プレーオフ準決勝&東伏見改善策

昨日は、プレーオフ準決勝第2戦取材のため、東伏見に行ってまいりました。

試合の方は、0−2とリードされた地元コクドがその後追いつくという展開。まずいペナルティもあって、その後にゴールされるという内容は反省点も多かったかも知れませんが、押され気味の第1OTをよく耐え凌ぎ、第2OTでの劇的逆転勝利でした。OTゴールを挙げたのは、今洋祐選手。パーピックのシュートのリバウンドを、右ゴール前でうまくバックハンドですくいあげ、アムールGKオグレシニコフのグラブハンドを破りました。やられたGKオグレシニコフ、しばらくショックのせいでゴール前に突っ伏してましたね・・・

今回の準決勝は、第5戦まで至ると8日で5試合という超ハードスケジュール。これに加え、ハバロフスクと東京間のきつい移動、さらに勝負がつかなければ延々サドンデスのOTを繰り返すプレーオフフォーマットゆえ、コクドとしては第3戦で決めて、王子とクレインズとのシリーズが長引くのを高見の見物と行きたいところでしょう。

チーム存続問題もあって、微妙な心理状態で戦っているはずのコクドですが、その本拠地の東伏見に加え、他の首都圏のリンク2つ(東大和、新横浜)の存続も問われている今、この第2戦を取材して「これでいいのか東伏見?」と真面目に考えざるを得ない私でした。

かつて「品川ギャル」からホッケーファン歴をスタートさせた私にとっては、東伏見全体の環境が、果たして訪れるホッケーファンや、あるいはリンクの利用者にとって魅力があるものなのかどうか、改めて問うてみたいと思ったわけです。

「遠い」「寒い」という問題は当然ある。ならばそれを凌駕するような利点をアピールせねば、ファンには足を運んでもらえません。

「寒い」については、会場で膝掛けサービスがかなり徹底され、このサービスを利用されているファンの方も徐々に増えて来たと思う訳です。こういう地道な努力は高く評価したいとは思います。そうしたサービスがあるだけで、ファンの方にはある種の温かさが伝わるいい手段であると考えます。

ただ、まだ改善点は山ほどある。例えば売店で販売されている食べ物。ここ数年代わり映えのしない内容です。昨日改めてあそこのうどんを食べてそう思いました。売店で仕事をされてる方たち、ごめんなさい。実際に販売に携わる方々を批判をする気は毛頭ありませんので、どうか誤解されないように。これはあくまでマーケティング的、もしくは経営判断的な問題なのです。

品川時代を振り返ると、ホッケー会場で販売されてる肉まんに、カレーライスが名物でありました。私は個人的に品川で食べる肉まんが好きだったし、選手たちもあのカレーライスを楽しみにしてたという話をよく耳にしました。

ただこれだけ飽食時代となった今、当時と同じ味を再現して販売しても、もはや名物としては通用しないでしょう。つまり、そういう名物を開発して、販売しようという気概はないのか? そういうものを作ろうとするマーケティング戦略すらないのか? というのが、私の意見であります。お金がないから出来ないという言い訳はここには通用しません。枯渇しているのは、資金ではなくアイデア。「貧しても鈍さず」であって欲しいと思います。

売店での食べ物も含め、周りの文化がどんどん進化しているのに、東伏見だけ80年代の遺物を引き継いでいる印象を受けるのは私だけでしょうか? 同じことが軽井沢のスケートセンターにも言えると思います(こっちは70年代かな?)。もっと言えば、プリンスホテルグループの施設全体に言えることかもしれません。これじゃあどんどん外資系のホテルにやられるばかりです。

東伏見だけの問題ではありません。新横浜についても同様です。個人的に気になるのは、アリーナ隣にある飲食店。プリンス系のレストランカフェとして現在営業中ですが、現在プリンスホテルというブランドイメージが著しく損なわれている中、正直今回の一連の問題が発覚する前から、あそこのメニューは魅力的とは思えなかった私としては、あのレストランカフェをスポーツバーに変貌させるなどの大改革を提言したい。で、試合中に「お食事でご利用の方に無料ドリンク進呈」かなにかのチケットを配布する。それくらいの商売魂がないとダメでしょう。試合中だけじゃありません。リンクを練習などで利用してもらった人たちにも、どんどん足を運んでもらう。名物スポーツバーとして、近隣オフィスビルのOLさんなどにもランチやアフター5にも足を運んでもらい、ついでにホッケーの試合やスケートリンクでの滑走をしてもらう・・・くらいの戦略が欲しいものです。

うわべだけのお洒落度を追求するつもりはありません。本当に見たいのはホッケーなのですから。でも、お洒落なところにしか、お金を落としてくれる顧客は集まらないのも事実です。なのに、試合直前にこれまた70年代の遺物としか思えない童謡アニメ調のチームテーマを、聞こえよがしにアリーナ内にフルボリュームで流すあのセンスのまずさには、もう耐えられません。これまであの曲が流れる時には押し黙って素知らぬふりをしてきた自分ですが、正直言ってもう限界です。

ただでさえ寒い会場をこれ以上寒くしてどうする? 変わろうとする気持ちがない人たちには、何を言ってももうダメなのでしょうか? アジアリーグを改善したい、リンクを存続させたい、そういう志のあるホッケーファンの皆様。どうか辛口批評を続けて下さい。ウチの掲示板でよろしければ、どんどんそうした意見を書き込んでいただきたい。じゃないと、真面目にこの国のホッケーは下降線を辿るばかりです。

東伏見でも新横浜でもいい。なんとか幸運にもいずれかのリンクが存続可能となった暁には、このリンクを日本のホッケーの旗艦店的存在にすべくピカピカに磨いて欲しい。といってもその文字通り床をピカピカに磨けと言ってるわけではありません。

伝統を尊ぶのでもいい。売店に名物を置くのでもいい。手法は問いません。いずれにしても、ホッケー選手&ホッケーファンが胸を張って足を運べるリンクを愛情込めて育てて欲しいのです。別に観客席を増設しろとは言いません。私が求めるのはあくまでも「貧しても鈍せず」です。どこを変えるべきか、利用者の視点になってもっと切実に考えて欲しい。それができなければ、たとえ存続が可能となっても、今後の行く末は明るくはないと断言します。


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# by hockeyworldjapan | 2005-03-14 11:20 | アジアリーグ

NHL、NHLPAが交渉再開

あれだけいがみ合いを続けていた両陣営ですが、かの「2.19事件」以来、初の会談が今週中にも予定されるそうです。

NHLとNHLPAは、今週中にも会談を再開。これは3月4日のNHL側の要請をNHLPAが承諾したもの。今回の会談にはベットマン、グッドナウの両陣営巨頭も参加予定だとか(この2人が顔を合わせると、ろくなことがないんだが・・・余計に溝が深まらないだろうかと心配)。

両陣営毎の会合(3月1日)時に、NHL側は「すぐにても交渉を再開したい」という意向を語っていました。しかしPA側にはまだその申し出が届いていなかったことから、しばらく「冷却期間」が置かれるのでは、と囁かれていたところだったのです。

