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レギュラーシーズンも終盤、プレーオフは?

昨日は、日光まで足を伸ばしてきました。

最終戦とあって、日光・霧降アリーナはもうオレンジ一色。かなりの盛況ぶりでした。
この日のアイスバックスの対戦相手は、2日前の神戸でも顔を合わせたコクド。神戸ではバックスが橋本三千雄の好セーブもあって快勝しましたが、この日のコクドは序盤から気合十分。「もう、秒殺されちゃいました」というバックスGK春名の言葉通り、コクドが第1ピリオドから一挙3ゴールという展開。結局このリードをGK菊地が守り切って、3−0とレギュラーシーズン最終戦を飾りました。

しかし、試合後のコクド・岩崎監督は、このリベンジにも満足がいかない様子でした。

「今日の試合は1ピリは良かったがその後がよくなかった。この教訓をプレーオフに役立てたいです。2ピリ以降、楽しようという動きになり、反則も増えてしまった。今日は最後の試合なのでプレーオフホッケーをしようというテーマだったのに、それが20分しか続かなかった。今後の課題ができました」

プレーオフでは例年圧倒的な強さを発揮するコクドではありますが、それがどうも逆プレッシャーとなっているらしい。岩崎監督が後でちらりと漏らしたところによると、「まあ、コクドはレギュラーシーズンはこんな感じでも、プレーオフでは締めるんじゃないの?」と、周囲から冷やかされることしきりなのだとか。

「年明けも、いいプレーが続いたと思ったら何試合か落としてしまった。まだウチのスタイルのホッケーじゃない。このままプレーオフに備えるのは不安です。疲れている選手もいるので、いったんリセットしたいと思っています」

そうはいっても、コクドの最終順位はまだ確定していない。可能性として2位か3位ではあるが、2位ならファーストラウンド免除で3月9日からセミファイナル、3位ならいきなり2月16日からファーストラウンドと、日程的に大きな違いがでるのです。調整するにしても、全然違った内容になりかねない。

「ウチはケガ人も多いので、2位になれればと願っているのですが、こうなったのは自業自得。来週はまず疲労をとることを中心に、再来週から試合に向けていつものルーティーンで準備していきますよ」

そこまで言うと、また岩崎監督は、この試合のコクドの不完全燃焼について語り出した。

「気持ちの中に甘えがあるんでしょうかね? 大事な試合と口に出してみるものの、プレーにそれが出ていないんです。点差や勝ち負けよりも、内容を今日は重視したかったのに、残りの40分で納得いかないプレーになってしまった。そこは選手の気持ちの問題ですし、選手のモチベーションの上げ方が間違っていたかも知れないですが・・・プレーオフでは言い訳なくベストで臨みたいです」

そうは言っても、この日のコクドにはひとつの収穫がありました。
パーピック、内山、佐藤翔と、オフェンシブな面々を欠くコクドとしては、PPをどうするのかという一件に対峙し、PPのファーストユニットにユール、鈴木貴人、藤田の最強トリオ、セカンドユニットには、今に小原、石黒というフレッシュな選手を送り出しました。そしてこの狙いが見事的中し、外からのシュートをゴール前の石黒が押し込んでコクドの2点目となりました。

岩崎監督によると、この試合の前日にPPのメンバーを変えた模様。もちろん休んでいる3人が復帰すればまたPPの陣容は変わることが予想されるにせよ、代わりを務めた選手がスコアリングに絡んでくれるというのは首脳陣としては喜ばしいことではないでしょうか?

「パックコントロールのうまい洋介(今)、大輔(小原)に加え、大(石黒)はフィジカルなプレーといいシュートを打てる。この3人でポイントが挙げられれば大きいですよ。キレイなプレーは求めてないですし、今日はいい仕事をしてくれました。ケガ人が戻った後でも、彼らの経験値はどこかで生きると思う。上のラインでプレーする選手たちがうかうかしてられないような押し上げをしてくれればと・・・」

この3人は、この試合でかなりのアイスタイムを貰っていた。今の場合、PPでの出場は通常通りですが、小原と石黒にとっては大きなアピールのチャンスでもありました。

だが当の小原は、試合後明かしたところによると「今日は朝6時にいきなり嘔吐したんです。体調が悪くって・・・でもこんなに出させてもらったんで、いいプレーがしたかったです」。

一方、石黒は、「気持ちが前に出過ぎることがあるんです」。そもそも抑制の効いた攻守に優れる選手というイメージの石黒であったが、選手層の厚いコクドにおいては「目立たないと試合に出られないと思って、以来フィジカルプレーに徹するようになったんです」という。

西武廃部により、コクドが大所帯を構えていた頃、出番のない自分の身を憂いて「札幌の友達が今ホストをしているんですが、僕もいっそのことそっちに転向しようかと・・・」(「アホかっ!」と即どやしましたけどね、はい。)などと、ほざいていた頃の石黒が懐かしい。ただ、この「ホスト転向説」はどうも彼特有のポーズだったようで、密かに自分がラインナップに食い込むためには何をすべきか、いろいろ模索していたのだそう。

そして現在では意識的に「ガツガツ行く」プレースタイルに変えた彼は、アドレナリン噴出のコントロールに苦労してしまっているというから、ホッケーというスポーツは面白いですよね。いずれにせよ、FWが小粒化しているコクドにおいて(除:パーピック)、石黒のゴール前での粘りあるプレーは貴重な存在なのです。

さて、この試合で欠場したコクドの主力FW3人ですが、プレーオフには問題なく出場できるそうです。

「日光遠征にパーピックは来てませんが、もうシュートも普通にできるし、フェイスオフも大丈夫。スラップショットもバンバン打っていますよ。内山についても、ほとんど不安はありません。明日がプレーオフなら出られる状態です。この2人は、チーム遠征中も東伏見のリンクを貸し切り状態でバンバン練習していたんです。なので、この試合に出ているメンバーより、ある意味コンディションはいいかも知れないですよ。佐藤翔も大事を取っただけで、すぐ試合には復帰できると思います(岩崎監督)」

というわけで、最終順位がいずれになろうと、今年もプレーオフのコクドはかなりの手強さになると予想できます。

一方のアイスバックスはどうか? 5オン5での攻防はコクドとほぼ互角(これは大いに評価されていいと思うのです)。とはいえ、決定力不足は永遠の課題のように思われますが、その中でも改善の余地が大いにありそうなのがPPでした。

