フルーリー、アマチュア復帰希望もむなしく・・・?

セオレン・フルーリーがアマチュアホッケーにて試合復帰・・・というプランは、どうも頓挫してしまったようです。

禁止薬物使用で2003年以来NHLから出場停止処分となっているフルーリー(フルーリー本人はあくまで「薬物乱用ではなくアルコール依存」と主張してます)ですが、カナダ・アルバータ州のアマチュアシニアリーグのチーム、ホースレイク・サンダーの一員として加入を発表。1月6日の試合に出場予定・・・とカナダで報道がありました。

「スタンレーカップに世界ジュニアは優勝したけど、アランカップ(カナダ・アマチュア優勝チームに与えられるトロフィー)はまだ獲ってない」と語ったというフルーリー。付ける背番号(74番)まで決定してました。同チームには、かつてNHLで活躍したタフガイ、ジノ・オジックも加入しており(FWではなくDFとしてプレーするんだそう)、カナダ先住民族ゆかりの土地にあるチームにおいて、フルーリーやオジックといった先住民族の血を引く選手は人気が出そうと予想されていました。

アランカップ優勝チームといえば、毎年長野カップにカナダ代表としてやってくることでも知られています。フルーリーがこのチームと一緒に日本に来たら面白いだろうな、でも前科があるから入国審査でストップされちゃうのかな? などと思案してたら、アルバータ州ホッケー連盟から登録拒否されてしまいました。

登録拒否の理由は「昨季NHLで契約下にあったため」。アルバータ州ホッケー連盟によると、NHLがロックアウトに入った昨年10月の時点で「ロックアウト中のNHL選手はプレーさせない」というルールを制定。これに則り、12月にはライアン・スミス(エドモントン)が兄のいるシニアホッケーチームでプレーを希望したものの、却下されるという一件がありました。

しかしフルーリーは、サンダーでのプレーを諦めておらず、登録権を巡って現在提訴中となっています。当初フルーリーは、「(ホッケーカナダの)ボブ・ニコルソン会長に直訴する」と記者たちに語っていたそうですが、ニコルソン会長は「アルバータ州ホッケー連盟が決定を下すべき」旨をフルーリーに通告。ホッケーカナダとしては、NHLとNHLPAからフルーリーの契約形態についての情報を得るための協力を申し出るに留まることを明かしています。

一方、フルーリーが昨季在籍したNHLシカゴ・ブラックホークスのGMボブ・パルフォードは「フルーリーがホッケーを他のどこかでプレーすることで、病気を克服することができるのなら、歓迎したい」と、フルーリーの立場を表向きにはサポート。ただしその言葉の裏には「他のチームでプレーしてもらって全然構いません。もうウチでは要らないからご自由に」と、フルーリーを突き放す意味合いも潜んでいるような気がしてなりません。

正直なところ、アルバータ州ホッケー連盟が一番恐れてるのは「前科ある人間のプレーを許可するのか?」という倫理問題かな? という気もします。もし出場を許可すれば、他チームからだけでなく、ホッケーというスポーツに教育性を求める親御さんたちからの抗議も予測できる。よって裁定を委ねられたアルバータ州ホッケー連盟としては、微温的決断はここではタブーです。

加えてバーツッジ問題と同じで、NHLから出場停止が解けてない選手を、アマチュアリーグとはいえアルバータ州ホッケー連盟が「プレーOK」の許可を出せるのか? という問題もあり。NHLやNHLPAとの根回しもないうちに勝手に許可してしまったら、それこそNHLやその他組織への造反と受け取られかねない。そんな背景もあるのだと思います。

逆にフルーリーとしては、NHLからプレーを許されてないがゆえに、アマチュアプレーすることで少しでも自分のココロの闇を追い払いたい。そんな気持ちがあるんでしょうね。それに「プロとしてお金を稼ぐわけではない」のだから、アマチュアホッケーなら復帰は可能だと考えたことでしょう。

でもたとえアマチュアといえどもトップレベルであれば、その最高峰アランカップという究極目標がある。ゆえに選手の資格審査には公平を期する必要があるわけです。

さらに一番の問題は、フルーリー自身がアマチュアとしてプレーするにあたり、好奇に満ち満ちた一般大衆の視線や、時には冷酷な憫笑に耐えうるだけの精神力を回復しているのかという部分。フルーリーが再びまずい言動を残せば、また集中砲火を浴びることは必至です。残念ながら、フルーリーはそこまでの思慮は持ち合わせていないでしょう。今は藁をもつかむ思いで一杯なはずです。フルーリーに立ち直りのチャンスを与えてやりたい気持ちは、私も当然あるのですが・・・難しい問題です。

