シーズン開幕したNHLですが、やはり日本でTV放送がないというのは、寂しい限りですね。
ネットラジオを聴いてても、ルール改正の恩恵で今季はリードしても「安全圏」というのがないので、すぐ試合がひっくり返るエキサイティングさがあります。ただ、そういう内容を実際に目にしないと、それについてここで書くのもなんだかな〜というのが私の本音ではありました。だからNHLについては、正直いろんなニュースを目にしながらも筆は重かった。 そういうことで、TV放送が始まるまでか、もしくは私本人が現地に赴いて実際の試合を目にするまでは、実際のプレーまで突っ込んだ内容ではなく、小ネタ繋ぎになるとは思いますが、よろしくお付き合い下さい。 で、今季目についた事象として、NHLのチームキャプテンの動きでもまず紹介しておこうと思います。新キャプテンがかなり多いですし、その他のキャプテンについてもちょっとしたトリビア系情報をお伝えするにはいい機会かなと思いまして・・・ 結構長文なので、2回に分けての掲載です。 アナハイム:スコット・ニーダーマイヤー。8月3日FAでマイティダックスと4年2700万ドル契約で移籍後、10月3日にキャプテン就任。弟のロブ、フェドロフがAを着ける。ニーダーマイヤーは2003−04年シーズンもニュージャージーで、キャプテンのスコット・スティーヴンスがシーズン後半脳震盪のため欠場中に、Cマークを着けていた。古巣ニュージャージーからは5年契約、しかも現労使協定枠内最高額の年俸780万ドルと提示されていたが「弟ロブと一緒にプレーしたい」との理由で、デビルズよりも低い提示内容だったダックスを選んだ。弟ロブは4年800万ドル契約に今夏合意済。 マイティダックスは2002−03年まではポール・カリヤ、2003−04年はスティーヴ・ルーチンと、キャプテンマークを着けた選手が移籍するという一時のモントリオール・カナディアンズ状態になっていたが、ニーダーマイヤーは4年契約で今後は安泰そう。 アトランタ:スコット・メランビー。9月28日にキャプテン就任(スラッシャーズ創設6シーズンめで5人めのキャプテン)。ピーター・ボンドラ、ボビー・ホリク、スラヴァ・コズロフの3人が、Aマークをローテーションで着ける。2003−04年はショーン・マケクランがキャプテンを務めていたが、マケクランはボストンに移籍していた。メランビーがC若しくはAマークを着けるのは、これが12シーズン連続。 ボストン:ジョー・ソーントン。8月12日に3年2000万ドル契約合意(ノートレード条項含む)。現在背中を痛めて欠場中だが、重症ではなさそう。 2002年10月8日、ブルーインズの17代キャプテンに就任。シーズン開幕直前にチーム練習施設の外に当時のヘッドコーチ、ロビー・フトレクに呼び出され、10分ほど他愛ののない話のあとで、キャプテンに指名されて驚いたとか。そして感激して早速両親に電話したらしい。レイ・ボークという偉大なキャプテンの後で就任したジェイソン・アリソン(現トロント)は、ブルーインズのキャプテンという仕事の重圧に対応できなかったと言われており、フトレクコーチはソーントン指名までかなり時間をかけた。そしてソーントンが近年スコアラー&リーダーとして台頭し、不振に悩む選手にまでケアできる性格であることも考慮に入れ、キャプテン指名に至った。 バッファロー:9月15日ダニエル・ブリエール、クリス・ドゥルーリーの2人で務めることが発表された。2003−04年セイバーズは「ミネソタ方式」で、ミロスラフ・シャタン、ドゥルーリー、ジェイムズ・パトリック、JPドゥモン、ブリエールの5人で、Cマークを月毎ローテーションし、ドゥルーリーは2003年11月と2004年3月、4月に、ブリエールは2004年2月にキャプテンを務めた経験あり。この2人は試合毎にC若しくはAマークを交互に着ける。 カルガリー:ジャローム・イギンラ。8月3日3年2100万ドル契約に合意。2003−04年シーズン年俸(750万ドル)からはわずかに減俸となっている。 