この日の試合でも、いったん相手ゾーンでセットした後に、ゴール前での存在が薄いために、なかなか内側へ展開することができず。外側にパックを回すだけで時間が経過してしまう・・・というシーンが目につきました。バックドアにDF松田がスルスルと入って来るプレーは非常に有効に思えたのですが、他のバリエーションがないとこれも相手に読まれてしまいます。まだプレーオフファーストラウンドでの対戦相手は決定していませんが、このあたりの調整が求められるんではないでしょうか? まあ、私ごときが指摘する前に、バックス首脳陣はすでにその必要性を重々承知し、対策を講じるべく動いていることでしょう。

それにしてもバックスにとって、対戦相手がどこになるかという問題は、試合だけに限ったものではないようです。資金難に苦しむバックスとしては、相手がハルラやバイキングズという国外チームになると、その移動費を捻出するのもひと苦労なのだそうです。

余談ですが、バックスのクリス・パラダイス選手夫妻。真面目に面白すぎ。
もうすっかり日光に馴染んでるこの夫婦、試合後の食事は「らーめん」。奥さんのエメリーさんは、一見すると典型ホッケーワイフなのですが、話し出すと実は大したコメディエンヌであることが解ります。

2人で日光猿軍団を訪れた時の様子を、身振り手振りを交え、口吻とがらせ、夫婦で面白おかしく再現してくれたのですが、なんかすごいシンクロしてるのですよ、このおふたり。夫クリスはダークヘア、妻エメリーさんはブロンドと違いはあれど、目元のあたりとか、なんとなく表情が似ている。似たもの夫婦とはかくあるべき・・・と実感した夜でした。

追記:JR日光線で、鹿沼〜文鋏間で右手に見える溶岩っぽいごつごつした山(って、ちゃんと名前があるのでしょうが)近くで、パラグライダーが20機ほど飛び交っている風景を、目撃しました。おそらく、この溶岩っぽいごつごつ山から、パラグライダー愛好家たちはテイクオフしたのだと思うのですが、あの山は一見して非常に険しそう。いったい、パラグライダー愛好家たちはどうやってあの山の頂に到達し、テイクオフに至ったのか・・・と考え出すと、何も手につきません。ご存じの方、教えて下さい!!!

追記その2:バックスファンでいらっしゃる方から、あの山は「古賀志(こがし)山」という名称で、その麓にはパラグライダーの学校が2つあるのだと、メールにて教えて頂きました。ありがとうございます。

追記その3:クリス・パラダイス、そういえば故ハーブ・ブルックス氏と遠縁にあたるそうで。彼のおじさんの娘がブルックス氏の息子と結婚した(んだっけ? こういうのは何回聞いても覚えられないのです)んだとか。ホッケー界は狭い! っつかー、ミネソタが狭いのか?
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by hockeyworldjapan | 2006-01-24 23:15 | アジアリーグ

やっぱり好きだな〜釧路!

先週末は釧路取材に行ってまいりました。

しばらくぶりの釧路は、やっぱり最高でした。

c0012636_21161613.jpg到着後まずは、フィッシャーマンズワーフ「MOO」内の屋台に直行し「海鮮丼」をいただきました。ぷりぷりのボタンエビにタラバガニ、うに&いくら、生ガキまで乗ってました。やっぱりこれは基本中の基本でしょう。たまりません。
(あ、今回は和商市場には行きませんでした。釧路が初めての方はぜひ和商市場で「勝手丼」をお試しあれ)

釧路でこの季節といえば、美味しいのはししゃもだそうです。
釧路特有の現象らしいのですが、このししゃもが、釧路を取り囲む河川を昇ってくるというから興味深いではありませんか。その昔は「玉ねぎが入ってるネットの袋ですくえば、簡単に漁れたよ(クレインズ・相澤コーチ)」「ししゃもの大群で川が真っ黒に見えたことも。とにかく入れ食い状態でした。どの家の軒先にもししゃもが干されていたなあ(クレインズ・田中監督)」んだそうです。ただ現在では、川に入ってししゃも漁りにでも出ようなら「密漁」と見なされ、逮捕されるそうなのでくれぐれもご注意を。

釧路では珍しく観光もしてしまいました・・・とはいえ、必ずしもホッケーからかけ離れていたわけではありません。日本製紙クレインズの名前の由来でもある鶴の生態を探りに「釧路湿原」と「鶴公園」に出かけたのです。

釧路湿原、なかなか絶景でした。すでに秋から冬枯れの準備をしている動植物たちに出会えますし、空気はおいしいし、何より都会に住んでる人間にとってはいい気分転換と運動(展望台に登るのに結構息が切れます)になります。

この時期は丹頂が、湿原のとある地域に飛来しているので、バスの窓越しにも数羽丹頂の姿が確認できました。この時期に畑に落ちているベントコーン(トウモロコシの実)を、食べにやってくるそうです。

釧路空港近くの「鶴公園」で、この丹頂を間近で見ることができます。
ここでは、2羽ずつオリの中で仲良く暮らしている番(つがい)の丹頂たちに会えます。あ、入口付近には花嫁募集中のオス丹頂「ミノルくん」もおりました。しかし「ミノルくん」、あんなに隔離されちゃあ花嫁も探せないんではないかと心配。あの辛気臭いオリに、メスが飛来してくれるとはゆめ思えないしなあ・・・

丹頂は番で行動するらしく、夫婦仲がなかなかよろしい鳥なんだそうで。とはいいつつも、私が観察していた時には、とあるオスが隣のオリのメスに求愛行動してしまったらしく、フェンスを挟んで4羽の丹頂(オス2羽とメス2羽)がギャーギャーとけたたましく騒いでる様子も目撃しました。痴話喧嘩って鳥の社会にもあるのね〜と。

この鶴公園を訪れて判明したのは、「鶴になった男」として知られる鶴公園園長の高橋良治氏は、福藤選手の中学校時代のホッケー部顧問だった高橋帝寿先生のお父さんだったという事実。世の中せま! っつーか、やっぱり鶴とホッケーは繋がってるんだなと、改めて実感しました。

