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西武(仮称)、シーズン開幕に向けて着々

久々のNHLノートブック、更新です。

とはいえ、その内容はアジアリーグ関連のニュースなのであしからず・・・という感じなのですが。NHL関連ニュースは、気が向いた時にNHL備忘録でアップしていますので、そちらを覗いていただきたく・・・よろしくお願いいたします。

さて、ホッケーシーズンも徐々に近づき、ということで、昨日は東大和での西武(あくまでも仮称です。昨季までのコクドであります)の練習取材に出かけてまいりました。西武といえば、本拠地は東伏見なのですが、その東伏見が8月下旬はアイスショーのため塞がってしまってるのだとか。27日までアイスショーが開催され、その後3日間は氷の設営をチェンジ(フィギュアとアイスホッケーでは氷の厚さが違うため。フィギュアが7cmに対してホッケーは3.5cm)せねばならず、30日までその作業が実施されるそうです。そして、ぶっつけ本番で31日からプレシーズンゲームが開催されるという状況であります。

よって、8月12日に1ヶ月間の軽井沢キャンプを打ち上げた後、西武の氷上練習はずーっと東大和で行われてきました。その状況に岩崎監督は「いちおう東伏見がホームリンクなんですけどね」と苦笑いを見せます。

さて、ここ数年西武の選手たちは、「ホッケー選手も社内の仕事にもっと関わるべき」との社内方針から、オフには各事務所に割り振られ、実際に営業などの仕事をかなりこなした時期もあり、オフのトレーニングは選手の自主性に任されていたようです。

しかし今季は会社統合などの裏事情もあり、選手に対する社内研修は実施されたものの、早い時期からチーム単位での、トレーナーの指示の下でのトレーニングをスタートできたそうです。

岩崎監督は、この夏の成果をこう語ります。

「おかげで、軽井沢キャンプが始まる頃には、身体がすでに出来上がっている選手が多かったです。軽井沢に行く前はウエイトとランニング中心で、軽井沢に行ってからは軽井沢の地形を利用した陸トレに移行したりと・・・バランスよくできたんじゃないでしょうか。

軽井沢のリンクの裏手のスノーボード用のスロープをダッシュしたり、芝生の上で膝などのケガを気にせずにトレーニングできたり。ロングランをやるにしても、東京だと熱過ぎて熱中症になってしまうし、空気もあまりよくないですからね。昨年は5日間しか軽井沢でやれませんでしたが、今年は1ヶ月みっちりできたし、シーズンに向けていい準備ができました。

スケジュールは三勤一休だったんです。こっちの方が、5日やって2日休むより集中できる。週末休みとかだと、週の半ばでちょっとペースが落ちたりする可能性があるんですよ。そんなスケジュールだったので、選手にとってはオフの時期が短かったという印象があったかも。でも軽井沢キャンプは1ヶ月だけなので、そこは家族に理解してもらうしかないですね(笑)」

最近は北米並みに、氷上練習に移行する時期が遅くなってきていた日本のホッケー界であるが、今夏の西武は氷上練習を6月末からスタート。その大きな理由が、今季からアジアリーグでも正規導入されるルール変更であります。妨害行為を以前よりかなり厳しく取り締まるこのルール変更導入後は、試合がスピードアップすることが予想されている。そのあたりを見越して、陸トレでは足腰の強化に重きを置き、戦略面などの徹底も含めて氷上練習を早めに始動したのだそうです。

そうなると、いったい西武はルール変更対策として、どういう練習をやってきたのか? そのあたりが当然気になるところですよね?

若林クリスコーチは、こんな風に説明してくれました。

「まずは、テンポの早い練習が主体です。トランジションを意識したスピードアップした試合展開に対応することと、それから1対1の守り方を集中的にやっています。

1対1の練習では、その感覚を掴むため、リンゲット(1963年カナダ・オンタリオ州ノースベイ生まれのスポーツ。アイスホッケーに似ているが、パックの代わりにゴム製の輪を使い、スティックはブレード部分がなくシャフトのみで、輪を引っ掛けてドリブル、パスを行う。カナダでは女子を中心に競技人口約5万人。カナダ以外にも、フィンランド、スウェーデン、ドイツなどで楽しまれている)を3回くらい実施しました。これによって、攻めの選手は自由にハンドリングできるんですが、守りの選手はスティックで怠惰には守れないので、身体を動かしてボディコンタクトをする必要が出て来るんです。そういう形で、コーナーの1対1の練習をやってみたんです。

