮肉にもタイムリーな一冊でありました。
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by hockeyworldjapan | 2005-10-24 11:37 | NHL overall

NHL小ネタ集

Canadiens pay tribute to departed Expos, Youppi! a hit with fans
以前もこちらでお伝えしたネタですが・・・
今季からカナディアンズのマスコットを務めることになった「ユッピ!」。
かつてMLBモントリオール・エキスポスのマスコットとして人気があったのですが、エキスポズは2004年にワシントンにチーム移転。以来職にあぶれていたところを、今季からカナディアンズへマスコット界初の「FA移籍」。アンドレ・ドーソン、ゲイリー・カーターという2人の往年のエキスポス選手と一緒に試合前のセレモニーに出席していました。
カナディアンズ入りが正式発表された頃のインターネットによる調査では、「ユッピ!」の加入には2対1で反対という結果が出ていたものの、この日のベルセンターの観衆は「ユッピ!」に大歓声を送っていたとか。
背番号はエキスポス時代からの「!」だそうです。

Adrian Aucoin has come a long way since he and a guy named Naslund were struggling Canucks
シカゴで今季からキャプテンに就任したエイドリアン・オコインについての、バンクーバーの記者のコラム。ナズランド同様、キーナンには虐げられていたというオコイン。ナズランドは、モギルニーが膝を故障したことで、キーナンがメシエのRWがいなくなったことでチャンスを掴んだが、オコインはその後タンパベイ、NYアイランダーズと渡り歩いて、今夏シカゴではぐっと価値が上がった選手。
確か日本開幕戦で来日した頃のオコイン、攻守ともにまだまだ・・・という感じでしたよね。メジャージュニアでなく、大学ホッケーを選んだ選手は往々にしてフィジカルさが足りないとか言われる傾向があるのですが、彼もその例に漏れなかったと思います。
しかし、現在のルール改正がそのままNHLに根付けば、大学ホッケーで伸び伸びとオフェンス力を身につけたディフェンス選手は、かなり将来が明るいかも知れないなと思う今日この頃。

Wild: Special teams rolling, but don't say anything
ペナルティ増加の今季、鍵を握るのはスペシャルチームス(PPとPKね)ってことは明白。で、両部門でリーグトップを突っ走ってるのが、なんとミネソタ・ワイルド(「なんと」というのは、ジャック・ルメア爺に失礼かしらん)。まだシーズン始まったばかりなので、なんとも言えませんが、太もも付け根故障のマリアン・ガボリク抜きで、PP成功率33.3%、PK阻止率95.0%という数字というのは大したもの。
ちなみに現在はガボリクの代わりに、マーク・シュイナール(アナハイムでは「ジギーの親友」として知られてたけど、ワイルドでは今やスコアラー)、ピエール・マーク・ブシャール(小さいけど速い!)が、頑張ってるようです。ちなみにPP、PKともに最下位はカルガリー(68.2%、6.7%)。ふーむ。

Bolts, Walgreens Strike Deal For Coins
ライトニングは、アメリカ大手のドラッグストアチェーン「ウォルグリーンズ」とスポンサー契約。タンパ地区での「ウォルグリーンズ」では、ライトニングの選手を象った銀のコインを販売(1セット$12.95)するんだとか。まずは第1弾としてブラッド・リチャーズのコインが10月21日vsオタワ戦で5000セット無料配布される模様です。今後はパウ゛ェル・クビナ、ルスラン・フェドテンコ、ダン・ボイル、ヴァンサン・ルカウ゛ァリエ、デイヴ・アンドレチャク、マルタン・サンルイのコインが発行されるそうですが・・・リチャーズ、似てない(笑)。
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by hockeyworldjapan | 2005-10-19 19:25 | NHL overall