以前の記事で私は「NHL側が形勢有利」とは書いてみたものの、NHL側として今後交渉を急がねばならない要素はもちろんある。ちなみにシカゴ・トリビューン紙とのインタビューで、ウエイン・グレツキーは次のように語っていました。

「今季が全面中止となって、今年の夏に妥結する可能性すら疑わしい。その前に我々は収入も、スポンサーも、ESPNすら失ってしまうのか?」
「来季代理選手を導入するなんて嫌だね。NHL選手たちは(代理選手として)一線を越えることはないだろう」

つまり、解決を急ぐ要素のひとつは、代理選手問題。たとえNHLが代理選手を調達できたとしても、これで全チームのアリーナを満員にすることなど到底不可能という壁がある。それに代理選手導入によって、NHLのさらなるイメージダウンに繋がる危険性も大であります。

また、こちらでも以前からお伝えしている通り、米・スポーツ専門チャンネルESPNが、NHLに対して労使問題を早期解決するようプレッシャーをかけていることも事実として挙げられるでしょう。

そうした解決へのプレッシャー要素となる今後の重要日程を、バンクーバー・プロビンス紙が列挙していたのでご紹介しましょう。(括弧内は私の注釈です)

1)4月15日:ESPNの来季放送オプション受け入れ期限
(以前からESPN幹部はNHLからの撤退を匂わす発言を残しており、この期限までにNHL来季開催(もちろん代理選手ではなく真のNHL選手による開催です)が決定しなければ、ESPNの来季放送撤退する可能性は大となる。ESPNは今季1年6000万ドルでの放映権、これは過去5年間のESPN/ABCの1年1億2000万ドル契約の半額で、来季も同額契約でのオプションを有する)。

2)6月1日:2003年ドラフト指名でメジャージュニアに所属してきた選手との契約期限。
(これを過ぎると、各チームは指名選手への交渉権を失い、選手たちは全てFA扱いとなる。通常のシーズンなら各チームは選手との交渉に忙しくなる時期だが、今季はCBA不在という状況なので、そうした選手たちと交渉すら許されていない)

3)6月1〜31日:大部分のチームでシーズンチケット、スポンサーなどの契約更新期間となる。
(多くのチームが今季分シーズンチケットを来季分として据え置けば、その分に対して数%の利子を支払うというシステムを採用し、ファン歩留まりに努めている。だが、さすがに来季の見通しまで暗くなってしまうと、キャンセルを申し出るファン続出も予想される)

4)6月25、26日:NHLドラフト@オタワ。
(それまでにCBAが整わず、今年オタワでの開催が不可能となった場合、オタワには2008年ドラフト開催権が暫定的に与えられてはいる。もしドラフトが中止となった場合、シドニー・クロズビーをはじめ今季ドラフト有資格選手の処遇については、まだ明確なガイドラインは示されていない)

5)7月1日:NHLFA市場解禁日

6)7月14日:2005−06年スケジュール発表日

7)9月15日:NHLメインキャンプ開幕日

・・・という日程をにらめっこしながら、NHLは今後交渉の席での出方を考えなければならないわけで。単に「ロックアウトに備えて備蓄金があるから大丈夫」「シーズン開催して赤字になるよりは、開催しない方がマシっていうチームもあるから」というゼニの問題だけで、余裕があると思ったら大違いなのです。

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# by hockeyworldjapan | 2005-03-08 08:16 | CBA

NHL選手、来季の選択肢は?

両陣営が「3.1会議」で貼りボテながらも団結を固めた後は・・・っと。

形勢的には、やっぱりオーナーの方が有利という声はやはりある。その切り札となるのが、やはり代理選手導入。「3.1会議」後の会見でNHLベットマンコミッショナーは、「来季は10月に開幕させる。もちろんその前に労使協定が妥結していることが望ましいが」と、暗に代理選手導入の可能性を匂わせてました。

この代理選手導入、3月2日のNHLPAと代理人たちの会合でも議論されてました。この会合には、代理人側からNHL有資格159人のうち67人が出席。この会合後、IMGのJPベリー氏(ヤーガー、ソーントン、サンディンらを顧客に抱えるスーパーエージェントのひとり)は、「代理選手は顧客にしない」「顧客選手が『代理選手として契約したい』と言ったら、その選手はもはや私の顧客ではない」と断言していました。また可能性として、代理選手の契約を世話した代理人から、NHLPAが代理人資格を剥奪することも十分に考えられるようです。

そんな環境下で、来季まで労使交渉がもつれるとなると、気になるのが来季の選手たちの所属先。今季は400人近いNHL選手がヨーロッパに流出したわけですが、来季は必ずしもそうは行かないらしい。というのは、多くのヨーロッパのチームが来季は「通年契約」、つまり途中でNHLが開幕した際でもヨーロッパでシーズン最後までプレーすることを、NHL選手たちに求めて来ているそうなのです。ヨーロッパのリーグとしても、新規スポンサー獲得など、来季をさらなる拡大の機会と見ており(IIHF主導で新ヨーロッパリーグ設立の噂もあったが、これはIIHFが否定)、そのためには選手を通年確保したいという意志があるのは、当然でしょう。

するとNHL選手にとって、残された選択肢というのはどうなるんでしょうか? ここに列挙してみました。

(1)トーナメントを企画する
「3.1会議」では、来季PA主催の小規模リーグ、もしくは大会ツアーをカナダで開催する提案もなされた模様。またすでに今年4月上旬にはIMG主催イベントが企画されており、これが世界選手権に出場する選手たちの肩慣らしとなるそうです。このIMG主催イベントでは、6〜8チーム対抗戦という形式で、カナダ国内でNHLアリーナ以外の施設にて試合を開催するんだとか。CBCでの放送予定の可能性もあるそうです。IMGには、すでに今季ヨーロッパツアーを実施という実績があります。ただし、今季序盤に企画されたOSHLというトーナメントリーグは、あまりに試合の真剣味が足らないということでファンが激怒し、早々に姿を消しました。こういうことが続くと、選手側のイメージダウンにも繋がりかねないというリスクはあります。

(2)マイナーリーグに流れる
今季AHLでプレーした若手選手は、資格的に来季も問題なくAHLでプレーできそう。というわけで、今季同様AHLではまた面白い試合が観られることになりそう。また、今季すでに数名が経験したように、ECHL、UHLなどでプレーするNHL選手が来季は増えるかも。すでに今季全面中止となった後、ベイツ・バタグリアがECHLミシシッピに加入しています。ただ、例によって「マイナーリーグの選手たちの仕事を奪うのか? 自分勝手なNHL選手め」というイメージをファンに植え付けてしまうというリスクがあるのは否めません。