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# by hockeyworldjapan | 2005-01-10 16:34 | NHL overall

ここまで来たか! クロズビーマニア

2005年エントリードラフト全体1位間違いなしと言われる怪童、シドニー・クロズビー。先日アメリカ・ノースダコタ州で開催されていた世界ジュニア選手権でも、その卓越したスキルを十分発揮していたとの報道でした。

そのクロズビーが世界ジュニア選手権で着用したジャージが、大会開催地のアメリカ・ノースダコタ州からカナダに帰国するまでの間に、忽然と消えるという騒ぎが勃発しました。消えたのは、大会決勝でクロズビーが着用した赤ジャージで、どうも盗難に遭ったものと見られています。

ホッケーカナダでは、スマトラ沖地震・津波の被災地救援チャリティの一環として、カナダジュニア代表が着用した白ジャージをe-Bayのオークションに掛けていたのです。しかしクロスビー本人が貰えるはずの赤ジャージが紛失した今、「クロズビーにとっては初の世界ジュニア出場。自分のジャージを貰う権利はあるだろう」というホッケーカナダの配慮で、オークション対象から外されたそうです。オークションでクロズビーの白ジャージは、既に2万ドルという高値をつけていたのですが、

優勝した瞬間に身につけていた赤ジャージを盗難されたクロズビー本人は、かなりショックを受けていた模様。クロズビーの代理人はジャージ捜索に有力な手がかり提供者には、お礼のご褒美を用意しているとも呼びかけてるんだそうです。

う〜ん、確かにクロズビーは素晴らしい選手です。
私は昨年7月のLAキングズ若手評価キャンプの際に、クロズビーの練習風景を観てはいるのです。上背は高くないのですが、あの攻撃センスに視野の広さ、そしてあのひときわ大きなお尻から繰り出すバランス絶妙のスケーティング。守りにもよく戻るし、コーナーにも怖じけずに入っていくところは、最近のカナディアン風味な選手と言えるでしょう。片手でコーナーからパックもって出て来て、そのままハンドリングしながら片手でシュートした時には、もう私はぶっ飛びましたわ。

でもね、最近の過熱ぶりはやっぱり異常。
そもそもまだNHLエントリードラフト指名資格もない年齢なのに、なんで昨年7月LAキングズの若手評価キャンプに参加できるのかい? という素朴な疑問がありましたし(まあ、おかげで私はいいもの見させてもらいましたけど)。

クロズビーが大丈夫でも、周りの大人たちの存在が心配です。

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追記:その後クロズビーの赤ジャージが、モントリオール警察によって見つかったとの報道がありました。しかしまだその真贋が明らかでないため、現在はホッケーカナダに調査協力を依頼中とか。またカナダ控えGKの唯一出場した試合のパックも、カナダに戻るまでの経路で紛失騒ぎがあった模様。
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# by hockeyworldjapan | 2005-01-08 17:06 | その他

NHLの経営者たちってナニ?

米経済誌「ビジネスウイーク」が、年間ベスト&ワースト経営者が発表。世界中139人のライター&編集者による投票で決定したというこのリストですが、全世界からたった7人しか選ばれてない栄えある(?)「ワースト経営者たち」のそのリストに、NHLコミッショナー、ゲイリー・ベットマン氏がランクインしてしまいました。

ベットマン氏、その一週間前には「スポーティングニュース」紙の「スポーツ界での権力者トップ100」で、1年前に13位だった順位が40位まで墜落。これは、宿敵NHLPAの親玉ボブ・グッドナウ氏(39位)より下位にランクされるという体たらくです。さらに「スポーティングニュース」紙は「ご両人とも『スーパーボウルでポロリ』のジャネット・ジャクソンよりも下位にランクされている」とコメントし、2人揃って嘲笑対象として晒されてた模様です。

ビジネスウイークの記事に戻りますが、その他「ワースト経営者」リストには、ベットマン氏と仲がいいと伝えられるウォルトディズニー会長で、NHLアナハイム・マイティダックスのオーナーでもあるマイケル・アイズナーの名前も。さらに「落ちぶれ経営者」には、かつてNYアイランダーズ現オーナーのチャールズ・ウォング氏の右腕として活躍し、アイランダーズにも共同出資していたサンジェイ・クマール氏までノミネート(この人、不正証券取引で消えたんだよね)。

う〜ん、なんかNHLってダメ経営者の巣窟みたいな気がしてきたぞっと。
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# by hockeyworldjapan | 2005-01-08 16:25 | NHL overall

用具好きな方に朗報? あったかスケートブレード

氷上のスポーツ、アイスホッケーに「あったかブレード」ってヘンですよね?

