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トリノ五輪ホッケー開幕!

楽しいね、やっぱり五輪は。出来ればリアルタイムで観たいな〜。
(トリノ五輪オフィシャルサイト、しょぼすぎる)

カナダvsイタリア、ドイツvsチェコと立て続けにTV観戦です。

まずはカナダvsイタリア。結果はカナダが7−2と勝利ではありましたが、イタリア大善戦だったのではないでしょうか? 

イタリア女子はカナダ女子に0−16と粉砕されてましたが、男子は一時1−1の同点という緊迫した状況もありました。時差ぼけ気味のカナダの選手に対し、猛然とフォアチェックに行くイタリアのFW。あれで「目が覚めた〜」というカナダの選手も結構いたのではないでしょうか?(具体的には名前を伏せますが・・・DFの某選手とか)

イタリアは現役NHL選手はゼロ、元NHL選手が3人、半数が北米出身者(カナダ9人、アメリカ2人)。ヘッドコーチもカナダ人のミッキー・グレ(オタワ大学で長いコーチングキャリア、放送中に坂井氏が説明していましたが、マーク・マホン日本代表監督はこの人の下でアシスタントコーチを経験)。2005年の世界選手権ディビジョン1を制して、今年は世界選手権@ラトビアに実力での出場です。個人的には、ジェイソン・ムザッティが懐かしかった・・・NHL4チームに所属経験ありのムザッティ、なかなか素敵なマスク(そのデザインはイタリアンカラーのバックに、前ローマ法王ヨハネパウロ2世&聖母マリア、そして自身の子供たちでしょうか?)を着けてましたが、カナダの攻めをよく凌いでたと思います。

五輪前強化が生きたという感じですが、イタリア系カナダ人って多そうですもんねえ・・・その気があればルオンゴだって、イタリア代表になれた(両親がナポリ出身。もちろんNHLキャリアを優先するうちは無理ですが)わけですし、スティーブ・ルーチンのお兄さん(病で亡くなりました)も、イタリア代表でしたよね。そのルオンゴ、次のドイツ戦で先発するそうです。

ドイツvsチェコ(4−1でチェコの勝利)も、なかなかの内容でした。

ドミニク・ハシェクが第1ピリオド途中でいきなり故障退場。現地時間今日にもMRI検査を実施する予定だそうですが、左ハムストリング断裂の恐れありとか。ハシェクは太もも付け根故障が持病なのですが、チェコ関係者はあくまで負傷したのはハムストリングだと主張してるんだとか。う〜ぬ、予選ラウンドは8日間で5試合とかなりのハードスケジュールだし、ウ゛ォクーン1人でこれを全部乗り切るとなると負担増大ですよね・・・ウ゛ォクーンも太もも付け根に不安はあると思うし(今季休んでましたから)。個人的にはチェコに注目したい今大会だったんだけど(奔放なようで、地味な仕事人もいるので)、強みであるGKにケガ人がでてしまうとねえ・・・。

で、ドイツ代表。開会式で別にホッケー関係者を探そうと目を皿のようにしなくても、あっちから私の目に飛び込んで来たのがヘッドコーチのユーウィー・クルップ。ドイツ大選手団の中に混じっても、あのどでかい身体は目立ってました。そのドイツ、かなり強固なトラップを見せてましたよね。

ただ、いったんブルーラインを越えたら、そこはチェコの独壇場。早いパス回しでドイツGKオリー・コルジグを弄ぶこと数回。早くシュートしろ! と思うんだけど、予選ラウンドでこういうプレーをしてしまうのは、チェコの国民性というかなんというか。でも決勝トーナメントになったら、勝ちにこだわってくると思う。全く別のチェコチームが待ってるというわけですね。あ、コルジグ、ヘイドゥクに対するPSはうまく守ってましたね〜。ライトハンドのスナイパー系に対しては、ああやって守るんだ〜と納得。やっぱ五輪のホッケーは観るべきですねえ(ところでPSについてのNHLと国際ルールの違い、気づきましたか?) そのコルジグですが、次のカナダ戦では20歳のトーマス・グレイスに先発を譲る予定。予選ラウンド突破を賭けて、イタリア、スイスとの対戦にコルジグは焦点を絞るらしいです。

あ〜、できれば全試合観たい。アメリカ相手にいい仕事をしたイルベっちの守りも久々に観たかったなあ。オンディマンドで全試合観られればよいのに・・・などと嘆いてみる。

とはいえ五輪のおかげで毎日ホッケー漬け。今日はこれからプレーオフ取材@東伏見です。

先日の国際試合も含め(日本代表、大健闘でしたね!)いろいろ書きたいことは募りに募ってはいるのですが・・・またのちほど!

あ、NHL、五輪、アジアリーグなどについてのご意見用に、こちらのブログのコメントを開放しました。お気軽にコメント書き込んでくださいね〜。(HWJ掲示板の方は、情報交換などの場として続行しますので、ご心配なく)

それからメールを頂いた方、掲示板での呼びかけなどにしばらくの間お答えできず、失礼いたしました。これからひとつひとつ、お返事などしていく予定ですので、どうぞよろしくおつきあいください。
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by hockeyworldjapan | 2006-02-16 16:31 | その他

取材こぼれ話

ずっとホッケーを取材してきて思うのは、「広くて狭いホッケー界」ということ。
先日も、こんな出来事がありました。

福藤選手の周辺取材ということで、ECHLレディング・ロイヤルズのカーク・テイラーヘッドコーチに、電話インタビューをした時のことです。

ここで、まずはテイラーコーチのプロフィールをご紹介。ロイヤルズでは、昨季まで2年間ヘッドコーチを務めていたデレク・クランシーが、AHLマンチェスターのアシスタントコーチに昇格しており、その後任としてテイラーが8月22日にヘッドコーチに就任しました。現在のロイヤルズは、2001−02年開始前にコロンバスからチーム移転したもので、移転後5年めでテイラーは4人めのヘッドコーチとなりました。

テイラーによると、昨年、今年と夏のロサンゼルス・キングズの若手育成キャンプ(@ロサンゼルス)で、ゲストコーチを務めていたのが、今回のコーチ就任のきっかけとなったそうです。過去2年間はカナダの大学(ウォータールー大学)で2年間ヘッドコーチを務め、それ以前も1997年からカナダの大学(ニューブランズウイック大学)でアシスタントコーチ職を経て、レッドディア短大でのヘッドコーチ職に就いていました。現役時代は、FWとDFを両方こなすいわゆる「スイングマン」(テイラーコーチ曰く「自分はどっちもちゃんと出来なかったから(笑)」)だったそうで、1988年からOHLで3年間プレー後、ニューブランズウイック大学ではキャプテンを務めていたんだとか。