(3)代理選手としてNHLに参加する
NHLが代理選手導入に至った場合に「団結破り」して参加するというパターンがこれ。代理選手となり得る選手は、通常の考え方だと経験の浅い若手選手(しかも来季NHL昇格の可能性の薄い選手)、もしくはマイナーリーグやヨーロッパを転々としているベテラン選手・・・という感じになるのでは、と思われる。もし、現在NHLPAの一員がこれをしてしまったら、それはもうモロ「団結破り」となります。過去MLBのストライキで代理選手として参加した選手は、当時はメジャーリーガーではなかったにも拘らず、現在も選手会加入を拒否されているという事情あり。選手会加入が許されないということは、選手年金やその他の手当も受け取れず、「あいつは造反分子」という烙印を一生押され続けるとのことになるわけです。

(4)WHAなど、新リーグに流れる
いまだに開催を声高に叫んでいるWHA。過去70年代にNHLのライバルリーグとして立ち上がったWHA(詳しくはこちらを参照)は、今季リーグ復活を目論んでたのですが、NHL代理人から全く相手にされずに、結局今季はリーグ開催に至れず。ドラフトまで開催したのですが「あれって、ファンタジーホッケーのドラフト?」なんて嘲笑の的になってたほど、ヴァーチャルな蜃気楼的存在に収まってました。
しかし今季NHLが全面中止となり、このWHAの存在がまたにわかにクローズアップされてきました。さらに、上記の理由でヨーロッパのチームからNHL選手が締め出される可能性も出て来た今、彼らにとっては今が仕掛け時なわけです。
今季UHLに加入したクリス・チェリオスは、「来季はWHAなどのライバルリーグに加入しよう」と選手たちをけしかけているとの報道も。チェリオスによると、UHLとWHAが合併するという話もあるようです。チェリオスの他、大物選手では、ブレット・ハル、マイク・モダノ、ジェレミー・ローニックといったところがWHAでのプレーに興味を示しているとか。
で、問題はWHAの具体的なリーグ構想なのですが、現在15のグループがチーム営業権に興味を示しており、ケベックシティ、ラスベガス、ハミルトン、グリーンズボロが、すでに来季加入決定(・・・と今季も同様に報じられていたので、だからといってリーグが開催される保証はどこにもありませんが)。今後はシドニー・クロズビー獲りにも行くとリーグオーナーは公言して憚らない。リーグコミッショナーは相変わらず、ボビー・ハルが務めています。
この景気付けイベントとして、まずは今年5月、6月にフィル・エスポジトがWHA関連大会を企画。賞金として優勝チームには200万ドル、各出場選手には2万ドルのギャラが支払われるとの触れ込みもあります。チェリオス、ショーン・バーク、マーク・レッキ、ロバート・エシュ、アンドリュー・レイクロフトが、すでに大会参加の意志を表明しており、現在マルタン・サンルイにも交渉中だとか。試合はコップスコロシアム@ハミルトン、リコーセンター@トロント、カナダ西海岸のアリーナのどこか、の3会場だそうです。6チーム対抗戦で、かつてのWHA時代のユニフォームを着用して試合するなんて趣向も凝らされる予定。


ま、こうなってしまう前に労使交渉が妥結してくれれば、それが彼らにとっても最良の選択肢であることは言うまでもありません。はあ〜。

WHA関連記事をWHAの公式HPで見る
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# by hockeyworldjapan | 2005-03-07 09:39 | NHL overall

$45million騒動の顛末は?

とりあえず、「$45million騒動」もしくは「2.19事件」とでも命名してみました。

もちろん、かの2月19日の件です。

いったん2月16日に「今季全面中止」を発表したNHL。しかしその後「4500万ドルのサラリーキャップで妥結目前」との報道がまことしやかに流れ、多くのホッケーファンは2月19日のNHL&NHLPAの会合に期待したものです。しかし結局のところ、噂に反してこの4500万ドル提示はPA側からなされず、その後はNHLvsNHLPAの罪のなすり合い大会が繰り広げられました。(詳しくは<過去ログ「一転、二転、三転・・・結局再開なし(見込み)」「シラケムード濃厚。でも真相は闇の中」をご参照ください)。

で、3月1日、NHL(@マンハッタン)、NHLPA(@トロント)と各陣営の会合が開催されました。NHL会合では、例の投資会社の「NHLまるごと買収案」が提示され、これが大きな反響を呼んだ(オーナー陣はシカトを決め込んでる人が多かったですが)のは、既にお伝えした通りです。

じゃ、その一方で、同日のNHLPA会合では何があったのか? そして「45million騒動」について、なんらかの説明はここでなされたのか? というのも、当然気になるわけで。なので、そっちの情報を少しお伝えしようと思います。

まずはその背景の話から。例の「4500万ドルで妥結」という誤報は、どうも選手側からの情報がメディアに伝わったもので、その裏にはPA内部での造反分子(クリス・プロンガー、ジャローム・イギンラ、ジェレミー・ローニック、ロバート・エシュらの名前が挙がっていました)の動きがあったと、数紙が報道していました。この造反分子は、代理人らを通じて直接一部チームと交渉話を進めたり、プロンガーに至ってはNHLナンバー2のビル・デイリー副会長に電話連絡を入れたとの情報も報じられていました。こうした造反分子に立腹した選手らは「あいつらには説明を求めるつもり(ブライアン・スモリンスキー)」と、この会合開催前のPAはかなりの分裂様相を呈していたわけです。

で、その続報が期待された3月1日の会議終了後。
どうも箝口令が敷かれたってことでしょうかね?
それらしい情報というのは、以下の3点に限られているようです。

その1:プロンガーが「『造反分子』というのは、交渉妥結を願っていたメディアや人間たちの創作である」とコメント。その造反メンバーと目されていたプロンガーは、これを全面否定し、選手間の団結を強調した。

その2:ローニックが、10年ぶりに参加したPA会合で、集まった150人以上の選手の前で謝罪。「ここ3週間、オレは喋りすぎた」

その3:ブライアン・バーク(現在TSNコメンテイター)「PA会合では、2人の選手が取っ組み合いのケンカになり、他選手によって制止されるという一幕があった」

この3つの情報を併せて考えると、やっぱり「その1」のプロンガーの発言がウソ臭いんですけど・・・ま、「オレは関わってないから」という主張であり、確かにそうなのかも知れません。その一方、ローニックは、この謝罪のために、わざわざ10年ぶりにPAの会合に出て来たってとこが、彼らしくもあります。

で、一番気になるのは「その3」の「取っ組み合いになった2人の選手」は誰か? ということでもあったりして・・・ああ、そんなことに興味津々な自分に鬱! 


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# by hockeyworldjapan | 2005-03-06 11:49 | CBA

NHLリーグ全体を買いたい会社

NHL、お前もかっ?! 