ところで、クレインズのユニフォームの図案にもなっている丹頂ですが、一般的呼称である「丹頂ヅル」との名前は実は誤りなんだとか。ツルという名称は、渡り鳥のみに使用されるのであって、釧路近辺で四季を過ごす丹頂は、シベリア付近に起源を持つものの、もはや渡り鳥ではないとのこと。なので「丹頂」という名前が正式名称なんだそうです(と、バスガイドさん情報)。

なお、あの頭の頂上にある赤い点は、にわとりのトサカ同様に皮膚が露出したもの。怒りを覚えるとあの部分が膨張するのも、にわとりのトサカと同様だそうです。

今回の釧路滞在ですが、実は不肖私めの所用のためクレインズの試合取材を泣く泣く諦める羽目に。釧路まで来ておきながら試合に参上できない申し訳なさもあって、十条リンク付近ではコソコソと隠密行動に徹したつもりではありましたが、「びっくりドンキー」前でダーシー・ミタニにあっさり見つかってしまいました。どーせそうなるのであれば、最初から堂々としていればよかったと後悔の嵐でした。

さて、釧路市内の福藤選手ゆかりの場所を訪れた後は、かつて釧路市立景雲中学を指導された高木典男先生(現在は鳥取西中学にお勤め)のご自宅にお邪魔してしまいました。

c0012636_20582774.jpg「とにかくNHLが大好き!」とおっしゃる高木先生宅では、もう度肝を抜かれることしきりでした。
まずは、この写真のメシエクッション。ちなみに既製品ではありません。マーク・メシエの大ファンであられる高木先生は、奥様の典子さん(クレインズのホームゲームではアナウンスを担当されています。その名前も典男さん&典子さんで夫唱婦随とはこのこと!)に頼んで、メシエTシャツをこのクッションにリフォームしてもらったのだそうです。ご夫妻のオリジナルグッズは、このクッションだけにとどまりません。ご愛息滉典(あきのり)くんの幼稚園のスモッグの前面には、オイラーズのロゴが張り付けられ(父・典男さんが着古したオイラーズジャージのロゴを、典子さんがチョキチョキとカットしたんだとか)、お手製リュックサックにもオイラーズのロゴが! しかもリックの底部は、丁寧にブルーとオレンジとホワイトの布を継いで、あの80年代オイラーズジャージのデザインが再現されているではありませんか!!!

c0012636_20585315.jpgそして極めつけは、この写真にあるお手製スタンレーカップ。
私の写真の腕が悪くて申し訳ないのですが、このカップの上部左をよく見ると、注ぎ口が付いているのがお分かりでしょうか? スタンレーカップといえば、最上部の「ボウル」からどんどん台座を足して行って、現在のこの形に収まったことはあまりにも有名ですが、高木宅のスタンレーカップの「ボウル」部分は、まさに台所で使用するあの「ボウル」、しかも注ぎ口付きなわけですからたまりません。ちなみに下部の台座は「バケツ」、途中の繋ぎ部分は木製だそうです。

で、さらにすごいのは、もうすぐ4歳の誕生日を迎えるという「あっき」こと滉典くんが、このカップを頭上に掲げ、キスしてしまうというのです。

実は高木家では、普通のTVの代わりにNHL番組のビデオが流れているのが常なんだそうで(ありがたや〜)。その英才教育が生きてか、滉典くんはこのスタンレーカップを手に(高さ60cm程度ですが、滉典くんの現在の身長からするとちょうどいいバランス)、白手袋のホッケー殿堂職員の方がうやうやしくカップを運び入れる場面から、NHLゲイリー・ベットマンコミッショナーがスピーチしカップを授与するシーンまで、自ら一人芝居を演じてみせるというのです。やはり釧路のお子さんはハンパではありません。

しかも滉典くん、わずか3歳にして、「カナックスの55番は誰?」「ライトニングの4番は?」という父の質問に即答可なんだそうです。山手線の駅名を全部記憶している子供とかは、TVでちょくちょく観かけたことはありますが、NHL選手の名前を記憶しているなんて、その目のつけどころがカッコ良過ぎます。

クレインズラッピング広告バスに、クレインズポスターあり、空港には防具を着込んだホッケー選手の人形ありと、街中の至る所にクレインズの存在が溢れる日本一のホッケーどころ、釧路市なのですが、高木先生によると「不景気の影響で、ホッケーをやる子供の数は年々減少傾向にある」のだとか。現に高木先生の現在勤務されている鳥取西中も、1校単独ではホッケー部を運営することができず。現在は近隣4校(大楽毛(おたのしけ)中、美原中、釧路町富原中、釧路町遠矢中)と合同チームを形成して奮闘中だそうです。釧路でのホッケーをより大きなものにしていくためにも、ぜひぜひ頑張っていただきたいものです。

そんな貴重なお話をお伺いし、東京に戻ってきたら、北海道のとある知人からメールが。
「道東の標茶町で水曜日に射止められた」というシカ肉を送ってくださるとの旨。シカって・・・う〜ん、バックス? え、またホッケーと繋がってるじゃん!!!

それにしてもシカ肉って、どう料理したらよいのでしょう。鍋やジビエ料理として出されたものを食べたことはあるが、自分で料理するのは未体験です。とりあえず、安ワインで煮てみるか・・・いやあ、北海道はいいですねほんと。

釧路湿原ツアーに鶴公園見学、クレインズ観戦と合わせて是非!

追記:北海道だけでなく、東伏見も今年は気合が入っています。レンタル座布団にレンタル毛布あり、会場の外は毎回屋台村気分の美味しいお店が並びます。前回の焼きたてメロンパンは最高でした。入場券の半券があれば、アリーナ入場後も外に出られますので、ぜひお試しあれ! その他、毎回楽しいイベント(コクドDF#43による試合後トークショーはもうすっかり有名ですね)が企画されていますので、ぜひ足を運んでみてください。
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by hockeyworldjapan | 2005-11-04 21:15 | アジアリーグ

アジアリーグ、今季は9チーム体制で!