ルール変更導入後の昨季のNHLを観た感想ですが、以前よりフィジカルなプレーが目立っていたと思うんです。でもアジアリーグでは、ああはならないんじゃないか? という気がしてるんですよ。NHLの場合、選手の身体が大きくて、リンクが狭いからそうなったんじゃないか? と思って。実際、(国際規格のリンクを使用する)トリノ五輪では、それほどフィジカルな試合展開ではなかったですしね。

ルール変更を選手に理解してもらうのには、まずはNHL製作のDVDを、軽井沢キャンプの時に日本語に訳しながら確認するセッションを行いました。それからトリノ五輪の試合で作ったビデオクリップも少し紹介したり・・・。軽井沢キャンプの最終日にはレフェリーに来てもらい、紅白戦で笛を吹いてもらったんです」

しかし、その紅白戦では、かなり選手たちの戸惑いが目立ったそうです。特に自陣の守りや、ブレイクアウトでのシチュエーションでは、昨季までであれば相手がペナルティをコールされるべき行為で、逆に味方がペナルティを課されるシーンもあったとか。そうした判定の理解の難しさも含め、ルール変更についての不安を、岩崎監督はこう漏らしていました。

「厳しくなるのはいいんですけど、レフェリーによって基準にばらつきがあったりすると困るでしょうね。それに反則が多くなって、今年春の大学選手権のように試合がつまらなくなってしまう可能性もある。1対1のシチュエーションで、相手を抜いていくプレーが増えれば、面白いとは思うんですけどね」

チームスタッフの不安は尽きないところではありますが、昨季のNHLでのルール変更導入では、試合がスピードアップし面白くなったという意見が多勢を占めておりました。それでは、アジアリーグでのルール変更導入は、どういった効果をもたらしてくれるのでしょうか? 若林コーチは、こう続けます。

「やはりスピードのある選手は有利でしょうね。しかしこれまでの癖で、1対1でチャレンジできるのに仕掛けていかない選手は、その癖を直さないといけませんね。

守りに関してはスピードのない選手は苦戦するでしょうが、それがどこまで厳しいかはまだ未知数です。ニュートラルゾーンで抜かれるのはかなりきついとは思いますが、Dゾーンである程度守れれば問題ないですから。変更後のルールであれば、1対1の状況なら守備側は誰でも負けてしまうような内容。なので、重要なのは、1対1の状況で負けた後にどうするか、なんです。

NHLを観てると、自陣ではFW2人も上の方の守りは捨てて、かなり低い位置で守っているんです。アジアリーグでも、おそらくそういう守りが主流になるのでは?  という気がしますね」

そういう意味でも、8月31日から4日間のプレシーズンゲームは、各チームにとっても、レフェリーたちにとっても、いい意味での試金石となりそうです。

さて、昨日の西武の氷上練習には、日本代表GKコーチに今季から就任したアンドリュー・アレン氏が、飛び入り参加していました。

アレン氏は、昨季までAHL、ECHLで現役ゴーリーとして活躍しており、現在はオタワ大学でもコーチとして教えているというお方。マーク・マホン日本代表コーチのコネクションで、今後は主に女子代表を指導していくそうです。

この夏は、日本のホッケー処を訪ねて全国を訪問中で、西武の練習参加はこれが2日目で最終日。打ち上げの意味もあって、この日の練習の最後は、アレン氏のGK向けドリルを実施したのですが、これが大盛り上がり。2オン0のシチュエーションでのゴール合戦(GKは菊地&片山組に、福藤&松本組と分かれてました)となり、リンクには選手たちの元気な声が響きまくっておりました。

あ、余談ですが、駒大苫小牧高校のOBが多いのも、日本のアイスホッケー界の特徴。
この前々日のオフ日だった日曜日には、OBのひとり神野選手が甲子園に応援に駆けつけ、死闘15回の様子を見届けて来たそうです。

そんなこんなで、今季もアジアリーグホッケーをよろしくお願いいたします。
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by hockeyworldjapan | 2006-08-22 14:13 | アジアリーグ