イギンラは、2003年黒人選手として初のNHLでのチームキャプテンに就任。フレイムズのキャプテンとしてはチーム史上18代めで、現在フレイムズ在籍期間もチーム最長となっている。それまで「C」マークを着けていたコンロイが、イギンラにこれを譲る決断を下し、GM兼任コーチのサターもこれを容認したもの。 カロライナ:ロド・ブリンダモア。8月25日にキャプテン就任。Aマークはグレン・ウエスリー、ケビン・アダムス、コーリー・スティルマンが着ける。ブリンダモアはチーム内最高年俸選手であり、2000年1月にカロライナ移籍以来ずっとAマークを着けており、かねてからリーダーシップとトレーニング好きには定評のあるベテラン。フィラデルフィア在籍時代にも、エリック・リンドロスが故障欠場時にCマークを着けたことも。ハリケーンズのキャプテンの座は、2004年3月にロン・フランシスが移籍後は空席となっていた。 シカゴ:エイドリアン・オコイン。8月2日FAでブラックホークスに移籍(4年1600万ドル)、10月4日キャプテン就任。チームメートの投票後、ヘッドコーチのトレント・ヨーニーの承認を経て就任となった。カイル・コルダー、マルタン・ラポイントがAマークを着ける。 オコインはNYアイランダーズ時代もAマークを着けていた。ブラックホークスでは2004年2月に、アレクセイ・ジャムノフ(「静かなるキャプテン」だったが、リーダーシップ欠如が指摘されていた)が移籍以来、キャプテンが空席となっていた。 ニーダーマイヤーといい、このオコインといい、移籍直後のオフェンス力のあるDFがキャプテンに就任とは、今季のNHLの傾向を象徴しているのかも。 コロラド:ジョー・サキック。チームがまだコロラド移転前のケベック時代(1992−93年)からのキャプテンで、当時のノルディックスにはマッツ・サンディン(現トロントキャプテン)、オーウェン・ノーラン(元サンノゼキャプテン)も在籍していた。ケベックでのルーキー時代には、背番号88を着けていたことも。ソン後ケベックは91年ドラフトでエリック・リンドロスを全体1位で指名。しかしリンドロスが、当時万年「ドアマット」状態のケベックで88番を着けることは一切なく、1試合もプレーしないままトレードでフィラデルフィアに移籍したのは周知の通り。 サキックの同一チームでの在籍期間(1988〜)は、現役選手ではスティーブ・アイザーマン(デトロイト)に次ぐ長さ。 コロンバス:ルーク・リチャードソン。2003年9月11日にキャプテン就任。36歳でかなりスローダウンしているため、2005年夏はバイアウト候補にも名前が挙がっていたが、なんとかチームに残留。今季ブルージャケッツにはアダム・フットが移籍したため、フットがキャプテンに就任するのではという憶測もあったが、ジェラード・ギャラントコーチはリチャードソンの顔を立てた。Aマークは、リック・ナッシュ、フット、デヴィッド・ヴィボルニーがローテーションで着ける。 ダラス:マイク・モダノ。キャプテン就任1年目の2003−04年は、自己NHLキャリア最悪のシーズンに(14ゴール30アシスト、マイナス21)。 今夏はチームとの契約延長交渉が難航。一時は移籍の可能性もあった。ブレット・ハルのいるフェニックスにボストン、はたまた故郷ミネソタなどが移籍先候補に挙がったが、いずれもモダノほどの選手を抱える資金的余裕がなかったり、他の安い選手と先に契約に至ったりという状況で、モダノ陣営は厳しい現実を思い知らされた。その後、スターズオーナーのトム・ヒックス氏直々にモダノ陣営と接触し、モダノは8月4日5年1725万ドル契約延長に合意。結局ダラスに留まった。 ちなみにモダノの契約を単純割りで年俸に直すと1年350万ドル程度。モダノの市場価格は年俸約500万ドルと言われている。さらにスターズは今季のルール改正を考慮し、モダノよりもズボフにモダノより高い評価(3年1200万ドル)を与えてさっさとサインしていたので、モダノとしては大層面白くなかったはずだが、契約合意後は一応そうしたわだかまりを水に流した格好に。 