・・・などとつい、つぶやきたくなってしまったこのニュース。

日本では、ライブドアvsフジテレビ対決の構図が毎日賑々しく報道されているわけですが、NHLでも先日こんな話がスクープされてました。

NHLリーグ全体を、35億ドル(約3675億円です)で買収を申し出た投資会社が出現したのです。1チームだけではありませんのよ、NHL30チーム全部。

さてそのあらましをこちらで説明しましょう。

NHL、NHLPAが交渉決裂後、初めて各陣営会議が実施された3月1日。NHL代表者会議(つまりオーナー会議ですな)において、ウォールストリートで名を馳せる投資会社ベインキャピタル社が、ボストン地区スポーツコンサルティング会社であるゲームプラン社とともに、NHL全30チームを35億ドルで買収する案を提示していた、とトロントスター紙トロントサン紙の両紙が伝えました。

ただその会議の場では、この両社のプレゼンに対してのオーナーたちの反応は薄く、プレゼンはわずか30分で終了。当初は「まともに取り合うオーナーはいない」との報道でした。しかし一夜明けて、またトロントスター紙が「この2社の買収案、提示額を35億ドルからアップする用意あり」との続報が出て、「可能性ゼロ」という雰囲気から「決してあり得ないとは言い切れない」レベルに真実味を帯びて来た様子です。

そもそもこの2社のうち、最初にこのアイデアを思いついたのは、スポーツコンサルティング会社のゲームプラン社。昨年NHLが発表した「レヴィット報告(注:NHLの要請で、リーグ全体の赤字額、収入に対する支出割合74%・・などという数字を、かつて政府要職にあったレヴィット氏がまとめた報告書です)」に基づき、ゲームプラン社がビジネスモデルを作成し、これをベインキャピタル社に持ち込んだのだとか。そして5ヶ月前には、ベイン側からNHLに対してこの草案が説明されていたらしい。そしてNHLがシーズン全面中止を発表した今、好機とばかりに今回のプレゼンに至ったというのが、裏事情のようです。

ただし、この提案の承認には、NHL全30チームからの賛成票が必要となるため、その実現可能性は限りなくゼロに近いと推測されています。両社はボストンを基盤とする会社だそうですが、この件についてボストン・ブルーインズのジェイミー・ジェイコブズオーナーは「現実的とは思えない。ブルーインズを売る気はない」と早々に断言しています。また、儲かってるチームのオーナーであれば、絶対売る気はないでしょう。フィラデルフィア(エド・スナイダー氏)、デトロイト(マイク・イリッチ氏)といった大市場チームのオーナーも、「あり得ない話」と共に一蹴しています。

デトロイトの場合はちょっと異なるのですが、こうした大市場チームは多くの場合、チームの親会社がケーブルTV局を抱えている、もしくはメディア会社そのものであるというケースです。例えばNYレンジャーズ(ケーブルビジョン)、フィラデルフィア(コムキャスト)、さらに今季からオーナーがチーム専門スポーツチャンネルを開始したコロラド、傘下に「リーフスTV」を抱えるトロントも同類です。よってそのTV局のコンテンツとしてチームは絶対に必要であり、そうした利益構造を手放すはずはないわけです。

ただ、トロントの場合、ちょっと特異な状況になり得るようなので、ここで注釈を加えておきます。まずはトロント・メイプルリーフスのオーナーは誰か? ということに言及すると、それは「オンタリオ州教師年金組合(リーフス親会社株58%を所有)」。そう、あまり知られてないようですが、リーフスの現オーナーは先生たちの組合なのです。で、このベインキャピタル社は、以前にこの教師組合の資産運用として、99年カナダ最大のドラッグストアチェーンを買収した際にも、一役買っていたんだそう。ベインキャピタル社は、投資元を募る際に「カナダ資本ももちろん流入するアテがある」と言明しており、それがこのリーフスのオーナー会社、つまり教師組合なのではないかとの推測もなされているそうです(ただし組合当局者はノーコメント)。ただ、さらに複雑なことに、リーフスというチームは単体で売却できるチームではない。というのは、その親会社は、本拠地エアカナダセンターに加え、NBAラプターズも所有しているから(てゆうか、リーフスという母体に、エアカナダセンター&ラプターズが加わったという形態)。そんな面倒な構造もあり、また、30チーム全部の合意を得られることは不可能だという背景もあって、実現の可能性が薄い今、ここでアレコレ考えるのも時間の無駄という気もします。

正直な話、小市場で経営がうまくいってないチームのオーナーの中には、チームを手放したくて仕方ないという状況もあることでしょう。しかし今のところ小市場チームのコメントとしては、フロリダのオーナーが「売る気なし」、ピッツバーグの経営陣は「ノーコメント」という感じ。さらに売りに出ていたアナハイムでは、新オーナーが一足先にチーム買収を宣言したばかり。再三危ないと言われているフェニックス、ナッシュビルあたりがどう反応するかに興味はあるのですが、新CBAがオーナー有利にまとまれば、今後のチーム財政は健全化する可能性はあるわけですし・・・そう考えるとこの2社による買収の可能性は、やはりゼロに近いでしょうか。

ところで、提示額の35億ドル(当初は30億ドル、33億ドルという報道も)は、ロックアウト前のフォーブス誌推定NHL30チーム市場価値合計額(49億ドル)を大きく下回ります(ただしフォーブス誌の数字には、アリーナの資産価値も含まれる場合があるとか)。これは、ロックアウトの影響でNHLのブランドイメージが低下し、投資会社としては「今が買い頃?」と食指を動かしてもおかしくないという時代の現れと考えられる。むろん「今が底値」という意味なら、今後は上昇しかないわけなので、声をかけてもらったことは、ありがたい話でもあるのだけど・・・

ところでこのベインキャピタル社ですが、前マサチューセッツ州知事ミット・ロムニー氏によって84年創業、現在は仏銀行ソシエテジェネラルの一部門となっています。過去にバーガーキングなどの会社を買収し、経営体質を改善して利益を上げた後に会社を転売、もしくは株式公開することで実績を挙げて来たそうです。で、今回もそれまでの事業同様、ベインキャピタル社単独の資本だけでなく、他の同様な投資会社、もしくは投資銀行からの資本流入が予測されています。ちなみにベインの幹部にNBAボストン・セルティックスの共同オーナーがいるそうです。

ちなみに、プロスポーツリーグが、ひとつの資産に集約されているケースは、WNBA、メジャーリーグサッカー(MLS)などの先例ありで、各選手たちは個々のチームではなくリーグとの契約を交わしています。また大義では、NASCARも、一元化されたオーナーシップによって経営されているスポーツのひとつになるとか。もちろん北米メジャーリーグでこうした形態を有するリーグは存在していません。

こうしたリーグ形態になれば、各チーム間経済格差は一気に解消されるし、CBAによる各チーム年俸管理の必要性もなくなります。ただし提案内容によると、ドラフト、ボーナスシステムなどは依然残るとのこと。また地方TV放送などの放映権料もテリトリーとは関係なしに、全収入を等分分配するんだそうです。

現在年間収入(21億ドル)のうち75%(他のメジャースポーツは50〜68%)を選手年俸支出にとられているNHLではありますが、この支出カットにリーグが勤しめば、リーグ全体としては大きな利益が得られる。そこがこの2社の目のつけどころであることはいうまでもありません。

