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これまで相撲部屋、今年はカップ最右翼?

やっと目まぐるしい人事異動も収束しつつある今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか? 今日もマリアン・ホッサ&ダニー・ヒートリー絡みの大きなトレードがありましたね。ほんと、まだまだ気が抜けません。

記録的な選手シャッフル大会となった今年の夏ですが、徐々に各チームとも戦力全貌が見えつつある状況になってきましたので、そろそろまとめでもやってみようかなと思っております。

まずは、今夏FA戦線勝ち組チームと言われるフィラデルフィア・フライヤーズについて、スポットを当ててみます。

ちなみに、2003−04年終了時からの人事異動は、こんな感じになっています。

新加入選手:ピーター・フォースバーグ、デリアン・ハッチャー、マイク・ラスジー、マイク・クヌーブル、ターナー・スティーブンソン、クリス・テリアン、ジョン・シム、ジェフ・カーター、マイク・リチャーズ、ジェイミー・ストーア、エリック・シュイナール、アンテロ・ニーティマキ
残留選手:キース・プリモー、エリック・デジャーデン、キム・ヨンソン、ミカル・ハンズス、シモン・ガニエ、ドナルド・ブラシアー、サミ・カパネン、ロバート・エシュ、ヨニ・ピッカネン、ブランコ・ラディボイエビッチ、パトリック・シャープ、デニス・サイデンバーグ
放出選手:ジョン・ルクレア、トニー・アモンテ、ショーン・バーク、ウラジミール・マラコフ、マティアス・ティマンダー、マーカス・ラグナーソン、ダニー・マーコフ、マーク・レッキ、アレクセイ・ジャムノフ、ジェレミー・ローニック、トッド・フェドラク

GMボブ・クラークのことは正直、これまであまり好きではありませんでした。リンドロスの一件では狂気じみたところも見て来たし。しかし今夏の補強については見事と言わざるを得ません。というのも、そもそも今年のFA解禁前にはフライヤーズはサラリーキャップ導入後は失うものがあっても、得るものは少ないのではと予想されていたからであります。地元紙も「チームの現状維持だけで精一杯。スター選手1人獲得が関の山」と予想していたほどだったのです。

それが、フタを開けてみたら、FA解禁後にササッ! と動いて他チームの度肝を抜き、この時期に至ってはすでに1軍ロースター23人と契約終了。しかもキャップ内に収まってるようです。年俸未公開の選手もいるので、実際の年俸総計はちょっと分かりませんが、今後のトレード画策を見越して、林家こん平師匠のかばんの如く「若干の余裕」がまだあるのかも知れません。

ま、そもそも、このクラークGMの快進撃は、フライヤーズのオーナー、エド・スナイダー氏に、ジョン・ルクレア&トニー・アモンテのバイアウトを許されたことからスタートしたわけです。バイアウトとはこれまで再三説明してきましたが、選手残り契約の3分の2を支払ってその選手をお払い箱にする制度であり、お金持ちチームでないと使えない技ではあります。

ただ、ルクレア&アモンテに未練なくばっさりサヨナラできたのは、ファームAHLフィラデルフィア・ファントムズで、ジュニア上がりのピチピチルーキー君たちが控えてるから。そのルーキー君たちが、ジェフ・カーターとマイク・リチャーズの2人であります。このあたりが、クラークGMが見くびれないところだったりするのです(ま、そうしたジュニア選手に目をつけたスカウト陣の力でもありますが)。単にスター選手根こそぎっていうわけじゃないのがすごい。しかも、このルーキー君2人の契約内容ですが、与えられたのは基本給のみ。ルーキーキャップで許されている出来高制ボーナスはチームからビタ一文支払わないんだとか。締めるところはきっちり締めてるわけです。

そして、FA解禁後はまずハッチャー、ラスジー、テリアンとD3点盛り。この時点では「お、フィリー、またまた重量化に励んでるな。ヒッチは自分もそーだけど重量級が好きだもんね。あー、どすこい、どすこい」と、まだ他チームGMたちは余裕だったかも知れません。

しかし、その翌日にフォースバーグ獲得のニュースが伝わると、一気に局面は別次元へと発展したような・・・もはやただの相撲部屋化ではない。これはカップ獲り宣言であると、誰もが信じて疑わないフライヤーズの動きでした。そのあたりの詳細が、フィラデルフィア地元紙「フィラデルフィア・インクワイアラー」に掲載しておりましたので、ご紹介しましょう。

ご存知の通り、フォースバーグは、元々フィラデルフィアに1991年全体6位で指名されていましたが、92年リンドロス獲得のためのトレードの一部としてその後は権利がケベック・ノルディックス(95年にコロラドに移転)に移っていましたから、ある意味フライヤーズは古巣ではあります。

