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福藤豊選手独占インタビュー

c0012636_8481455.jpgお待たせしました! HWJによる福藤豊選手独占インタビューの模様をお知らせいたします。

インタビューをお願いしたのは、8月15日。8月11日に福藤選手が帰国し12日にスポーツ紙による一斉報道がありました。そして土日を挟んでの月曜日だったこの日、コクド合宿所の電話は鳴り止むことがないほどの大反響。取材問い合わせは実に40件以上に昇り、18日の記者会見には取材陣総勢70人が押し掛けたそうです。こんなにホッケー関係でメディア関係者を目撃したのは、NHL日本開幕戦以来の出来事ではないでしょうか?

会見後も福藤選手は、練習の合間を縫ってインタビューに応じていました。とにかくぎっしりのスケジュール。ひと通り取材を済ませて故郷・釧路に帰省するまでは、なかなか気の休まる時間はないように思えます。東伏見には入れ替わり立ち替わり、メディア関係者がやってくるという感じです。しかし当の福藤選手「別に気にならないです。こういうの嫌いじゃないですから」と、常に真摯に対応しておりました。

ちなみに気になる福藤選手の契約内容ですが、契約期間は2年。NHLなら年俸45万ドル、AHLで年俸3万5000ドル。ともにリーグ最低年俸です。またECHLでプレーした場合はAHLと同額年俸を得ることになりますが、ECHLではサラリーキャップがあるのでECHLチームで支給出来る額を支払い後で、差額をAHLチームが支払うという形になるそうです。NHL、AHLと2つのレベルにまたがってプレーした際には、日割り計算で給料がはじき出されます。

2年契約は、労使協定に則っての期間。通常NHLルーキーが得る最初の契約(エントリーレベルコントラクト)は3年契約ですが、これはジュニア卒業直後の選手にあてはまります。22歳の福藤選手にはそれより1年短い2年契約という期間が指定されており、年長の選手を出来るだけ早くFAにするという意図がそこには窺えます。また昨季1シーズンを北米でプレーした福藤選手には、キングズ側からQO(クオリファイイングオファー:制約つきFA(RFA)となった選手の交渉権留保のための最低ベースアップ額提示。NHLニュースを毎日フォローされているみなさんにはもうお馴染みの用語ですね)が来ていたため、この1年契約QOを受け入れ今季頑張り、翌年FAになる前に大幅年俸アップを狙うという手も代理人は模索したそうです。QO受け入れ期限は8月15日と迫っていましたが、実際にキングズ側はそのQOよりも有利な内容、つまり2年契約を福藤選手に提示してくれました。福藤選手にとって、金額は問題ではなく、それより欲しかったのはプレー機会。契約期限は8月30日とまだ先でしたが、未契約で日本には帰りたくなかったので、帰国前にサインを済ませたそうです。

・・・と、状況説明はこれくらいにしてと。それでは、早速インタビューに行ってみましょう!


HWJ:まずは契約した時の状況を詳しく教えて下さい。

福藤:契約書ですが、詳細は何枚かに書かれていたはずですが、サインするために手元に贈られてきた内容はたったの1枚でした。25日の朝にホテルで受け取りました。フェデックスで送られてきたのを、フロントの人が渡してくれたんです。最初は中味が何だか分からなかった。朝ご飯を食べにいったら、「あなたホッケープレーヤー?」とフロントの人に聞かれ、「そう」と答えると、「今、メールが届いてるから持ってくるね」と言われた。差出人がキングズからだったので「なにかなこれは」と思っていたら、「こういうオファーを送ります」という内容が・・・アシスタントGMケビン・ギルモアの名前での書かれていました。

その後はしばらく、ホテルの部屋に普通に置いておいたんです。ルームメート(Dリチャード・ペティオット)も同時期にサインしたけど、彼は全部代理人任せ。ルームメートには「これは何だ?」と聞かれましたよ。「こういうオファーが来たんだよ」と説明したら「そうなんだ、よかったね〜」と喜んでくれた。その後、8月9日午後3時頃にキングズのオフィス(@練習施設トヨタスポーツセンター)でサインしました。サインする前日には、代理人と電話で話して「日本に帰る前にサインしたい」と伝えました。1年契約の構想も出来ていたらしく、代理人からは1年か2年かどっち? と聞かれました。僕はキングズがちゃんと面倒を見てくれるのなら、2年がいいと伝えました。ルームメートにも相談しましたよ。「僕はお金はいいんだ。とにかくプレーしたいんだ」と伝えると「その考えはいいんじゃない?」と賛同してくれた。

キングズのオフィスは、宿泊先ホテルから徒歩5分の位置にあります。代理人が段取りを整えてくれて、「3時にオフィスに行くように」と言われた。サインしたのは、キングズPR担当者のオフィスです。サインですか? 自分の名前を書いただけ。英語です。ちょっと緊張して震えましたけど。まあ「やっとここまで来たな」という想いはありましたね。

(HWJ裏話:福藤選手、実は年俸額をともに2年分だと勘違いしていたのです。つまりAHLでプレーした場合の3万5000ドルという年俸が2年分だと思っていたそうで。「AHLだと住むところとかチームが負担してくれないんですよ。この金額だと辛いな〜」と、コクド関係者に漏らしていたそうです。その後1年分の年俸が3万5000ドルと知ると、ちょっとにんまり。しかしAHLは週給のECHLと違い、一度に年俸が支払われる(と福藤選手)そうなので、「一気に使っちゃったらどうしよう」と今度は別の心配もしていました)

HWJ:周りの人たちの反応はどうでしたか?