で、カナダの大学でずっとコーチをやっていた彼が、なぜキングズとのコネを作っていたのか? と疑問に感じた私。大きなお世話だろうなと思いつつ、その辺をテイラーコーチに聞いてみました。苗字が「テイラー」だけに、GMデイウ゛・テイラーと親戚か? と、当然疑いましたとも。

すると、テイラーコーチ、ノンストップでたくさん喋りまくってくれました。

「まず僕は、カナダ・ナショナルチームのプログラムに参画していたんだ。そこでマイク・ジョンストン(現バンクーバー・カナックスアシスタントコーチ、かつてカナダ・ナショナルチームでアンディ・マレー(キングズヘッドコーチ)の下、アシスタントコーチとして活躍)と知り合いになった。そしてジョンソンからアンディ・マレーを紹介してもらったんだ」
「それから、キングズのトレーニングコーチのマイク・ケイダーともそこで知り合った」
「さらに、アンディ・ノウィッキ(キングズGKコンサルタント)、レイ・ベネット(キングズ・アシスタントコーチ)は皆、レッドディア短大で指導していたんだ。そこで知り合ったんだよ」

なるほど、カナダ・ナショナルチーム&カナダの大学繋がり恐るべし。

NHL全体としては少数派のイメージはあるけど、かつてコクドでも指導したビル・モアーズ(現エドモントン・アシスタントコーチ、かつてアルバータ大学のヘッドコーチ)は、戦略派コーチとしてNHLではトップに数えられる。そのモアーズの師匠にあたるクレア・ドレイク氏は、地元エドモントンではまさに伝説的コーチ。エドモントン出身のケン・ヒッチコック(フィラデルフィア・ヘッドコーチ)などは、エドモントン遠征の時は必ずドレイク詣をしている。また、レッドディア短大といえば、マイク・バブコック(デトロイト・ヘッドコーチ)も、一時指導していた。徐々にではあるが、現在のNHLで地味だがじわじわ勢力を伸ばしつつあるのが、こうしたカナダの大学出身の指導者なのかも知れない。

テイラーコーチに、モアーズの話を向けると、今度は彼の「日本繋がり」の話が堰を切ったように飛び出した。

「ビル・モアーズ? もちろん知ってるさ。あ、ウイリー・デジャーデン(元西武鉄道、雪印コーチ、現WHLメディスンハットGM兼コーチ)も知り合いさ。あと、ランディ・エドモンズ(元日光アイスバックス監督)も知ってる。そう、お互いノースベイ出身(注:カナダ・オンタリオ州)だからね。あ、ちなみにエドモンズの方が歳は5つ上さ。これは秘密だけど(笑)。彼は今、ドイツでコーチをやってるよ」

懐かしい名前を聞いてしまった。

本当にホッケー界は狭いです。
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by hockeyworldjapan | 2005-10-19 20:00 | その他

お知らせ

まずは、こちらに来てくださっている皆様、いろいろご心配を頂いてしまってすみません。

HWJ掲示板でもお伝えしましたが、LAでトラブルに巻き込まれてしまい、本来であればマンチェスターまで足を伸ばす予定だった福藤選手取材を途中断念せざるを得ない状況に追い込まれてしまいました。

単刀直入にまず私の身に何が起こったかと言いますと、LA近郊で強盗に遭ったのです。場所は、キングズ練習施設からも近いフードコートの一角で、白昼堂々の事件でした。キングスキャンプ中は、選手たちがランチしているところをちらほら見かけたくらいの場所ですので、まさか自分の身にそんな災難が降り掛かるとは思ってもおりませんでした。おそらくそうした油断がこの犯罪を招いてしまったのでしょう。

「Kinko's」というショップの前に駐車してあった車から、助手席から降りて来た黒人男性にいきなり銃を突きつけられ「Don't move. Just give me your purse」と言われました。なので抵抗はせず、バッグ一式さっさと渡しました。

我ながら、その場は意外に冷静だったような気がします。万が一、犯人がこっちに向かって銃を発射してくるのに備え、身を翻しながら考えたのは「あ、あのバッグの中にパスポートも入ってた。まずいな〜」でした。

バッグの中には、アメリカ国内の飛行機移動では書かせないIDのひとつ、パスポートも含まれていました。盗られた現金は戻らないにしても、クレジットカードなどは緊急カード発行が可能だし、失った仕事道具なども現地で買えないことはない。ただ「911」以来、アメリカ国内ではセキュリティチェックが非常に厳しくなっており、パスポートのような写真付き身分証明書がないと国内線は利用できないのです。日本だと1週間で発行できるようになったパスポートですが、LAで再発行するには2週間かかるとのことでした。

その後は、日本領事館の方の「ポリスレポートがあれば航空会社によっては移動が可能かも」という情報を元に、最後まで取材続行を模索しました。しかし航空会社からは「たとえポリスレポートがあっても、写真付きIDを保持していない旅行者の受け入れは、保証できません」とつれない返事が。泣く泣く取材続行を断念するはめになったのです。福藤選手が100%の力を出してくれれば、必ずやAHLマンチェスターの残り1席は確保できると信じていただけに、諦めるにも諦めきれない心情がそこにありました。

状況が状況だっただけに、精神的にトラウマ化するかな? とも危惧していたのですが、周囲の方々の暖かいサポートもあって我ながらかなり早い立ち直りを見せています。特にLAでは、同僚ホッケーライターのKさんに多大なるご親切を頂戴しました。この場を借りてお礼しきれるものではありませんが、改めてお礼を申し上げたいと思います。

また、現場が比較的通行量の多い土地だったため、この事件には目撃者もいました。その目撃者の方がご自身へのリスクを冒してまで途中まで犯人を追いかけてくれて、さらに「ウチはこの近所だからなにか困ったことがあったら、いつでも言ってね」と優しい言葉をかけてくださったり。宿泊先のホテルでは、事件を知ったフロントの人がギフトを渡してくれたり。こうした境遇に陥ってみて、改めてアメリカという国の懐の深さを知らされました。

さて事件後は、現地警察やら(生まれて初めてパトカーに乗りました。しかもアメリカで。犯人護送用だからでしょうか、後部座席はクッションがなくてお尻が痛かった)、クレジットカード会社やら、日本領事館やら(パスポート発行には時間がかかり過ぎるので、帰国のみの1回旅券「渡航書」を発行してもらいました)と、対応に追われました。保険会社との折衝がこの後まだ残ってはいるのが気がかりではありますが。携行品の補償って、取得年月から償却分が差し引かれるので、手元に返ってくるのはほんの一部なのですね。悲しいかな。

まあこれも人生勉強のひとつとして乗り越えることとします。幸いにして元気でいられるのですからね。

というわけで、この一件について書けと言われれば、しばらく書き連ねることは可能なのですが、この辺でやめにしてと・・・徐々にホッケーモードに戻るとします。
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by hockeyworldjapan | 2005-10-02 07:26 | その他