が、これを過去4年半に渡って開発中という人がカナダにいるそうです。その研究のスポンサーには、ウエイン・グレツキーやフレームスのオーナーら、錚々たるメンバーが顔を揃えてるんだとか。

熱いナイフでバターがさっくり切れるのと同様、ブレードを暖めると氷との摩擦抵抗がカットされるために非常に切れ味よいスケーティングが実現できる、というのが「あったかブレード」の原理だそうです。1950年代にそのアイデアはすでに特許化されていた(さすがカナダ!)のですが、当時はまだ製品化への技術が伴ってなかった。それが近年の技術革新によって、実現可能になってきたというから、エキサイティングな話ではあります。

で、その仕組みですが、「3ピースのブレード構造&ブレードホルダーについた超薄軽量電池」がその秘密らしい。これでブレードの温度は、スピードアップにつながる摂氏4度に保たれるとのこと。摂氏4度だと「あったかブレード」という表現は間違ってますよね? いや、それでも厳寒のカナダにおいては「冷やす」のではなく「暖める」温度でしょう。とすると、日本だとこの適温がもっと高く設定されるのかな・・・などと考えてしまうのですが、素人考えでしょうか?

摩擦抵抗がこのブレードによって40%カットでき、このブレードが付いたスケートを履けば疲れ知らず・・・なんてことも。電池はヒールの部分にも取り付け可能で、充電可能。また保温機能のあるブレード自体も、プロの好みに合わせて研磨可能となっているそうですから、実用化されればすごい話です。ターゲットとする市場は「レクリエーションとしてホッケーを楽しむ人たち」ということで、その価格もおそらく低く設定されるのではという期待が高まります。

ところでこの「ブレードを暖める」というアイデアなのですが、カナダの日常生活のひょんな1コマがきっかけだったとか。ある冬の寒い日、この開発者が乾燥機にかけてホカホカのランニングシューズを履き、外に新聞を取りに行ったら、滑ってお尻から着地してイテテテ。「暖めれば滑る」と、痛い目して実感したらしいのです。

発明のアイデアって想像を絶することがある。その上、そのアイデアが即ホッケー用具開発に結びついてしまうというのが、さっすがカナダ人。DNAにホッケーが刻まれてますもんねっ!

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# by hockeyworldjapan | 2005-01-07 20:09 | その他

NHL、1月14日予定のオーナー会議をキャンセル。そのココロは?

以前にもお伝えしたのですが、NHLが予定していた1月14日のオーナー会議。ここで「今季シーズン全面中止」が宣告されるのでは・・・などとの憶測がありましたが、NHLはこの会議をキャンセルすることになったそうです。

NHLナンバー2のビル・デイリー氏によると、1月14日に予定していたNHLオーナー会議キャンセルの旨を、すでに各チームに通達。NHLの見解として「PAからの新提案があるわけでなく、交渉の進展もないので、会議を実施する必要性がない」という理由と述べていました。

その裏には、そもそもこの1月14日のオーナー会議というのは、NHL側がPA側にプレッシャーを与える作戦に過ぎなかったのですが、それが効果がなかったためにキャンセルされたのではとの見方あり。あるいは、逆にこれといった議題もないまま下手にオーナー会議を開催すれば、一部オーナー側からNHLに対する批判的意見が噴出しかねない状況だけに、キャンセルしたのではないかという憶測もあるようです。

どっちにしても、この1月14日までに何も動きがなければ(たぶん何もないでしょう)、今季シーズン全面中止は必至。「会議中止なり何なりもう勝手にしてっ!」とのホッケーファンの投げやりな咆哮が聞こえてきそうなニュースでありました。
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# by hockeyworldjapan | 2005-01-07 19:51 | CBA

世界ジュニア選手権雑感

世界ジュニア選手権、結局カナダがぶっちぎりで優勝でしたね。 

私はTVでその模様を見ていたわけでもないので、実際の試合模様については、特にコメントするつもりはありません。とはいえ、大会の流れは各種報道を通してちゃんとチェックはしておりました都合上、気になった点などをいくつか挙げてみたいと思います。

前にも「TSNの世界ジュニア視聴率沸騰中」というニュースについて書きましたけど、NHLロックアウトという大きな背景が手伝い、今大会へのカナダでの注目度は異常に高かったと思います。

TV放送の場合、ホッケーに飢えてる視聴者を惹き付けるためには、試合を放映するだけで十分だったのかも知れません。ただ、NHL不在ゆえに報道対象を失っているブン屋さんたちの煽り報道ってどうよ? と疑問に感じております。