福藤:友達の反響はすごかったですよ。みんなお祝いの電話やメールをくれたり・・・。意外だったのは、母親が興奮していたこと。「すごいねあんた!」って(笑)。そういうことを言う人じゃないのに、状況が分かったらしくて。

成田に大勢マスコミがいたのにはびっくりしました。その後記者会見を控えていたこともあって、広報の人が仕切ってくれた。なんかすごいっすよね。僕は話してもよかったのに間に人が入ったりして。予想外でした。僕の友達が来てくれていたので、僕が「おーい」と呼んだら、いきなりパシャパシャ、パシャパシャとシャッターを切られて・・・なんだこれって感じでした。

HWJ:イメチェン後のヘアスタイルの評判はどうですか?

福藤:よく「変わったね」って言われます。成田では、迎えに来てくれた大北さん(HWJ注:コクド・大北教彦アシスタントマネジャー)は、素で僕のことが分かんなかったようです。

日本に戻る前に一度髪の毛は切ったんです。色もちょっと黒くしました。日本に帰るのにあれじゃまずいなと思って(笑)。このヘアスタイルのせいで、アーノルド坊やというニックネームがつきました。

パーマをかけてからよく外国人に間違えられます。LAでも日本料理のレストランに日本人の知り合いと出かけた時、間違えられました。僕の知り合いには「お飲物は何にしますか?」と日本語で聞くのに、僕には「Would you like some drink?」って。はあ? って感じ(笑)。僕だけ英語なんですよ。「僕、日本人ですよ」って言いましたよ。

日本に帰って携帯電話を買いに行った時も、「携帯買うのに何が必要ですか?」と聞いたら「身分証明書、例えば運転免許や保険証とかパスポートですね」と言われた。「あ、パスポートでいいんですか?」と聞いたら、「お客様、日本のパスポートが必要になります」と言われた。ずっと日本語で喋ってるのに。大笑いしましたよ。

HWJ:昨年も参加した7月の若手育成キャンプでは、今年はどんな成果がありましたか?

福藤:ブラスト、マンス、ザバ、テイラーと、昨年参加したGKがまた集まったんですが、その中ならたぶん僕が一番伸びてると思えるんです。僕の場合、それまで経験が少なかった分、いろんなものを吸収できたということもあるけど、それでも自分が一番伸びたという自信があります。ブラストもうまくなっていました。ジュニアや大学に戻っていった選手と比べると、やはり環境で揉まれた分の違いがあります。

今回のキャンプは、自分もよく実力を発揮できたと思います。最後のエキシビションゲームはチケットがなくなるほど、満員でした。ベイカーズフィールドからもファンが数名応援が来てたんですよ。コナー・ジェイムズ、ルイ・トランブレイに僕と、昨季ベイカーズフィールドでプレーした選手が3人いましたからね。試合はゲーム半分に出場して0点に抑えました。10本くらいはシュートを受けたでしょうか? 昨年は3点取られてましたからね。

トレーニングはかなり追い込みました。おかげで身体はでかくなりました。特に腰と体幹ですね。昔のスーツとかもう着れないので、今日作ってきました。ズボンもTシャツも、みんな入らないです。LがXLになりました。ウエストは細いんですが、肩とヒップが大きくなって。今は86kgあります。

今回のキャンプでは、かなり他の選手と仲良くなりました。よく晩ご飯を一緒に食べに行ったりしましたしね。ブラストですか? まだお腹がぶよぶよしていましたよ。あいつ、ジャンクフードが大好きなんです。炭酸飲料しか飲まないし。水にすれば痩せるんですけどね(笑)。噛みタバコとかもやるんですよ。まあ僕も、チョコレートとかは止められませんけど。ご飯の後とかはついつい手がでてしまうんです。あれがないと食べた気になりません。でもちゃんと動いてるんで、オフシーズンに気を付ければ大丈夫です。アイスクリームもやばいですね(笑)。

HWJ:さて、9月にはまたアメリカに戻り、いよいよポジション争いへの戦いが始まりますね。その自信のほどは?

アメリカには9月3日に出発を予定しています。ルーキートーナメント(@サンノゼ、9月7日開始)の前に、一度LAに入って練習することになると思います。去年のルーキートーナメントでは、vsコヨーテズと、最後の決勝vsアナハイムに出場しました。コヨーテズは0点に抑えたんですが、決勝では3点取られた。今年はもっといいプレーをしたいです。

HWJ:今季のNHLといえば、GKに関して様々なルール改正がありますよね? 特に防具のサイズ規制は、GKにとって心配材料だと思うのですが、そのあたりはいかがですか?

福藤:いつ届くんでしょうね? すでに発注してあるので、ルーキートーナメントまでに間に合えばいいんですが。僕はこれまでもあまり大きいパッドを使っていないからまだいいですが、ケガをしそうで危ないですよね。サイズがあるGKだと、膝とかにパックが当たると大変なことになる。パッドが違うと守っていても全然感覚が違うんです。今まで取れていたシュートでも、パッドが違うと入ってしまったりすることはありますから・・・

HWJ:日本人初のNHL契約選手ということについては?

福藤:全然意識していないです。キムタクが最初にやってるんで(笑)。な〜んて、今度TVのインタビューで言ってみたりして。「木村拓哉さんの後を追えるってことは・・・」とか語ろうかな?(笑)。「難しい」と言われていたことを達成できたのはうれしいですけど、日本人初だからうれしいというのはないですね。

HWJ:初のNHL契約とはいえ、すでに北米でも2シーズンを経験しましたね。北米がかなり居心地がよくなってきたんじゃないですか? 