まあ、支出はこれで管理できることは間違いないですが、それで収入アップに繋がるのか? というのが、NHLの場合いささか疑問でもあります。

それに何で今時この話をオーナー会議ですんの? という問題もある。当然、NHLベットマンコミッショナー承認のもと、この2社はプレゼンを実施しているわけで・・・「お前らオーナーたちの経営はなってない。ここは思い切ってチームを売り払い、あとはプロの手に任せてみませんか?」なんてプレゼンを目の前に突きつけられてるようで、どのオーナーもいい気はしないと思うんだけど。ま、そもそも投資&転売が目的だったオーナー(元カナックスの某オーナーとかね)であれば、「いい値をつけてもらえるなら、とりあえず話は聞く」という態度を見せたのかも知れませんが。

いずれにしても繰り返しになりますが、可能性の薄い話なので、あーだこーだここで議論するのは、時間の無駄だとは分かってます。が、放置しておくわけにもいかずってことで、長文書いちゃいました。ま、日本のマスコミを賑わす例の問題と共通点がなきにしもあらずですしね・・・

どーでもいいけど、ここは本来ホッケーを語る場所。いい加減、経営&経済系の話題以外を取り上げたいなっと。

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# by hockeyworldjapan | 2005-03-05 13:19 | NHL overall

ダックス買収に思う

断片的ではあるけど、バブルから清浄化の兆しではあります。

93年にエクスパンションチームとして、NHLに加盟したアナハイム・マイティダックスが、ウォルト・ディズニー社から地元億万長者の手に売却されました。買収金額は、ダックスとそのファームチーム、練習リンク、チーム名「マイティダックス」によるグッズ販売権を加え、計7500万ドルと報じられています。

新オーナーとなるのは、オレンジ郡在住の億万長者、ヘンリー&スーザン・サムエリ夫妻。サムエリ氏は半導体関連会社で同地区アーバインを基盤とする「ブロードコム(昨年年商24億ドル)」の創業者のひとりであると同時に、2003年12月よりダックスの本拠地であるアローヘッドポンドの運営会社も所有しており、今後はNBAチームの招聘も目論んでいるとか。さらに地元オレンジ郡では、過去5年間で1億6000万ドルもの寄付実績があるという大物だそうです。買収価格7500万ドルの大部分はキャッシュでの支払い、さらにチーム負債の一部も負担するとのことですが、一時はディズニー社がダックス売却価格を1億5000万ドルに付けていたことから考えれば、お値打ち価格(なんて、ほざいてみたいですわ、全く)だった模様。2003年スタンレーカップ決勝のホームゲームは、全試合を観戦した経験で「感動した!」という夫妻は、同じくダックス買収に名乗りを挙げていたハワード・ボールドウイン氏(元NHLハートフォード、ピッツバーグのオーナー)の提示額を上回り、新オーナーの座についたのです。

一方、これまでダックスを所有していたディズニーですが、93年にダックスを創設し、96年には同アナハイム地区にMLBチームのアナハイム・エンジェルズを買収。しかしエンジェルズは2年前に既に手放しており、ダックスについても、ディズニー本体の株価低落を防ぐ手段として、過去6年間チーム売却の方針を打ち出していました。

そう考えると、ディズニーとしては、両チームを抱えるメリットを十分享受できずに手放したように思われるのですが、実は全くそうではない。アナハイムにおけるテーマパークの拡大(ディズニーランドの隣に新たにディズニーリゾートを建設)を控えたディズニーとしては、両チームのオーナーたることで、アナハイム市との関係を強めたかったという背景があったのです。

さらに忘れてならないのは(ホリエモンが先日TVでも言ってましたが)、ディズニーがABC、ESPNを傘下に保有するという背景。その恩恵により、かつてNHLは市場最高の米ネットワーク放映権料(5年6億ドル)を結ぶことにも成功していたのですが、ディズニー側としては新チャンネル「ESPNウエスト」立ち上げ後のコンテンツとして、エンジェルズ&ダックスに大きな期待を寄せていたという裏事情もあったのです。
しかし1998年、この新チャンネル立ち上げ計画は頓挫し、ディズニーがこの双子の赤字(=エンジェルズ&ダックス。ダックスはちなみに昨季は3100万ドルの赤字)を抱える正当性が消滅したのだとか。

そして翌99年、ディズニーは、エンジェルス、ダックスの両チームをついに売りに出したのです。当時、実際にサムエリ氏率いるブロードコムにも買収話を持ちかけていたそうです。当初ブロードコムは、ディズニーに双方向放送(TV放送中にチケットやグッズを買える)放映権の話を持ちかけたそうですが、ディズニー側から「チーム買収はどうか」と逆提示されたのだとか。また2002年、売却話がうまくいかないディズニーは、いま日本でも世間を賑わせているリーマンブラザーズに協力を仰ぎ、いずれかのチーム単体でも売却を進める態度を表明しました。そして2003年エンジェルズ売却(買収価格1億8350万ドル)に至っていたのでした。

ディズニーがNHLにもたらしたもの。それは「飛べないアヒル」シリーズの映画だけではなかったはず。ダックス1年目などは、スコアボードにピーターパンやティンカーベルが飛び回り、そりゃ「魔法の国」的アプローチを全面に押し出していたのです。そしてスタンド通路には、パレード時のダンサーよろしく笑顔を絶やさないチアリーダーたちが待機していた。私個人としては「ま、こういうのもアリかな?」という割り切ることによって、好感も嫌悪感も抱かず至ってニュートラルに受け止めていたのです。当時はリーグ拡大によって新しいものが「雨後のタケノコ」状態だったので、特に大きな衝撃も感じませんでした。ただカナダ純粋培養で年季の入ったホッケーファンにとっては、この雰囲気は違和感大ありだったに違いないと察します。(もちろん「アリーナ内へのサイン持ち込み禁止」だけには、猛反発した私ではありました。それではもはや「魔法の国」ではなく「独裁者の国」ですわ)

ただ、その目新しさという魔法によって、ディズニーランド帰りのカナダ人一家などが面白がって見に行っているうちはまだよかった。最初5年間はソールドアウトが続き、マーチャンダイズ販売でもリーグ上位をキープしていたダックスは、NHLの賓客的位置付けを誇っていた。しかし一種の秘境的楽しさが失せた後、このかつて優良フランチャイズは、空席だらけの赤字チームに転落しまったのです。

LAタイムスの古参記者、ヘリーン・エリオットは「レーザーショウにチアリーダーという試合でのショウアップ方法は、カナダのチームでも取り入られ始めた。それにアイズナー氏が当初提唱していた『PS戦の導入』に至っては、当時こそ酷評されたが、現在NHLでは導入へと動いているではないか」と指摘しています。結局カナダのホッケー伝統主義者たちの反駁に勝てず、時代の先を行き過ぎてしまったのが、ディズニーの敗因だったのかも知れないと。「ビジネスでなく、純粋にホッケーをより面白いスポーツに進化させたい」という凌雲の志が果たしてアイズナー氏にあるのか? あるいは、PS戦導入を叫ぶ前にアイズナー氏はホッケーを知り尽くしているのか? という部分が、おそらくホッケー伝統主義者たちには引っ掛かっていたんでしょうね。