まあ、ブン屋さんたちの事情はよく分かります。新聞を売るためには多少ショッキングな見出しは必要でしょうし、NHLロックアウトのせいで売れてない新聞を「世界ジュニア景気で売ってやる〜」みたいな気概もあるのでしょう。

このカナディアン・メディアの標的となったのは、ロシア人選手アレクサンダー・オベチキン。2004年ドラフト全体1位でワシントン・キャピタルズに指名を受け、このカナダとの決勝に至るまでは大会のスコアリングリーダーを争っていました。

オベチキンについては、以前から何度か私も書いてきました。ロシア人としてはというとちょっと語弊がありますが、実に率直で明るく、好奇心旺盛な面白い取材対象です。2004年スタンレーカップファイナル時に両チームの練習を見学した際には、ガラスボードに密着するかぶりつき状態で食い入るように見つめ、「写ルンです」のシャッターを切りまくった・・・という微笑ましいエピソードの持ち主でした。

そのオベチキン、この大会には金色のネックレスをジャラジャラきらめかせて登場し、各ピリオド開始前には「相手ゴール前にラッシュしてシュート! 決まったっ!!!」のフリをするという儀式を繰り返していたそうです。

この儀式にいたく激怒していたのが、TSNコメンテイターの「ボビーマック」こと、ボブ・マッケンジー氏でした。

「アメリカはあのオベチキンの行動には黙っていたけど、カナダは黙っちゃいないぜ! 決勝であんな行為をしたら、アンスポーツマンライクコンダクトとして2分間のマイナーペナルティを課すべき」

オベチキンだけではありません。アメリカ・デトロイトの地元紙は、「(準決勝vsアメリカ戦で)ロシア代表は、終盤のエンプティネットゴールに大げさに喜んだり、ダイブはするわ、ケガのフリするわの悪態をついた」と伝え、開催地のノースダコタ州グランドフォークスのファンから顰蹙を買っていたことを示唆していました。

さらに決勝前には、オベチキンがカナダGKグラスについて「カナダのFWやDFはスゴいが、GKは無名」「カナダは神様じゃない」とコメントしてしまったのですから、ニュースに飢えてるカナディアンメディアが放っとくわけありません。オベチキンのコメントは、至極率直なのですが、ニュースに飢えてる輩の前では無防備過ぎました。ただ1997年以来優勝から遠ざかっているカナダの一部メディアは、オベチキンの存在を冷戦時代のごとくヒール役に仕立て上げることに成功したのです。

そして迎えた決勝。序盤からカナダの選手に厳しいチェックの集中砲火を浴びたオベチキンは右肩を負傷し、試合後半は氷に乗ることがなかったそうです。

驚いたのは、それについて「そ〜れ見たことか! 天罰下ったわい」と言いたげに書き立てている記者までいたこと。う〜ん、これはひどすぎる。トラッシュトーク合戦を演出するところまではまだ我慢できるにしても、です。

私は、カナダの正GKであるグラスの技量については、実際に彼の試合を観たわけではないので、議論はできません。しかしこのグラスというゴーリー、準決勝の相手チェコのキャプテン、ピーター・ヴラナからも「GKがカナダの弱点なのに、うまく攻められなかったのが敗因」となめられ、カナダの一部メディアからも「カナダはチーム全体で試合を支配し、GKグラスに厳しい攻めが及ぶことはほとんどなかった」と、力不足を指摘されていたことを、お伝えしておきましょう。

NHLがどんどん国際化するにあたり、かつて「NHLの不文律」と呼ばれていたものは、微妙に変化してきたように思えます。例えば今回ボビーマック氏が激怒したオベチキンの「儀式」の件だって、北米のホッケーファンにとってはそりゃムカつく行為に違いないとは思うのですが、ロシアでは「強者はそれをやっても許される」的なカルチャーがその裏にあるような気がするのです。

それで思い出したのが、2003年1月11日の一件です。フロリダ・パンサーズ@ワシントン・キャピタルズの一戦は、12ー2という大差でキャピタルズが勝利したのです。試合は第1ピリオド終了時で4−0、第2ピリオド終了時8−0と、キャピタルズの一方的な展開でした。

北米スポーツの常識からすると、ここまで点差が開いた試合では「相手をリスペクトして、終盤は手を緩める」のが常。要するに「とどめのとどめ」は刺さずに試合を流すべきというのが流儀なのです。ところが第3ピリオドに及んでも、ヤーガー、ボンドラといった主力級を出場させて攻め続けるキャピタルズ。これにパンサーズのオーナーが激怒して抗議したなんて一件がありました。(やられた当のパンサーズ・キーナンコーチは「別に構わない」と試合後コメントしてましたが)