福藤:最初は「お客さん」でしたからね。でも、そこから自分のプレーで周りを認めさせていくことには、喜びというか、自分にしか分からないものがあります。気持ちいいですよ。それまで全然相手にしてくれなかったチームメートがいきなり寄ってきたり。やっぱり実力の世界だなと思います。

グレッグ・ヒューイット(2002−03年ECHLシンシナティ留学時代の1番手GK)は、今UHLで活躍して稼いでるようですが、僕がこんなになってびっくりしてるんじゃないでしょうか。あの時は、ホントいろいろ教えてもらってましたからね。

マルコム・キャメロン(ECHLシンシナティ留学時代のヘッドコーチ、現在ECHLロングビーチのヘッドコーチ)には、先日LAの若手育成キャンプの時に会いました。LAにコーチの勉強で来ていたようです。その時、彼が僕のECHLでのデビュー戦(2003年2月7日@ジョンズタウン)の話を彼がしてきたんです。「おい、覚えてるか?」って。2点ビハインドから追いついて、PS戦で勝利した試合の経緯を、彼が事細かに記憶していたのには、感激しました。彼は僕のことを結構買ってくれていたんです。シンシナティでは、プレーオフにも僕に本気で残ってくれと言ってくれたんですよ。そして「あの時とは身体つきが全然違うな」って、声をかけてくれました。

マーティ・レイモンド(ECHLベイカーズフィールドのヘッドコーチ)も、LAに来ていたんですよ。彼はシーズン中は近寄り難い雰囲気だったんです。でもLAで会った時にはすごくやさしくしてくれた。まずは「なんだ、お前その髪は?」と一発目で言われた。次に「なんでそんなに日焼けしてんだ? 毎日ビーチでも行ってるんだろ?」と冷やかされました。

HWJ:日焼けといえば、今年の若手育成キャンプでも、ビーチバレーはしたんですか?

福藤:やりましたよ。僕たちのグループは準優勝でした。面白かった。かなりエンジョイしました。
キャンプでの自分は、昨年とはかなり違うと感じます。まずは緊張しなくなった。英語が分かるようになってきたので、「話しかけられたらどうしよう」という気負いがなくなりました。
昨年は「お客さん」という扱いを受けてた気がするんです。でも今回はちゃんとチームの一員として、周りの選手にもコーチにも受け入れられていたと実感しました。そこまで行くと、今度は本当にいいプレーをしないといけない。ファンにも納得してもらえるプレーをしないといけないですしね。
マイナーリーグでも、1年間ちゃんとやっていれば見る目は変わるもんだなと思いました。昨季マンチェスターでプレーしていたヤツらから「お前のスタッツを見るのが楽しみだったぞ」「お前、乱闘みたいなのやったんだろ」と言われたり。

HWJ:その乱闘になりかかったシーン(2月26日vsサンディエゴ戦)を説明してもらえますか?

福藤:荒れた試合でした。5人対5人で氷上でぐちゃぐちゃになった時に、ウチの反則で相手GK(マテュー・シュイナール)が上がってきたんです。で、こっちを見ながら、グラブを落とす気満々だった。首の仕草で誘いをかけてきたんですよ。2人してセンターサークルに出て行ったところで、レフェリーが間に入って止められました。

あっちはやる気満々だったので、やらなきゃいけない状況でした。止められなかったら乱闘していたと思います。だって、ナメられたくないじゃないですか。相手GKはすっごくデカかったんですよ、首とかも太くって。後から聞いたらGKの中でも有名なファイターだったらしい。それを聞いて正直、ちょっとほっとしましたけどね。
HWJ:今回のNHL契約で、多くの人たちが開幕に福藤選手がNHL入りすることを期待しているようですが、これにプレッシャーは感じますか?

福藤:そのプレッシャーは覚悟していました。すぐにNHLの試合に出ることを期待している人たちは多いようですが、あまり気にしてません。僕自身、それは現実的じゃないと分かってるし。もちろん開幕ロースターに残りたいという気持ちは持っていますけどね。最終的に目指すところはそこだけど、まだまだ現実的には先だと。

HWJ:それでは、この契約期間の2年が終わった時、自分が在るべき場所とは?

福藤:AHLのメインか、NHLのバックアップは務めていたいです。ECHLでやっていたら、それ以上の契約はない。下の選手たちがどんどん出て来ますからね。そうなってくると、現在の若手キャンプ組では僕が一番年長なので、キツくなって来ると思います。
今回のキャンプでは、技術面はもちろん、NHLに行きたいという気持ちを強く持ってることを分かってもらいたいです。次はAHL、その先にNHLが待っている。時間がかかっても必ずNHLのメインGKを獲りたいです。

HWJ:ありがとうございました。



ご感想はHWJ掲示板まで
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by hockeyworldjapan | 2005-08-21 08:53 | Fuku-chan report

福藤選手記者会見

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管理人、本日は多忙のため、こちらの写真だけでご勘弁を。記者会見の内容はそれほど目新しい報道はありませんでしたが、TV局は各社カメラを出していたので、皆様夜のスポーツニュ−スはどうぞお見逃しなくです。集まったマスコミ数は総勢70人近く。かなりの盛況会見でした。