話はサムエリ氏の買収に戻りますが、個人的にはいい話だと思います。ロックアウトの恩恵でチーム買値が下がったのも、新オーナーにとっては朗報だったし、なによりアナハイムからチーム移転の危険性が当面は消えたわけですから。

それに桁外れではあるものの、大会社が手を引き、ホッケーというスポーツと恋に落ちた個人オーナーがチームを買うという現象。これも時代の輪廻でしょうか。10年間バブルに踊らされた後、徐々にNHLは平静を取り戻しつつあるのかな? と考えさせられるニュースのひとつでした。


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# by hockeyworldjapan | 2005-02-28 13:19 | NHL overall

シラケムード濃厚。でも真相は闇の中

恥の上塗りってこのことかな〜と思います。

何かといえば、2月19日の会議決裂後のNHL、NHLPAの親玉同士の応酬であります。罪のなすり付け合い以外の何でもない。どのメディアもかなり呆れたんでしょう。グレツキーの談話を最後に、この会議詳細については続報が出て来てません。

ベットマンNHLコミッショナーは、NYのラジオ局とのインタビューに応じ、2月19日の会議では、NHLPAに「一杯食わされた」と批判。PA側が妥結に至ると見せかけて結局交渉は決裂し、NHL関係者全員に恥をかかせたというのがその趣旨であります。PAの親分グッドナウ氏も当然反撃声明は出してますけど、もはや子供のケンカレベル。なのでここでは触れません。ご興味のある方のみ、元記事をご参照ください。

そして、その会議の参加者のひとりであるグレツキーは、アメリカのメディア(NYポスト:なぜか元記事リンク切れ、NYのラジオ局、フェニックス地元紙)にコメントを残しています(カナダのメディアは後追い記事のみ。グレツキーの場合、NYレンジャーズ行きトレードのニュースも、引退決意の時も同様に、アメリカ報道主導でした)。

「19日の会議にはPAから声がかかったんだ」というグレツキー発言では、ベットマンNHLコミッショナー同様、PAの策略を示唆してると注目されたようですが、それ以外にもこうも語っています。
「会議中、マリオと僕はリーグを代表して交渉する権限は持ってなかった」
「マリオと僕は、自分たちの役割が、妥結に至るための数字を選手側から出させるよう、協力することだと信じていた」
「会議が開始し、僕はトレバー(リンデン)とビンセント(ダンフース)を連れ出し、両陣営の差をどう埋めたらいいのかと彼らの意見を求めた。すると2人は調停、ルーキーキャップ、交渉権保有オファー(Qualifying offer)について決まるまでは、サラリーキャップの数字は議論できないと言ったんだ」
「率直に言って自分は関与したくなかった」

結局彼もわざわざNYに出かけたのに合意に至れず、プライドを著しく損なわれたフラストレーションを吐き出したのに終始しています。気持ちは分かるんですけどね・・・

カナダのメディアはこの一連の報道には、かなりシカトを決め込んでる。反グレツキー派で知られるカナダ全国紙のグローブ&メイル紙のデビッド・ショルツ記者(カナダ=グレツキー礼賛とは限らない。グローブ&メイル紙とグレツキーとの遺恨は結構深い。コヨーテズの赤字問題を暴いたのもこのショルツ記者)が食いついて、続報記事でも書くかな? とほのかに期待していたのですが、それすら出て来ない。

実際カナダではすでに、グレツキー関連では、「これで世界選手権@オーストリアに、グレツキーがカナダ代表GMとして行けるじゃないか」という話題に切り替えてます。みんなもう「付き合いきれない」とでも考えてるのでしょうか?

ちなみに2月19日の一連の報道混乱については、THNが謝罪記事を載せています。謝罪する姿勢は買いたいのだけど、これを読んでも真相は闇の中ということに変わりはない。

3月1日にNHLはオーナー代表会議、PAもトロントで選手に対する説明会が開催予定。その翌日には代理人たちに対して、PA側からの状況説明が実施されるとか。19日の結末に納得が行かないであろう選手たちも、月曜夜にトロントで夕食会を実施し、翌日のPA会議に備えるんだそうです。19日会議の謎がこの期間に追及されることは間違いなさそう。それまで真相は闇の中というわけです。とはいえ、何らかの箝口令も敷かれることでしょうから、全貌が暴かれることはなさそうですが。

そんなことしてるうちに、ゲイロード、ナッシュビルアリーナの名称権から撤退というニュースが入ってきました。20年800万ドルの名称権契約を保有していたゲイロードエンターテイメント社でしたが、アリーナ名称権から撤退するとともに、プレデターズの保有株式も同時に手放すんだとか。プレデターズは、向こう5年間違約金をゲイロード社から受け取ることで妥結しているようですが、今後新スポンサーを探すことは困難の極みという市場状況だそうです。

アメリカでは、「ミラクルオンアイス25周年」で今頃盛り上がっていたはずなのですが・・・非常に皮肉な顛末としか言いようがありません。
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# by hockeyworldjapan | 2005-02-24 08:18 | CBA

大市場vs小市場

大市場vs小市場。永遠なる課題でありますなあ。

グレ様&マリオも参加した2月19日のNHL労使交渉会議。この2人が、その会議に至るまでに水面下で糸を引いていたという噂は、どうやら事実らしい。

2人の所有するチームは、共にアメリカの小市場チーム。例えば、マリオの所有するピッツバーグ・ペンギンズの社長ケン・ソーヤーは「(NHL提案の)4250万ドルというサラリーキャップを持ってしても、最初の数年ウチは苦しい財政となるだろう。長期的には改善されるとは思うが」とコメントしている。ただ、オーナーのマリオ自身は「ベットマンコミッショナーを信頼している」という姿勢を表向きには打ち出していた。一方、グレツキーが一部所有するフェニックス・コヨーテズは、シーズンチケット保有数たった2000という報道もあるほど、郊外の新アリーナに移転して以来観客動員で不振を極めるチームである。低め天井のサラリーキャップを欲する一方で、このままホッケーの存在が希薄化すると真面目にチーム存続だけでなく、アリーナを中心に開発した都市計画全体まで共倒れだ。そんな深刻な事情をコヨーテズは抱えている。

そんな事情も手伝ってか、グレ様はマリオとともに、同類の小市場チームを妥結に取り込むロビー活動に勤しんでいたと言われている。つまり2つのチームのオーナーが会議に参加した背景は、多くのメディアが書きこぞったような「この2人のオーラで奇跡を起こせ!」というハリウッド的趣旨のものだけはなかったのだ。(グレツキーは、公には自分のそうした役回りについて語りたがらなかったそうだが)

