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後悔先に立たずという言葉はありますが・・・

昨日は、東伏見でプレーオフ・ファーストラウンド第1戦、コクドvs日光アイスバックス戦を取材してまいりました。

試合は緊迫した内容からOTにもつれましたが、ゲームを決したのはユール・クリスのブレイクアウェイからのゴール。時間にしてOT突入後わずか53秒でした。

4オン4でのOTを前に、バックスのアシスタントコーチである若林弘紀氏は、「OTでは最初の1分で勝負が決まることが多いから、気をつけるように」と、チームに注意を促したんだそうです。しかも、その後4オン4の立ち上がりとして、気をつけるべき項目を数点列挙したんだとか。ただし、あの展開からのユールのゴールは想定外だったらしく、列挙した点から漏れていたんだそうです。

実際、OT開始となって最初にSOGを記録したのはバックスの方でした。0−1、1−2の展開から追いついたチームとして流れも持っていました。そこでDF松田がひらりとコクドの守りをかわして相手ゴール前に内側から切り込んでいってのシュート・・・ここまではよかった。

ただ、4オン4やSHという状況の場合、シュートは必ず枠内に入れなければならない。枠を外して跳ね返ったパックを相手に取られ、カウンターを食うというケースを警戒するためです。ここで松田はうまくシュートを枠内に入れたのですが、そのリバウンドが大きく出たところをうまく河村が拾い、ブルーライン近くまで浮いていたユールにフィード。結果、ブレイクアウェイからのゴールとなったわけです。

「4オン4だったので、シュートは緩めに相手GKに当てるように、と言おうかと思ったんですが・・・(若林氏)」

後悔先に立たずというところでしょうか。いや、もちろん負けは負けですが、そこまで緻密なホッケーが可能になってきたバックスを、まずは讃えたいとは思います。課題とされていたスペシャルチームについては、シリーズ前の集中練習が実り、この日は井原から飯村への見事なパスからのPPゴールもありました。プレーオフでは新米のバックスにとっては、1試合1試合が経験。こういう苦い経験を次にどう生かせるか? ということで、次の試合に期待したいです。

コクドについては、ユールのゴールなどは、さすが試合巧者という印象が相変わらずですが、どうも試合を通してイライラが募っている感じでした。ケガ人が戻ってきたのはいいことなのですが、その戻ってきたパーピック、佐藤翔らのアドレナリンがどうも違う方向に行ってしまい、コクドのペナルティボックスは大賑わいに。2ピリ途中では、2−1という緊迫した展開にもかかわらず、このコクドにとって大切な戦力の2人がしばらく出場機会を与えられず、お灸を据えられるというシーンも見受けられました。というわけで、試合には勝利したものの、決していい内容ではなかったコクドだけに、土日の第2、3戦はかなり気合を入れ直してくるものと思われます。

それにしても、目についたのはバックスGK春名の好調ぶり。この日は28セーブ3失点と数字では平凡に見えますが、その内容はかなり神がかってました。唯一首をかしげたくなる失点は、コクド2点目の小原のゴールくらいでしたが(右フェイスオフサークルからのタイミングの早いシュート、春名はファイブホールを抜かれる)、それも逆サイドにいたコクド選手を警戒してのポジション取りの過ちがあったとのこと。つまり、好調なだけに周りがよく見えていて、それが災いとなってシューターに集中が足りなかったんだそうです。(不調のときは、パックキャリアに集中するだけで精一杯なのだとか)。

一連の国際試合でもその春名の好調さから、コクドGK菊地の出番は名古屋での試合のみに限られてしまったほどでした。この試合でも、バックスゴール前ではかなりの混戦となったのですが、実に状況がよく見えている感じ。新横浜でのチャレンジカップから、長野カップと、5日で3試合を難なくこなした春名は、このプレーオフファーストラウンドのハードスケジュール(今度は4日で3試合)も、「全然問題ないです」ときっぱり。コクドとしては、春名をいかに攻略するかがひとつの焦点となるでしょうね。

それにしても、東伏見の入りが少なくって寂しかった〜。(887人です。苫小牧は1241人動員でした)リンク外には屋台も出てましたし、膝掛けや座布団の貸し出しもやってます。首都圏在住のみなさま、土日はお誘いあわせの上、ぜひぜひ東伏見までお出かけくださいませ。
by hockeyworldjapan | 2006-02-17 09:59 | アジアリーグ


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