さて今夏のフォースバーグですが、当初は他のチームとの契約話が進んでいたんだそうです。当然アバランチも彼の慰留に努めていましたが、契約提示額が4年1350万ドルと低かったことから、フォースバーグ側はこれを拒否していました。そんな時、フォースバーグは、フライヤーズが興味を示していると代理人から聞かされ、すんごい乗り気に。フライヤーズの2年1050万ドルという提示額にも即OKを出したそうです。

しかし、フォースバーグを獲得すると、どう考えてもキャップ上限をはみ出てしまうフライヤーズ。そこでクラークGMは、サラリーキャップ内に収めるためには、ローニックのトレードが必要と考え、トレード画策のために「あと3時間待ってくれ」と、フォースバーグ代理人のドン・ベイズリーに依頼したそうです。実際、ローニックの契約にはノートレード条項が盛り込まれていたそうで、まずクラークGMはトレードの可否をローニック本人に問わなければならなかったのです。

オフはフェニックス地区に在住のローニックに、フォースバーグ獲得とローニック放出の旨をクラークGMが電話で伝えると、ローニック「フォースバーグが加入した方がフライヤーズはカップに近づけるだろう」とトレードを承諾したそうです。ローニックにとっては、相当口惜しかったことでしょうね。ローニックはトレードの条件としてオフの住まいのフェニックスに近い西部のチームを希望として挙げました。

その一方でクラークGMは、フォースバーグ獲得で一時的にキャップ上限をはみ出すことを、オーナーのエド・スナイダー氏に伝えて了解を取り、さらにフォースバーグ獲得の意志をコロラドGMピエール・ラクロワに連絡。単なるFA獲得であれば、別に連絡の必要もなさそうなのですが、コロラドもローニックが希望する西部のチーム。ローニックのトレード先として十分可能性はあったのです。

しかしアバランチにはローニック(年俸494万ドル)を受け入れる金はなし。そこで、ローニックの行き先を決定しないまま、フォースバーグの契約を発表に至ったそうです。

フォースバーグ獲得が発表された頃には、すでにウエスタンカンファレンスのチームがローニックに食指を動かしていたそうです。ロサンゼルスとフェニックスが興味を示したものの、いずれのチームもローニックの見返りとして選手を放出したがっていた。どのチームもやはり気になるのは、余計な年俸カットなのです。同日9時頃には、サンノゼ、コロンバスも関心を示していたそうですが、結局行き先はロサンゼルスに決定しました。

ローニックは、かつて顎を砕かれた天敵ハッチャーがフライヤーズにやって来た時点でトレードの噂が出ましたが、フォースバーグ獲得で決定的になった感じでした。プレーオフではプリモーの方が目立ってましたしねえ・・・記者のみなさんも、彼のトークで記事が楽に書けたことでしょう。

このフォースバーグ獲得後も、フライヤーズはガニエ、ヨンソンら中堅選手と契約更改を進め、先にも説明した通り、もう23人と契約して「あがり」。「あー、開幕が待ち遠しいったら」と当面は左団扇かと思いきや、3人めのGとしてジェイミー・ストーアまで獲得。「エシュ&ニーティマキがいるじゃん! 必要ないんじゃないのお?」と突っ込み入れたくなる。余裕でフィニッシュラインでテープ切っといて、これですもん。サラリーキャップ上限内にロースター押し込み作業に汗だくな他チームGMにとっては、もはやイヤミにも受け取れる動きをしております。

そんなフライヤーズですが、あえてケチをつけるとすればどうなるか?

毎年言われてるのが、ゴーリーですよね。

2003−04年はカンファレンス決勝まで頑張ったロバート・エシュとは、めでたく2年200万ドル契約。優勝狙いのチームとしては、この年俸は破格の安さではあります。契約更改が遅れていたので、トレード志願か? とも噂されていたようですが、契約延長後エシュは「フライヤーズ以外ではプレーしたくない」と語っています。

ただ、エシュがそれ以上粘らずにサインした理由のひとつに考えられるのが、今季エシュの控えが予想されるニーティマキの存在です。昨季はAHLファントムズのプレーオフ優勝にも貢献し、フィンランド出身ゴーリー(いまや優良ゴーリーのブランドとなりつつありますし)とくれば、期待度が上がらずにはいられません。よってクラークGM、エシュの契約延長が遅れ気味だった頃に「現時点でシーズン開幕ならニーティマキを1番手GKに起用するのもやぶさかでない」と、エシュ陣営を煽ることもできたのです。フライヤーズとしてはフォースバーグの契約期間中の2年間に、ニーティマキに大化けしてもらえれば言うことなしってところではないでしょうか? で、ニーティマキがコケた時、あるいはいずれかが故障した時のために、3人めのストーアまで抑える。ちょっと憎いです。