その一方で、2月19日の会合実施をNHLベットマンコミッショナーにせっついたのは、NYレンジャーズ、デトロイト、フィラデルフィア、トロントといった、一連の大市場チームのオーナー陣だった。これらのチームは、シーズンを開催すれば儲かるのだから、開幕したいというのは至極当然である。小市場と大市場の統一見解の下、妥結に向けて動き出したNHLだったが、そこで猛反発したのが、フロリダ、ナッシュビル、エドモントンといった小市場強硬派。実際にナッシュビルのオーナー、クレイグ・リオポルド氏は、NHLの最終提案で収入と選手年俸のリンクが除外されたことに激しく反発していた。実際にNHLは19日会合ではサラリーキャップの最低額提示を取り下げていたし、それがこうした小市場強硬派からの反発に対応したものであることは容易に察することができる。つまり、グレ様&マリオのロビー活動むなしく、こういうチームを説得しきれなかったわけである。

オーナー側も選手側も、二極化がこれだけ進んでいる今、ひとつのシステムでは誰も満足しない。私としては、これ以上この二極化を助長するシステムだけは次期CBAには盛り込んで欲しくないと思ってはいた。金持ちチームのゴリ押しによって前回CBAが妥結した背景もあって、今回は数の上でも優勢な小市場チーム寄りの考えを持っていた私ではあるが、小市場チームの要求を聞き続けているだけで、リーグ全体の経営は果たして改善するのか? という疑問も正直ある。

そういうチームを救うには、収入分配策、支出抑制策は確かに必要だ。ただそうした待遇を全てモラトリアム的に与えていいものだろうか? 誤解しないで欲しい。ほぼ恒久的に援助すべき部分があるのは事実である。たとえば市場のサイズはどう転んでも小市場チームにとっては克服できない障害である(その根底には、その市場にチームを与えたのは誰か? という問題がある。ただチーム営業権を与えた限り、その張本人、つまりNHLが責任をとるべきである。またそのチームを、オーナー会議で承認した他チームも同罪)。なので、市場サイズに見合った収入分配はあくまで必要だという私の考えは変わらない。

ただしそんな背景はあるとしても、頑張れば改善できる部分(たとえばシーズンチケット販売数)での努力を怠っているチームに対しては、ある程度の猶予期間を与えるのはいいが永久に援助をすべきなのだろうか? と思う。各フランチャイズには異なる歴史があり、各地区のファンの成熟度も当然違う。ただ、チーム設立から数年が経過しても一向に経営が改善しないチームに対しては、鞭打つ制度も必要である。

例えばNHLは19日提案でチーム年俸最低額を取り下げた。おそらくこれは、収入と選手年俸のリンクを取り下げたことへの対応措置ではあると思うが、個人的にこの最低額取り下げには猛反発したい。いくら経営状態が悪いからといって、チーム年俸が他チームの数分の1で、いつまでたっても1軍半のようなロースターなんて、ファンがそっぽ向いて至極当然だからだ。こういう制度には、もし実施するにしても期限付にしないと、そのチームはこの制度に甘え続ける。そしてそのロースターはよぼどのビジネス才覚のあるGMに恵まれない位限り、永遠に1軍半のままである。

私はどちらかというと、NHLベットマンコミッショナーに対しては、批判的ではあったと思う。ただ彼が実施した過去の政策には、いい内容もなかったわけではない。例えば、カナダのチームに対する援助策がそれだ。カナダドルの価値が極度に落ち込み、スター選手が続々とアメリカのチームに流れてしまう窮状を、ベットマンコミッショナーは「シーズンチケット販売で一定数を達成すれば、NHLから助成金を与える」という制度を打ち出した。もちろん昨今の選手年俸の恐ろしい高騰により、この助成金の価値(せいぜい300万ドル)はないがしろにされてしまった感はあるし、「ベットマンコミッショナーのカナダのチームに対するゴマスリ」と揶揄されたこともあった。だが、それでもこの制度は、フランチャイズに関わる人間やファンの意識を新たにしたと思っている。

選手とオーナー間だけでなく、オーナーだけをとっても様々な類のエゴが渦巻いている。これを統一するのは容易な作業ではない。だが、少しばかりの創造力でクリアできる問題もあるとも思うのだが。

NHLは、3月1日にオーナーを招集して会議を実施予定だそうです。その会議でどうオーナーが団結、もしくは分裂するかが見物ではあります。(PA側も同様ですが)

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# by hockeyworldjapan | 2005-02-22 08:27 | CBA

一転、二転、三転・・・結局再開なし(見込み)

真面目にメディアの報道を追ってる人は、かなり翻弄された週末ではなかったでしょうか? かのTSNコメンテイター、ボブ・マッケンジー氏すら「ここ数日の展開は、全く奇妙で読めない」とお嘆きになっているので、管理人レベルの人間がオタオタするのは当たり前・・・という気もします。

メディアが拾った「4500万ドルのサラリーキャップで妥結」という報道(THNがそもそもの発端)は、どうもPAもしくは代理人からの情報だったらしく、それ以外にも「非常に信頼できる筋からの情報で、妥結は間違いないとのこと」などというやけに楽観的な二次、三次報道まで出た。つまりPA側の認識が甘かったということなんでしょう。これで期待を高めたあげく、いまとなっては谷底に落とされた気分のファンも多いのではないでしょうか?(え、管理人? ここ数週間でこの手の展開はもう慣れっこ。痛点麻痺状態かも)

で、過去数日間の展開をざっとおさらいしてみます。

2月16日:NHLベットマンコミッショナーがNYのホテル@ウエスティンタイムススクエアにて、「今季全面中止」会見実施。
2月17日:NHLPA会長リンデン、マイク・ガートナー(元NHL選手、現在PAシニアディレクター)が、ベットマンコミッショナーと密会。ウエイン・グレツキー、マリオ・ルミューが電話会談。グレツキー曰く「交渉再開についてなどマリオと突っ込んだ話はしていない」らしいが、この2人が再開に向けてプレッシャーをかけたという説もあり。同日深夜、NHL側がPA側に対しNYでの会合を呼びかけ。
2月18日:PA側がNHLの呼びかけに応じる。
2月19日:NHL、NHLPA両陣営が会談実施。いつもの会合メンバーに加え、グレツキー、ルミューの2人も参加。NYで数回の休憩含め6時間半を費やしたが、決裂。会合では両陣営から新たな提案はなく、NHLの前回最終提示が詳細に渡って説明されたが、その内容にPAは「詳細を見たら、思ってた内容よりも悪いってことに気づいた(byヴィニー・ダンフース)」と、眉をひそめたらしい。次回会合の予定はなしで、両陣営とも「中止決定を覆すことはできない」と諦めコメント。

・・・というわけで、今季全面中止決定はそのままイキってことです。
これでこの決定が取り消しにでもなっていたら、ベットマンコミッショナーのメンツ丸潰れになるところでしたしね。さすがにリーグとしてもそうはさせなかったという部分があったかも知れません。

とはいえ、コミッショナーの公式「シーズン中止会見」まで実施したあげく、また交渉蒸し返しに至っただけでも、十分舞台裏でのすったもんだが想像できます。ここではその経緯について、説明することとしましょう。