世界選手権もろもろ(その2)

世界選手権、毎年悲喜こもごもなのが、順位決定戦であります。
今回は日本が出場していない分、冷静に見届けた感はありますが、地元オーストリアとドイツの降格を事前予想した人は、少なかったんじゃないかと思います。

まずは地元開催で降格決定となってしまったオーストリア。今年のチームは特に故障者が多かったそうで、得点力のなさに苦しんだようです。結局今年の大会では0勝1分5敗とまったくの不振。ホスト国が勝ち星なしに終わったのは、長い世界選手権の歴史でも初の出来事だったそうです。

最終戦vsスロベニア戦は、オーストリアが8点差以上をつけて勝利しないとAプール残留ができないという、かなり厳しい状況でした。もし8点差で勝利できていれば、オーストリアはドイツとポイント、当該試合(2−2で引き分け)、得失差、得点の4項目で全く並ぶために、順位決定のためのゲームウイニングショット戦が行われるところだったとか。しかしあえなくオーストリアはvsスロベニア戦に2−6と敗れ、前代未聞の順位決定GWS戦は未遂に終わりました。

さてもうひとつの降格組ドイツ。大会開催地インスブルックが、1976年五輪で銅メダルという思い出の地だったのですが、オーストリア同様今大会では不振を極め、ディビジョン1へ降格してしまいました。

ドイツといえば、2004年チェコ大会で9位に終わったことで、これまで6年間代表コーチを務めたハンス・ザックがメディアからバッシングされて辞任。今大会は39歳のアメリカ人グレッグ・ポスが後任についた後での、最悪の結果となってしまったのです。問題は新システムへの順応失敗が指摘されています。ポスコーチは、従来のザックコーチの戦略に反して、オフェンス重視のシステムを掲げていたそうですが、それがうまくいかなかったために大会直前に守備的戦略に戻したため、余計に選手たちが混乱したという声も聞かれています。さらにスターム、ウストーフ、コルジグらの主力故障欠場も痛かった。2006年はこのドイツが、ディビジョン1にて日本と同ブロックで戦います。手強い相手であることは確かです。

ただし、今回のIIHF総会で、ドイツはすでに2010年の世界選手権Aプール開催権(コロン、マンハイム)を得ています。そういう意味では、また今後に向けて新たなビジョンで立て直して来ることは必至でしょう。ドイツはベラルーシとの決戦投票で89対18で勝利。当初はスロバキア、スウェーデンも立候補していたが途中棄権したそうです。これでドイツでの開催は1930、1955、1975、1983、1993、2001年以来6回め。1936年には冬季五輪(当時は世界選手権を兼ねる)も開催している。コロンのアリーナはホッケー用としてはヨーロッパ最大の収容人員を誇る(18500人)そうで、今秋完成のマンハイムのSAPアリーナも15000人収容だとか。やはりこうした世界的スケールの設備がないと、世界選手権の開催は難しいのでしょうね。

ちなみに2006年はラトビア、2007年はロシア(モスクワ、セントペテルスブルグ)、2008年はカナダ(ケベックシティ、ハリファックス)、2009年はスイスの開催が既に決定しています。

・・・と、この2国が降格になったということは、そう。「ホッケー選手登録人口わずか888人」のスロベニアが、A残留を決めたのです。

スロベニアにとっては、大会最終戦となるvsオーストリア戦で勝てばA残留。引き分けでは降格というシナリオでした。オーストリアは地元チームでありますから、完全アウェイでの6−2という勝利は、オーストリアが8点リードで勝利しなければならなかったハンデを考慮しても、素晴らしい精神力の賜物と言えるでしょう。
しかもその前のvsデンマーク戦では1−3から逆転勝利。ドイツには1−9と完敗したのですが、ドイツがそのデンマークに負けてくれたことでチャンスが到来し、気持ちをきっちり入れ換えてのvsオーストリア戦勝利はすごいです。やはりディビジョン1で揉まれてきたチームならではの強さなのでしょうか? また旧ユーゴ諸国は、かつては日本と肩を並べていた諸国でもありますが、戦争と民族独立運動による国家分裂により、旧ソ連邦諸国同様にどん底からランキングを上げて来たわけで、そのあたりがこの逞しさの秘密なのでしょうか?


さらに、70年ぶりの2大会連続メダルは叶わなかったアメリカ。
優勝したチェコに準々決勝で敗れはしたものの、シュートアウトにもつれての惜しい負けではありました。まあ、チェコにとっては昨年地元開催での大会で、準々決勝でアメリカに痛い負けを食わされてもいたので、いいリベンジにはなったと思います。

で、話はアメリカvsチェコ戦に戻ります。
シュート数ではチェコが53−27と圧倒的な展開だったものの、アメリカGKディピエトロの活躍で、クロスゲームに持ち込まれていました。試合は負けはしたものの、ディピエトロはその働きを評価されて、各チームから3名選出される優秀選手(アメリカからは他にパリッシュ、クヌーブルが選ばれています)に名前を連ねていました。

実はこの試合前には、このディピエトロか、はたまた昨年銅メダル獲得に貢献したGKコンクリンを先発させるべきか? という小さな論争があったのです。というのも、これより先にアメリカ代表ピーター・ラビオレットコーチは、決勝ラウンドvsウクライナ戦の1−1同点で得たPSという大事な場面で、20歳のザック・パリシー(2003年ニュージャージー1巡目指名選手)を指名するというギャンブルに出ていたのです。結局パリシーはこのチャンスを生かせず。ベテランたちからは当然不満の声が上がり、指名されたパリシーは落ち込む・・・というイヤな空気がチーム内に蔓延していたのでした。まあラビオレットコーチとしては、当然勝利すべきウクライナという相手に対して苦戦していたことについて、ベテランたちへ檄を飛ばす意味でパリシーを指名したのでは? という声もあったのですが、その作戦が思い切り裏目に出たのは言うまでもありません。

しかし、負けはしたもののvsチェコ戦のラビオレットコーチの決断は正しかったと思います。アイランダーズを指揮していた頃から、ラビオレットコーチは、ディピエトロのことをよく知っていたはずでもありますしね。そのディピエトロ、今季はドイチェランドカップでアメリカ代表として出場した以外は、ちゃんとしたチームでのプレーはしてなかったそうな。ロングアイランドのローラーホッケーリーグで、なんとFWとしてプレーしていたというから面白いではありませんか。おそらく得意のパックハンドリングでも磨いてたんでしょうね? 