ま、それ以外にも心配材料はあります。

気になるのは、フォースバーグの過去における故障歴でしょうか。過去には脾臓破裂、足首故障など、故障歴も多い選手であり、ロックアウト中の昨季も手首を脱臼、脳震盪を負っています。実に1995−96年以来、フルシーズンをプレーしていないという事実があるのです。

その他、ガニエ(25歳。まだ来季はFAになれないので調停に持ち込むか?)、キム・ヨンソン(29歳。今季終了後UFAになれます)の2人はQO1年契約だから、来夏がまた面倒なことになるかもねという不安はありますが、この程度の心配の種など他チームに比べれば微々たるもの。やっぱ、今季のフライヤーズはまぎれもなく「東の横綱」ってことで。

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by hockeyworldjapan | 2005-08-24 19:39 | NHL overall

福藤豊選手独占インタビュー

c0012636_8481455.jpgお待たせしました! HWJによる福藤豊選手独占インタビューの模様をお知らせいたします。

インタビューをお願いしたのは、8月15日。8月11日に福藤選手が帰国し12日にスポーツ紙による一斉報道がありました。そして土日を挟んでの月曜日だったこの日、コクド合宿所の電話は鳴り止むことがないほどの大反響。取材問い合わせは実に40件以上に昇り、18日の記者会見には取材陣総勢70人が押し掛けたそうです。こんなにホッケー関係でメディア関係者を目撃したのは、NHL日本開幕戦以来の出来事ではないでしょうか?

会見後も福藤選手は、練習の合間を縫ってインタビューに応じていました。とにかくぎっしりのスケジュール。ひと通り取材を済ませて故郷・釧路に帰省するまでは、なかなか気の休まる時間はないように思えます。東伏見には入れ替わり立ち替わり、メディア関係者がやってくるという感じです。しかし当の福藤選手「別に気にならないです。こういうの嫌いじゃないですから」と、常に真摯に対応しておりました。

ちなみに気になる福藤選手の契約内容ですが、契約期間は2年。NHLなら年俸45万ドル、AHLで年俸3万5000ドル。ともにリーグ最低年俸です。またECHLでプレーした場合はAHLと同額年俸を得ることになりますが、ECHLではサラリーキャップがあるのでECHLチームで支給出来る額を支払い後で、差額をAHLチームが支払うという形になるそうです。NHL、AHLと2つのレベルにまたがってプレーした際には、日割り計算で給料がはじき出されます。

2年契約は、労使協定に則っての期間。通常NHLルーキーが得る最初の契約(エントリーレベルコントラクト)は3年契約ですが、これはジュニア卒業直後の選手にあてはまります。22歳の福藤選手にはそれより1年短い2年契約という期間が指定されており、年長の選手を出来るだけ早くFAにするという意図がそこには窺えます。また昨季1シーズンを北米でプレーした福藤選手には、キングズ側からQO(クオリファイイングオファー:制約つきFA(RFA)となった選手の交渉権留保のための最低ベースアップ額提示。NHLニュースを毎日フォローされているみなさんにはもうお馴染みの用語ですね)が来ていたため、この1年契約QOを受け入れ今季頑張り、翌年FAになる前に大幅年俸アップを狙うという手も代理人は模索したそうです。QO受け入れ期限は8月15日と迫っていましたが、実際にキングズ側はそのQOよりも有利な内容、つまり2年契約を福藤選手に提示してくれました。福藤選手にとって、金額は問題ではなく、それより欲しかったのはプレー機会。契約期限は8月30日とまだ先でしたが、未契約で日本には帰りたくなかったので、帰国前にサインを済ませたそうです。

・・・と、状況説明はこれくらいにしてと。それでは、早速インタビューに行ってみましょう!


HWJ:まずは契約した時の状況を詳しく教えて下さい。

福藤:契約書ですが、詳細は何枚かに書かれていたはずですが、サインするために手元に贈られてきた内容はたったの1枚でした。25日の朝にホテルで受け取りました。フェデックスで送られてきたのを、フロントの人が渡してくれたんです。最初は中味が何だか分からなかった。朝ご飯を食べにいったら、「あなたホッケープレーヤー?」とフロントの人に聞かれ、「そう」と答えると、「今、メールが届いてるから持ってくるね」と言われた。差出人がキングズからだったので「なにかなこれは」と思っていたら、「こういうオファーを送ります」という内容が・・・アシスタントGMケビン・ギルモアの名前での書かれていました。