ただ、ヤーガーやボンドラにしてみれば「そんな北米ホッケー不文律なんて知るかよ」ってところはあるでしょうし、彼らのバックグランドからすれば、むしろやる時は徹底的にやるでしょう。それは、過去に日本代表が、旧ソ連代表やチェコスロバキア代表との試合で、容赦なくコテンパンにやられたことでも実証されていると思います。

まあ、この件については、選手たちのイデオロギーを議論する前に、当時キャピタルズのコーチを務めていたブッチ・キャシディの人間性を非難すべきなのかも知れません。それはともかく、いまや「世界的なリーグ」を標榜するNHLでは、異なる生活文化背景から来る行動様式の違いによる誤解というのが、以前よりも増えて来たように思えるのです。もちろん、オベチキンも今後はNHLのスターとして活躍するであろう選手ですから、北米の土俵で今後やるつもりならその流儀を学ぶ必要はあるとは思うし、北米メディアの怖さを今のうちから知っといて損はないはずですが。

面白いのは、最近のイリヤ・コバルチャクの言動です。オベチキン同様というか、オベチキン以上にその派手なアクションが、相手チームの感情を逆撫ですることで知られるロシア人選手のコバルチャクではありますが、NHLロックアウト中の今季は故郷ロシアに戻ってプレー中です。さぞかし故郷ではやりたい放題かと思いきや、旧ソ連時代さながらの厳格なコーチの下で不振を極めており、「NHLが恋しい」とほざいているそうです。

冷戦時代を知らぬ世代のNHL加入は、イデオロギーの違いも越えた混沌さをリーグにもたらしてるのだわ〜と実感。ま、ロシア人うんぬんというよりは「コバルチャクはコバルチャク」ってことでしょうか。例えば、ハシェクのことを「典型的チェコ人」なんて位置付けしたら、多くのチェコ人から猛反駁食らいそうなのと同じってことでしょう、たぶん(あの人はチェコ人とゆーより宇宙人だもんね)。

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# by hockeyworldjapan | 2005-01-06 16:32 | その他

NHL選手@ヨーロッパ・パート2

その後のNHL選手@ヨーロッパ情報です。

スウェーデン
スコアリングリーダーに収まってるのが、やっぱり強いピータ−・フォースバーグ(コロラド)。30試合で37ポイントと伸ばしています。これを前半好調のショーン・ホーコフ(エドモントン)やブレンダン・モリソン(バンクーバー)に、ヘンリク・ゼッターバーグ(デトロイト)、クリスチャン・フセリウス(フロリダ)の地元勢が追う展開とか。
フォースバーグは、現在故郷モドに戻ってプレーしており、マティアス・ワインハンドル(NYアイランダーズ:左目視力に障害を抱える選手です)と組んで好調らしいです。また途中からスウェーデン移籍のマリアン・ホッサは、15試合出場ですでに23ポイントと猛追中だそうでこっちも要注目。

スイス
スコアリングトップを争うのは、ステーシー・ルースト、ジャン・ギイ・トゥルデル、ナット・ドメニケリといったNHLリジェクトされた選手たち。これをジョー・ソーントン(ボストン)が追う形となっているようです。ソーントンは32試合で47ポイントだそうですから、スイスはスウェーデンよりもハイスコアリングな展開なのでしょうか? 

ロシア
アブラモビッチ氏所有チームで知られるオムスク所属のヤロミール・ヤーガー(NYレンジャーズ)は、14試合で19ポイントと移籍後爆発中だそうです。しかしイリヤ・コバルチャク(AKバルスカザン:アトランタ)は30試合で21ポイント、パベル・ダツック(ディナモモスクワ:デトロイト)は27試合で14ポイントと伸び悩み。同じくディナモモスクワ所属のマーティン・ハブラットは、9試合で2ゴールのみ、ヴァンサン・ルカバリエ(AKバルスカザン:タンパベイ)は9試合で2ゴール3アシストと、NHL選手たちの停滞状態が目立ちます。やっぱ、お金でモチベーションは買えないってことかしらん?