また日本代表関連にもなりますが、大会期間中のIIHF総会では、2006年世界選手権ディビジョン1の開催地、グループ分けなども発表されていました。

2006年ディビジョン1大会開催地は、グループAがフランス(アミヤン)、グループBがエストニアに決定。日本はグループA(ドイツ、フランス、ハンガリー、イギリス、日本、イスラエル)の大会開催をフランスと争ったのですが、66対27で決戦投票の結果開催権を逃しました。グループB(オーストリア、ポーランド、オランダ、エストニア、リトアニア、クロアチア)はエストニアとポーランドの争いで、56対45でエストニアが勝ち取ったそうです。

日本のいるグループA、なかなか手強い相手ばかりです。イスラエルの実力がちょっと図りかねるのですが、A復帰どころかこのレベルで対等に戦うこと自体、なかなか難しいことである気がします。

世界選手権オフィシャルHPはこちら
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by hockeyworldjapan | 2005-05-16 14:53 | その他

世界選手権もろもろ(その1)

まずは、チェコの選手のみなさん、世界選手権優勝おめ! 

思い起こせば、フリンカさんが昨夏事故で亡くなった直後の2004年ワールドカップ。準決勝でカナダと対戦した際には、OTではチェコの方が押してましたもんね。それを考えれば、「めざせ世界選手権3連覇!」とか、「世界選手権史上最強チーム」と唄われたカナダ(しかもカナダはロースター24人中、14人が今季ちゃんとしたチームに所属してプレーしてなかった)よりも、チェコ(今季は選手全員がヨーロッパでプレー)の方が勝って然るべきだったのかも知れません。

で、大会優秀選手が発表されてますので、まずはその話題から。

大会MVP:ジョー・ソーントン(大会スコアリングリーダー、6G10A)
ベストDF:ウエイド・レッデン(カナダ)
ベストGK:トーマス・ボクーン(チェコ)
ベストFW:アレクセイ・コバレフ(ロシア)
ベスト6:GKボクーン、DF二クラス・クロンウォール(スウェーデン)、マレク・ジドリツキー(チェコ)、FWソーントン、リック・ナッシュ(カナダ)、ヤロミール・ヤーガー(チェコ)

個人芸ということになると、やはりカナダの2人(ソーントン&ナッシュ)は触れずにはいられません。この2人は共に今季はスイスリーグ・ダボスでプレーしており、世界選手権でもラインメートとして大活躍していました。
ダボスのメンバーとして、12月31日にスペングラーカップで優勝、スイスリーグ優勝を飾っており、世界選手権で優勝すれば今季3冠。ソーントンに至っては、2004年ワールドカップも合わせると4冠がかかっていただけに、今大会で銀に終わったのは無念ではあったでしょうね。

MVPこそソーントンがかっさらっていきましたが、大会前半で目立っていたのはむしろナッシュの方。その活躍ぶりは、ひとえにナッシュのゴールのお陰で、カナダは勝てた試合もあったといっていいほど。しかし今大会中のナッシュには、ちょっとしたトラブルもありました。

ナッシュは、決勝ラウンドvsスウェーデン戦(5−4でスウェーデンの勝利)で、レフェリーをスティックで引っかけ、ラインズマンを押しのけるという所作が問われ、その処遇が注目されていました。というのは、この試合を放映していたスウェーデンのTV局がその試合部分のビデオをIIHFに提出し、ナッシュの処分を求めていたからです。

IIHFでは、大会チェアマンを務める富田正一IIHF副会長も含め、このプレーを協議。結局このプレーは「故意ではない」と判断されて、ナッシュはお咎めなし。そして晴れて出場したvsウクライナ戦では、このナッシュの大会9ゴールめが決勝弾となり、カナダが2−1で辛勝・・・というシナリオになりました。

が、不思議なことに、カナダ人の記者たちからは「あのフッキングは明らかに故意。NHLなら3〜5試合出場停止」と、冷静な意見が聞こえていたのです。とある記事は、OHL時代にナッシュがレフェリーとの接触で5試合出場停止になった件に触れ、ナッシュが「あの接触は故意ではなかった。この判定はビョーキだ!」と猛反駁していたことまで説明。ま、出場停止になっていたら、カナダのメディアからの反響はその程度で済まなかったのかも知れませんが、興味深いカナダ人記者たちのリアクションではありました。

話題はチェコに戻ります。

そういえば、大会とは直接関係ないのですが、チェコ関連で気になったのが、パトリック・エリアシュがA型肝炎を発症したというニュースでした。

エリアシュは今季当初、チェコリーグでプレーしていたのですが、その後かつてのチームメートであるピーター・シコラと共に、ロシアリーグのチームに移籍。ロシアに移ってからどうも発症したらしいのです。

この記事によると、A型肝炎は通常水や食べ物などを通して経口感染する。まだ衛生管理ができていない国での感染が多く、エリアシュはロシアでプレー中に食べ物から感染したと見られている、とのこと。特効薬があるわけでないので、休息と食事が治療方法となるそうです。

エリアシュが症状に気づいたのは3月上旬。最初は高熱が1週間ほど続いたので、風邪かと思っていたそうです。しかし症状が収まらないので、代理人が工面した専用機でチェコに戻り、3月11日プラハの病院に入院し4月7日まで病院暮らし。つい最近アメリカに戻って来たんだそうです。全快するにはあと3〜6ヶ月はかかるとのデビルズのチームドクターの診断が出ており、来季トレーニングキャンプに間に合わないかも。発症後は30パウンドも痩せてしまったそうで、治癒後の体力回復も気になるところであります。

2004年11月3日ラトビア・リガでの試合で急逝したセルゲイ・ジョルトク同様、ロックアウトさえなければ、エリアシュもNHLで病気することなく元気でプレーを続けていたのかも・・・と考えると、複雑な心境になります。そういう意味でも「もうイイ加減ロックアウトやめて」と呟きたくなる私ではあります。

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by hockeyworldjapan | 2005-05-16 13:15 | その他

世界選手権@オーストリア

始まりましたね〜、世界選手権@オーストリア。

っつっても、もう予選ラウンドは終了してます。
ちなみにここまでの経過はこんな感じ。カナダ、チェコ、スウェーデン、スロバキアが各組1位になってます。旧ソ連邦から独立したカザフ、ウクライナ、ラトビア、ベラルーシが健闘中。逆に、地元オーストリアに、ドイツ、デンマークがちょっと元気がない。さらに、ディビジョン1からの昇格組であるスロベニアは苦しい戦いが続いています。

で、この予選ラウンドを通じて、小ネタを拾いましたので、こちらでお知らせすることにします。
(除:カナダ代表。情報が多すぎてここには収まらないので、カナダについては改めてまた後日。取り急ぎカナダファンのお方は、スーレーvsターコの練習中乱闘シーンでもご覧あそばせ。しっかし、キャプションがないとこれがターコだって誰も分かんないんだけど)

まずは、スロベニアから。
かなり旗色悪そうな出足ですが、まず驚いたのがスロベニア国内のホッケー登録選手数がたったの888人(!)という事実。(注:ちなみに日本は3万人弱と言われています)しかも、成人男子に至ってはたったの103人。なんと少数精鋭な人たちなのでしょうか。まるで「ミステリーアラスカ」の世界を彷彿とさせますわ。