その後はしばらく、ホテルの部屋に普通に置いておいたんです。ルームメート(Dリチャード・ペティオット)も同時期にサインしたけど、彼は全部代理人任せ。ルームメートには「これは何だ?」と聞かれましたよ。「こういうオファーが来たんだよ」と説明したら「そうなんだ、よかったね〜」と喜んでくれた。その後、8月9日午後3時頃にキングズのオフィス(@練習施設トヨタスポーツセンター)でサインしました。サインする前日には、代理人と電話で話して「日本に帰る前にサインしたい」と伝えました。1年契約の構想も出来ていたらしく、代理人からは1年か2年かどっち? と聞かれました。僕はキングズがちゃんと面倒を見てくれるのなら、2年がいいと伝えました。ルームメートにも相談しましたよ。「僕はお金はいいんだ。とにかくプレーしたいんだ」と伝えると「その考えはいいんじゃない?」と賛同してくれた。

キングズのオフィスは、宿泊先ホテルから徒歩5分の位置にあります。代理人が段取りを整えてくれて、「3時にオフィスに行くように」と言われた。サインしたのは、キングズPR担当者のオフィスです。サインですか? 自分の名前を書いただけ。英語です。ちょっと緊張して震えましたけど。まあ「やっとここまで来たな」という想いはありましたね。

(HWJ裏話:福藤選手、実は年俸額をともに2年分だと勘違いしていたのです。つまりAHLでプレーした場合の3万5000ドルという年俸が2年分だと思っていたそうで。「AHLだと住むところとかチームが負担してくれないんですよ。この金額だと辛いな〜」と、コクド関係者に漏らしていたそうです。その後1年分の年俸が3万5000ドルと知ると、ちょっとにんまり。しかしAHLは週給のECHLと違い、一度に年俸が支払われる(と福藤選手)そうなので、「一気に使っちゃったらどうしよう」と今度は別の心配もしていました)

HWJ:周りの人たちの反応はどうでしたか?

福藤:友達の反響はすごかったですよ。みんなお祝いの電話やメールをくれたり・・・。意外だったのは、母親が興奮していたこと。「すごいねあんた!」って(笑)。そういうことを言う人じゃないのに、状況が分かったらしくて。

成田に大勢マスコミがいたのにはびっくりしました。その後記者会見を控えていたこともあって、広報の人が仕切ってくれた。なんかすごいっすよね。僕は話してもよかったのに間に人が入ったりして。予想外でした。僕の友達が来てくれていたので、僕が「おーい」と呼んだら、いきなりパシャパシャ、パシャパシャとシャッターを切られて・・・なんだこれって感じでした。

HWJ:イメチェン後のヘアスタイルの評判はどうですか?

福藤:よく「変わったね」って言われます。成田では、迎えに来てくれた大北さん(HWJ注:コクド・大北教彦アシスタントマネジャー)は、素で僕のことが分かんなかったようです。

日本に戻る前に一度髪の毛は切ったんです。色もちょっと黒くしました。日本に帰るのにあれじゃまずいなと思って(笑)。このヘアスタイルのせいで、アーノルド坊やというニックネームがつきました。

パーマをかけてからよく外国人に間違えられます。LAでも日本料理のレストランに日本人の知り合いと出かけた時、間違えられました。僕の知り合いには「お飲物は何にしますか?」と日本語で聞くのに、僕には「Would you like some drink?」って。はあ? って感じ(笑)。僕だけ英語なんですよ。「僕、日本人ですよ」って言いましたよ。

日本に帰って携帯電話を買いに行った時も、「携帯買うのに何が必要ですか?」と聞いたら「身分証明書、例えば運転免許や保険証とかパスポートですね」と言われた。「あ、パスポートでいいんですか?」と聞いたら、「お客様、日本のパスポートが必要になります」と言われた。ずっと日本語で喋ってるのに。大笑いしましたよ。

HWJ:昨年も参加した7月の若手育成キャンプでは、今年はどんな成果がありましたか?

福藤:ブラスト、マンス、ザバ、テイラーと、昨年参加したGKがまた集まったんですが、その中ならたぶん僕が一番伸びてると思えるんです。僕の場合、それまで経験が少なかった分、いろんなものを吸収できたということもあるけど、それでも自分が一番伸びたという自信があります。ブラストもうまくなっていました。ジュニアや大学に戻っていった選手と比べると、やはり環境で揉まれた分の違いがあります。

今回のキャンプは、自分もよく実力を発揮できたと思います。最後のエキシビションゲームはチケットがなくなるほど、満員でした。ベイカーズフィールドからもファンが数名応援が来てたんですよ。コナー・ジェイムズ、ルイ・トランブレイに僕と、昨季ベイカーズフィールドでプレーした選手が3人いましたからね。試合はゲーム半分に出場して0点に抑えました。10本くらいはシュートを受けたでしょうか? 昨年は3点取られてましたからね。