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その代わりといっては何ですが、近日中にHWJ独占インタビューの内容をアップいたしますので、しばしお待ち下さい。また8月25日発売角川書店スポーツヤアでも、管理人の記事が掲載される予定です。



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追加情報ですが、8月25日12:30から東伏見アイスアリーナにて「福藤豊ファン感謝デー」が開催されます。入場は無料で、福藤選手のトークショーやペナルティショットイベント、サイン会などが催される予定。詳細はコクドアイスホッケーチームまでお問い合わせください(0424−62−7130)。

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by hockeyworldjapan | 2005-08-18 18:05 | Fuku-chan report

福藤豊、キングズとの契約に向けLAで始動

NHLが労使交渉妥結間近ということで、日本のホッケーファンであれば当然気になるのが、福藤豊選手の動向でしょうか。

その福藤選手ですが、今月半ば開始予定のロサンゼルス・キングズのルーキーキャンプに備え、数名の選手とともに陸トレミニキャンプ中とか。その福藤選手に電話で話を伺いました。


HWJ:現在LAでは、どんな過ごし方をしているのでしょうか?

福藤:まず朝10時から練習を2時間やります。走ったり、ジャンプ系のトレーニングをしたり。昼ご飯の後は、午後2時間ウエイトで鍛えます。午後4時にはその日のメニューを終了。最近はトレーニング内容がハードになってるので、その後はホテルでくつろいでいることが多いです。

トレーニングは、ホームディポセンター(MLSロサンゼルス・ギャラクシーの本拠地のサッカー場、テニス場などの他、陸上競技場なども備える総合スポーツ施設)で、NBAやNFL選手たちと混じってやっています。宿泊先のホテルからはフリーウエイで10分くらい。ミニキャンプ参加選手で1台車を借りて、ホテルからは全員一緒に移動するんですよ。

LAでは、キングズ練習施設近くのホテル1室をもうひとりの選手とシェアしています。ルームメート(HWJ注:ルームメートはコロラドカレッジ卒のRichard Petiot(2001年4巡目指名の大型DF)は、昨年のルーキーキャンプにも来ていた選手なので、顔見知りです。昨日はダスティン・ブラウン(キングズ期待の若手FW。昨季はAHLマンチェスターで74Pはチーム2位の数字)がLA入りしてました。オフのせいなのか、かなり太ってたんで、びっくりしましたけど(笑)。

金曜日にはロシア人選手が到着するし、昨季AHLでプレーした選手、キングズとの契約の可能性のある選手が続々とLAに乗り込んできています。(昨年キングズと3年契約し、昨季はECHLレディングでプレーした)バリー・ブラストもこのミニキャンプに参加中です。ルーキーキャンプの詳しい日程は、NHL開幕がまだ決定していないので、知らされていないのですが、来週にも始まるかも知れません。


HWJ:昨季レギュラーシーズン終盤に負傷した左膝の具合はどうですか?

福藤:ベイカーズフィールドでのリハビリが終わり、最終的に脚の検査をした際には、ケガをする前よりパワーアップし、医師が驚いていました。リハビリで自分を追い込んだ成果です。昼間はリハビリで下半身のトレーニング、例えばスクワット、ジャンプやバランスボードを中心に、夜は上半身のトレーニングを頑張りました。

ベイカーズフィールドでは、負傷後1度だけ氷にも乗ったんです。1ヶ月くらい前のことです。バタフライポジションでは問題はないのですが。思い切り左脚を伸ばした時に、ちょっと痛みは感じました。ただ、ベイカーズフィールドではずっと医師には診てもらっていましたし、大丈夫だとは言われています。LAに移った翌日に、健康診断や体力テストをやり、膝をキングズのドクターに診てもらっていますが、問題なしと言われました。スライディングボードを使ったトレーニングも、すでにベイカーズフィールドでやりましたが、特に問題はありません。

LAではまだ氷に乗っていません。膝のこともあり、あまり無理して走ったりもしていません。ランニングするとちょっと痛むというか、変な感じはまだある。走ることは、GKにとってはそれほど重要じゃないし、FWやDFとは違うメニュー、例えばバイクとかに重点を置いてやっています。今週末くらいにまた氷に乗るので、その頃に改めて感触が分かるとは思います。

氷上では、しばらく膝にブレイスを付けることになると思います。陸上ではもう必要ないんですけどね。ブレイスを付けるのは、初めての体験です。GKはプレーヤーとは違う動きが多いので、試してみて合わなければ外すつもり。ケガをした原因が相手選手からのゴールへの突っ込みだったので、ブレイスをしていた方が安心ではあるんですけどね。練習後は念のため、欠かさずアイシングをしてケアしています。ただ、腫れなどは一切ありません。


HWJ:シーズンが終了し、コンドルズのチームメートとの別れは、どんな感じだったのでしょうか?