チェコ
マーティン・ルチンスキーがスコアリングトップ争い。その他NHL選手では、ミラン・ヘイドゥク(コロラド)、マーティン・イーラット(ナッシュビル)に、DFながらトーマス・カベルレ(トロント)が好調とか。

フィンランド
スティーブ・カリヤが、ここまで33試合で32ポイントとリーグ5位の好成績。

ドイツ
リーグトップのスコアリングを突っ走るのは、ヨーロッパで10年選手のカナダ人パトリック・ルボー。

オーストリア
元NHL選手マイク・クレイグが28試合51ポイントでトップ。NHL選手としては、ジェイソン・クローグ(アナハイム)の32試合38ポイントが全体5位で最高とか。

日系人選手じゃあ、スティーブ・カリヤ@フィンランドに続いて、クローグも頑張ってるね! カリヤ家三男マーティン(アジアリーグ・日光アイスバックス所属、ここまで4試合で2ゴール3アシスト)もがんばれっ!
原文記事を読む

そしてもひとつ気になるのが、AHLです。
AHLでは、ジェイソン・スペッザ(オタワ:AHLビンガムトン)が、スコアリングリーダー争いをしながら、課題の守りのプレーを向上中とか。
その他、管理人が気になるところでは、オーストリア出身で知られるトーマス・ヴァネク(AHLロチェスター)が、ここまで15ゴールでルーキー部門ゴールトップだそうです。ミネソタ大学からプロ入りしたヴァネク(バッファローのドラフト1巡目選手です)ような選手、日本人から出て来て欲しいです。このあたり、スイスだけでなく、オーストリアにも日本はかなり水を空けられたな・・・といつも思います。
さらにGKでは、カリ・レートネン(AHLシカゴ:アトランタ)が、12月を9勝1敗2完封、防御率1.70、セーブ率.948の好成績で、月間ベストGKに選ばれています。
原文:AHLスペッザその他の選手関連記事を読む
原文:AHL月間ベストGK
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# by hockeyworldjapan | 2005-01-05 14:08 | NHL overall

トリノ五輪へのNHL選手参戦は?

知り合いのスイス人記者がいつも言ってることだが、
「ルネ・ファーゼルは、ゲイリー・ベットマンが大嫌い」
だそう。

しかし、2006年トリノ冬季五輪でのホッケー競技を成功に収めるために、ファーゼル氏はしばらくベットマン氏へのゴマスリを続けることになるようです。

現在世界ジュニア選手権@アメリカ・ノースダコタ州グランドフォークスを訪問中の国際アイスホッケー連盟(IIHF)会長ルネ・ファーゼル氏。ファーゼル氏にとって、この訪米でのひとつの焦点は、2006年トリノ五輪のNHL選手参戦問題であります。ご存じのように、NHLは現在労使交渉がこじれにこじれてロックアウト中。シーズン再開のメドが全く立っていない状態です。

NHLコミッショナーのゲイリー・ベットマン氏は、2004年9月の時点でファーゼル氏に対し、こう語ったそうです。

「2005年1月までにNHLが開幕していなければ、トリノ参戦はない」

そのタイムリミットを目前に感じつつも、ファーゼル会長は「できるだけ長い間、NHL選手参戦への門戸は開いておきたい」とコメントしたそうです。つまり、1月末時点でNHLが開幕していなくても、労使交渉妥結を五輪直前まで辛抱強く待つ姿勢を打ち出したわけです。

五輪での選手登録期限は、各チーム五輪初戦の2時間前までとなっていますが、各国のホッケー連盟は自国の五輪委員会に2006年1月までに五輪出場選手ロースターを提出するという期限があるそうです。果たして今回のファーゼル会長のコメントが、その2006年1月まで待つという意味合いを含んでいるかはまだ明らかにされていません。しかし2005年1月13〜15日ロシアのセントペテルスブルグで開催されるIIHF総会にて、この題目が最優先課題として議論されることになるだろうと、ファーゼル会長は示唆しています。

ちなみにカナダとしては、トリノ五輪については現在(1)NHL選手で構成するチーム、(2)NHL選手、マイナープロ、ジュニア選手の混成チーム、(3)NHL選手抜きのチームと、3つの構想を打ち上げ。つまり、NHL労使交渉の流れいかんで、どう転んでもいいように準備しているというわけです。

2004年6月、ホッケーカナダは、マーク・ハブシードとヘッドコーチとして3年契約に至っており、ハブシード氏は2005年オーストリアでの世界選手権で指揮することが決定。トリノ五輪にNHL選手不参戦となれば、このハブシードが引き続き五輪でもヘッドコーチ職を務めると見られています。

ところで、肝心のNHL労使交渉ですが、現在世界ジュニア選手権開催中のノースダコタ州グランドフォークスで、各チームのGMやスカウト連中が大集結したせいもあり、「水面下の実務レベル協議ありか?」との噂が流れたようですが、これをNHLデイリー、NHLPAサスキンの両陣営ナンバー2が揃って否定。またPA側が次提案を準備中という噂も、スティーブ・ルーチン(アナハイム)が否定・・・と、まったく進展の兆しが見えてません(泣)。

原文記事:IIHF not giving up on NHLers in Turin
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# by hockeyworldjapan | 2005-01-05 13:35 | その他

NHLニュースもろもろ

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
今年もこのホッケーワールドジャパン及び、NHLノートブックの方を、よろしくお願いいたします。

さて、年明けとなったはいいのですが、どのNHL関連HPも実に殺伐としてきました。ホントにニュースが少ないのです。どこも閑古鳥状態。でも、めげずに続けます。NHLニュースもろもろ、いってみよ〜っ!