世界選手権出場はこれが3回め(過去に2002年、2003年と出場)。ヘッドコーチはフィンランド人のカリ・サボライネンが務めています。そのスロベニア代表で、いま最も注目されているのが、アンゼ・コピターという17歳のFW選手です。
コピターは、過去にディビジョン2のU18大会、ディビジョン1のU20でベストプレーヤー、ベストFWに選ばれた経験の持ち主で、2003−04年は弱冠16歳でスロベニアトップリーグでプレー。日本でいえば、アジアリーグで高校1年生が混じってプレーするようなものです。

今季はスウェーデンのジュニアリーグでプレーし、スコアリングでリーグトップの成績を残したとか。そのおかげで英語もマスターしており、CSBランクも10位に浮上。すでに、大物代理人として知られるドン・ミーアンが後ろ盾についてるそうで、「スロベニアのシドニー・クロズビー」との異名さえ聞こえてきています。このコピターは1987年生まれなのですが、デンマークには1986年生まれトリオというのが存在する。下位リーグに回った諸国でも、こうして新しい選手たちが着々と育っているという事実は見逃せません。逆に、日本でそういう若手が出て来ない理由を、真剣に考えなければいけない時期に来たか? とも思えます。

一方、NHLなら気になるのが、「スイスのゴーリー、なんでアービシャーが出てないの?」という疑問。2月の五輪予選でも、マーティン・ガーバーが1番手として選ばれ、アービシャーはメンバー入りすら果たせませんでした。

ちなみに、今回の世界選手権では、アービシャーはいちおうスイス代表3人のゴーリーには名前を連ねています。しかし、予選ラウンド3試合ここまででまだ出番はなし。そのあたりについては、スイス人記者さんがこんな記事を書いてました。要約するとこんな感じです。

「今季は故郷フライブルグでプレーが予想されたアービシャーだが、フライブルグ関係者によると『アービシャーは我々が出せるよりずっと高い金額を要求した』とのことで物別れに。しかしワンマンで知られるフライブルグGMが、アービシャーのようなスター選手は欲しがらなかったという説も根強い。ちなみにアービシャーの代理人によると、アービシャーが要求したのは年俸12万フランで、これはスイスリーグの平均値だったそう。

フライブルグでのプレーを断念したアービシャー陣営は、第2候補としてローザンヌと接触。ローザンヌはアービシャーの故郷からわずか車で1時間と好条件にあったが、すでにこのチームはマルタン・サンルイ獲得を決めていており、結局アービシャーが行き着いたのはルガノだった。億万長者のジオ・マンテガッツァ氏所有のこのチームには、すでにロニー・ルーガーという1番手ゴーリーがいたが、ルガノはアービシャーを他チームに取られたくないがために、アービシャーと契約。シーズンを通じてアービシャーを2番手として飼い殺し状態としたのだ。

もちろん、この状況はアービシャー本人にとっては非常に不本意。2004年年末のスペングラーカップでは、そんなアービシャーの境遇を知ってか、スパルタプラハがワンポイントで契約を申し込んで来た。しかしそれまで十分な試合出場もままならなかったアービシャーは、スペングラーカップ第1戦で途中交代の屈辱を味わってしまう。
そんな彼には、2月の五輪予選でもスイス代表からお呼びがかからずしまいだった。

そして、さらなる困難がアービシャーに降り掛かる。スイス代表の五輪予選中ブレイクに合わせて、アービシャーはなんと、ルガノのファームチームでプレーする惨めさを味わっていたのだ。その試合は、チームが国内2部リーグ転落を防ぐのに大事な試合だった。その試合の対戦相手チームは、クレージーなオーナーで有名らしく、このオーナー直々に選手たちへ『アービシャーの守るゴールになだれ込め』と命令したんだとか。

ただそのあざとい戦術には、なんとかケガなく切り抜けたアービシャー。そしてルガノ1軍でプレーオフで出場のチャンスが巡って来た。アービシャーはいいプレーをしていたのにもかかわらず、ルガノはファーストラウンドで1勝3敗と追い込まれた。そして大切な第5戦にアービシャーは出してもらえず、結局ルガノはプレーオフ敗退。レギュラーシーズン1位のチームが、スイスリーグプレーオフのファーストラウンドで敗退したのはこれがスイスホッケー史上初の不名誉な記録となってしまった・・・」

う〜ん、こんなことがあると、来季NHLが開幕した後でもトラウマ化してしまわないかと不安。特にゴーリーというポジションは、ある程度まで行った選手であれば後は精神性というか、自信でプレーするような部分がありますし。

NHLロックアウトが、思わぬ形で選手に影響を与えたほんの一例でありました。

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by hockeyworldjapan | 2005-05-06 15:57 | その他

ブラックバーンの挑戦

ブラックバーンが、曲がったシャケになりました。
(注:ブラックバスが、新巻シャケになったのではありません)

「ブラックバーン」とは、ダニエル・ブラックバーンのことです。「曲がったシャケ」とは、ECHLヴィクトリア・サーモンキングズのこと。そのチームロゴを見て頂ければ一目瞭然かと思います。

ブラックバーンは、2001年ドラフトでNYレンジャーズに全体10位で指名されました。そして2001年10月10日にいきなりNHLデビューを果たし(18歳143日でのGKとしてのNHLデビューは、リーグ史上4位という若さでした)、このシーズンは1軍定着して12勝をマーク。翌2002−03年も1軍で活躍するという順風満帆なキャリアを送っていた選手です。

しかし悲劇は2003年夏に訪れます。

体力アップが今後の課題とされていた彼は、ウエイトトレーニング中に左肩を痛めてしまったのです。その後手術でその負傷を直そうとはしたのですが、結局完治には至らなかった。左肩に問題ということは、左腕の動きに制約があるという意味であり、ゴーリーにとってはグラブハンドの動きに影響してしまう。ましてや、ポジショニングなどの技術よりはむしろ、反射神経に依存するスタイルだったブラックバーンにとっては、これは致命傷となります。(以前にNHLでは、ダレン・プッパというGKがおりました。ライトキャッチングだったプッパの場合、痛めたのは右肩でしたが、右腕が肩より上に動かなかったとか。そのせいかキャリア終盤はかなりボロかったです)

そのブラックバーンが今、苦境から這い上がろうとしているのです。

彼が辿り着いたのは、な、なんとブロッカースタイルのグラブ(通常はスティック持つ方に付けるグラブです)をグラブハンドに付けるという離れ業。通常のキャッチンググラブではうまくパックを掴めないという問題に直面したブラックバーンは、「それならグラブハンドでパックを弾いてしまえばいい」という発想でこのアイデアに至ったそうです。「そんな改造用具、NHLの用具Gメンが許さんだろうか!」とつい考えてしまうのですが、実はすでに2週間前にNHLからも承認されたんだそう。これでブラックバーンが好成績を残せば、新しいGKスタイルの誕生となるかも知れませぬ。う〜ん、興味深いです。