HWJ掲示板でも速報をお伝えしましたが、2005−06年アジアリーグには、新たにカンウォンランド、ノルディックバイキングスの2チームの加盟が内定。よって計9チームによって争われることが、7月21日の記者会見にて明らかにされました。
(まずは、アジアリーグジャパンオフィスからのリリースを、HWJ掲示板にてご確認ください)

まずは、いったんアジアリーグ参加断念を表明していたカンウォンランド。しかし、本拠地を置く江原道には、ピョンチャン(平昌)が2014年冬季五輪誘致に乗り出すという追い風効果がありました。(注:ピョンチャンは、2010年をバンクーバーと争ったことでも知られる。2014年冬季五輪には、このピョンチャンの他、ソフィア(ブルガリア)、ザルツブルク(オーストリア)、トビリシ(グルジア)、アヌシー(フランス)が名乗りをあげています)カンウォンランドという会社は、政府の援助を多く受けているらしく、そもそもウインタースポーツの代表地でもあるカンウォンで、ホッケーのレベルアップを図ろうという韓国政府の強い意気込みも感じられます。

チーム陣容としては、リリース内にある内容の他に、メンバーのうち7名が2005年世界選手権代表なんだとか。またアジアリーグ内でのチーム力均衡を図るために、カンウォンランドの外国人枠は5人と決定。今後のプランとしては「カナダ人のヘッドコーチを雇い、カナダでキャンプを張り、外国人選手をセレクションしたい」とチームマネジャーのパク・チョルン氏は明かしています。その具体案として、7月29〜9月20日までカルガリーでキャンプを実施し、この期間に10試合以上地元チームと対戦する予定も既に計画中。本拠地は、江原道チュンチョンとなるそうです。


そして気になるのがやはり、ノルディックバイキングスの加入でしょう。

まずは、アジアリーグチェアマンの富田正一日ア連会長から、次のような経緯説明がありました。

「昨季は8チーム、ゴールデンアムールが参加して日本リーグとは違ったホッケーができる楽しみがあったが、8チームが同レベルで均衡したホッケーができていなかった。特に下2チームについては、試合をする前から結果が見えていた」

「すでにこの問題について、昨年11月から懸念していた。メディアやファンの反応も気になっていた。下のチームをどう上に引き上げるのか。アジアリーグ目標は五輪に出場できるチームをアジアから、そして世界選手権でメダルを取れるチームを出すのが究極目標である」

「そんな時、国際アイスホッケー理事会中に、IIHF事務局長スウェーデンのヤンアンケ・エドビンソンから、ノルディック・バイキングスという組織について知らされた。彼らがアジアリーグに興味が持っているので、いろいろ説明して欲しいと依頼された。7時間に及ぶ話し合いをした結果、バイキングス関係者が『一度日本に行ってみる』と言い出し、その後はとんとん拍子で話が進んだ」

「ただ、アジアの国でない選手たちがアジアリーグに参加していいのか? という論議は当然あった。しかしアジアリーグ実行委員会はこの2日において、ノルディックバイキングスがこちらから提示した条件をすべて揃え、選手レベルについてもアイスホッケー先進国としてのプライドをもってそれに相応しいメンバーを揃えたと確認。それで全員一致でリーグ加入を承認するに至った。あとはアジアリーグオーナー総会(9月2日中国)で、最終承認の運びとなる」

「8月7日、バイキングスは中国のチームとともに、北京でプレシーズンマッチ(vsハルビン)を開催する。あの人口の中国で、ホッケー登録人口はたったの400人。アジアリーグを活用しながら、今後は中国ホッケーの底上げを狙いたいとの意志を伝え、バイキングスも中国ホッケーの支援を了承してくれた。日本のファンにも面白い試合展開を提供できればと、期待している。北欧というアイスホッケー先進国が入ってくることによって、アジアホッケー全体のレベルアップを目指す」

そうした一連の話はあったものの、なにせこれまでチームの実体が明らかにされていなかっただけあって、この記者会見ではバイキングスのチームオーナー、オウェ・アンダーソン氏に向けて、質問が集中しました。

ここでは、その場で明らかになった内容を列記することとしましょう。

*チーム構成:チーム全体のレベルとしては、アジアリーグで上位、優勝も狙える。ヘッドコーチには八幡真を起用。この八幡が自身のコネも使い、選手選考に尽力してきた。その陣容は、スウェーデントップリーグでの経験を有する4人のベテラン選手、6人の中国人選手に、今後はスウェーデントップリーグでプレーする力がある19〜20歳という若手選手となっている。うち若手数名は、スウェーデンジュニア代表入りを果たしている。

*チーム概念:スカンジナビア諸国のホッケースキルをアジア諸国に輸出するというのが狙い。人口が多いアジアは潜在性の高い市場であるが、ホッケーはまだよちよち歩き。富田氏から中国のレベルアップ必要性の話を聞き、中国人選手をウチのチームに絡めることを考えた。6名の中国人選手をバイキングスに所属させる他、4人のスウェーデン選手とコーチ1人をチチハルに、3人のスウェーデン選手とコーチ1人をハルピンに派遣する予定でもある。

*チーム形態、チーム財政:ノルディックバイキングとは、純粋にアイスホッケーをプレーする会社。日本や中国のように、他の業務をやりながらホッケーチームを持つのではなく、ホッケーをプレーするのが仕事。元アイスホッケー選手たちがチーム概念に賛同してくれており、個人投資家からの資金を投資する。今後は大口スポンサーも得られると確信している。年間チーム運営費は120万ドルを予定している。会社自体はまだ登記されておらず、今後はチーム立ち上げの公式発表を含め、手続きに移行する。

*選手待遇その他:若手選手については、1年間北京でホッケーをプレーすることに加え、大学で教育を受けられる機会を提供する。1年間アジアに滞在して日本や韓国、中国を移動し、ホッケーをプレーするというのも素晴らしい経験になるはず。
選手たちにとってはおそらく、スウェーデンでプレーしていた方が給料はいい。彼らのバイキングスでの給料は、中国滞在中の生活で消えて行く程度しかない。それでも、スウェーデンでのオファーを蹴り、敢えてアジアで新たな経験を得ることを選んでいる。実際にこのチームコンセプトは、公式発表すらしていないのに口コミで広がり、多くの選手が興味を示してくれた。必要があれば、2、3チーム造れるほどの反響に至った。結果、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、アイスランドからも選手を集めることができている。


さらに補足情報として、北京には15000人収容の多目的アリーナがあり、ここを8月7日の試合で使用するのだとか。併設のサブリンクは通年営業だそうですから、こちらで早い時期から練習は可能でしょう。さらに「交換留学」プログラムの一環として、バイキングスと中国チームの対戦については、北欧のどこかでの試合開催を、リーグ関係者は許可する見込みとか。

中国国内には、今年南京にも1万人収容のリンクがオープンするとの旨を、富田チェアマンが明かしていました。ハルビン、チチハルなどの中国でもほんの一部の地域限定スポーツだったホッケーは、北京進出でメジャー化への第一歩を記すんでしょうか?