コヨーテズ身売り?
カナダ全国紙「グローブ&メイル」は、フェニックス・コヨーテズの大株主がチーム身売り先を探していると報じました。

その大株主でチーム株約70%を保有するジェリー・モイズ氏とは、ちなみにこんなお方。コヨーテズだけでなく、新アリーナ建設費(注:総工費2億2000万ドルのうち、1億8000万ドルは地元グランデイル市が負担)、周辺地域の不動産開発を含めて2億ドル以上を投資しているんだそうです。

そのモイズ氏、アメリカでも有数のトラック会社「スイフト」の創業者としても知られるそうですが、現在インサイダー取引疑惑がかかっており、すでに会社社長を辞任したという裏事情あり。さらにNHLロックアウトで新アリーナにイベントが埋まらない、このアリーナの名称権を購入してくれるスポンサーが出て来てない、NHL開催中の昨季も新アリーナでの観客動員は芳しくなかったなどの苦境を、この記事は身売り希望の理由に挙げています。

さらにコヨーテズのシーズンチケット販売数について、かつて最高数の1万6000という数字から、2000までに落ち込んだとの報道も。2000という数字はヒドすぎですが、果たしてこれが事実なのか。コヨーテズはシーズンチケット販売の実数は公表していないようです。

「コヨーテズ身売りか?」の報道後、チーム会長で約30%のチーム株主でもあるスティーブ・エルマン、さらに渦中の人物モイズ氏自らもフェニックス地元紙に否定コメントを寄せています。

それにしても、このグローブ&メイル記事によれば「現在、こっそり売りに出ているNHLチームは約10はあるだろう」と指摘している関係筋も。それがホントだとするとオーナー陣、労使交渉での結束なんて所詮口裏合わせだけって感じもするのですが。
グローブ&メイル紙の記事を読む
フェニックス地元紙の記事を読む
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NHLシーズン全面中止ならロンドンに行け?
英国のトップリーグ「エリートアイスホッケーリーグ」所属のロンドン・レイサーズが、NHLシーズン全面中止となればGKにロベルト・ルオンゴの補強を狙っているとか。すでにこのチームには、エリック・ケアンズ、スコット・ニコルという2人のNHL選手が加入済。ルオンゴがダメならトレバー・キッドに行くなんて噂もあるようで。ロンドンには友達も住んでる管理人、ルオンゴが加入するなら行ってみようかな・・・
トロントサン紙の記事を読む
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しつこく、NYポスト記事
先日大きく取り上げたので、しばらく放っとこうか? と思っていたラリー・ブルックス氏の記事です。ブルックス氏、クリスマス、年末という休暇の時期なのに、NHL批判の記事をまたもやねちっこく書いてます。

「見て見ぬ振り」してやり過ごしたいのだけど、やっぱり気になる。これだけNHL関連のニュースが手薄になってくると、やはり貴重な情報源ということでしょうか。管理人にとってブルックス氏情報は、もはや長井秀和にとってのさとう珠緒のような存在になってしまったのかも知れません。

今度の記事でも、ブルックス氏は執拗にNHLの収入分配策を強烈非難。管理人が以前に説明(以前の記事を読む)したように、プレーオフ出場損という理論を展開するだけでなく、この収入分配策の恩恵に授かるには、そのチームは収容人員の80%を満たさないとダメという条件をNHLは付けていると報道しています。

そうすると、理論上収入の少ないワースト10に入ってるチームの中で、ナッシュビル、ワシントン、カロライナ、ピッツバーグは、この条件に届かず。さらにTV市場として250万世帯以上の大市場を持つ地区のチームとして、アナハイムも対象外になる。昨季ファイナルまで進出したカルガリーは、レギュラーシーズン収入は少なくともプレーオフ収入はゴッソリ持って行かれる。そうすると、昨季の条件で、まともにこの収入分配策の恩恵を受けられるのは、フロリダ、アトランタ、エドモントンのみとなってしまう・・・のだそうです。エドモントンだって、ちょっと頑張ってプレーオフに手が届いたら、授受側から拠出側へと転落してしまいます。