福藤:シーズン終了後は、チームでバーベキューとかやったりしていたのですが、すぐ解散して、選手たちは個々の故郷に帰っていきました。あっさりしたものです。ただ、僕のルームメート(ベテランのケビン・セントジャック選手)は、故郷に帰らないで今でもずっとベイカーズフィールドにいますよ。オフの間は、害虫駆除の仕事に就いてるんです。もっとも昼間は、自分はリハビリ、彼は仕事に出ていたので、夜しか会わなかったんですが・・・彼はあの界隈では有名人だし、来季はコーチになる予定があったらしいのですが、もう1年現役でプレーするそうです。別れ際ですか?「俺はまだベイカーズにいるし、連絡を取り合おう。LAに住まいを構えたらも呼んでくれ」と言ってました(笑)。


HWJ:昨季プレーオフでは、結局ケガで出番のないまま、コンドルズはファーストラウンドで敗退してしまいましたね。精神的にかなり辛い時期だったと思いますが・・・

福藤:勝ってくれることを望んではいましたけど・・・(ファーストラウンドの相手である)アラスカには同行しませんでした。ラジオで試合の様子を聞いていただけです。北米での初めてのプレーオフに出場できなかったのは、本当に残念でした。

ただシリーズ終了後は、チームメートたちが「おまえがいたらもっと行けたのにな」と声をかけてくれたんです。僕は、アラスカにはレギュラーシーズンから相性が良かったし、アラスカのアリーナは、ECHLでは珍しい国際規格のリンクで、スキルの高い選手を集めてパスを回して来るプレースタイル。プレーオフではメインで出場していたGKパーリー(HWJ注:レギュラーシーズン終盤にコンドルズにトレードで移籍し、故障した福藤の代わりに出場していた)は、僕はうまい選手だとは思いましたが、アラスカではかなりボロボロにやられていたようです。

故障とプレーオフに出られなかったことで、ちょっと落ち込んでいた時期もあったんです。リハビリ中も「シーズンは終わってしまったのに、なんでいまさらこんなことを・・・」と滅入った時もあった。でも、最近になってやっとシーズンを振り返る気分になれました。終わってみると、何が足りなかったシーズンだったんです。

自分には波がありました。体力の問題もあったし・・・44試合出場の上に、ECHLでは移動が大変。移動で疲れる上に、自分が連続試合出場しなければならないですから。バス移動はまだ楽に思えましたが、アイダホ、アラスカなど、飛行機での移動は、荷物の持ち出しや、待ち時間などもあって、本当に辛かったです。

僕に足りなかったのは、やはり毎年課題にされる体力面。でも現在は、昨年のルーキーキャンプ時から10kgアップし、85kgまで体重が増えています。体脂肪が増えたわけではないし、先日リンクに乗ったときもスピードは落ちていないと感じています。


HWJ:6月中旬にLAに移り、もう3週間ほどが経過していますが、LAはもう満喫できていますか?

福藤:まだちょっと食事に出る程度ですが・・・あ、そういえばこの間、生まれて初めてパーマをかけたんですよ。これまでの伸びっぱなしの髪を、最初は梳いてもらっているだけだったんですが、ホッケーファンの日本人美容師さんのおかげで、今はふんわりしています。どんな雰囲気かというと・・・遊び人っぽくなったとは言われています(笑)。(HWJ注:「クルクルしているけどアフロではない」そうで。現在画像待機中です)


HWJ:キングズGMデイブ・テイラーからの打診で、今回は急遽LAに滞在することになったわけですが、今後帰国の予定は?

福藤:コンドルズのマーティー・レイノルズコーチを通じて「君は今年キングズとの契約に至る可能性が高いが、ルーキーキャンプまでにちゃんと準備をしておかないと、契約できないぞ。こっちに残って準備をして欲しい」と言われたので・・・8月にはいったん日本に戻る予定ですが、日本ではあまりゆっくりしていられないかも知れません。やるべきことがいっぱいありすぎて・・・それにあまり長くいると、日本がまた居心地よくなってしまいますし。こっちは上下関係がないし、伸び伸び自分のペースでホッケーができる。目下の選手でも結構意見は言う。誰かに誘われても、ノーと言えますからね。そんな環境が、今の僕には合っていると思うんです。


ご感想はHWJ掲示板まで


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07/09/05  その後、福藤選手のご好意でイメチェン後のお写真を入手しました!
福藤選手、ありがとうございます。
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by hockeyworldjapan | 2005-07-06 19:40 | Fuku-chan report

日本で一番幸せなホッケーバカ?

いや〜、こんなに幸せでいいのでしょうか???

舞台はボイジからベイカーズフィールドに移し、私が取材する今回最後の試合vsフレズノ戦。福藤豊選手がなんと今季初完封を記録し、コンドルズは2−0で2連勝しました。

第1ピリオドから、コンドルズは順調な滑り出しでフレズノを圧倒。福藤選手にとっては物足りないような仕事量でした。とはいえ、第2ピリオドではともすればピンチというシーンも多々あったのですが、非常に冷静な福藤選手の守りが冴え渡り、本拠地センテニエルガーデンのファンを大いに沸かせていました。福藤選手がセーブを重ねるたびに、現地場内アナウンサーが「フ〜ジ〜!!!」という雄叫びを上げるという応援もあり。地元のファンからも「フジ!!!」という大きな声援が飛びまくっていました。ホームリンクということもあって、すでに「FUKUFUJI44」ジャージもスタンドにちらほら。徐々に地元での認知度がアップしているようです。

結局20セーブ完封で、2日前のボイジでの試合(サードスター)に続いて、この日はセカンドスターに選ばれた福藤選手。ボイジでは「(サードスターに選ばれた後)出て行くタイミングが分からなかった」ということで、ファーストスターの選手と一緒にリンクに現れるという事態で、チームメートからからかわれていたようでしたが、この日はちゃんとセカンドスターとしてファンの前でご挨拶。他の選手がリンクを大きく旋回して派手に手を振ったりする一方で、福藤選手は控えめにリンクの片側だけを滑り、シャイな笑顔を見せていたのがまたまた印象的でありました。試合後は、初完封記念のゲームパックをしっかりとチームメートから貰っていました。