背景その1:
「せっかく650万ドルまで差を詰めたんだから」という気持ちが、双方から持ち上がってきた。あるいは数チームのオーナーたちが、一部の選手や代理人と直接交渉を始めたために、NHL側がたまりかねて会談を予定したという噂も。
2月19日交渉前には「PA側としてはキャップ4500万ドルあたりの妥結を望んでいる模様」という報道があり、ベットマンコミッショナーも「4500万ドルなら妥結する用意があったのでは」、との憶測があった。しかし両陣営からはいずれもそうした妥協案は提示されなかった模様。

会談前には、「キャップ4600万ドルの提案(4200万ドル以上100%贅沢税、もしくは4000万ドル以上は40%という説も)で妥結寸前」という噂も。しかし結局PA側からそうした提案はなされなかったことを考えると、これはPA側の分裂を意味するのか、もしくは妥結に至らしめようとするメディアの誘導報道だったのか、などと深読みしてしまう。

実際、PA側の分裂を匂わす動きはここ数日間でも報じられている。PAグッドナウ代表に対し「なんで4500万ドル程度の最終提示をしなかったのか?」との圧力が選手側から出たという噂だ。PA側がサラリーキャップを受け入れたのも、ローニック、イギンラ、エシュ、プロンガーといった面々が「サラリーキャップを受け入れる」とオーナー側に直訴し、グッドナウ代表に圧力をかけたのではとの報道がなされたが、これをエシュ、プロンガーは否定している。

背景その2:NHL、ESPNに最後通牒突きつけられる
NHL今季全面中止の発表を受け、来季ESPNはNHLを全く放映しない可能性も示唆している。すでに今季は40試合まで放映試合数を縮少していたところにこのロックアウト。ESPNとNHLとの契約は今季1年限りで、来季はESPNのオプションとなっている。ESPNとしては、今季NHLが抜けた分はカレッジバスケで十分補えたという考えがあるらしく、その最終決定期限は4月15日。これまでに労使交渉が妥結していないと、ESPNが真面目にNHLを見放す可能性も高まる。最近NHL放送に関してやる気のなさが見え隠れしているESPNではあるが、NHLとともに過去80年代から持ちつ持たれつの成長と遂げて来たのは確かでもある(1度放映権が他チャンネルに移ったこともありましたが)。ペイチャンネルとはいえ、普及率と知名度が高いESPNから放棄されたら一大事・・・という状況もあって、慌てて交渉の席に付いたのでは? という説もあり。

・・・という状況であります。


で、察するにグレ様&マリオは、会談中「壁の花」状態だったような・・・。

そうかと思うと「まだ近いうちに妥結の可能性はある」とおっしゃる事情通もいたりする。こうした駆け込み交渉に有益な内容が見いだせるのか? という疑問は当然ある。去り逝くシーズンに無理矢理蘇生術を施して生き返らせる必要はもうない。ただし、焼けぼっくいに火がついてるうちに、交渉を進めておけという意見は、分からないでもない。

いずれにしても、管理人の内面の平静は、しばらく訪れそうにもありません。

シカゴ・トリビューンの記事を読む
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# by hockeyworldjapan | 2005-02-20 19:23 | CBA

今季全面中止発表、そして交渉はまた逆戻り?

結局交渉は決裂、NHLは今季全面中止を発表しました。

HWJ掲示板でお伝えした通り、この前日2月15日の会合では、双方がさらなる歩み寄りの姿勢を見せてはいたのです。NHL最終提案の「4250万ドル(福利厚生費を含めると4470万ドル)のサラリーキャップ」という内容に対し、NHLPAが「4900万ドルのサラリーキャップ」と逆提示。両陣営の差は、この前日の1200万ドルから650万ドルへと縮まっていました。

それゆえに、にわかに妥結への期待が高まってはいたのですがが、15日深夜になってもこの650万ドルの溝は埋まらず。ついにNHLは各30チームに対し「今季全面中止」の書簡を送付し、16日のNHLベットマンコミッショナーの「今季全面中止」記者会見に至ったわけです。

多くのホッケーファンを落胆させたであろうこのニュースですが、さらにそのショックに追い打ちをかけるようなのが今後の展望です。

NHLベットマンコミッショナーは、今後も交渉は継続していく姿勢を見せてはいるものの、交渉が決裂した今後のスタンスとして「これまでの交渉内容とはまったく異なる経済モデルを想定する。リーグ収入と選手年俸はリンクさせる」「これまでの議論で提示した内容は取り下げる」と、いったんは軟化した姿勢を再び強硬化するニュアンスを匂わせています。つまり、650万ドルと縮まったはずの両陣営の差ですが、それはあくまで今季開催という条件下の話で、来季開催に向けての交渉は新たに仕切り直しをするというわけです。

なので、今後の交渉再開、そして再開後に両陣営が妥結に至るタイミングについては、再び見通しがつかなくなったと言っていいでしょう。

なお、2月15日にPAが提示した最終提案内容は以下の通りです。

*契約期間:6年間
*サラリーキャップ:4900万ドル、しかし協定期間6年のうち2回その10%増(5390万ドル)までオーバー、逆に2回2500万ドルの最低限度まで、選手年俸を控えることができる。
*NHL選手最低年俸:30万ドルとする
*贅沢税:
4000〜4300万ドル:25%
4300〜4600万ドル:50%
4600〜4900万ドル:75%
4900〜5390万ドル:150%
*リーグ収入と選手年俸のリンク:2006−07年以降のキャップ額、贅沢税の指標、税率は、2005−06年の数字を最低ラインとして維持し、収入アップの際にはその上昇率を持って補正する。
*シーズン開幕となった場合:2005年プレーオフ収入の55%を選手側に拠出する

これで、交渉内容がまた振り出しってことになったら、かなり長引くことも予想されます。で、長引いたら今度は交渉内容だけでなく、法的介入とか代理選手とか、さらにややこしい問題が出てきます。

TSNのニュースクリップで、トロントサン紙のスティーブ・シモンズ記者が言っていたのですが、「今季終了後にNHL選手のうち65%が契約切れになる」とのこと。つまり、現在はNHL選手でPAの会員であったとしても、NHLが来季代理選手を導入しようとすれば、そうした契約切れの選手を引き寄せることは理論的に可能である。そして最終的に、PAの結束を崩す決定打になり得るというわけです。

その気になる代理選手導入について、TSNのインタビュー内でベットマンコミッショナーは「今後のことは向こう2週間をかけて、オーナー会議を実施して今後のあらゆるオプションについて議論していく。代理選手のことはまだ考えていない。PAとの合意に注力したい」と、語ってはいたのですけどね。本音の部分はどうなのか、知りたくはあります。

で、NHLネタで地味に続けていたこのブログですが、そっちの将来も危ぶまれるような・・・これまではNHL労使交渉の延命措置により長らえてはいたのですが、これからどうなってしまうのか? 

不安は尽きませんが、なんとか姑息に生き延びようとは思っておりますので、今後ともよろしくお付き合い下さい。

NHL今季全面中止に関する原文を読む
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# by hockeyworldjapan | 2005-02-17 09:20 | CBA