トレーニングはかなり追い込みました。おかげで身体はでかくなりました。特に腰と体幹ですね。昔のスーツとかもう着れないので、今日作ってきました。ズボンもTシャツも、みんな入らないです。LがXLになりました。ウエストは細いんですが、肩とヒップが大きくなって。今は86kgあります。

今回のキャンプでは、かなり他の選手と仲良くなりました。よく晩ご飯を一緒に食べに行ったりしましたしね。ブラストですか? まだお腹がぶよぶよしていましたよ。あいつ、ジャンクフードが大好きなんです。炭酸飲料しか飲まないし。水にすれば痩せるんですけどね(笑)。噛みタバコとかもやるんですよ。まあ僕も、チョコレートとかは止められませんけど。ご飯の後とかはついつい手がでてしまうんです。あれがないと食べた気になりません。でもちゃんと動いてるんで、オフシーズンに気を付ければ大丈夫です。アイスクリームもやばいですね(笑)。

HWJ:さて、9月にはまたアメリカに戻り、いよいよポジション争いへの戦いが始まりますね。その自信のほどは?

アメリカには9月3日に出発を予定しています。ルーキートーナメント(@サンノゼ、9月7日開始)の前に、一度LAに入って練習することになると思います。去年のルーキートーナメントでは、vsコヨーテズと、最後の決勝vsアナハイムに出場しました。コヨーテズは0点に抑えたんですが、決勝では3点取られた。今年はもっといいプレーをしたいです。

HWJ:今季のNHLといえば、GKに関して様々なルール改正がありますよね? 特に防具のサイズ規制は、GKにとって心配材料だと思うのですが、そのあたりはいかがですか?

福藤:いつ届くんでしょうね? すでに発注してあるので、ルーキートーナメントまでに間に合えばいいんですが。僕はこれまでもあまり大きいパッドを使っていないからまだいいですが、ケガをしそうで危ないですよね。サイズがあるGKだと、膝とかにパックが当たると大変なことになる。パッドが違うと守っていても全然感覚が違うんです。今まで取れていたシュートでも、パッドが違うと入ってしまったりすることはありますから・・・

HWJ:日本人初のNHL契約選手ということについては?

福藤:全然意識していないです。キムタクが最初にやってるんで(笑)。な〜んて、今度TVのインタビューで言ってみたりして。「木村拓哉さんの後を追えるってことは・・・」とか語ろうかな?(笑)。「難しい」と言われていたことを達成できたのはうれしいですけど、日本人初だからうれしいというのはないですね。

HWJ:初のNHL契約とはいえ、すでに北米でも2シーズンを経験しましたね。北米がかなり居心地がよくなってきたんじゃないですか? 

福藤:最初は「お客さん」でしたからね。でも、そこから自分のプレーで周りを認めさせていくことには、喜びというか、自分にしか分からないものがあります。気持ちいいですよ。それまで全然相手にしてくれなかったチームメートがいきなり寄ってきたり。やっぱり実力の世界だなと思います。

グレッグ・ヒューイット(2002−03年ECHLシンシナティ留学時代の1番手GK)は、今UHLで活躍して稼いでるようですが、僕がこんなになってびっくりしてるんじゃないでしょうか。あの時は、ホントいろいろ教えてもらってましたからね。

マルコム・キャメロン(ECHLシンシナティ留学時代のヘッドコーチ、現在ECHLロングビーチのヘッドコーチ)には、先日LAの若手育成キャンプの時に会いました。LAにコーチの勉強で来ていたようです。その時、彼が僕のECHLでのデビュー戦(2003年2月7日@ジョンズタウン)の話を彼がしてきたんです。「おい、覚えてるか?」って。2点ビハインドから追いついて、PS戦で勝利した試合の経緯を、彼が事細かに記憶していたのには、感激しました。彼は僕のことを結構買ってくれていたんです。シンシナティでは、プレーオフにも僕に本気で残ってくれと言ってくれたんですよ。そして「あの時とは身体つきが全然違うな」って、声をかけてくれました。

マーティ・レイモンド(ECHLベイカーズフィールドのヘッドコーチ)も、LAに来ていたんですよ。彼はシーズン中は近寄り難い雰囲気だったんです。でもLAで会った時にはすごくやさしくしてくれた。まずは「なんだ、お前その髪は?」と一発目で言われた。次に「なんでそんなに日焼けしてんだ? 毎日ビーチでも行ってるんだろ?」と冷やかされました。

HWJ:日焼けといえば、今年の若手育成キャンプでも、ビーチバレーはしたんですか?