彼の努力は新用具開発だけに留まりません。2004年夏は、自己のゴールテンディングスタイル研鑽に勤しむべく、NHLでも有数のGKコーチであるイアン・クラーク(現カナックスGKコンサルタント、福藤選手もECHLシンシナティ時代に教わったことがあります)の下で練習実施。その後はレンジャーズ新GKコーチのベノワ・アレールにも師事し、スキルアップに励んだのだそうです。

さてこれでECHLヴィクトリア・サーモンキングズのNHL選手獲得は、3人め(デイル・ピュリントン:ラフプレーのため残り試合出場停止、マイク・スミス)となりました。サーモンキングズはご存知の方もいらっしゃると思いますが、福藤選手の所属するECHLベイカーズフィールド・コンドルズにとって同ディビジョンチーム。これまでは弱小チームとして知られていますが、ヴィクトリア遠征時にはコンドルズはケガ人などが祟ってチーム絶不調で失点が嵩んだという苦い経験がある上に、ここに来て戦力アップでやな感じです。

で、なんでみんなシャケ軍団の一味、もとい一員になるかというと、サーモンキングズはECHLで唯一のカナダのチーム。よってカナダ人選手は労働ビザ取得の必要なく、契約のみですぐ出場が可能になるというお手軽さがあるようです。ただしNHLでは85万ドル稼ぐ彼も、ECHLでは週給750ドル生活です。

ブラックバーン、シャケと契約に至る前には、ECHLシャーロット(NYレンジャーズ傘下チームでもあります)で3週間練習済らしいですから、すぐ試合に出場できるかな〜と思ってたら、すでに試合出場を果たしています。2月5日vsフレズノ戦は5−4でPS勝利。いや〜、現地はかなり盛り上がったことでしょうね。

またECHL、見たくなっちゃいました。

ちなみにECHL、来季フェニックス(名前はかつてのマイナーリーグチーム同様、ロードランナーズに決定、NBAサンズのオーナー所有で、アメリカウエストアリーナ。チーム社長にクロード・ルミューが就任ですって!)、また来季からアトランティックシティがカリフォルニア州ストックトンに移転する予定です。

ブラックバーンの「ブロッカーグラブ」はこちらでチェック
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by hockeyworldjapan | 2005-02-06 18:10 | その他

国立代々木競技場で最後の試合?

国立代々木競技場には、それなりに思い入れはあります。
83年に開催された世界選手権には、ほとんど毎日足繁く通いました。日本リーグや全日本選手権での盛り上がりも知ってるし、NHL開幕戦でのあの昂揚感はいまでもはっきりと覚えています。

でも3年ぶりにホッケーの試合の取材に来てみて、真っ先に感じたのは現在の日本における閉塞感ってやつ。はっきり言います。場内は暗くて寒い。また観客席が遠浅状に広がってるせいで、試合が非常に観づらい。背番号はよく分からないし、選手の顔が完全に逆光になってしまって顔でも識別しずらい。併設された売店だって小さい。

代々木との最初の出会いからはや20年以上が経過した今、私はその間に多くの最新設備を海外で目にしてきました。最新のアリーナといえば、可動式の座席で競技間の早変わりなんてお手のもの。アリーナ上部にはコンピュータグラフィックを駆使したスコアボードが下がり、スイート席から通じるスタイリッシュなレストランは、お洒落人間の社交場と化す。アリーナによっては、無線LANとかも完備してたりする。

そんな知恵をつけた後、改めて代々木の現状を見ると、寂しい気持ちを通り越して諦めモードになったりもするのです。

しかし、かくいう私も代々木と同じ60年代生まれ。
いわば「糟糠の妻」状態の代々木を、「過去の遺物」呼ばわりするのは、まるで自分がそう呼ばれてるような気がして非常に辛いのです。

国立代々木競技場は、今シーズンをもって冬季アイススケート場としての営業を終了することを決定。ゆえに、日本のアイスホッケーの数々の舞台を提供してきたこのアリーナでの、今後のアイスホッケーの試合の開催が非常に厳しくなってしまいました。1月15、16日の両日、代々木で開催された集結シリーズが最後になってしまうのかも。試合の熱戦をよそに、これまでの代々木で経験してきた思い出への感傷と、日本のアイスホッケーにおける危機感を一段と強めた関係者やファンの方も多かったのではないでしょうか?

そんな私なんかより、ずっとずっと辛い思いをされているのが、君塚晋氏(日本アイスホッケー連盟常務理事・事業本部長)。古くからこの代々木で氷作りや大会運営を支えて来た君塚氏とのインタビューを、こちらに掲載したいと思います。


HWJ:今回の競技場側の決定はどう受け止められましたか?

君塚氏:代々木は僕が育った場所。ここで氷作りを覚えたんです。思い入れが強いだけに、ここがもう営業しなくなるのは寂しいです。イベントやコンサートでの利用もいいが、スポーツの拠点としても今後もっと使って欲しい。収益面だけを見るのではなく、こうしてホッケーでも盛り上がる大会があるのだから、今後も残して欲しい。夜中寝ないで氷を作った頃のことを考えると、なおさらそう思います。

世界選手権(’77年)の時はここが満員になったんです。階段や通路のところまで人が埋まっってました。東京からこうした大きなリンクが消えてしまうのは、アイスホッケーにとって実に大きなマイナスです。

その知らせを聞いた後、私は何度かお願いに出向いたのですが、私と(競技場側)場長さんのやりとりのレベルでは、それ以上話が進まない。上から「採算が合わない」と言われたら辞めるしかないの一点張りです。

昨日(1月15日)、この話題が(日ア連)常任理事会で出ました。このまま黙って引き下がるわけにはいきません。世界選手権(ディビジョン1)をここに誘致すべく、日ア連で動こうじゃないかと、富田会長(日ア連)もおっしゃってくれた。ここでもう一度大きな大会を開催し、その存在が認知されるようにするのも連盟の仕事です。可能かどうかは別として、我々が努力しないとダメです。

HWJ:代々木でのアイススケート場営業終了の知らせはいつご存じでしたか? その決定に至る具体的問題点とは?