それにしても2日前のボイジでの試合以上に、この日は前に出てのポークチェックを披露するなど、積極的に行く時には積極的にと、彼のプレーに多くのバリエーションが出て来たことがよく窺えました。7月の時点ではキレイなバタフライという印象が強かったのですが、現在の福藤選手はむしろハイブリッドバタフライという感じに変わりつつあります。

福藤選手によると、毎試合後、コンドルズでは2つの儀式があるそうです。
ひとつは、昨季NHLカルガリー・フレームスがやっていたことで一躍有名になった「ハードハット」授与の儀式。スリースターズに選ばれなかったものの、影のヒーローとしていい仕事をした選手が選ばれ、その選手が次の試合の影のヒーローを選ぶというこの慣習は、ここベイカーズフィールドでも生きていました。カルガリーで使用されていたのは、緑色の工事用ヘルメットでしたが、コンドルズのロッカールームにあったのは、消防士用みたいな銀色のヘルメットでありました。

そして2つめの儀式は、ヘッドコーチとアシスタントコーチが、毎試合いい活躍を見せた選手に、「スタープレーヤー」と文字の入ったTシャツをプレゼントするという内容。この日の福藤選手は、ヘッドコーチ、アシスタントコーチと両方からそのTシャツを貰っていました。そ、そしてなんと、日本のファンの皆様にビッグニュース!!! なんとその貴重なTシャツ(もちろん非売品です)の一枚に福藤選手のサインを頂いたものを、日本のファンの皆様のプレゼント用にゲットしてしまいました。今回の福藤選手関連取材映像は、スポアイの五輪予選放送時に披露できる予定ですが、その際のビッグプレゼントとしたいと思います。皆様どうぞ、奮ってご応募くださいね!!!

・・・というわけで、私の今季初の海外取材はこんな嬉しい形で一件落着ということに。それだけでも十分「日本一幸せなホッケーバカ」になれたのですが、さらに嬉しいことが試合後に待っていました。ロッカールーム外で待機していると、コーチ室の隣の小部屋に選手たちがある写真を抱えて長蛇の列を作っている。一体何が始まったのかと中を覗くと、なんと映画「スラップショット」でフレンチカナディアンGK役(デニ・ルミューという名前でした(笑))として出演した俳優さんが、コンドルズのロッカールームを訪れていたのでした。で、私までもが、コンドルズスタッフのご厚意もあって、まんまとサインをせしめてしまったのです・・・

ああ、こんなに一度に幸運がやって来てしまっていいのでしょうか?
こんな幸運を独り占めしてしまって、日本のファンのみなさんにとっても後ろめたい気分でもあります。今回はレポートのはずが、ただの自慢話になってしまったような・・・あ〜、そろそろフライトの時間が近づいてきたので、自慢話はこれくらいに留めておきます。

「NHL、今季開幕にまだ望み」とチェリオスが語るだって? 帰国後そっちの方もちゃんとフォローすることにします。それではまた!
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by hockeyworldjapan | 2005-01-26 01:12 | Fuku-chan report

福藤選手の勝利姿を皆様に成り代わってお見届け

日本全国1000万の福藤豊選手ファンの皆々様!

声を大にして言いたい。福藤選手は着実にこちらで進化していますよ〜!!!

前にもどこかに書いたかも知れませんが、コンドルズは決して守りは良くないチームです。しかしそうした状況は裏を返せば学べる環境でもある。そこで福藤選手は多くのものをこの数ヶ月で吸収したに違いないとお見受けしました。

ECHLにあって日本でないもの。例えば、ゴール前の混戦の厳しさであるとか、NHL規格の狭いコーナーからゴール近くに跳ね返ってくるパックの処理とか、素早いモーションからDFがスクリーンを使って打って来るシュートとか・・・いろんな要素があると思います。それらの要素は、日本で練習にて再現しようとしても出来ない類いのものであり、それに馴れるには実際に北米で実戦経験を積むしかないのです。

昨年7月のLA若手キャンプにて、福藤選手と他のGK(アメリカの大学リーグやメジャージュニアで揉まれてる選手ばかり)を比較した際に、そういう実戦で培ってきた経験やカンという部分で、福藤選手はリードされてるなという印象が正直ありました。それは5月の世界選手権でも、不意にゴール前に出て来たパックの処理に戸惑いを見せたりという部分に現れていました。福藤選手の場合、ゴールテンディングのスタイル完成度としては比較的高いものがあるし、反射神経やサイズも十分備えているだけに、そうした実戦的な部分での遅れをこの1シーズンでどれだけ克服できるのか? それが今季のひとつの焦点ではないかと私は読んでいたのです。

そんな彼にとっての課題のひとつは、パックハンドリングでした。パックハンドリングと一口に言っても、ゴール裏に回ってパスをフィードしたり、リムパックを止めたりすることに留まりません。ゴールの枠を外れていても、自分の危険範囲に及びそうなパックは未然に察知し、安全なエリアにクリアするという能力もその範疇に含まれるでしょうし、そうした能力はゴーリーにとっては大切な資産です。

正直、福藤選手の場合、日本でプレーしていた頃は、そうしたプレーは少なかったように思えます。コクドという日本でも強豪チーム内での環境においては、枠内に飛んで来たパックを確実に止めることにある程度集中すればよかったのです。よく日本でも、芋生ダスティ選手や菊地選手がゴール周りのパックをスティックでザクッとクリアしたりしますが、ああいったプレーは福藤選手には比較的少なかったという印象がありました。