福藤:やりましたよ。僕たちのグループは準優勝でした。面白かった。かなりエンジョイしました。
キャンプでの自分は、昨年とはかなり違うと感じます。まずは緊張しなくなった。英語が分かるようになってきたので、「話しかけられたらどうしよう」という気負いがなくなりました。
昨年は「お客さん」という扱いを受けてた気がするんです。でも今回はちゃんとチームの一員として、周りの選手にもコーチにも受け入れられていたと実感しました。そこまで行くと、今度は本当にいいプレーをしないといけない。ファンにも納得してもらえるプレーをしないといけないですしね。
マイナーリーグでも、1年間ちゃんとやっていれば見る目は変わるもんだなと思いました。昨季マンチェスターでプレーしていたヤツらから「お前のスタッツを見るのが楽しみだったぞ」「お前、乱闘みたいなのやったんだろ」と言われたり。

HWJ:その乱闘になりかかったシーン(2月26日vsサンディエゴ戦)を説明してもらえますか?

福藤:荒れた試合でした。5人対5人で氷上でぐちゃぐちゃになった時に、ウチの反則で相手GK(マテュー・シュイナール)が上がってきたんです。で、こっちを見ながら、グラブを落とす気満々だった。首の仕草で誘いをかけてきたんですよ。2人してセンターサークルに出て行ったところで、レフェリーが間に入って止められました。

あっちはやる気満々だったので、やらなきゃいけない状況でした。止められなかったら乱闘していたと思います。だって、ナメられたくないじゃないですか。相手GKはすっごくデカかったんですよ、首とかも太くって。後から聞いたらGKの中でも有名なファイターだったらしい。それを聞いて正直、ちょっとほっとしましたけどね。
HWJ:今回のNHL契約で、多くの人たちが開幕に福藤選手がNHL入りすることを期待しているようですが、これにプレッシャーは感じますか?

福藤:そのプレッシャーは覚悟していました。すぐにNHLの試合に出ることを期待している人たちは多いようですが、あまり気にしてません。僕自身、それは現実的じゃないと分かってるし。もちろん開幕ロースターに残りたいという気持ちは持っていますけどね。最終的に目指すところはそこだけど、まだまだ現実的には先だと。

HWJ:それでは、この契約期間の2年が終わった時、自分が在るべき場所とは?

福藤:AHLのメインか、NHLのバックアップは務めていたいです。ECHLでやっていたら、それ以上の契約はない。下の選手たちがどんどん出て来ますからね。そうなってくると、現在の若手キャンプ組では僕が一番年長なので、キツくなって来ると思います。
今回のキャンプでは、技術面はもちろん、NHLに行きたいという気持ちを強く持ってることを分かってもらいたいです。次はAHL、その先にNHLが待っている。時間がかかっても必ずNHLのメインGKを獲りたいです。

HWJ:ありがとうございました。



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by hockeyworldjapan | 2005-08-21 08:53 | Fuku-chan report

福藤選手記者会見

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管理人、本日は多忙のため、こちらの写真だけでご勘弁を。記者会見の内容はそれほど目新しい報道はありませんでしたが、TV局は各社カメラを出していたので、皆様夜のスポーツニュ−スはどうぞお見逃しなくです。集まったマスコミ数は総勢70人近く。かなりの盛況会見でした。



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その代わりといっては何ですが、近日中にHWJ独占インタビューの内容をアップいたしますので、しばしお待ち下さい。また8月25日発売角川書店スポーツヤアでも、管理人の記事が掲載される予定です。



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追加情報ですが、8月25日12:30から東伏見アイスアリーナにて「福藤豊ファン感謝デー」が開催されます。入場は無料で、福藤選手のトークショーやペナルティショットイベント、サイン会などが催される予定。詳細はコクドアイスホッケーチームまでお問い合わせください(0424−62−7130)。

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by hockeyworldjapan | 2005-08-18 18:05 | Fuku-chan report

セントルイス、プロンガーのトレードの背景とは?

いや〜、今夏のNHLFA市場は、予想通り未曾有の大々シャッフル大会となりましたね。

類型化すると、今のところこんな感じでしょうか?