まずは、8月7日の試合の反響が気になるところです。

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by hockeyworldjapan | 2005-07-22 03:32 | アジアリーグ

ショーン・ポディーン@東伏見

子供たちって、正直でいいな〜。

昨日は、東伏見で行われた「日光アイスバックス・ホッケースクール」に行ってまいりました。ここでの目玉といえば、2000年NHLコロラド・アバランチでスタンレーカップを獲得したことでも知られるショーン・ポディーン氏の登場。ポディーン氏は、この日の東伏見と、4月4日神戸でのホッケースクールに参加するため、長年の夢だったという念願の来日を果たしました。

さて、この日のホッケースクールの対象は、小学生と中学生でした。うち、スクールの後半組だった中学生は、ポディーン氏の存在を知ってるはずなのに、みんなスクール終了後も恥じらいのせいか「サインください!」なんて猪突猛進な真似はできない(笑)。そう、思春期ってやつですねえ。多くの選手たちがさっさとロッカールームに引き揚げてしまったのです。あ〜、もったいない。

しかし、前半組の小学生たちは違う。最初は中学生同様、みんな緊張気味にドリルに励んでいたものの、スクール終盤のブレイクアウェイの練習時にポディーン氏が「ゴールを決めたら、こうやって(と腕を頭上に掲げて)喜ぶんだよ。やってごらん」と声をかけると、ボディーン氏の身長の半分くらいの子供たちまで、ゴールを決めて「イエ〜イ」とやってる(笑)。しかも、みんな、しっかりポディーン氏の方に向かって目線でアピールしながら「イエ〜イ」なのです。いやあ、かわいいったらもう。

最後は、全員で記念撮影してスクール終了。すると誰からともなくこの小学生組の子供たちは一斉に、ポディーン氏に握手を求めに行きました。そしてリンクを降りたザンボ入口では、子供たちの凄まじいサイン攻めがスタート。ポディーン氏はお子様軍団の渦巻きにあっという間に飲み込まれてしまいました。お子様だけではありません。ご父兄を含めて握手に、写真に、サインにと、参加者のみなさんはとっても楽しげでした。あ、ひとりデトロイトのジャージを着た子がいましたが、彼だけはちょっと反応がクールだったような・・・(爆)。「その子には『おい、デトロイトのジャージを着るのはルール違反だぞ!』とジョークを言ったんだけど、その子は気づいてなかったみたい」とポディーン氏は爆笑していました。

日本の少年ホッケープレーヤーたちの印象を、ポディーン氏は「みんなスケーティングが素晴らしいね。87年に、ミネソタで日本の選手のプレーを見たことがあるけど、今回来てみて日本の選手は実際の記憶よりもずっとスケーティングがうまいと思ったよ。それに、日本の子供たちはみんなすごく一生懸命でコーチの話をよく聞いてくれるから、教えやすいね」と語っていました。

そして、クリニック全体の印象を「子供たちが笑顔を見せてくれて、ハグを求めてきたり・・・最高だよ。心の底から暖かくなってくるような経験だね。僕も昔ミネソタで、80年レークプラシッド五輪優勝メンバーたちのクリニックに参加したことがある。あの時のことを思い出したよ」と、話してくれました。

今回が初来日というポディーン氏ですが、日本は長年来たくて仕方なかった場所というだけに、すでに観光本を隅から隅まで研究済のご様子でした。日本食は、ご自身も奥様も「ヘルシーだから大好き」ってことで、アメリカでもよく食べてるらしく、お箸使いも手慣れたもの。この日のスクール前にもロッカールームで「おにぎりを3つ食べたよ。おいしかった」とトレードマークの笑顔を見せていました。

滞在中のホテルでは、来日当日すでにひとりのアメリカ人宿泊客から「ポディーンさんですか?」と話しかけられたそうです。さすがは正真正銘の元NHL選手ですね〜。オフというのに陸トレは週6日続けているんだとか。たださすがに37歳という年齢を考えてか、今季はスウェーデンでシーズンを終了してからは、スケーティングはしていなかったのだそうで、それだけに今日3時間通しのホッケースクール参加で「ああ、足が疲れた」「お尻が痛い」と嘆いていました。ちなみに、今日は日本の名マッサージ師を訪れるそうで、それもすんごく楽しみにしているようでした。

ポディーン氏にとって、唯一心残りだったのが、この日のプログラム終了後にデモンストレーションとして、バックス2人のGK(橋本、池田両選手)相手に実施したペナルティショット合戦。1本めこそ、橋本選手の左肩口を恐ろしいスピードのリストショットで抜いたのですが、その後は全部GKに止められてしまったのです。

「スウェーデンリーグが終わった後は、しばらく氷に乗ってなかったんですよね?」と振ると「それを言い訳ってことにしておこう(笑)。でも、神戸に行く前にばっちり練習していくからね」と冗談とも本気ともとれる発言を残していました。あ、フォローするわけではないのですが、ゴールに向かってスケーティングしていくその姿は、日本ではちょっとこれまで見たことのないような大迫力イメージでした。神戸では、彼のリベンジが見られるかもですね。

それから、日本のホッケーファンなら当然気になるのが「来季、日本でプレーするのか?」という部分。今回の来日は、彼にとってそのあたりを見極めるという目的もあるわけで、なんとか日本のいいところをたくさん見て行って欲しいと思っております。

あ、神戸でバックスのホッケースクールに参加する選手たち(神戸では大人の選手もスクール対象なんですね)、ならびにご父兄のみなさま。スクール終了後は、握手するなり、サインをねだるなり、がっつりモトを取っていってくださいね〜。・・・な〜んて、そのあたり関西のみなさんはしっかりされてるから心配ないかな? なんて言ったら怒られそうなのでこのあたりで本日はシメ!!! 今日はこれから、アジアリーグのアウォードに出かけて参ります。

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by hockeyworldjapan | 2005-04-02 09:23 | アジアリーグ

コクド存続問題とアジアリーグの今後

まずは、コクドのアジアリーグ優勝、おめでとうございます!