そしてコンドルズに加入した福藤選手。シーズン序盤はまずまずの滑り出しを見せたものの、やや戸惑いも感じていたようです。11月上旬に一度電話で話を聞いた時には「リンクが狭いせいか、国際規格のリンクよりも展開が速いように思える」と不安を語っていました。

しかし今日の試合を見る限りでは、そういった部分を克服すべく、自分のプレーを進化させてきた跡が十分窺えました。

福藤選手はこう語ります。
「ウチはDFの守りが甘くなることがあるので、リバウンドをかなりコントロールしないとダメなんです」
「最初はパックハンドリングが全然できなくて、チームに迷惑をかけたんです。その後自分なりに練習してきたんで、最近はかなりできてると思います。それにこのアリーナは、パックがゴール裏やコーナーでヘンな跳ね返りをするので、高めから放り込まれた時にはあまりゴールから出ないように気をつけました」

もうひとつ、彼が進化した部分を挙げるとすれば、やはり精神面でしょうか。
いわゆるソフトゴール(容易いゴール)を与えた後でどう立ち直れるかという部分です。12月序盤のバンクーバー遠征時にはまさかの7失点という苦汁を味わった福藤選手ですが、その後見事に立ち直ってきました。もちろんバンクーバー遠征時には、もうひとりのGKペトルク故障のため、疲労という要素もあったのですが、それを差し引いても彼の精神的成長という部分を語らずにはいられません。

コンドルズのマーティ・レイモンドコーチはこう説明します。

「あの時期は彼がひとりでゴールを守らねばならないとう、若いGKにとっては酷な状況だった。我々スタッフとしては、まずペトルクが故障復帰後、彼に十分休養を取らせ、それから彼と話をする機会を持ち「悪い内容の試合は忘れるように」と伝えたんだ。以来、彼の集中力はアップしたよ。(1月上旬の)東海岸ツアーでは素晴らしいプレーを見せてくれたし、彼の自信レベルはさらに向上しつつある。今季この調子でいけば計20〜25勝は確実。これはルーキーGKとしては素晴らしい数字だ」

この日の試合でも、1ピリ序盤に許した相手のPPゴール(ゴール前完全フリーとなった相手選手に叩かれたシュートはセーブ。しかしそのリバウンドが浮いたところを、またまたゴール前フリーになった別の相手選手に叩かれるという、仕方ない失点でした)の後、2ピリには5オン3は2分近く続くなどピンチもあったのですが、難なく乗り切り。結果、チームメートをうまく乗せることに成功して、逆転へと繋げました。ちなみにこの日の勝利で、福藤選手は今季すでに15勝。これはリーグ全体でも堂々3位の数字となっています。

数字に現れてきたこともあってか、福藤選手の名前は徐々にリーグ全体へと浸透してきたような気がします。アウェイの舞台であるここボイジでも、試合前の選手紹介で福藤選手の名前が先発GKとしてコールされると、場内から拍手と歓声がちらほら挙がっていました。また福藤選手によると、地元アイダホ在住の日本人男性が、2日連続で応援に駆けつけていたそうです。その男性は、今日の試合を十分堪能したに違いないでしょう。

そういう私も、今日は十分に堪能させてもらいました。

思えば2年前の2003年2月。私はNHL取材のため北米入りしていたのですが、当時ECHLシンシナティに所属しながらそれまで出番のなかった福藤選手がデビュー間近という噂を聞きつけ、「スケジュールを調整して絶対観る!」と意気込んでもいたわけです。

そして運命の2月7日。忘れもしない私の○回目の誕生日でございました。
体調極悪により私はあえなくピッツバーグにてダウン。こんなことは私の取材歴でも稀に見る珍事でした。なのでこの日、ピッツバーグからわずか100kmほど離れたジョンズタウンで福藤選手がECHLデビューし、見事勝利を挙げていたなんてことは知る由もなく・・・翌日そのニュースをECHLの公式HPで知った私の荒れ具合といったら、それはもう筆舌に尽くし難いものがありました。いずれにしても、そういうポカを過去にやらかした前科アリなので、今回の取材はいつもに増して気合が入っていたわけです。

は〜、そんなことを書いていたら、すでに午前3時を回ってる!
実は今日はこれから午前6時のフライトで、ベイカーズフィールドまで移動なのです。フライトの接続が極めて悪いため、1日かけての移動になってしまうので、明日はブログにアップできるかどうか微妙です。どうぞご了承下さい。

24日(月)は、ホームのベイカーズフィールドでの試合を取材します。
また続きはこちらのブログにて!
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by hockeyworldjapan | 2005-01-23 19:35 | Fuku-chan report

アイダホ州ボイジとは?