その1:選手放出という苦渋の決断を強いられたチーム(コロラド、デトロイト、セントルイス、トロントなど)

その2:これまでの買い控えモードから一気にお買物モード(シカゴ、エドモントン、ピッツバーグ、ボストンなど)

その3:放出が必要だったけど資金力に任せて新陳代謝も活発なチーム(フィラデルフィア)

その4:スタートダッシュに乗り遅れてるチーム(ワシントンがダントツで出遅れ。ここまで7人と契約して700万ドルちょいしか使ってない)

その5:サラリーキャップ上限に関係なく我が道を行く。目指すはキャップ下限到達(ミネソタ)

その6:お買い物は豪華1点主義(アナハイム=スコット・ニーダーマイヤー、ナッシュビル=ポール・カリヤ。アトランタ=ボビー・ホリク。とはいっても、アナハイムはすでにキャップ上限に近づきつつあり)

その7:昨夏ですでにお腹いっぱい。今夏は物見遊山(フェニックス)

その8:RFA選手待ちで動けません(オタワ、タンパベイ)

・・・などなど、かなりチームごとに明暗分かれる展開となっております。

めぼしいUFA(制約なしFA)選手が動き、後はRFA(制約つきFA)選手の契約更改に、年俸調停申請へと、今後はニュースが推移していきそうなのですが、その前に気になったニュースを掘り起こしていこうかと思っております。

今日は、セントルイス・ブルースについて、取りあげてみます。

2005年6月17日、米・大手スーパーマーケットチェーン、ウォルマートの相続人として知られるビル&ナンシー・ローリー夫妻は、夫妻が所有するセントルイス・ブルースを今後売却するという方針を発表しました。1999年9月にブルースを買収以来、6年足らずの間に累積してしまったチーム赤字に音を上げたというのが、どうもその真相らしい。過去2年だけで6000万ドルの赤字を計上するなど、チーム経営はかなり傾いていたそうです。

赤字の原因は、元オーナーから引き継いだサビスセンター建設費用を拠出するための債券(チーム側が1億3500万ドル、セントルイス市が3500万ドルを拠出)を、ローリー夫妻がチーム買収時に一緒に背負い込んだこと。この債券を引き受けることでアリーナの実権を握った夫妻の狙いは、セントルイスへNBAチームを招致することだったのですが、これが失敗に。赤字だけがむなしく積もっていったのだとか。

ローリー夫妻は、ロックアウト中に「NHLのリーグ全体を買収する」と名乗り出たことで知られるゲームプラン社を、買い手候補探しのために起用。サラリーキャップが導入されて、将来的にオーナーにとっては経営が安定する見込みが立ち、実際には買い手市場であるはずのNHLチームなのですが、ブルースのチーム赤字&アリーナ債券という「双子の赤字構造」には、どうも逡巡しているというのが現状とか。1994年新アリーナ開設以来、チームとアリーナを合わせた赤字合計額は、2億2500万ドルにものぼるそうです。

チーム財政不振の理由には、ローリー夫妻の放漫経営や、セントルイスへのNBAチーム招致失敗もさることながら、地元自治体からの援助が得られなかったことが指摘されています。例えばブルースの試合のチケットには、州から課せられる販売税(7.6%)、市から課せられる興行税(5%)が含まれており、ローリー夫妻はこの軽減を求めていたが、認められなかった。この2種類の合計税率(12.6%)は、アメリカ国内のプロチームのチケットに課せられるものでは最大であり、このあたりも新オーナー招致に向けての足枷になりかねません。

しかし皮肉なことに、NFLラムズについては、チーム誘致のために州、市、郡の地方自治体からフットボールスタジアム建設、スタジアム維持費、練習場費などが拠出されている。またMLBカージナルスは来季新スタジアムをオープンするが、道路やインフラ整備に公的資金が注入されており、カージナルスに課せられるはずの5%遊興税も免除されるという優遇ぶりだそうです。

そんなブルースを、さらに厳しいニュースが襲います。2000年8月以来アリーナの名称権を有してきたIT関連会社のサビスが、その契約打ち切りを発表したのです。サビスとの契約は20年7200万ドルですが、違約金550万ドルを支払えばサビスは残りの契約を破棄できるんだそうです。アリーナには債券がついて、名称権がない。これでは、未来の買い手候補が渋る気持ちも分かります。

そんな中、これまで報じられている買い手候補としては、地元セントルイスでは、元ブルースオーナーの息子、マイク・シャナハンジュニア(現UHLミズーリ・リバーオターズのオーナー)。チーム移転も可能ということになれば、カンザスシティ(公的資金で現在アリーナ建設中)、ヒューストン、ウイニペグあたりの投資家がNHLチームを欲しがっているとの噂は、相変わらず根強くはあります。