優勝を決めた3月27日(日)のプレーオフ決勝第4戦は、見事な試合運びだったと思います。
「第1戦こそGK二瓶次郎の守りで完封されたが、それがいい発奮材料になった」という高木監督の言葉通り、以降シリーズの流れを掌握しての3連勝。チーム存続問題で揺れる中、選手たちがよく試合に集中してプレーした証の優勝でした。

この日も大活躍のユールは、コクドの選手たちの集中力をこう表現していました。
「全盛期のグレツキーが復帰して相手に加入しても、ウチは勝てると思っていたよ」

とはいっても、一連のコクドの不祥事が発覚し、ホッケー部存続が問われ出した頃は、どの選手もスタッフも大きな苦悩を抱えていたようです。試合後の記者会見で、宮内キャプテンはこう語っていました。

「長いシーズンだった。会社の方もいろいろ問題があって、年末は一時選手が元気なかった時期もあった。でも僕たちは優勝することが会社のためにも、ファンのためにも一番いいことだと思い、新たな気持ちで後半戦を戦うことができた。全日本選手権には優勝できなかったが、アジアリーグで勝てて本当によかった」
「選手だけのミーティングもあった。年末、年明けも2度、3度とありました。チームメートからは、表向きは頑張ろうという気持ちは伝わってはきたが、不安が見える部分もあった」

優勝を決めたプレーオフ決勝第4戦には、次期西武鉄道社長に内定している後藤高志氏が、観客席で試合を観戦。優勝決定後は、リンクサイドで選手たちを「再生のシンボルとしてこれから一緒にがんばりましょう」と出迎えました。後藤氏の目前で優勝を決められたことは、チーム存続に向けての絶大なアピールになったと願いたいです。

ただ、まだチーム関係者に対し、チーム存続への具体的な内示があったわけではありません。優勝後にいったんは安堵の表情を見せていた高木監督も「後藤さんとお会いしたのはこれが初めて。選手の前でああ言っていただいたのには感謝しています。ただ正式な話はまだ決まっていないので・・・」と、不安も覗かせていました。

また、チーム存続に至ったとしても、年間予算大幅削減は否めない状態。大幅予算削減は、大幅人員カットをも意味するわけで。リーグ終了2週間後には、リーグ規約により今季を以ての退部者をリーグ側に通告しなければならないという時期にさしかかるため、選手たちは誰もが不安な日々を過ごすことになるわけです。

試合後の記者会見では、日ア連会長であり、アジアリーグチェアマンである冨田正一氏も姿を見せ、「コクドの件については、時期をみて正式に、結論を出せる方にお会いするつもり。できる限りを尽くしてチーム存続について努力したい」とコメント。アジアリーグの覇者コクド存続をバックアップする姿勢を見せていました。

そして、そのコクドの優勝で幕を閉じた第2回アジアリーグですが、今季は日本の4チームに、韓国からハルラ、ロシアのアムールに、中国2チームの、8チームという大所帯でのリーグ運営になりました。これまで日本リーグという枠内だけでも、各チームから派遣された運営委員のメンバーたちが忙しく働いていたわけですから、今季は本当に大変だったと思います。まずはお疲れさまでした。

しかし、アジアリーグ全般を見通すと、やはりチーム間の実力格差というのが歴然としている問題があります。試合終了後の記者会見で、冨田チェアマンはこう言及しました。

「チェアマンとしては、参加するチームが全部同じレベルにないと、ファンにもメディアにも関心を持っていただけない。チーム間に大きな差がありすぎると関心が落ちる」
「アジアリーグとしては、少ないファンの前でプレーするのは選手にとっても気の毒」

今季開幕当初は、中国の2チームにも外国人選手が加入することでチーム間均衡は保てるとリーグ関係者は予測していました。しかし結局外国人選手は断念することに。その後、冨田チェアマンは過去4ヶ月の間に中国関係者と折衝を図ってきたそうです。中国側としては「うちには18歳の選手が5人もいるから、今後は日本に勝てるチームだって作れる」「アジアリーグ参戦が選手作りに役立っている」と、アジアリーグ参戦の意義を唱えているそうですが、来季加盟を希望しているカンウォンランドの扱いも含め、今後のリーグのあり方については多くの課題が残った模様です。

そのため、4月12〜15日には北京で各チーム代表者が集い、今季の反省会と来季についての議論を実施するそうです。コクド存続問題の行方とともに、こちらの動きも非常に気になるところです。

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by hockeyworldjapan | 2005-03-28 13:23 | アジアリーグ

プレーオフ準決勝&東伏見改善策

昨日は、プレーオフ準決勝第2戦取材のため、東伏見に行ってまいりました。

試合の方は、0−2とリードされた地元コクドがその後追いつくという展開。まずいペナルティもあって、その後にゴールされるという内容は反省点も多かったかも知れませんが、押され気味の第1OTをよく耐え凌ぎ、第2OTでの劇的逆転勝利でした。OTゴールを挙げたのは、今洋祐選手。パーピックのシュートのリバウンドを、右ゴール前でうまくバックハンドですくいあげ、アムールGKオグレシニコフのグラブハンドを破りました。やられたGKオグレシニコフ、しばらくショックのせいでゴール前に突っ伏してましたね・・・

今回の準決勝は、第5戦まで至ると8日で5試合という超ハードスケジュール。これに加え、ハバロフスクと東京間のきつい移動、さらに勝負がつかなければ延々サドンデスのOTを繰り返すプレーオフフォーマットゆえ、コクドとしては第3戦で決めて、王子とクレインズとのシリーズが長引くのを高見の見物と行きたいところでしょう。

チーム存続問題もあって、微妙な心理状態で戦っているはずのコクドですが、その本拠地の東伏見に加え、他の首都圏のリンク2つ(東大和、新横浜)の存続も問われている今、この第2戦を取材して「これでいいのか東伏見?」と真面目に考えざるを得ない私でした。

かつて「品川ギャル」からホッケーファン歴をスタートさせた私にとっては、東伏見全体の環境が、果たして訪れるホッケーファンや、あるいはリンクの利用者にとって魅力があるものなのかどうか、改めて問うてみたいと思ったわけです。