君塚氏:冬季リンク営業を中止すると聞かされたのは、1年ほど前でした。現在代々木の経営は、文部科学省から独立行政法人として切り離されてるのです。つまり、ここだけで収益を上げないと成り立たない。国からの補助金はありませんから、事業を見直す必要があったそうです。実際のリンクの一般営業は、1日に10人程度しか入らない。当然維持費も赤字です。そこで「もうリンクの一般営業はやらない。イベント主催者側が経費を負担するのであれば、リンクの設営はもちろんしていただいて構いませんし、会場はお貸します」というスタンスを打ち出してきたのです。

これについては「もう決定事項です」というのが競技場の見解でした。つまり、大会を開催したければ、氷やフェンスの設営は自前で全部やれとということです。ただ2日間の大会を実施するのに、現在の代々木のシステムだと氷などの準備期間が2週間かかる。さらに大会終了後、撤収するのに3、4日はかかります。よって2日間の試合のために、数週間会場を押さえる費用も発生します。NHLチームのホームアリーナなどは、一晩あればリンクから他イベント設営へと早変わりができるのですけどね。

自前で設営まで負担するとなると、世界選手権レベルの試合を誘致しないと代々木での開催は厳しいです。アリーナ賃料以外にも、入場料の数%を競技場側に支払うことになりますし、設営のための労働力に対しても報酬が発生します。観客席下の倉庫からフェンスなどの資材を台車で全部運ぶ作業だけでも、40〜50人の人手が必要。いったんフェンスが固定できればその半分の人数で済みますが、フェンスのボルト締めなどは全て手作業なので、非常に時間がかかる作業なんです。

HWJ:先程NHLのホームアリーナの話が出ましたが、施設としての代々木の実力についてはどうお考えですか?

君塚氏:まず代々木でのリンク設営は、非常に多くの経費がかかるという問題があります。新横浜や東伏見のように、コンクリートの上にアイスマットが敷いてあるのではなく、リンクの下が空洞なんです。その空洞の上にまず板を張って、その上に冷媒用パイプを通しているため、どうしても下部分から暖まってしまう。なので他リンクと同じ具合に冷やしても、氷の固さが異なってしまうんです。しかし冷やしすぎると、下が何もないので重みで氷にひびが入って割れてしまう。ゆえに氷を維持するのにも大変なリンクです。冷凍機も東京五輪当時からの備え付けのものを使用している状況です。

ファンに対し、観てて楽しいものを提供するには、観戦する環境をよくしていかないとダメです。観客席にしても傾斜をつけて見やすくするよう改修できればいいのですが、建築家(丹下健三氏:国立代々木競技場他、東京都庁の設計者として世界的に知られる)の承認がないと、手直しできないと言われるのです。また公式の水泳大会を開催する予定がないのなら、空洞の部分を埋める工事をすればいいのですが、経費削減が叫ばれる昨今はそんな支出はなかなか許可されません。

ただ、できないと諦めてしまってはダメなんです。その現状を変えないといけませんし、ホッケーの大会を開催しないことには、リンクとしての存在意味もアピールできないし、収益も上がらない。今年の国体東京開催(代々木、東伏見、東大和と3カ所で同時開催)で、今年は全国から代々木に人が集まって来ますから、そこで多くの人に代々木の必要性を分かってもらいたいとも思っています。東京での冬季国体は初のことですし、大きな意味があると期待しています。

その他、ひとつの糸口として考えられるのは、文部科学省で始まったスポーツくじの収益金で「スポーツの拠点作り」という事業。各スポーツにとって「甲子園」的存在になる拠点をつくろうという動きで、そういう資金を代々木改修につぎ込むことは可能なはずなのです。しかし代々木の独立法人側がその気にならない。スポーツ団体として我々連盟側からプッシュはしていますが、東京都などからの支援がないと厳しいです。

HWJ:今後代々木での開催が断念せざるを得ない場合、代案として大きな会場はどこが考えられるのでしょうか? また一連のコクド・西武鉄道グループの不祥事から、同グループ下のリンクの営業存続も懸念されていますが・・・

君塚氏:他の競技場でもリンク設営は可能です。例えば東京体育館でも理論的には可能ですが、問題は冷凍機やフェンスを他所から持ち込むという部分。その点代々木にはすでに備え付けのものがあるし、その機材も長期間使用しないと傷みが激しくなるので、年に1度は使ってやらないといけないのです。さいたまスーパーアリーナ(2000年NHL日本開幕戦開催)については、構造上の問題があるため、再びアイスリンクを設営するのは非常に難しいと考えられます。

都内のリンク減少については、日ア連、東京都アイスホッケー連盟が東京都とタイアップし、自治体所有の多目的アリーナを作って欲しいと思います。また都内ではないですが、現在千葉市で新リンクを建設中です。清掃工場の余熱を利用できるので維持費は軽減できるのですが、観客席がないため試合開催ができないという難点があります。成田からも近い千葉市ですから、外国から招待したチームはすぐ寄れるという立地の良さもあるわけですから、大きなものを建設して欲しかったのですが。

ただ我々の過去の反省として、これまで連盟側が「もっと大きなものを」という考えが最初からなさすぎたと思うのです。堤義明氏(前日本アイスホッケー連盟会長)の下、連盟関係者は「堤氏がいるから、なんとかしてくれるはず」という依頼心が強すぎたlこともありました。今後はもっと我々が何事も積極的に関与していかなればと自覚し、そう動いていくべきなのです。


アジアリーグ公式HPでは、国立代々木競技場アイススケート場史についての記事が掲載されています。ぜひこちらも合わせてご覧下さい。)
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by hockeyworldjapan | 2005-01-17 12:21 | その他

トリノ五輪最終予選 日本代表発表

代々木集結1日め、行かれた方は楽しまれましたか?
ちなみに外見気にせずとにかく厚着しまくった私は、めでたく3試合完走です。
長いコートに、足元はジーンズをブーツの中に入れる。これが鉄則かな?

その本日、トリノ五輪最終予選グループA@スイス・クロテン(2月10日〜2月13日)に出場する日本代表メンバーが発表されました。以下はそのリストです。

団長:信田憲司
監督:マーク・マホン
コーチ:坂井寿如
GK:菊地尚哉、春名真仁、福藤豊、荻野順二
DF:宮内史隆、小堀恭之、キャラー・アーロン、河村正博、伊藤賢吾、大澤秀之、山口和良、高橋淳一
FW:藤田キヨシ、鈴木貴人、今洋祐、ユール・クリス、内山朋彦、神野徹、小原大輔、桜井邦彦、岩田康範、齋藤毅、奥山章文、伊藤雅俊、酒井隆行、石岡敏、西脇雅仁

今回のメンバーは初代表入りが9人と、非常にフレッシュな顔ぶれとなっています。
このうち、DFは7人、FWは13人、GKは3人が最終エントリーとなります。
このメンバーについて、マホン監督は「今回選出した選手は、ウチがやりたいスタイルを国際舞台で発揮できるようなメンバーだと自負している。若さと経験がうまく備わったチームとなるだろう。代表チームの趣旨として若い選手を育てることが必要だし、彼らが成長するできるよう押し上げていきたい。五輪予選は大きなチャレンジだがこの機会を楽しみにしている。長野カップなど、いいスケジュールが整ったし、いい準備ができると思う」と語っています。