また7月初旬には、トリニダードに本社を構えるカジノフォーチュン社(オンラインゲーム関連)が、セントルイス・ブルースの買収に名乗りを挙げたと報じられました。ドナルド・トランプ所有のカジノ株の取得や、NASAのスペースシャトルのシート購入を試みたこともあるというこの会社、過去にもNBAクリーブランド、フェニックスの買収を試みたようですが、「筋違い」とNBAデビッド・スターンコミッショナーにきっぱり却下されたそうです。プロスポーツの世界にとって賭博とは禁忌ものですからねえ。この会社の関係者は、数年前と比較するとオンラインゲームはかなりの事業規模に成長しており、会社の財政状況は以前ほどいぶかしくはないと主張しているそうです。ただやはり、ギャンブル関連の会社がチーム買収となると、賭博などのマイナスイメージに繋がることが容易に考えられるため、NHLがこの買収話に合意するとは考え難い。よって、あくまでもこの会社は、買収話が報道されることによってパブリシティを得ることが、そもそもの目的あったのではないかとまで囁かれています。

さらに、7月15日には、IT長者でNBAダラスのオーナーとしても知られるマーク・キューバン氏が、ブルース買収に関心を示していると地元紙「セントルイスビジネスジャーナル」が報道。その続報が出てこないところを見ると、しばらくは様子見ということなのか、はたまたキューバン流の単なるリップサービスなのでしょうか?

いずれにしても、チーム売却予定となると、ローリー夫妻はもうこれ以上赤字を抱えるのはご免と言わんばかりに、GMラリー・プローに緊縮財政を命じました。理想論から言えば、よりいい買い手を探すにはよりいいチーム造りが望まれるのですが、ここではそんな余裕はありません。チーム再建のためには、キース・カチャック、ダグ・ウエイトあたりの高額ベテラン(2人合わせて年俸1330万ドル)のバイアウトも可能性としてあったのですが、GMプローはバイアウトを許されず。カチャック、ウエイトはチーム残留としながらも、今季チーム年俸は3100〜3400万ドルに抑えろとのオーナーからの指示に基づき、UFAのパボル・デミトラ放出、さらにDクリス・プロンガーのエドモントンへのトレードに至ったわけです。

さて、プロンガーのトレードで、見返りに獲得したのが、Dエリック・ブリュワー。セントルイスでのプロンガーの滞氷時間の長さはよく知られていましたが、ブリュワーも2003−04年はDF部門リーグ10位(24分38秒)の平均滞氷時間を記録。プレーオフでは30分を超える時間に出場しており、PPではポイントマンもこなします。またこのトレードでは同時に、プリュワーの他に2名の若手DFも獲得しており、コストカットのトレードにしてはまずまずの釣果だといえるでしょう。

ただ、ブリュワーにプロンガー同様の働きを要求するのは、最初から酷な気もする。ブリュワーはエドモントンに在籍していたからこそ、その技量がむしろ過大評価されて2002年ソルトレーク五輪、2004年ワールドカップカナダ代表入りなどに繋がったのでは? という声もある。ある時期株が急上昇した後は、やや辛口批判の対象になった選手でもあり、巷でトレードの噂が頻出していたことは確か。なのでその実力のほどは、セントルイス移籍後に改めて問われると思います。

とはいえ、セントルイスでのマキニス&プロンガー時代が終焉し(マキニスとの契約延長の可能性はまだゼロではないようですが)、26歳のブリュワー(どっちか言えばオフェンス型DF)と、24歳のバレット・ジャックマン(こっちはディフェンシブなプレーが得意)が、ブルースのDFの顔となる日もそう遠くなさそうです。

プロンガーは移籍後、エドモントンと5年3125万ドル契約に合意しました。年俸にして約620万ドルは、ブルースのQO(制約つきFA交渉権保有ための提示:722万ドル)よりも少ない。しかし、このエドモントンと同レベルの契約をブルースが受け入れることは、現行キャップ内ではほぼ不可能でした。それに、プロンガーはあと1年でUFAとなる資格がある選手。今季はQOで契約したとしても、1年後にタダで失うくらいなら、見返りの取れる今トレードするしかなかったという事情もありましょう。

で、余談でしたが、こんなエピソードが地元紙「セントルイス・ポストディスパッチ」に掲載されていたので、ご紹介を。

8月2日深夜にエドモントンへトレードされたプロンガーですが、その翌朝セントルイス郊外のスターバックスで、なんとGMプローはプロンガーの妻ローレンさんと鉢合わせしてしまったそうです。ともすれば一触即発の間の悪さではありましたが、GMプローが「僕のことを憎んでるだろうね」と声を掛けると、ローレンさんが「いいえ、全然」と答えたことで「気分がとても楽になった。あの一瞬は絶対忘れることはないだろうね」と漏らすGMプロー。チームを牛耳るGM職とはいっても、時として中間管理職的哀愁や苦悩が漂ったりするのですよね。

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by hockeyworldjapan | 2005-08-07 16:41 | NHL overall