「遠い」「寒い」という問題は当然ある。ならばそれを凌駕するような利点をアピールせねば、ファンには足を運んでもらえません。

「寒い」については、会場で膝掛けサービスがかなり徹底され、このサービスを利用されているファンの方も徐々に増えて来たと思う訳です。こういう地道な努力は高く評価したいとは思います。そうしたサービスがあるだけで、ファンの方にはある種の温かさが伝わるいい手段であると考えます。

ただ、まだ改善点は山ほどある。例えば売店で販売されている食べ物。ここ数年代わり映えのしない内容です。昨日改めてあそこのうどんを食べてそう思いました。売店で仕事をされてる方たち、ごめんなさい。実際に販売に携わる方々を批判をする気は毛頭ありませんので、どうか誤解されないように。これはあくまでマーケティング的、もしくは経営判断的な問題なのです。

品川時代を振り返ると、ホッケー会場で販売されてる肉まんに、カレーライスが名物でありました。私は個人的に品川で食べる肉まんが好きだったし、選手たちもあのカレーライスを楽しみにしてたという話をよく耳にしました。

ただこれだけ飽食時代となった今、当時と同じ味を再現して販売しても、もはや名物としては通用しないでしょう。つまり、そういう名物を開発して、販売しようという気概はないのか? そういうものを作ろうとするマーケティング戦略すらないのか? というのが、私の意見であります。お金がないから出来ないという言い訳はここには通用しません。枯渇しているのは、資金ではなくアイデア。「貧しても鈍さず」であって欲しいと思います。

売店での食べ物も含め、周りの文化がどんどん進化しているのに、東伏見だけ80年代の遺物を引き継いでいる印象を受けるのは私だけでしょうか? 同じことが軽井沢のスケートセンターにも言えると思います(こっちは70年代かな?)。もっと言えば、プリンスホテルグループの施設全体に言えることかもしれません。これじゃあどんどん外資系のホテルにやられるばかりです。

東伏見だけの問題ではありません。新横浜についても同様です。個人的に気になるのは、アリーナ隣にある飲食店。プリンス系のレストランカフェとして現在営業中ですが、現在プリンスホテルというブランドイメージが著しく損なわれている中、正直今回の一連の問題が発覚する前から、あそこのメニューは魅力的とは思えなかった私としては、あのレストランカフェをスポーツバーに変貌させるなどの大改革を提言したい。で、試合中に「お食事でご利用の方に無料ドリンク進呈」かなにかのチケットを配布する。それくらいの商売魂がないとダメでしょう。試合中だけじゃありません。リンクを練習などで利用してもらった人たちにも、どんどん足を運んでもらう。名物スポーツバーとして、近隣オフィスビルのOLさんなどにもランチやアフター5にも足を運んでもらい、ついでにホッケーの試合やスケートリンクでの滑走をしてもらう・・・くらいの戦略が欲しいものです。

うわべだけのお洒落度を追求するつもりはありません。本当に見たいのはホッケーなのですから。でも、お洒落なところにしか、お金を落としてくれる顧客は集まらないのも事実です。なのに、試合直前にこれまた70年代の遺物としか思えない童謡アニメ調のチームテーマを、聞こえよがしにアリーナ内にフルボリュームで流すあのセンスのまずさには、もう耐えられません。これまであの曲が流れる時には押し黙って素知らぬふりをしてきた自分ですが、正直言ってもう限界です。

ただでさえ寒い会場をこれ以上寒くしてどうする? 変わろうとする気持ちがない人たちには、何を言ってももうダメなのでしょうか? アジアリーグを改善したい、リンクを存続させたい、そういう志のあるホッケーファンの皆様。どうか辛口批評を続けて下さい。ウチの掲示板でよろしければ、どんどんそうした意見を書き込んでいただきたい。じゃないと、真面目にこの国のホッケーは下降線を辿るばかりです。

東伏見でも新横浜でもいい。なんとか幸運にもいずれかのリンクが存続可能となった暁には、このリンクを日本のホッケーの旗艦店的存在にすべくピカピカに磨いて欲しい。といってもその文字通り床をピカピカに磨けと言ってるわけではありません。

伝統を尊ぶのでもいい。売店に名物を置くのでもいい。手法は問いません。いずれにしても、ホッケー選手&ホッケーファンが胸を張って足を運べるリンクを愛情込めて育てて欲しいのです。別に観客席を増設しろとは言いません。私が求めるのはあくまでも「貧しても鈍せず」です。どこを変えるべきか、利用者の視点になってもっと切実に考えて欲しい。それができなければ、たとえ存続が可能となっても、今後の行く末は明るくはないと断言します。


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by hockeyworldjapan | 2005-03-14 11:20 | アジアリーグ

マーティン・カリヤ、鮮烈2ゴールデビュー!

いや〜、久々にいいものを見たかも。

NHL今季開催がかなり怪しくなってきた12月18日。
カリヤ家の三男坊マーティン・カリヤが、日光アイスバックスの一員としてアジアリーグに初出場しました。そして自身今季初試合ながら、いきなり2ゴールと、早くもインパクトを放ってました。

試合前のウォームアップから、管理人は凝視モードでマーティンのプレーを追ってました。その感想として、まず語らねばならないのがカリヤ家の遺伝子でしょう。パスはソフトタッチでピンポイント。シュートのリリースは極めて小さく、すごいコースに飛ばす。そして氷上の佇まいまで、やはり兄ポールに似てました(ハンドは逆ですが)。

試合では、いきなりファーストシフト(PK)で失点と、幸先の悪いスタート。
管理人の以前のレポートでもお伝えしましたが「高校で数学を教えてた」というマー
ティンは、実戦の試合から7ヶ月近くも遠ざかっていたというだけあって、序盤はエンジンが立ち上がるのが遅かったと思います。

しかし、白鳥選手のゴールでバックスが1−2と追い上げたすぐ後のシフトで、マー
ティンは、ラインメートの井原、飯山といい動きを見せ始めます。この3人はそれぞれ「スピードがあって玉際に強い。テンポがよく合っているし、狙い通りの動きをしてくれた」と上野監督が試合後語ったように、徐々に噛み合って行きました。