GKについては、福藤選手の合流についてまだ現在「交渉中(坂井コーチ)」という段階のため、現在は4人を選出したという説明でした。福藤選手は長野カップの出場は無理。現在は最終予選になんとか間に合うように、現在福藤選手が在籍するECHLベイカーズフィールド、福藤選手を指名したNHLロサンゼルス・キングズと、日本代表スタッフが交渉している最中だそうです。マホン監督の話では「現在ロックアウト中のNHLが今季シーズン全面中止となれば、福藤が最終予選に出場できる確率は増えるかも。彼の成長のためには、これらの試合に出ておく必要があるとキングズには説明しておいた。ECHLはいいリーグだが、五輪予選の方が彼にとってより高いプレッシャーを経験して成長できる機会になる」とコメントしていました。

日本代表の今後の主なスケジュールは、以下の通りです。
1月19日〜25日:軽井沢にて合宿
1月26日:vsカナダ戦@東伏見(19:00)
1月28日:長野カップvsカナダ@ビッグハット(18:30)
1月29日:長野カップでのイベント、キッズアイスホッケークリニック
1月30日:長野カップvsロシア@ビッグハット(14;30)
2月3日:スイスへ移動
2月5日:強化試合vsチューリッヒ・ライオンズ
2月6日:強化試合vsクロテン・フライヤーズ
2月10日:最終予選vsスイス
2月12日:最終予選vsデンマーク
2月13日:最終予選vsノルウェー

対戦相手について、マホン監督はこう語っています。
「スイスが一番の強敵。ここ5、6年で非常に向上しているし世界ランクが9位。NHLロックアウトのおかげでGK2人がNHL選手(アービシャー、ガーバー)となる。デンマークはよく知った相手で、昨年の世界選手権では3−4で負けた。ノルウェーは今年世界選手権で対戦する相手。スケーティングがうまくスカンジナビアのチームだが、組みし易しと思っている」
「日本のスピードを生かしたい。昨季の世界選手権では非常に守りにいい基本ができていたと思う。ハードワークと守りは今後も主軸としたいが、攻撃面でもっと効率よくしたい。守りで頑張る必要があるが、試合に勝つには攻撃面が必要。チャンスをもっと作ってゴールを挙げたい。デンマークとは再戦になるし、ノルウェーは今年の世界選手権@ハンガリーでも対戦するので、その意味でもいい戦いをしたい。スイスについても、厳しい相手ではあるが1試合勝負だから分からない。相手は地元開催でプレッシャーもかかることだろう。」
「スイスについてはドイチェランドカップの試合をテープで観た。各国内リーグの休み期間に開催された大会だから、そこで出場していたメンバーがおそらく代表メンバーに近いと考えられる。デンマークについてはケガ人が続出しない限り顔ぶれは変わらないと思う。ノルウェーは、昨季デンマークをスカウトしたテープの相手がずっとノルウェーだったから情報は十分と見ている。」

この記者会見には、富田正一日ア連会長も同席し、アジアリーグの今後について以下のように語りました。

1)韓国の新チーム来季参画(カンウォンランド)が決定。
2)今年ロシア沿海州ウラジオストクに新リンクが建設されるので、今後極東からもう1チーム参画する可能性もある。
3)中国は今後強化が必要。中央政府がいくら予算を黒竜江省に出すかで今後が決まる。
4)ハバロフスクの選手、日本の大卒の選手を含め、外国人選手制度を見直す必要がある。それによってリーグのレベル均一化をできるだけ経済的に実施したい。

さらに富田会長は、日光アイスバックスの新オーナー就任の件にも触れ、「日ア連としては承認の方向で考えている。今後は兵庫県連盟との折衝が必要」ともコメントしていました。

そのバックスは、現在アジアリーグトップを走るコクドに3−1と快勝。
なんと私ごとですが、古河電工から日光アイスバックスへと生まれ変わって以来、バックスがレギュレーションタイムで勝利した試合を、私はやっと目撃することができました。これでもう疫病神扱いされずに済みそうです!
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by hockeyworldjapan | 2005-01-15 22:36 | その他

ここまで来たか! クロズビーマニア

2005年エントリードラフト全体1位間違いなしと言われる怪童、シドニー・クロズビー。先日アメリカ・ノースダコタ州で開催されていた世界ジュニア選手権でも、その卓越したスキルを十分発揮していたとの報道でした。

そのクロズビーが世界ジュニア選手権で着用したジャージが、大会開催地のアメリカ・ノースダコタ州からカナダに帰国するまでの間に、忽然と消えるという騒ぎが勃発しました。消えたのは、大会決勝でクロズビーが着用した赤ジャージで、どうも盗難に遭ったものと見られています。

ホッケーカナダでは、スマトラ沖地震・津波の被災地救援チャリティの一環として、カナダジュニア代表が着用した白ジャージをe-Bayのオークションに掛けていたのです。しかしクロスビー本人が貰えるはずの赤ジャージが紛失した今、「クロズビーにとっては初の世界ジュニア出場。自分のジャージを貰う権利はあるだろう」というホッケーカナダの配慮で、オークション対象から外されたそうです。オークションでクロズビーの白ジャージは、既に2万ドルという高値をつけていたのですが、

優勝した瞬間に身につけていた赤ジャージを盗難されたクロズビー本人は、かなりショックを受けていた模様。クロズビーの代理人はジャージ捜索に有力な手がかり提供者には、お礼のご褒美を用意しているとも呼びかけてるんだそうです。

う〜ん、確かにクロズビーは素晴らしい選手です。
私は昨年7月のLAキングズ若手評価キャンプの際に、クロズビーの練習風景を観てはいるのです。上背は高くないのですが、あの攻撃センスに視野の広さ、そしてあのひときわ大きなお尻から繰り出すバランス絶妙のスケーティング。守りにもよく戻るし、コーナーにも怖じけずに入っていくところは、最近のカナディアン風味な選手と言えるでしょう。片手でコーナーからパックもって出て来て、そのままハンドリングしながら片手でシュートした時には、もう私はぶっ飛びましたわ。

でもね、最近の過熱ぶりはやっぱり異常。
そもそもまだNHLエントリードラフト指名資格もない年齢なのに、なんで昨年7月LAキングズの若手評価キャンプに参加できるのかい? という素朴な疑問がありましたし(まあ、おかげで私はいいもの見させてもらいましたけど)。

クロズビーが大丈夫でも、周りの大人たちの存在が心配です。

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追記:その後クロズビーの赤ジャージが、モントリオール警察によって見つかったとの報道がありました。しかしまだその真贋が明らかでないため、現在はホッケーカナダに調査協力を依頼中とか。またカナダ控えGKの唯一出場した試合のパックも、カナダに戻るまでの経路で紛失騒ぎがあった模様。
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by hockeyworldjapan | 2005-01-08 17:06 | その他