ホッケーのお陰で、いろんなところに出張している私であります。

今回やってきたのは、アイダホ州ボイジ。昨季ECHLチャンピオンとしてケリー・カップを獲得したアイダホ・スティールヘッズの本拠地です。

小さなダウンタウンの中心にあるバンクオブアメリカセンターが、そのスティールヘッズのホームリンク。宿泊するホテルと隣接していて、ホテルから直接アリーナのスタンドに通じているという便利さです。アリーナの観客席サイズは長野ビッグハットのそれと同等。8年前にオープンしたという点でもビッグハットに通じるものがあります。ただひとつ大きな違いを述べるとすれば、このアリーナにはちゃんとラグジュアリースイートが設けられていることでしょうか。

で、なんでここにやって来たかというと、他でもない福藤豊選手(ECHLベイカーズフィールド・コンドルズ所属)の取材であります。私にとっては今季初の海外取材。成田〜サンフランシスコ〜ボイジと乗り継ぎ、その足でアリーナに直行といういつもに違わぬ強行軍ですが、疲れなんて感じるもんですか。もうそれはバリバリに覚醒してました。

ただし、ウオームアップで最初にシュート練習を受けたコンドルズのGKは、44番(注:福藤選手)ではなく、31番(ペトルク選手)。ホッケー観戦歴の長い方ならもうお分かりでしょうが、これはこの日の先発はペトルクであるというサインになるのです。満ち満ちていた気合が脆くも崩れかけたものの、プレスボックスでベイカーズフィールドのPR部長兼ラジオ実況を務めるケビンに「明日は福藤が先発だよ」と言われ、「おっしゃ〜あ!!!」とリチャージ。少しは気を取り直しました。

が、しかし。
コンドルズ、1ピリはボロかった・・・
GKペトルクがそれほどひどい訳でもないのに、第1ピリオドにいきなり4失点してしまったのです。とにかくチーム全体がひどいプレーをしてました。ケガ人が多いということもあるのでしょうが、これでよくディビジョントップを走ってられるなという展開でした。FWは小粒な選手が多く、スピードを生かせないと厳しい。アグレッシブに行かずに怠慢なスティックチェックに出るとペナルティ多発に繋がる(真面目にコンドルズ、ペナルティ多すぎ。チームPIM総計はリーグ4位で、マイナーペナルティだけに限局するとリーグ2位の多さ。特に福藤選手の出番の試合になぜだか多発傾向にあり)。DFはベテランが多いせいか動きが緩慢で、ゴール前で相手のマークを外したり、リバウンドを先にクリアできなかったり・・・という状況でした。おそらく悪い時のコンドルズ(11月の不振時とか)も、きっとこんな具合だったのね・・・と容易に想像できるような内容でした。

試合の流れを変えるという意味で、2ピリに福藤選手の出番があるのかもと思っていたのですが、残念ながら今日はそんな機会はなし。でも試合後、そのことを福藤選手に聞いたら「当然出たかったです。あの失点はGKの責任じゃないですけど、4点とられたところで、僕の番かな? とも思いました。でも自分で決められることではないので、我慢しました」。

そうは言いつつも、東海岸でのツアーでは好調を維持していた福藤選手。ホームに戻ってのvsラスベガス戦では「ゴール前になだれ込まれてマスクが脱げ、顔にすり傷、歯が欠けた」そうですが、比較的明るい表情でした。

トリノ五輪予選出場に関しては、今日コンドルズのマーティー・レイモンドコーチから話を切り出されたそうです。

実はコンドルズには、福藤選手同様、今回の五輪予選に出場するであろう選手がもうひとり所属しているのです。ノルウェー出身のラース・ペダー・ナグルがその選手。ナグルはここまで35ポイントと、チームトップの数字を残していますが、ポジションがセンターであるため「ウチはセンターが5人いるから大丈夫」ということで、すでに五輪予選出場を許可されたらしいのです。ただし、福藤選手はレイモンドコーチから「ただGKは2人しかいないから・・・」と渋い顔をされたそうで、五輪予選出場に関しては依然微妙な感じです。

日ア連としても、なんとか福藤選手を五輪予選に参加させようと、福藤選手の代理人や、コンドルズ・レイモンドコーチと接触しているようなのですが、まだその最終回答は得られていません。コンドルズとしては「NHL今季全面中止が決定になれば、福藤選手が五輪予選出場期間にNHLのGKと契約することも可能」という考えを持っているらしいのですが、果たしてそんなアテがすでにあるのかどうか。

ちなみに福藤選手は「五輪出場がかかった大事な試合だし、そんな舞台でプレーできれば自分の成長に繋がりますからね」と語っていました。強豪スイスとの対戦は、おそらくECHLレベルよりも数段高い内容になると想定されます。そういう意味では、日ア連関係者としても、福藤選手をドラフト指名したNHLロサンゼルス・キングズに「彼がこの五輪予選に出場できれば今後のキャリアアップにつながる経験ができる」と説明しているようです。

しかし、この五輪予選の前後は、かなりのハードスケジュールがコンドルズを待ち構えているのです。そんな難局が分かっていて、果たしてコンドルズは福藤選手の五輪予選参加を許可してくれるのか? コンドルズにとっては、かなり難しい判断が必要となりそうです。

それにしても、私にとっては昨季のシャーロット取材以来となったECHLホッケー。そういえば、このリーグのスキルレベルとは、この程度だったなあ・・・というのを思い出しました。確かにパスやシュート、ボディチェックなどのパワーは凄いですが、だからといってみんな上手いわけではない。まあ逆に言えば、ゴール前の混戦からのゴールとかが増えるため、GKにとっては防ぎにくい失点も増えてくわけですが。

いずれにせよ、こんなシチュエーションで某日本人選手がいたら、スルスル抜けてゴールを決め、会場を沸かせるんじゃないか・・・なんてことを何度も想像してしまいました。真面目にこのレベルだったら、日本のトップレベルの選手は問題なくプレーできるんですけどね。

さあて明日は午前練習取材に、夜はいよいよ福藤選手出場予定試合取材です!!!
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by hockeyworldjapan | 2005-01-22 18:25 | Fuku-chan report