そして、マーティンにとって記念すべきバックス加入初ゴールの場面が訪れました。第2ピリオド序盤、4オン3のPPのチャンス。左サイドからパックを持ち込み、逆サイドの井原をうまくおとりに使いながら、自ら鋭い角度で放ったシュートが、王子GK荻野のグラブサイド・トップコーナーを破って決まりました。マーティン、試合前のウォームアップでもあのシュートを結構放ってました。小さいモーションから、ギリギリを狙っての素晴らしいゴールでした。

自らのPPGがバックスにとって貴重な同点弾に。しかしまだ彼の勢いは止まりません。第3ピリオド序盤には、飯村からのパスをゴール前混戦で押し込んで2ゴールめ。これでバックスは3−2と逆転しました。しかも相手は前週にそれまで首位をいくコクドを玉砕して乗ってる王子です。霧降のバックスファンは大いに沸きました。

結果的に試合は、その後王子が3連続得点と好調さを見せつけての勝利。が、バックスの選手たちやファンの胸には「マーティンが何かをやってくれる」という期待感が強く植え付けられたのではないでしょうか。

ただし気になった点も数カ所ありました。まずは、しばらくぶりの試合だったということで、2ピリ中盤にはかなり息が上がり疲労の色を見せていたこと。その点については上野監督が「彼のコンディションはまだ100%ではない。今朝はフリー練習をやったんですが、彼はかなり一生懸命練習してしまうタイプなので、試合で疲れが出てしまったのかも」と試合後コメントしていました。性格の真面目さが、こんなところで災いしてしまったようです。

先週末から火曜日までバックスはチチハル遠征。その間ビザ申請のため、日本に残ったマーティンには霧降でアイスタイムが用意されていたそうです。国体チームの練習に混じったり(栃木代表の方、一緒に練習できたのですね!)、小学校チームの指導をしたり・・・なんてこともあったそうです。

「日本の子供はよく基本を教えられているし、みんな礼儀正しいね。日本の文化のありがたさを実感したよ。みんなちゃんと座って話を聞いてくれるから、コーチのやり甲斐があった」とマーティン本人は小学生チームの指導について、そう振り返ってました。

その他課題としては、やはり実戦から遠ざかったためでしょうか、フェイスオフのタイミング(王子・桜井選手相手にかなり負けてました)が不調だったこと、それに日本のレフェリーやルールに対して、まだ馴れていないという部分でしょうか。第3ピリオド後半には、明らかに日本と北米のフェイスオフルールの違いについて混乱していたような場面がありました。マーティン本人も日本でのオフィシエイティングについては、「これから学ばなければ」と試合後語っておりました。

フェイスオフの仕事が伴うセンターというポジションですが、AHLブリッジポートでマーティンは、ウイングとして登録されていました。ただし「自分としてはセンターの方がずっとラク」なんだそうです。「ジュニア、大学でもウイングに起用されたことはあったが、最後にはセンターに戻っていた。昨季AHLブリッジポートでは、ウイングとしてのプレーも十分学んだつもりだから、ウイングとしてもプレーできるけど、自分に合ってるのはあくまでもセンターだと思う」とのことでした。

まあ、バックス助っ人として以前活躍したマーク・コフマンも、かなりのブランクを経て来日し、来日後初試合ではそれほど精彩を放てませんでした。しかしその後は素晴らしいプレーをしていたことを考えると、1試合めでいきなり2ゴールを挙げたマーティンは、さらなる活躍が期待されるところです。

そのコフマンにも、来日前にバンクーバーで、マーティンは日本について話を聞いて来たんだそうです。コフマンは、バックス時代にかなりマークされた経験もありましたし、そのあたりの情報もマーティンには伝わっているでしょうか? 相手チームは、今後マーティンにどんな対応をしてくるのでしょうか? そしてそれにマーティン本人、バックスのチームメートたちがどう立ち向かうのかも注目されます。

実際のプレー以外に、バックスが彼に期待しているのが「リーダー」という役割。来日後間もないのですが、「A」マークがその胸には輝いてました。

「いきなりAマークをもらって驚いたし、すごく光栄に思っている」というマーティンですが、「自分はまだ23歳だけど2人の兄がいるし、小さい頃からいろんなホッケーを目にして来た。自分の考えがいつも正しいとは限らないけど、シーズンを通してチームの戦力向上に貢献できたらと思っている」と、自分のバックスでの立場をそんな風に説明していました。

この試合では、ラインメートの井原選手がPKでナイスなパスカットを見せると、ベンチをドンドンと叩いてそのプレーを讃える盛り上げを見せ、試合終盤にはラインメート2人を呼び寄せてベンチで作戦指導。井原、飯山両選手とは、中国遠征前から一緒のラインで練習していたそうで、「同じラインで練習するようになってからすぐ『ここにいるかな?』となんとなく分かる。決めごともなく自然にやれてます(井原)」という息の合いようです。

不思議なことに、バックスの選手はマーティンが加入した刺激のせいでしょうか、王子相手に臆することなく堂々と渡り合っていたという印象がありました。チームメートについて、マーティンはこう分析します。

「バックスの選手はみんないい素質を持ってる。あとはそれを試合の局面でどう対応させていくかなんだ。シーズンが終わる頃には、個々の選手が大きく伸びてるはず。今日みたいな負け試合の経験から学ぶことができれば、そこから勝利に結びつけることは可能だよ」

まだ来日して2週間ちょっとですが、日光での暮らしは「もう我が家同然に思える。
ずっと来たかった日本だからね」というマーティン。今はできるだけ早く日本語を身につけようと頑張ってるところだそうです。

「日光のファンは勝敗にかかわらず、チームをよくサポートしてくれるね。来日直後のクレインズ戦でも、相手が3点、4点と追加しても帰ろうとしない。5点目が決まったところで、少し帰った人はいたみたいだったけど(笑)、実に楽しい雰囲気。『カリヤ』の声援? それはよく分からなかった。時々『マーティン!』という掛け声は聞こえた。まあどんな内容でも大きな声援なら歓迎だよ」

バンクーバーにいる母や兄には「メールで連絡するつもり。お母さんは国際電話は料金が高いからって嫌がるんだ(笑)。でも月曜日には一度、家族に電話しようかな」だそうです。

彼の加入で、スタンドのお客さんも、取材に来たメディアも、この日はかなり数が増えていたような。すでにマーティン効果を実感した1日でした。


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by hockeyworldjapan | 2004-12-19 21:12 | アジアリーグ