その後、今季もキャプテンに留まるか否かを、GMダグ・アームストロング、デイヴ・ティペットコーチとミーティングを持ったが、そこでモダノが「今季もキャプテンを続けたい」と意思表示した。モダノもすでに35歳。スターズとの契約が切れる頃には、引退も考えられる。 アイザーマン、マリオ、サキックよろしく、ひとつのチームで骨を埋める数少ない選手となるか?(サキック、モダノはチーム移転のため、実質2チームをまたがっています。念のため) デトロイト:スティーヴ・アイザーマン。今季1年契約で最後のシーズンが囁かれる。今季序盤は太もも付け根故障で欠場していが、10月13日@ロサンゼルス戦で今季初出場。2004年5月1日にはパックを左目付近に当てており、その後NHLはロックアウト突入。一時はそのまま引退も予想されていた。8月2日1年契約(175万ドル)に合意。2006年トリノ五輪カナダ代表入りも、ウエイン・グレツキーからすでに太鼓判を押されている。 エドモントン:ジェイソン・スミス。今季はクリス・プロンガー、マイケル・ぺカと、次々とキャプテン格の選手がオイラーズに移籍したが、いずれの選手もAマークすら着けず。従来通りジェイソン・スミスがキャプテンに収まり、Aマークはライアン・スミス、イーサン・モローと、従来のオイラーズメンバーが着ける。 プロンガーは移籍後、クレイグ・マクタヴィッシュコーチとCマークについての議論をした際に「自分の個性を発揮するのに、CマークやAマークが必要というわけじゃない」と説明したとか。またライアン・スミスは、世界選手権カナダ代表でのキャプテンとしても知られるが、2002年大会でぺカが負傷後にCマークを着けて以来、キャプテンを務めることになったという縁あり。 フロリダ:オリ・ヨキネン。2003年10月7日にキャプテン就任。歴史の浅いパンサーズにおいては、ブライアン・スクルードランド、スコット・メランビー、パヴェル・ブレ、ポール・ロウスに次いで5代めキャプテン。今夏は契約更改が遅れて心配されたが9月11日に合意(1年250万ドル)。ただ1年契約で今季終了後は制約なしFAとなる可能性があるだけに、今後の動向は要注目。ヨキネン本人は「フロリダで今後も長い間プレーしたい」と意思表示しているが、マイク・キーナンGMの心の内は? ヨキネンはキーナンGMとの確執は否定している。今季序盤は太もも付け根故障に悩まされながらも好調を維持。 ロサンゼルス:マティアス・ノーストロム。今季序盤はハムストリング負傷と高熱により欠場していた。2001年10月1日にキングズの12代キャプテンに就任。キングズではロブ・ブレイクがトレードされた後はキャプテン職が空いていた。Aマークは、ルュク・ロバタイユ、アーロン・ミラー、ジェレミー・ローニック、クレイグ・コンロイがローテーションで着ける。 モントリオール:サク・コイヴ。1999−2000年開幕前にカナディアンズのキャプテンに就任。選手たちの投票による選出で、シェーン・コーソンを僅差で破った。1904年チーム創設以来28代めキャプテン。2001年9月5日にガンを宣告され、その後の検査の結果、腹部の非ホジキン型リンパ腫と判明。12日から抗がん剤による治療を開始し、2002年1月15日に化学療法終了。2月7日には寛解宣言し、2002年4月9日地元でのvsオタワ戦で復帰した。 カナディアンズでは、1993−94年以来、ギイ・カルボノ、カーク・マラー、マイク・キーン、ピエール・タージョン、ヴァンサン・ダンフースと、めまぐるしくキャプテンが代わっていたため、「カナディアンズのキャプテンになると移籍することになる」とのジンクスまで一時は出来上がっていたが、現在はコイヴで安泰。 ■
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by hockeyworldjapan
| 2005-10-15 14:28
| NHL overall
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