現在もNHLとNHLPAの水面下での交渉(あくまで実務者レベルというやつね)は続いているとの噂ありですが、ブルックス氏情報が事実としてオーナー側に通知されてるのなら、それを心底賛成し続けるオーナーの気が知れません。

それにしても、PA提案だって追及すればボロボロだってことは分かってるのに、敢えてそこは手を緩めてるブルックス氏。このあたりは相当粘着質のベットマン嫌いってことで結論付けできそう。いまやPAにとってブルックス氏とは、米・民主党にとってのマイケル・ムーア的存在かも。
NYポストの記事を読む
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で、そんだけ話題のないNHLだけに、いまとなってはカナダの順当勝ちが見え見えな世界ジュニア選手権ですら、視聴率沸騰中だそうです。

この記事のトロントスター紙記者さん、実況アナ&解説者諸氏について辛口批評をよく載せるのだけど、TSN解説者ピエール・マグワイア氏については「1つの文章を150ワード以内に留める術を依然として学ぶべき」と指摘(爆)。「依然として」っつーことは、過去にも同様の指摘を何度をしたという事情がうかがえます。

マグワイア氏の解説、管理人は個人的に好きです。最初は「まあ、なんて偉そうな解説。自分なんてダメコーチだったくせにさっ」と思ってましたけど、言ってることは正しい場合が多い。だけど、その解説聞いてると確かに「どこで息継ぎしとるんじゃ〜?!!」と、こっちが呼吸困難に陥る時があります。

それでもなんか好きなんだよな〜、マグワイア。チャームポイントはやっぱりあの頭でしょうか? (世界ジュニアの開催地グランドフォークスは寒そうだから、ニット帽かぶって防御してね♡)
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# by hockeyworldjapan | 2005-01-04 17:06 | NHL overall

ダックス買収話その他

アナハイム・マイティダックスに、また新たな買収話が持ち上がっています。

今回名乗りを挙げたのは、H&Sベンチャー社。ダックスの本拠地であるアローヘッドポンドの管理会社として知られ、その一家はアナハイムと同じオレンジ郡に位置するアーバイン市を拠点とするコンピュータチップメーカーの創業者としても知られるそうです。

ディズニー所有のNHLチームとして1993年にリーグ加入したアナハイム・マイティダックスですが、2002年9月にディズニーのチーム売却への方向が露呈。ディズニーのABCなどメディア買収などによる株価下落が起因となり、ダックスを切り離す方向に株主からプレッシャーがかかっていた模様です。

その後、ダックスはマーケティング会社を雇い、売却先を探す動きに出ていました。一時はNBAサクラメント・キングズのオーナー、ジョー&ギャビン・マルーフによる買収話が浮上。マルーフ家はチーム買収後、ダックスをサクラメントに移転させるという噂もありました。しかしその後1年以上が経過して依然買収話は動かず。その後、元NHLハートフォード、NHLピッツバーグを所有したハワード・ボールドウインが買収に名乗りを挙げていましたが、この話も未だ具体的な進展が見られていません。

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昨年はSARS、今年はNHLロックアウトの余波を受けているトロントのホッケー殿堂。現在の地区に移転直後の1993年に50万人と史上最高の入場者数を記録後、年間入場者数は35万人程度となっていたのですが、昨年はSARS打撃で20万人以下と激減。今年は20万人はなんとか上回れそうだそうですが、カナダドルの高騰とNHLロックアウトのダブルパンチで、依然入場者数が戻ってきていないそうです。

トロントスター紙の原文を読む


ウエイド・レッデン(オタワDF)は、ロックアウト中の休みを利用し中国に10日間滞在。自らウエイクボード関連の会社を所有するレッデンは、中国の製造拠点見学を兼ねて上海、北京も訪れたとか。万里の長城観光も果たしたそうです。
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10月に「NHLが代理選手を立てるのなら喜んで出場する」と発言してしまったタフガイのロブ・レイ。11月26日にNHLPAからの書簡で「ロックアウト中の支給金、福利厚生の対象外とする」との通告を受けてしまいました。

ロックアウト中には月額5000〜1万ドルが選手には支給されることになったのですが、レイにはこれが全く支給されていないのだとか。レイがPA側に文句をつけると、PA側から「君はもう引退する運命にあると見ている」と言われたらしい。

昨季オタワでプレーしたレイは、現在制約なしFAとなっていますが、まだ引退の意志は固めておらず、PA側から支給が打ち切られた理由はおそらく10月の発言にあるのではと、彼の弁護士は語っているそうです。う〜、団結破りのツケってコワイ!
オタワサン紙の原文を読む
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# by hockeyworldjapan | 2004-12-31 19:19 | NHL overall